愛知県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
愛知県の解体工事を巡る状況
中部地方に位置する愛知県は、南は太平洋に面し、西は三重県、東は静岡県、北は岐阜県、東北は長野県に接しています。県土の42.3%を森林及び原野等が占める一方、宅地は18.5%となっており、大都市圏を抱える県としては自然に恵まれたゆとりある土地利用がされていると言えます。
愛知県は製造品出荷額が42年連続で全国1位を維持するなど、日本における「ものづくり」の中枢を担う県として発展を続けてきました。世界有数の産業・企業が集積しており働き口が多いことから、全国の中でも人口増加を続けている数少ない県となっています。
愛知県は名古屋市を中心とした大都市エリアから、中山間地域、半島・離島地域など多様な特性を持つ地域により構成されています。三河山間部では高齢化の進行が著しい一方で、名古屋都心部では人口回帰が見られるなど、地域によって住まいやまちづくりを取り巻く動向が大きく異なっています。
2027年度にはリニア中央新幹線の東京~名古屋間が開業予定であることから、名古屋駅の拠点性や利便性がさらに高まることが予想されており、都市部を中心に再整備や面的整備などまちづくりに向けた多様なプロジェクトが進められています。
愛知県の解体工事費の相場(平均坪単価)
愛知県では、大都市圏の再開発に伴う大規模なビル等の解体や、高齢化・過疎化が進んだ地域の老朽住宅の解体など、県内の至るところで日々解体工事が進められています。愛知県で解体工事を行う場合、立地条件も含め構造等もまったく同じ建物はほとんどなく、解体費用もその建物によって異なります。
建物が木造なのか鉄骨造・鉄筋コンクリート造なのかによっても解体のしやすさ、人件費、工期なども違うため、まずは所有する建物の図面を用意して構造や基礎・杭等の埋設物の有無などを調べておくと良いでしょう。ここからは、「木造」「鉄骨造」「RC造」の構造別の解体費用相場や解体の際の注意点などを紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.2万円 |
20〜29坪 | 2.8万円 |
30~39坪 | 2.7万円 |
40~49坪 | 2.9万円 |
50~59坪 | 2.8万円 |
首都圏・中京圏・近畿圏の三大都市圏の住宅ストック状況を比較すると、中京圏は一戸建ての割合が高く、愛知県においては住宅ストックの約半数が一戸建て住宅となっています。住宅の構造別では木造住宅(防火木造を含む)が150万9500戸、非木造住宅が155万9700戸ですが、一戸建てに限定すると木造の割合が高くなります。
木造建物の解体は3つの構造体の中で最も安価ですが、敷地内に門扉・ブロック塀、庭の草木、カーポートなどがあればその撤去費用も加わります。また、交通量の多い場所にある建物の解体工事では、工事車両を駐車するスペースの確保が難しく有料の駐車場を借りることもあり、業者によってはそういった費用も諸経費として請求する場合もあります。
また、面整備の行われていない既成市街地では木造住宅が密集し、袋小路や細街路の多いエリアも見られます。こうした住宅密集地で解体工事を行う場合に最も注意しなければならない点は、ほこりや粉塵の飛散のための養生や防音対策です。既成市街地の解体工事を依頼する場合は、防音シートなどでしっかりと養生対策を取れる業者を選ぶことがポイントとなるでしょう。
同じ建物を解体する場合でも、業者によって見積金額に差が生じるため、1社だけでなく2~3社に見積もりを出してもらうと比較することができます。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 2.8万円 |
20〜29坪 | 2.6万円 |
30~39坪 | 2.7万円 |
40~49坪 | 2.9万円 |
50~59坪 | 3.0万円 |
愛知県は2027年度のリニア中央新幹線開業に向け、中京大都市圏の玄関口となる名古屋駅のスーパーターミナル化をはじめとした再整備が県内各地で進められています。名古屋駅や栄駅の周辺では、オフィスビルやホテル、商業施設などの新設や建て替え工事が行われており、鉄骨造の建物の解体も増えています。
鉄骨造の建物は骨組みが強固で耐震性には優れていますが、鉄自体の耐火性は低いため古いビルやマンションなどは鉄骨の周りに耐火被覆としてアスベストを使用している建物も少なくありません。アスベスト使用の可能性がある建物を解体する場合は、法令により使用の有無の事前調査、作業の届出等が義務づけられています。
調査によりアスベストの使用が認められた場合は、法律の基準に従って適切に処理しなければなりません。そのため、アスベストの処理を含む解体工事は、業者によっては高額な費用を請求される場合もあります。
愛知県で建築物のアスベスト対策を行う場合、市町村が事業主体として国および県の支援を受けて補助を行っています。アスベストが施工されている可能性のある吹き付け材の分析調査の補助については22の市町、除去等改修費の補助については17の市で実施しているため、対象になるかどうか事前に役所のホームページ等でご確認ください。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | 4.0万円 |
30~39坪 | 4.5万円 |
40~49坪 | 3.6万円 |
50~59坪 | 4.8万円 |
RC造の解体費用は、一般的に木造、鉄骨造の解体費用と比べると高額になります。その理由は、柱や梁などの主要構造部に鉄筋の入ったコンクリートを使用するなど強固な造りになっているため、解体する際は非常に多くの工程や人手が必要になるからです。RC造の建物は、主にマンションや団地、大規模なビル等に見られる構造体です。
愛知県の高齢化率は全国と比較しても低い方ですが、市町村ごとに見ると最も高齢化の割合が高い東栄町が49.8%、最も低い長久手市が14.6%と3倍以上の開きがあり、地域によって大きな差があることがわかります。高齢化率の高い市町村は同時に過疎地域でもあり、高齢者のみの世帯も多くなっています。郊外においては大規模住宅団地等の空き家の増加が深刻な問題となっており、今後は建物の老朽化に伴い解体工事も増加するでしょう。
RC造の建物は耐震・耐火性に優れた安全性の高い建物がゆえに、解体工事の際は大型重機の使用が必須です。周辺への騒音や粉塵の飛散等も問題になりがちのため、養生対策をしっかりと行えることに加え、安全管理の面においても信用できる業者選びが大切です。RC造の建物の解体を依頼する際は、安全管理にも人員を割くことができ、RC造の解体の経験が豊富な業者を選ぶことがポイントとなってきます。
愛知県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
愛知県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
愛知県の空き家の種類と件数
ここからは解体工事の主な対象となる空き家のデータに基づき、愛知県の今後の空き家の動向を探っていきます。
総務省が5年毎に実施する住宅・土地統計調査によると、平成30年の愛知県の総住宅数は3,481,800件で、東京都、大阪府、神奈川県に次いで全国で4番目の多さとなっています。空き家数は393,800件、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は11.2%で、平成25年の調査と比べるとそれぞれ28,200件減少、1.1ポイント低下しています。空き家数に関しては、平成25年まで一貫して増加していましたが、平成30年に初めて減少に転じました。
空き家の内訳を見ると、「賃貸用の住宅」が230,900件、「売却用の住宅」が13,100件、「二次的住宅」が7,200件、「その他の住宅」が142,600件となっており、賃貸用の空き家と市場に流通していない空き家が全体の約95%を占めています。平成25年と比べると、賃貸用・売却用・二次的住宅が減少している一方で、その他の住宅に関しては8,100件増加している状況です。
「2019年工業統計概要版」によると、平成30年の愛知県の製造品出荷額等は全国の約14.7%を占め、第2位の神奈川県に大差をつけて42年連続で日本一になるなど「ものづくりの王国」として発展を続けています。県内には自動車産業をはじめ多くの企業が集積し安定した雇用環境があることに加え、近隣県に比べると大学の集積が厚く、大学生や働き盛りの世代など比較的人口構成が若いことが特徴です。
こうした背景から、県内の共同住宅の住宅数は40年間で3.5倍以上に増加し、都市部を中心に賃貸のアパート・マンション等が数多く立ち並んでいます。また、外国人労働者の受け入れに前向きな企業も多く、平成28年時点の愛知県における在留外国人は全国で2番目に多い状況です。
愛知県には賃貸用の住宅の空き家が最も多くありますが、高齢者や外国人など保証人の問題等から入居の制限を受けやすい世帯、子育て世代など市場では適した広さの賃貸住宅が見つからない世帯なども多く、住宅ストックの十分な活用が図られていない状況が見受けられます。
しかしながら、賃貸用住宅の空き家の数は時期によっても変動があり、就職・進学時には多くの若者が転入するため、空き家の多さはそれほど問題ではないでしょう。愛知県で問題となる空き家は、増加の一途を辿っている「その他の住宅」と言えます。愛知県では高度成長期に県外から転入した世代が75歳以上となるなど、今後は高齢者の増加が急速に進むことが予測されます。高齢の住宅所有者が死亡または施設に入所するなどの理由で、所有者が不在の空き家がますます増加していくでしょう。
空き家は適切に管理されていれば賃貸・売却物件として活用することができますが、老朽化の進んだ空き家等は活用することも困難になります。愛知県の空き家の破損状況を見てみると、腐朽・破損のある建物が90,200件、破損等がなく今後も利活用できる建物が303,600件で、空き家全体のおよそ23%は適切に管理されていない可能性の高い物件と言えます。
こうした空き家の増加を受け、愛知県では「空家等対策計画の作成に関するガイドライン」を作成し、市町村の空き家担当者が空き家対策を検討する際や、計画を立案する際に活用できる体制を整えています。また、空き家に関する情報や活用方法などを紹介するサイト「あいち空き家管理・活用情報」を公開し、県内の市町村の空き家に関する支援制度や相談窓口、法務や不動産などの関係団体等を紹介しています。
まとめ:愛知県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
愛知県の空き家数、空き家率は直近の調査では減少の傾向にありますが、空き家の数そのものは全国で4番目に多い数字です。愛知県は空き家対策の主体となる市町村への支援を行っていますが、空家等対策計画を策定しているのは54の市町村のうち16市町と、県内全域で積極的に空き家対策が行われているとは言えない状況です。
空き家は適正に管理しないで放置しておくと、老朽化が進み不動産価値が下がるばかりでなく、安全性の低下、公衆衛生の悪化、景観の阻害など周囲に及ぼす影響も大きくなります。
解体費用の捻出が困難などの理由で放置しているケースも多いと思われますが、危険のある特定空家等に認定されると固定資産税が高くなるなどの負担も生じます。管理が困難な空き家を抱えている方は、早急に信頼できる解体業者を探して解体を進めるようにしましょう。