宮城県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
宮城県の解体工事を巡る状況
本州の北東部に位置する宮城県は、東京から約300kmの距離の太平洋側にあります。沖合海域の金華山・三陸沖漁場は世界三大漁場として知られているほか、全国的にも名高い塩釜、石巻、気仙沼の特定第3種漁港を始めとする142の漁港を有し、カツオ、サンマ、マグロ類、カキ類等を中心に全国で有数の生産量を誇ります。
宮城県の人口は、令和2年時点で約230万人を有しており、仙台都市圏で増加傾向にあるものの、その他の圏域では減少しており、県全体としては減少傾向が続いています。また、仙台市と周辺地域に総人口の6割が集中するなど、都市部への一極集中という課題も抱えている状況です。
平成23年に発生した東日本大震災で、宮城県では栗原市で震度7を記録、その他の地域で震度6強を記録するなど、太平洋沿岸を中心に甚大な被害を受けました。津波による建物の流失や地震動による住宅被害は238,000棟以上におよび、避難所や応急仮設住宅、みなし仮設住宅で生活する世帯が多数に上り、現在もなお入居している方々がいる状況です。
平成30年までの間に、仮設住宅等に住んでいた世帯の約41%が補修または新築した住宅等へ、33%が公営住宅等へ転居しており、県内では仮設住宅等の解体工事を含め急ピッチで復興が進められています。
宮城県の解体工事費の相場(平均坪単価)
宮城県は、東北地方の商業の中心的役割を担う仙台都市圏に多くの住宅、教育機関、大型商業施設などが立ち並んでいる一方で、その他の圏域は人口減少、少子高齢化が進み放置された空き家等も多く見られます。都市部では再開発による建て替え等、地方では所有者不在の住宅の解体等、県内の至るところで解体工事が行われている状況です。
ここでは、「木造」「鉄骨造」「RC造」の構造別に、宮城県における解体工事費用の相場を紹介していきます。宮城県では東日本大震災、または令和元年台風19号の影響により、半壊等の被害を受け倒壊の恐れがある建物を解体する場合、支援金を交付しています。
また、市町村によって異なりますが、解体等に関わる様々な助成制度、補助金交付を行っている自治体もあるため、上手に活用すると解体費用を安く抑えることができるかもしれません。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 2.6万円 |
20〜29坪 | 4.8万円 |
30~39坪 | 3.1万円 |
40~49坪 | 2.6万円 |
50~59坪 | 2.7万円 |
木造の建物は鉄骨造やRC造の建物と比べると解体しやすいため、費用の相場も安めです。とはいえ、平均的な広さの30坪の住宅を解体する場合でも90万円以上かかるため、簡単に出せる金額とは言えないでしょう。
宮城県では、多くの自治体で木造住宅耐震助成事業やブロック塀除去等助成制度等を設けていますが、災害により被害を受けた住宅の解体以外に木造住宅の解体費用の助成を行っている市町村はほとんどないため、解体費用はできるだけ安く抑えたいところです。
同じ県内で同じような構造、広さの建物を解体する場合でも、地域によって費用の相場も若干変わります。また、業者によっても金額は一律ではないため、数社の業者に見積もりを頼んで比べてみるのも1つの方法です。まずは信頼できる解体業者を探し、現地調査をしたうえで見積もりを出してもらうことをおすすめします。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | 2.5万円 |
30~39坪 | 2.7万円 |
40~49坪 | |
50~59坪 |
宮城県では、人口の集中する仙台市を中心に再開発が進められており、特に仙台駅周辺ではホテル、大規模な商業施設、オフィスビル等の建設が進行しています。都心部の再構築を進めるため、老朽化したビル等の解体や建て替え工事が日々行われている状況です。
鉄骨造の建物を解体する場合、平成18年以前に建設された建物についてはアスベストを含む建材が使用されている可能性があるため、解体工事の着工前にアスベストの使用状況を調査することが義務付けられています。アスベストの使用が認められた場合は、除去作業開始の14日前までに市町村等に届出をし、適切な除去処理を行う必要があります。
アスベストの調査や除去作業は、使用されている部位や量によって異なりますが、高額な費用がかかるケースもあります。宮城県では、令和元年の時点で17の市町が含有調査助成制度、3つの市町が除去等助成制度を設けています。所有する建物にアスベストが使用されている可能性がある場合は、補助金が適用されるかどうか役所窓口やホームページ等で確認することをおすすめします。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | |
50~59坪 |
最後に、RC造の解体費用の相場を見てみましょう。木造、鉄骨造に比べて耐久性に非常に優れたRC造ですが、その頑丈な造りゆえに解体する際は手間がかかり、費用も高額になってしまいます。
宮城県では、仙台市の都心部を中心に旧耐震基準で建築されたビルや店舗の割合が高く、都心の機能強化や市街地環境の改善のため、老朽建築物の建て替え、企業立地の促進を図っています。
ビルやオフィスが立ち並ぶ市街地で解体工事を行う場合、近隣への防音対策、粉塵の飛散対策などをしっかりと行い、トラブルにならないよう細心の注意を払わなければいけません。また、人通りの多い通りに面した建物を解体する場合は、ガードマンの配置等が必要になることもあり、こうした費用が上乗せされるケースもあります。
仙台市では再開発が行われる一部の地域で老朽建物を解体、建て替えする場合、解体中に賃貸収入が得られないビルのオーナーの負担を軽減するため、土地の固定資産税相当額の助成等を行っています。こうした助成制度を設けている自治体もあるため、所有する建物を解体する場合は事前にしっかり確認しておきましょう。
宮城県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 宮城県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
宮城県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
クリックで画像拡大
内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
宮城県の空き家の種類と件数
5年毎に行われる住宅・土地統計調査によると、平成30年の宮城県の空き家総数は130,500件、内訳は「賃貸用の住宅」が72,700件、「売却用の住宅」が3,600件、「二次的住宅」が3,700件、「その他の住宅」が50,400件です。住宅総数に占める空き家の割合(空き家率)は11.9%と全国で6番目に低い値ですが、平成25年の調査時と比べると宮城県の空き家率は2.5ポイントも上昇しています。
宮城県では、平成20年に13.7%だった空き家率が、平成25年には9.4%まで減少し、空き家率の低い都道府県で全国1位を記録しました。これには、平成23年に発生した東日本大震災による住宅の被害の多さが関係しています。
地震・津波により、床上浸水等を含め全壊、半壊した住宅は県の住宅の39.5%に及び、多くの世帯が仮設住宅や賃貸住宅への転居を余儀なくされました。平成25年の調査時は、被災者の住宅需要の高まりを背景に、「賃貸用の住宅」を中心とした空き家が大幅に減少したことにより、空き家率も低下したことになります。
今回の平成30年の調査では、こうした事情により賃貸住宅等に移り住んでいた世帯が、住宅の再建などにより転居したことで、空き家率が再び上昇したと考えられます。また、宮城県の高齢化率の状況は、平成30年時点で仙台圏域は23.9%と低めですが、栗原圏域、気仙沼・本吉圏域などでは35%を超えており、県全体の高齢化は今後ますます進行すると推測されています。
宮城県では賃貸・売却用として市場に流通していない「その他の住宅」がこの5年間で7,300件増加しており、所有者が不明、死亡または入院しているなど高齢化等が要因で放置されている空き家が目立ちます。
「その他の住宅」に分類される空き家の劣化状況を見てみると、腐朽・破損等のある建物が13,100件、破損等がなく住まいとして利用できる状態の建物が37,300件です。破損等のある建物13,100件のうち10,300件が一戸建て住宅で、老朽化したまま将来誰も住まなくなる可能性の高い空き家が多い状況です。老朽化した空き家は、そのままでは借り手・買い手もなかなか見つかりませんが、リフォームをすると賃貸・売却物件として活用することができます。
宮城県では多くの市町村において、東日本大震災で被害を受けた住宅の修繕費や建て替え工事費の補助金制度を設けていますが、中には登米市などのように空き家バンクに登録した空き家の改修費用の補助を行っている自治体もあります。リフォーム等をお考えの場合は、空き家がある市町村のホームページ等で助成制度について確認することをおすすめします。
宮城県では増加する空き家の対策として様々な対策を講じていますが、その中の1つに「空き家等相談対応マニュアル」があります。これは、地域の住民から直接相談を受ける市町村職員が適切な助言や情報の提供ができるよう、県が作成したものです。
また、このマニュアルは県のホームページ上で公開されており、県民や民間事業者等が空き家等に関する悩みをどこに相談したらよいかわかるよう、対応内容や関係団体一覧が記載されています。その他にも、市町村の空き家対策担当者に対し、これまでに5回空き家対策勉強会を開催し、空き家対策に係る知識の向上や情報共有を図っています。
まとめ:宮城県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
宮城県の空き家率は、前回の調査時よりも大幅に上昇したものの、全国的に見ると低い方と言えます。
しかし、東日本大震災の影響により現在も仮住まいをしている世帯も多く、今後住宅基盤が整うと賃貸用住宅の空き家も増加すると考えられます。また、高齢化率が高い宮城県では、住宅の所有者が死亡または入院するなどの理由により、放置される空き家も今後はますます増加するでしょう。
空き家は解体すると固定資産税が高くなるからと放置されるケースも多くありますが、適切な管理をしないまま放置すると劣化による倒壊の危険、資産価値の下落など、様々な問題も生じてきます。空き家を解体して土地を有効に活用するためにも、解体工事に特化した優良な業者を選び、速やかに対処することをおすすめします。