富山県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
富山県の解体工事を巡る状況
富山県は本州の中央北部に位置し、富山市を中心に半径50kmで形成されるまとまりの良い地形が特徴です。
三方を急峻な山岳地帯に囲まれ中央は平野が広がり、水深1,000mを越える富山湾、日本海へと続く高低差の激しい地形で、植物自然比率は本州一となるなど豊かな自然環境に恵まれています。3,000級の山々からは年間を通してきれいな水が生まれ、「名水百選」に4箇所、「平成の名水百選」に4箇所の県内から合計8箇所が選ばれるなど、日本で最も多い名水地を有する県です。
富山県は、秋田県に次いで全国2位の持ち家率で、住宅の延べ面積、居住室数においては全国1位になるなど、全国トップクラスの居住水準です。しかし、県内には耐震性が不十分な住宅、バリアフリー化がなされていない高齢者の居住する住宅なども多く、今後は利活用することの困難な空き家が増加していくことが懸念されます。
高齢化の進行する富山県では、こうした空き家に加え後継者不足等により閉店した店舗の解体等も増加するでしょう。
富山県の解体工事費の相場(平均坪単価)
持ち家の一軒家率が高く、木造の建物が多い富山県ですが、富山市の中心部などでは非木造の建物も多く見られます。建物の解体費用は構造によって大きく異なりますが、建物の接する道路の幅によっても使用できる重機が限られたり、全く使用できない場合は手作業での解体になるなど、周辺の状況によっても金額が変わります。
建物には、大きく分けて「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類の構造があります。構造ごとに解体の際の注意点、解体業者を選ぶ際のポイント等があるため、所有する建物の構造や環境を踏まえた上で参考にすることをおすすめします。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 2.8万円 |
20〜29坪 | 2.7万円 |
30~39坪 | 2.8万円 |
40~49坪 | 2.5万円 |
50~59坪 | 2.6万円 |
富山県は一戸建て率が全国でもトップクラスで、その中でも木造住宅の占める割合が非常に高い地域です。全国と比べて三世代同居世帯の割合が高く、部屋数が多く延べ面積の広い住宅が多くありますが、近年は核家族化の進行に伴い新築の一戸建ては小規模化し、共同住宅に居住する世帯も増加しています。
親から引き継いだ古い住宅を解体して新しい家を建てるケースも多いと思いますが、ここで注意しておきたいことは、建て替えを依頼するハウスメーカー等に既存住宅の解体も併せて依頼する場合です。ハウスメーカー等に依頼すると、下請けの解体業者に解体を発注することも多く、中間マージンが発生するケースもあります。
住宅施工業者とは別に解体業者に自分で直接解体を依頼すると、こうしたマージンは発生しないため、コストダウンにも繋がるでしょう。解体から新築まで同じ業者に依頼したい場合は中間マージンの件も含め、解体費用にどのくらいかかるかを事前に確認しておくことをおすすめします。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | 2.8万円 |
40~49坪 | |
50~59坪 |
鉄骨造は一部の戸建て住宅にも用いられることがありますが、多くはアパート、マンション、雑居ビル、店舗や倉庫などに使用される構造体です。木造に比べて耐火性・耐震性が高い分たくさんの鋼材が使用されており、解体にもそれなりの手間や時間がかかるため、解体費用も木造建物より高くなるのが一般的です。
富山県では、新設一戸建て住宅の広さが縮小傾向にある中、共同住宅においてもライフスタイルの変化や世帯人員の減少等に伴い、単身者向けや少人数世帯向けの建物が増加しています。賃貸住宅の空室が十分あるにも関わらず新築のアパート・マンションが次々と建設されており、古い共同住宅の空室は借り手がつかず、いずれは劣化が進み解体に踏み切る所有者も増加するでしょう。
鉄骨造の建物は高さのあるものや規模の大きなものが多く、解体するには専用の切断機や大型の重機などが必要になります。騒音や振動も大きくなるため、周辺住民への事前説明や安全対策をきちんと行ってくれる業者を選ぶことが大切です。
また、建物にアスベストが使用されている場合は、高額な除去費用が発生することもあります。建築図面上に記載される施工時期や仕上げ名称などからアスベスト使用の有無がわかる場合もあるため、打ち合わせの際には図面を用意しておくと見積もりもスムーズに進むでしょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.2万円 |
20〜29坪 | 4.1万円 |
30~39坪 | 3.9万円 |
40~49坪 | 3.8万円 |
50~59坪 | 3.7万円 |
RC造は鉄筋とコンクリートを組み合わせた非常に強度の高い造りが特徴で、耐久性、耐震性、耐火性などすべての面において優れた構造です。その分、建築費用や販売価格、賃貸価格などが高額で、自ずと解体費用に関しても高額になることは否めません。
富山県では都市部を中心に再開発が行われており、特に富山駅周辺では古い建物を解体し、跡地にホテルや商業施設などの建設が次々と進められています。解体工事の中でも、特に周囲への影響が大きいのがRC造の解体で、大型の重機等を使用するため振動や騒音も非常に大きくなります。人通りや交通量の多い場所で解体工事を行う場合は周囲への影響ができるだけ少なくなるよう、養生対策や安全管理の面で定評のある業者を選ぶことが大切です。
また、一定の規模以上の建築物の解体工事を行う場合、建設リサイクル法によりコンクリート、アスファルト・コンクリート、木材等の分別や再資源化が義務付けられています。解体業者を選ぶ際は、資格や許可を持ち、法律に則った適切な処理ができる業者かどうかを見極めることも大切なポイントと言えるでしょう。
富山県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 富山県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
富山県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
富山県の空き家の種類と件数
街中で解体工事現場を見かけることも多いと思いますが、その対象となる建物の多くは空き家です。ここでは、富山県に空き家はどのくらいあるのか、また、空き家に関する県の取り組みを紹介していきます。
総務省統計局が行う住宅・土地統計調査によると、平成30年の富山県の住宅総数は454,100件、空き家総数は60,000件です。5年前の調査時と比べると、住宅総数は15,100件、空き家総数は3,800件増加しています。住宅に占める空き家の割合(空き家率)は13.2%と全国の13.6%を下回っていますが、5年間で0.4ポイント上昇しています。
空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が24,900件、「売却用の住宅」が1,500件、「二次的住宅」が1,400件、「その他の住宅」が32,200件で、今後利用される可能性の低い空き家が半数以上を占めている状況です。
富山県の住宅は、近年は全国と同様に共同住宅が上昇傾向にあるものの、平成30年時点の持ち家率は76.8%で全国2位、一戸建て率は77.1%で全国3位と、持ち家の一戸建て率が非常に高いことがわかります。人口、世帯数が群を抜いて多い富山市には賃貸用住宅も多くありますが、その他の地域では圧倒的に一戸建て住宅が多く、空き家に関しても住み手がなく利用目的のない「その他の住宅」が多い状況です。
富山県における住宅事情は、1住宅当たり延べ床面積、1住宅当たり居住室数が全国1位の非常に高い居住水準にあります。一方で、近年は核家族化が進み広い一戸建て住宅で暮らす高齢夫婦世帯、狭小な共同住宅で暮らす子育て世代なども多く、家族構成と住宅規模のミスマッチが生じている状況です。
今後は、高齢者世帯が施設に入所、または入院するなどの理由により広い住宅が空き家になる可能性がありますが、少子化傾向が今後も続くと予想される富山県では広すぎる住宅の借り手・買い手はなかなか見つからないといった事情もあり、更なる空き家の増加が懸念されます。
次に、富山県の空き家の破損状況を見てみましょう。腐朽・破損等のある建物は14,400件、破損等がなく利用可能な建物が45,600件で、空き家の76%は問題のない物件と言えます。腐朽・破損等のある建物の内訳は「賃貸用の住宅」が3,600件、「売却用の住宅」が400件、「二次的住宅」が200件、「その他の住宅」が10,300件で、多くは市場に流通していない物件です。
「その他の住宅」のうち9,100件が一戸建て住宅で、これらの建物は適切な管理がされないまま放置されている可能性が高い空き家です。また、劣化等のある賃貸用、売却用、二次的住宅の物件も、このまま修繕等がされず利用されなければ「その他の住宅」に転じることになるでしょう。
富山県ではこうした状況を踏まえ、現在住んでいる住宅が空き家にならないよう、資産価値の保ち方や家族信託についてなどを記載したパンフレット「住まいを空き家にしないために」をホームページ上で紹介しています。パンフレットには、賃貸・売買や管理について、相続や遺産分割協議等についてなど、各種相談窓口の一覧も記載されています。
また、空き家対策の主体的な役割を果たす自治体では、15の市町村で空き家バンクを設置、富山市・南砺市・滑川市などでは空き家の改修や除却に関する補助金制度を設けるなど、積極的に空き家対策に取り組んでいます。
まとめ:富山県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
全国トップクラスの持ち家率や1住宅辺りの延べ面積など、住みよいゆとりある住宅地が形成される富山県ですが、近年は人口の減少、核家族化、高齢化の進行などにより空き家が著しく増加している状況です。
相続等をきっかけに住む予定のない空き家の所有者になった場合は、放置しておくと資産価値が下がり利活用することが困難になってしまうため、適切な管理をすることが重要です。
老朽化が進み使用できなくなった場合は、倒壊等の恐れもあるため早めの対処が必要です。空き家を解体すると、貸地や駐車場として活用できるなどのメリットがあるため、早めに解体業者に相談をして解体工事を進めることをおすすめします。