解体工事における品質管理のポイントとは?工事の流れに沿ってチェック項目を解説

解体工事における品質管理のポイントとは?工事の流れに沿ってチェック項目を解説

家屋や建物の解体工事を依頼する際、できれば品質管理がしっかりしている業者にお願いしたいと考える方が多いのではないでしょうか。同じような作業であっても、品質管理が行き届いている業者とそうではない業者では工事の質に差が出てしまいます。品質管理をしっかりと行っている業者の方が信頼感も高まるでしょう。今回は解体工事と品質管理の関係に焦点を当てて解説を行います。品質管理ができている業者の特徴も紹介するので、どうぞ参考にしてください。

解体工事前の品質管理のポイント

それでは解体工事前の品質管理のポイントについてご紹介します。解体工事の品質管理は工事開始前から始まっています。工事開始前の業者の対応を見てしっかりしていると感じれば、そのまま契約しても問題ありません。

一方で、少しでも不審に感じたり不安に思ったりする点があれば他の業者を検討した方が良いでしょう。そうした判断を行うためのポイントについて確認しましょう。

現地調査の実施

まずは、現地調査を行ってくれるかどうかを確認することが大切です。解体業者に連絡を入れて見積もり提示を行ってもらうためには、現地を確認してもらう必要があります。

建物の状況や道路の状況、周辺環境や重機の使用可否など、実際に現地を確認することで見えてくることは数多くあります。

現地調査を行った上で見積もりを出すのが一般的な流れであり、工事の品質にも期待が持てます。

反対に、現地調査を行わずに電話やメールだけで見積もり金額を提示するようであれば依頼しない方が賢明です。

作業スケジュールの確認

続いてのチェックポイントとして作業スケジュールの確認が挙げられます。見積もりを受ける段階で、どれくらいの期間で解体工事を終える予定なのか教えてもらえます。

いわゆる「工程表」と呼ばれる表を渡してもらえることもあるでしょう。そこで確認したいのが、作業スケジュールに無理がないかです。

素人ではなかなかわかりにくい部分もありますが、1つ1つの作業に関して十分な時間が確保されているのか業者に確認しましょう。

一般的には木造2階建ての住宅で10日から14日程度で工事が終わると言われています。構造や坪数、家屋の形状などによって前後することがあるので、必ず担当者に確認することが大切です。

良質な解体工事を行うためには、しっかりとした作業スケジュールが欠かせません。

近隣挨拶の実施有無

解体工事開始前の品質管理のポイントとしては、近隣挨拶の実施有無も挙げられます。解体工事では騒音や振動の発生、ほこりや粉じんの飛散、道路の利用など、少なからず近隣の方や通行人に対して迷惑をかけることになります。

それは仕方のないことですが、事前に挨拶を行うかどうかは重要なポイントです。品質管理がしっかりしていて誠実な業者であれば、基本的には挨拶回りを欠かさずに行うはずです。

工事の説明やご迷惑をおかけすることも含めて、周囲の方々の理解と協力を得ることが大切だからです。施主としては近隣挨拶を行ってくれるかどうか契約前に確認しておきましょう。

害虫・害獣対策の実施や相談

害虫や害獣対策の実施や相談を受けてくれるかどうかも重要なチェックポイントです。古くなった建物や家屋の内部には、以下のような害虫や害獣が生息している可能性も十分にあります。

  • ダニ
  • ゴキブリ
  • シロアリ
  • ネズミ
  • ハクビシン など

害虫や害獣が潜んでいる場合、建物に損傷や腐敗している箇所が見受けられることも珍しくありません。また、糞尿による悪臭を感じることもあります。

解体工事前に駆除や拡散防止の対策を取らないと、害虫や害獣が周辺に散らばって近隣の方からのクレームにつながることもあります。

品質管理の行き届いている業者であれば、事前調査の段階で害虫駆除が必要かどうか確認してくれます。実際の駆除は専門業者が行うことが多いですが、施主としても事前に相談できる体制が整っているかどうか確認すると良いでしょう。

業者独自のチェックシートの有無

解体工事前の品質管理という点では、業者独自のチェックシートの有無もポイントです。品質管理に力を入れている業者であれば独自のチェックシートを作成して、その内容に沿った上で作業を行うことが多いです。

チェックシートでは大項目や中項目、小項目に分けて確認を行うことが有効であり、例として以下のような項目を挙げることができます。

  • 施工体制一般
  • 人員管理
  • 施工管理
  • 工程管理
  • 安全対策
  • 対外対策 など

それぞれの大項目に対してさらに細かいチェックポイントを記載して、適切な対応ができているかどうかを確認します。

そうした確認を怠らずに行うことで事故やトラブル発生の防止、工事品質の担保を目指すことが重要です。

見積書の明細

契約を結ぶ際に提示される見積書の明細に関しては、1つ1つの費目や数量、単価がきちんと記載されていることが重要です。解体業者の中には「解体工事一式〇〇万円」などと記載した見積書を提示することもありますが、それではどの作業にどれくらいの費用がかかるのかわかりません。

施主としても金額面で納得した形で契約を結びたいと考えるのが自然なことでしょう。工事の品質は見積書のような書類にも表れるので、きちんと明細を確認することが大切です。

賠償保険への加入

解体工事前の品質管理のポイントとして、賠償保険へ加入しているかどうかも確認しておきたいところです。解体工事では何らかの事故やトラブルが発生することも珍しくありません。

通行人や近隣の方に怪我を負わせてしまったり、隣家の外壁を壊してしまったりした場合は、損害賠償請求をされることもあります。

そうしたリスクに備えるために加入するのが賠償保険であり、優良な業者であれば確実に加入しているはずです。どんなに細心の注意を払っていても事故やトラブルをなくすことは難しいものがあります。

そうしたリスクに備えられるかどうかも品質管理を行う上では重要なポイントです。

解体工事中の品質管理のポイント

ここからは解体工事中の品質管理に焦点を当てて、そのポイントについてご紹介します。工事が始まってからも意識するべきポイントは複数あり、その1つ1つを丁寧に行ってもらうことが重要です。

解体業者としても意識するべき部分であり、適切な工事の進捗に向けて欠かせない内容です。具体的な確認ポイントについて確認しましょう。

養生シートの設置の仕方

まずは養生シートの設置の仕方がカギを握ります。解体工事中は騒音や振動の発生、ほこりや粉じんの飛散などによって近隣の方々へご迷惑をおかけすることがあります。そうした事象を少しでも食い止めるために設置するのが養生シートであり、きれいに設置されているかどうか確認することが重要です。

養生シートに穴があいていたり傷がついていたりするようでは心もとないでしょう。ボロボロな状態の養生シートでは効果がありません。

きれいな養生シートの設置によって近隣への配慮が行き届いているかどうかが重要なポイントです。

作業中の散水

品質管理という点では、作業中の散水も重要です。工事中は建物の取り壊しなどによってほこりや粉じんが舞うことも少なくありません。特に乾燥した日の作業では近隣に迷惑をかけるような事態になることもあります。

そうした事態を避けるために行うのが散水であり、現場周辺を適度に湿らせることによってほこりなどの飛散を避けるようにします。

定期的な散水も含めて解体工事であり、きちんと行っている業者は品質管理にも期待できるでしょう。

作業員のマナー

解体工事中には作業員のマナーにも注意を払うことが重要です。近隣の方や通行人は現場で働く作業員を見る機会も多く、視覚的な部分から業者に対する意識が醸成されます。

例えば、以下のような行動をしている業者は工事品質にも期待が持てないでしょう。

  • 他人の私有地への無断での立ち入り
  • 無断で敷地外への工事車両を駐車
  • タバコの吸い殻をポイ捨て
  • 立ち小便をする
  • 路上に寝そべる
  • 近隣の水道を勝手に使う など

一方で、以下のような行動をきちんとできていれば周囲からの評価も高まります。

  • 挨拶を徹底している
  • 身だしなみをきちんとしている
  • ヘルメットを適切に着用している
  • 喫煙マナーを守っている など

解体工事を依頼する作業員たちには、しっかりとマナーを守ってもらうように施主から働きかけることも有効です。

地中埋設物の確認と報告

解体工事中に意識しておきたいポイントとしては、地中埋設物の確認と報告があるかどうかも挙げられます。家屋や建物を取り壊した後に地中を掘り返してみると、井戸や浄化槽、その他の廃棄物などが見つかることがあります。

そうした地中埋設物は適切に除去する必要があり、そのまま埋めておいてはいけません。実際に地中埋設物が見つかった場合には施主に報告をして、追加工事の提案をするのが解体業者の役割です。

追加費用が発生することになりますが、作業中の確認と報告を逐一行う業者は信頼感が高まります。

1日の終わりの清掃

1日の作業を終えるとごみや土などの散乱によって、現場周辺が汚くなってしまいます。解体業者は作業を終えたら清掃を行って、きれいな状態で現場を離れることが重要です。

そうすることで近隣住民からのクレームを避けることができますし、気持ち良く次の日の作業を開始できます。

解体工事が終わった後も清掃する必要がありますが、毎回清掃を行うことも忘れてはいけません。

解体工事後の品質管理のポイント

ここからは解体工事終了後の品質管理のポイントについてご紹介します。解体工事が終わっても最後まで気を抜くことはできません。施主としても最後の最後までしっかりと作業を行ってもらえるかどうか確認することが重要です。

解体業者側と上手くコミュニケーションを取りながら理想の状態へと仕上げてもらいましょう。

整地作業

工事が完了したら、最後に整地作業を行います。細かいごみや廃材などを取り除いたら、土地をならしてきれいな状態にすることが重要です。

土地が凸凹した状態だと、次の土地活用の際に支障をきたします。建て替え工事を行う場合も土地がきれいな状態になっていることで、スムーズな工事開始につながります。

最後の最後まで手を抜かずにきれいな状態に仕上げてくれる業者であれば、品質管理もできていると言えるでしょう。

要望通りに工事が完了しているか

解体工事後には要望通りに工事が完了しているかどうかを確認します。契約した内容通りに工事が行われていれば問題ありませんが、そうではない可能性もあります。例えば、以下のようなケースが挙げられます。

  • 残すはずの樹木を伐採されてしまった
  • 隣家の外壁に傷をつけられてしまった
  • 保存するはずの欄間を処分されてしまった
  • 撤去するはずのフェンスがそのまま残されている など

何らかの手違いやミスで要望通りに作業が行われていない可能性もあります。優良な業者であれば、事前に解体範囲図と呼ばれる資料を作成して、作業範囲を明確にしてくれます。

その他、契約書や工事内容が記載された書類と照らし合わせて業者側と1つ1つの項目を確認することがポイントです。

契約と異なる部分があれば別途対応してもらったり、補償してもらったりすることが重要です。

品質管理ができている解体業者を探す方法

ここからは品質管理ができている解体業者を探す方法についてご紹介します。解体工事前後や作業中を含めてさまざまなポイントがあります。その中で施主としてはできるだけ品質管理の行き届いた業者に依頼したいと考えるのが自然なことです。

そのための具体的なポイントを取り上げるので、実際の行動へとつなげていきましょう。

複数業者をリストアップする

まずは複数の業者をリストアップすることが有効です。現地調査や見積もり提示などを複数業者に行ってもらうことで、比較対象ができます。

その中で担当者の態度やコミュニケーション、服装や提案内容などをチェックしながら総合的に良さそうな業者を見分けることが有効です。

1社だけから話を聞いても、その業者の作業内容や提示金額が適切なのかどうか判断しずらい部分があります。工事品質という点でも複数の業者から話を聞くことで信頼できそうな業者を見つけると良いでしょう。

ISO9001の取得有無を確認

解体業者の品質管理という点では、ISO9001の取得有無を確認することも有効です。

ISO9001

製品やサービスマネジメントシステムに関する規格。製品やサービスの品質を継続的に改善して、顧客満足度を高めることを目的としている。

ISO9001は建設業界に限らずさまざまな業界で取得が可能であり、自社サービスの品質向上を目的に取得を目指す企業も少なくありません。

ISO9001を持っていれば、第三者機関から品質に関する認証を受けることになるので、一定程度のサービスクオリティーに期待することができます。

特に品質を意識したい場合は、最初にISO9001の取得有無を確認することもおすすめです。

作業現場を見せてもらう

解体業者の品質を確認する上では、実際に作業現場を見せてもらうことも有効です。近くで工事を行っている場合は状況次第で作業現場を見せてもらうことも可能です。

契約を結ぶかどうか迷っているのであれば、現場を見てから判断することも選択肢の1つです。小規模な業者でなければ社内が複数の組織に分かれており、組織ごとに現場を担当しています。

同じ社内の作業員であれば工事に対する姿勢や意識も参考にしやすいでしょう。他社との比較という点でも、現場を見せてもらうことは良い方法です。

作業現場で見るべきポイントとは?

実際に作業現場を見せてもらえることになった場合、見るべきポイントを押さえておくことも重要です。何となく全体を見るのではなく、1つ1つのポイントを頭に入れて見ることでその業者の工事に対する姿勢も見えやすくなります。

具体的なチェックポイントについて確認しましょう。

養生シートの様子

まずは養生シートの様子について確認することが大切です。ボロボロの養生シートを使っていたり、建物の一部しか囲っていなかったりする場合は注意が必要です。

それだけ近隣に対する配慮が欠けているという認識ができます。

そうではなく、きれいな養生シートで建物全体をしっかり囲っている業者であれば信頼感も高まるでしょう。

散水の様子

作業中にほこりや粉じんが飛散しないように適度に散水しているかどうかも確認しておきたいポイントです。現場にいる時間が短い場合は散水のシーンを見られない可能性もありますが、その場合は現場の案内者に質問してみるのも悪くありません。

あるいは、敷地内が湿っているかどうか確認したり、散水用のホースが設置されているかどうか確認したりすることも有効です。

作業員の様子や振る舞い

現場に行ったら作業員たちの様子や振る舞いをチェックすることも重要です。私有地に無断で立ち入っていないかや無駄な私語が多くないか、ヘルメットはしっかりと着用しているかどうかなど、本当にこの業者に任せて大丈夫かという視点を持って確認することが求められます。

組織の体質が大きく変わることは少ないので、少しでも不安に思う部分があれば依頼をキャンセルした方が良いでしょう。作業員の様子を見て特に違和感がなければ、工事の依頼をしても問題ありません。

敷地内の状態

敷地内の状態を確認することも大切です。特に作業終了後に清掃を行っているかどうかや、近くの道路や私有地にごみや廃棄物が散乱していないかどうかを重点的に確認しましょう。

周囲が汚い場合、第三者からのクレームにつながることもあります。無用なトラブルを避けるためにも、敷地内やその周辺がきれいになっているかどうか意識することが重要です。

整地の状態

工事が終わった後の現場を見せてもらえる場合は、整地の状態を確認することも大切です。整地跡がきれいに整っているようであれば、ある程度の品質にも期待が持てます。

反対に土地が凸凹した状態であったりごみやガラなどが残ったりしている場合は、作業自体が粗い業者の可能性が高いので注意が必要です。

施工実績の写真や画像を見せてもらうことも効果的

作業現場に行って直接作業の様子を見せてもらうことが難しい場合は、施工実績の写真や画像を見せてもらうことも効果的です。

工事中の様子や工事後の様子など、できるだけ多くの写真や画像を見せてもらうことで、少しでも工事に対するイメージを高めることができます。更地の写真を見せてもらえば、どういった仕上がりになるのかイメージしやすくなります。

写真や画像を見せて欲しいと依頼すれば対応してくれる業者も多いので、遠慮なく声をかけてみると良いでしょう。

まとめ

解体工事の品質管理に注目して解説を行ってきました。解体業者によって作業品質は異なるのが実際のところであり、工事前後や工事中の様子をしっかりと確認することが重要です。事前の業者探しの段階で品質管理ができているかどうか確認する方法もあるので、できることから始めてみると良いでしょう。

解体工事は頻繁に行うものではなく、一生に1回だけという方も多いでしょう。その大切な機会を納得いく形で終えてもらうためにも業者選びは重要です。品質管理に関して高い意識を持っている業者を探してから工事の依頼をすることがおすすめです。

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