三重県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
三重県の解体工事を巡る状況
三重県は日本のほぼ中央の太平洋側に位置し、美しい山々や内陸部の盆地、長い海岸線など多彩な地形に富み、伊勢海老や松坂牛に代表される海・山の幸や豊かな自然に恵まれています。伊勢神宮をはじめ、忍者発祥の地と言われる伊賀エリアや鈴鹿サーキットなど魅力あるスポットが数多く点在し、国内外から多くの観光客が訪れています。
県北部の北勢エリアは三重県下で人口が最多の四日市市や鈴鹿市などがあり、製造業が盛んに行われ経済産業の中心地となっています。名古屋など中京圏へのアクセスが良いことから、県内で最も人口が多い地域です。その他に、中勢エリア、伊勢志摩エリア、伊賀エリア、東紀州エリアから構成されており、エリアごとに異なる特徴を持っています。
三重県は昭和58年以降に住宅数が世帯数を上回り、住宅供給過剰の状況が続いています。特に、県南部の人口減少や高齢化の進行が著しく、今後は空き家の解体工事等も増加する見込みです。
三重県の解体工事費の相場(平均坪単価)
親から引き継いだ家が古くなったため建て替えをしたい、土地を更地にしたい、という際に必要となるのが建物の解体工事です。三重県には多くの解体工事を請け負う業者がありますが、職人の高度な技術が必要なことはもちろん、近隣の住民への配慮等も重要になるため、豊富な経験や実績のある業者を選びたいところです。
建物には、大きく分けて「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類の構造があります。構造ごとに解体の際の注意点、解体業者を選ぶ際のポイント等があるため、所有する建物の構造や環境を踏まえた上で参考にすることをおすすめします。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.9万円 |
20〜29坪 | 3.2万円 |
30~39坪 | 3.1万円 |
40~49坪 | 2.9万円 |
50~59坪 | 2.7万円 |
三重県では切迫性の高さが指摘される南海トラフ地震などの大規模地震に備え、木造住宅の耐震補強工事を促進しています。平成16年からは耐震補強工事の補助を行っており、平成30年度までに2,578戸の補助実績があります。また、四日市市など一部の自治体では、耐震基準に満たしていない住宅を除却する際の補助金を交付しています。
木造の建物は、一戸建て住宅や小規模なアパートなどに多く見られる構造体で、解体工事の中では最も頻繁に行われています。一般的に、広い敷地の中にある建物は重機が入りやすいため解体しやすく、手壊し作業等必要もないため追加費用等が発生することもないでしょう。一方で、坪数の大きい家屋は廃材も多く出るので、その分費用が高くなる場合もあります。
また、交通量の多い通りなどに面した場所で解体工事を行う場合は、通行人等に危険が及ばないようガードマンを配置するなど、しっかりとした養生対策が必要です。こうした対策にも費用が発生するため、業者との打ち合わせの際には、追加費用等がどのくらいかかるのかなどもしっかりと把握しておくことをおすすめします。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 2.8万円 |
20〜29坪 | 3.7万円 |
30~39坪 | |
40~49坪 | 2.6万円 |
50~59坪 | 2.8万円 |
鉄骨造の建物の特徴は、梁などの支点間距離を大きくすることや高層の建築が可能なことで、住宅・事務所をはじめオフィスビルや工場などに広く用いられる構造体です。
三重県は北部に四日市市、津市、鈴鹿市などの都市があり、県内最大の産業集積地として経済をけん引しています。そのため、多くの工場やビル等があり、製造出荷額は近年も顕著な伸びを示していますが、工場の事業所数は減少傾向にあります。今後は、老朽化した鉄骨造の建物の解体工事も増加するでしょう。
鉄骨造の解体で注意が必要なのは、追加費用についてです。建物の解体工事ではアスベストの除去や地中埋設物の処理が発生するケースもあり、そういった場合には追加費用がかかります。アスベストは事前の現地調査で発見できることが多いですが、地中埋設物に関しては解体工事を進めてから発見されるケースがほとんどです。
業者との打ち合わせの際に建設図面や仕様書を用意しておくと埋設物の有無がわかることもあり、思いがけない追加費用が発生するといった事態を避けることができるでしょう。
また、鉄骨造の建物の解体で発生した鉄くずは、有価物として業者に売却できる場合もあります。売却できればその分を解体費用に充てることができるため、結果的にコストを抑えることが可能となります。業者との打ち合わせの際に、廃材をどのように扱うか確認しておくと良いでしょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | 2.9万円 |
50~59坪 |
RC造とは鉄筋コンクリート造のことで、鉄とコンクリートを組み合わせることでお互いの弱点を補っている、強度の高い造りが特徴の構造体です。防音・耐火・耐震性などに優れており、マンションなどの大規模な建物によく利用されています。しかし構造が丈夫な分、解体する際も様々な問題が発生するため、細心の注意を払って作業を行わなければなりません。
三重県は、都道府県別の総宅地面積に占める住宅団地面積の割合が全国で13番目に高く、特に入居開始から 40 年以上経過した住宅団地の割合は約4割と、全国と比較しても住宅団地の老朽化が進んでいます。高齢化が進行していることから空室も多くなっており、今後は民間のマンション等も含め大規模な共同住宅の解体工事も増加する見込みです。
規模の大きな建物を解体する際に問題になる点として、騒音・振動などが挙げられます。重機等の使用により騒音・振動が発生する作業は「特定建設作業」に定められており、作業を開始する7日前までに市町村の窓口へ届け出が必要になります。解体工事において近隣トラブルというのは非常に多く発生しており、発注者・施工業者ともに誠実な対応が求められます。
あまりにも費用の安い解体業者などは、無資格や実績がないなどの問題があるケースも考えられるため、費用が安いからといってすぐに依頼せずに、複数の業者から見積もりを取って細かな項目まで比較することをおすすめします。
三重県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 三重県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
三重県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
三重県の空き家の種類と件数
ここからは、三重県に空き家はどのくらいあるのか、また、空き家に関する県の取り組み等を紹介していきます。
総務省統計局が5年毎に行う住宅・土地統計調査によると、平成30年の三重県の空き家数は129,600件、空き家率は15.2%です。平成25年の調査と比較すると空き家率は0.3ポイント低下していますが、空き家の数は1,100件増加しています。空き家率の全国平均は13.6%のため、三重県の空き家率は全国でもやや高い方と言えるでしょう。
空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が43,000件、「売却用の住宅」が2,500件、「二次的住宅」が6,600件、「その他の住宅」が77,500件で、長期にわたり不在の住宅など対策が必要となる空き家の割合が最も高い状況です。
隣接する愛知県では賃貸・売却用住宅の空き家が多いのに対し、三重県は「その他の住宅」に分類される空き家の数が突出して多くなっています。空き家全体に占める割合は約60%にも上り、全国平均の41.1%という数字からみても非常に高いことがわかります。愛知県をはじめとする大都市では、持ち家に住む世帯の比率が低く賃貸物件が多くあります。そのため賃貸用の空き家が多くありますが、人口が増加している大都市圏では今後もこれらの物件の需要は高いと言えるでしょう。
一方で、三重県は持ち家に住む割合が全国9位と高く、特に南伊勢町をはじめとする県南部の持ち家率が高い傾向にあります。また、高齢者の割合も南部を中心に高く、高齢単身者世帯、高齢夫婦世帯の数も多くなっています。三重県の人口は2007年にピークを迎えて以降減少が続いており、今後もこの傾向は続くと予想されていることから、高齢が要因となる「その他の住宅」の空き家はますます増加するでしょう。
空き家と聞くと、劣化が進んで人の住むことのできない建物を想像する人も多いと思いますが、空き家の中には破損等がなくまだまだ活用できる物件も多くあります。三重県の空き家のうち、腐朽・破損等のある建物は27,700件、破損等がなく利用可能な建物が101,900件で、空き家の約8割は問題のない物件と言えます。
腐朽・破損等のある建物の内訳は「賃貸用の住宅」が6,800件、「売却用の住宅」が600件、「二次的住宅」が500件、「その他の住宅」が19,800件で、最も多い「その他の住宅」のうち大部分の17,700件が一戸建て住宅となっています。劣化の進んだ空き家は、倒壊や屋根の崩落など通行人等への被害の危険もあることから、修繕や解体など早急な対処が求められます。
三重県には今後も活用できる空き家が多いことから、空き家バンク事業等に力を注いで移住・定住の促進を図っており、平成27年度からの4年間で移住者は約3倍の1,000人超となりました。
三重県外から県内へ移住する方々が空き家を改修して住む場合には、工事費用の3分の1(最大100万円)の補助を行っているほか、空き家を所有している方が移住する方に売買・賃貸を目的に改修する場合も補助の対象となります。ただし、実施していない市町村もあるため、事前に確認することをおすすめします。
まとめ:三重県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
三重県は、北部は自動車や電機分野の工場が集積する全国有数の工業地帯で、人口が集中しています。一方で、南部は農林水産地域となっており、若い世代の県北部や県外への流出に歯止めがかからず、高齢化が著しく進行しています。今後は北部でも高齢化が進み世帯の減少が見込まれており、三重県の空き家はますます増加するでしょう。
住み手のない空き家を増やさないためには、住んでいる間にリフォームをしておくと、いざ手放す時にスムーズに賃貸または売却ができるということもあります。しかし、リフォームの資金を捻出することが難しいという事情や、管理が困難で長期にわたり放置されているなど、空き家になっている理由は様々です。
いずれにしても、空き家を放置したまま劣化が進むと、近隣に悪影響を及ぼしたり、税金が高くなるなどの問題が生じます。解体を少しでも考えている場合は、まずは信頼できる解体業者を探し早急に解体に踏み切ることをおすすめします。