青森県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
青森県の解体工事を巡る状況
青森県は東北地方の最北端に位置し、東側は太平洋、西側は日本海、北側は津軽海峡の三方を海に囲まれています。全国有数の農業産出県であり、津軽地方では米やりんごづくり、県南地方では野菜づくりや畜産業が盛んです。
りんご、ごぼう、にんにくは全国一位の生産量を誇り、特にりんごは全国のりんご生産量の約60%を占めています。また、県内各所にゲレンデがあり冬はスキーやスノーボードなどを楽しめるほか、夏には青森ねぶた祭、八戸三社大祭など数々の歴史ある祭りが行われるなど、年間を通して様々な行事やアクティビティが楽しめます。
青森県内には市が10、町が22、村が8の合計40の市町村がありますが、県人口の約52%が青森市・八戸市・弘前市の3市に集中しています。県全体の人口は昭和58年にピークを迎えて以降早いスピードで減少を続けており、平成27年の国勢調査では高齢化率が30.1%と全国平均を3.5ポイント上回るなど、少子高齢化問題も深刻になっています。
県では、青森県へ移住・就業する方に最大100万円を支給するなど移住・定住の促進に向けた様々な対策を講じていますが、他都道府県に比べて移住相談件数は少ない状況にあります。青森県では今後ますます人口減少・高齢化が進行することが予想されており、空き家の解体工事等も増加していくでしょう。
青森県の解体工事費の相場(平均坪単価)
青森県の面積は全国8位の広さで、東京都・神奈川県・千葉県を合わせた面積とほぼ同等です。県の面積の約65%を森林が占めており、宅地・道路等は約18%です。高齢化は50%を超えている今別町を筆頭に5つの町村で40%を超えるなど著しく進行しており、県内各地で空き家が多く発生しています。
青森県で解体工事を行う場合、費用の相場はどのくらいなのでしょうか。都心などと比べると青森県の解体工事費用は安めですが、立地や周辺環境など様々な条件によって金額が変わります。また、建物の3つの構造「木造」「鉄骨造」「RC造」によっても、それぞれ工法や費用が異なります。
ここでは、3つの構造ごとの解体費用相場、解体業者に依頼する際の注意点などを紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.5万円 |
20〜29坪 | 3.5万円 |
30~39坪 | 3.2万円 |
40~49坪 | 3.0万円 |
50~59坪 | 2.9万円 |
青森県は持ち家率が高く、持ち家の多くが木造一戸建て住宅です。地震が多く発生する青森県では住宅の耐震化に取り組んでいますが、県内の住宅の耐震化率は約73%(平成25年時点)と全国の82%と比較しても低い状況です。
県では「木造住宅耐震改修促進支援事業」を制定し、市町村を通じて耐震性のない住宅の改修または建て替え費用の一部を補助していますが、耐震改修補助を実施しているのは令和元年時点で8市町となっています。高齢化が進む青森県では、改修等を行わず解体して子どもの家に移り住む、施設に入所するといったケースも多く見られるようです。
木造建物を解体する場合、鉄筋やコンクリートのように破砕や切断に手間のかかる作業が少なく、比較的短い工期や少ない人手で済むため、鉄骨造やRC造の解体工事と比べると費用は安く抑えることができます。上記の表は県全体の相場ですが、都市部や地方といった地域環境や立地条件等によって若干の差がでてきます。
青森県は首都圏のような住宅密集地は少ないですが、古くに形成された既成市街地などでは隣家との距離が近い、建物に面している道路の幅が狭いなどといったケースも見られます。こうした地域では重機の搬入等も困難になり、費用が高くなることもあるので注意が必要です。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 6.5万円 |
20〜29坪 | 4.5万円 |
30~39坪 | |
40~49坪 | 6.3万円 |
50~59坪 |
鉄骨造には重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類があり、前者は主に高層マンションやビルなどの大規模な建物、後者は小規模な店舗や一般住宅等によく用いられます。鉄骨造の解体は木造に比べると手間がかかるため、費用も高くなる傾向にあります。
マンション等の共同住宅が少ない青森県では、鉄骨造の建物は住宅よりも商店街などの建物に多く見られます。しかし、近年商店街を取り巻く環境は、郊外への大型商業施設への進出や、商店の後継者不足、顧客ニーズの多様化などにより、厳しいものとなっています。シャッターを閉めている店舗も多く、今後はこうした商店街等で解体工事が増えていくでしょう。
鉄骨造はアスベストを使用している建物が多く、平成26年からは解体等工事の施工前にアスベスト使用有無の調査が義務付けられています。事前調査によりアスベストの使用が確認された場合は、特定粉じん排出等作業の開始の日の14日前までに各市町村へ届け出が必要です。
自治体によっては、アスベスト含有調査や除去作業にかかる費用の一部の補助を行っているところもあるため、事前に確認することをおすすめします。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 2.9万円 |
20〜29坪 | 2.9万円 |
30~39坪 | 2.8万円 |
40~49坪 | 2.7万円 |
50~59坪 | 2.5万円 |
RC造は鉄骨の骨組みにコンクリートを流し込んだ非常に強度の高い造りで、耐震性や耐火性に優れています。そのため建築費用はもちろんのこと、解体費用も高額になることがネックでもあります。
青森県内には昭和40年代頃に建設された老朽化の進んだ団地などもあり、建て替え工事が検討されているものもあります。RC造の建物は大規模なものが多く、解体工事を請け負う業者は建設業許可または解体工事業の登録を受ける必要があります。
また、床面積が80㎡以上の建築物を解体する場合は、建設リサイクル法に基づいて適切な処理をしなければなりません。業者の中には未登録なまま工事を行う、いわゆる悪徳業者なども存在するので、打ち合わせの際にはこうした点をしっかり確認しておくことをおすすめします。
青森県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 青森県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
青森県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
青森県の空き家の種類と件数
近年、全国的に空き家が急速に増加し大きな社会問題となっていますが、青森県における空き家事情はどのようになっているのでしょうか。ここからは、青森県に空き家はどのくらいあるのか、また、県の空き家対策等について分析していきます。
総務省の実施する住宅・土地統計調査によると、平成30年の青森県の住宅総数は592,400件、空き家総数は88,700件です。前回の調査時(平成25年)と比べると、住宅総数が6,100件、空き家総数が7,500件増加しています。
住宅総数に占める空き家の割合は14.8% で、全国の空き家率(13.6%)よりも高い値になっています。空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が39,200件、「売却用の住宅」が1,400件、「二次的住宅」が2,200件、「その他の住宅」が45,800件です。
東京都・神奈川県・大阪府・福岡県などの大都市を含む都道府県では共同住宅率が高い割合を示していますが、青森県は全国で42番目と、共同住宅が少ないことが特徴です。一方で、持ち家率は全国で14番目に高い数字で、その大部分が一戸建て住宅となっています。空き家の状況を見ても、長期にわたり使用されていない「その他の住宅」45,800件のうち、一戸建て住宅は40,500件と、ほとんどが持ち家の一軒家という結果です。
青森県における「その他の住宅」の空き家全体に占める割合は52%と非常に高く、全国のこの部分の割合が41.1%という結果から見ても、市場に流通していない空き家の多さがわかります。この背景には、青森県の町村部には不動産業者がいない地域も多く、物件情報や流通手段がない等の理由により流通困難な状況ということがあります。
また、青森市、八戸市、弘前市など利便性の高い地域においても、狭小な賃貸住宅に居住している子育て世帯等が広い戸建て住宅に移り住みたいなど需要があるにも関わらず、空き家等の情報と希望者のマッチング体制が整っていないのが現状です。こうした状況を踏まえ、今後は地方公共団体と民間事業者が連携し、早急に空き家の利活用の促進に取り組むことが求められています。
青森県は高齢化の進行に伴い、今後ますます空き家が増加すると見込まれますが、空き家の劣化が進むことにより周辺の住環境の悪化などが懸念されます。青森県の空き家の破損状況を見てみると、腐朽・破損のある建物が30,100件、破損等がなく今後も利活用できる建物が58,600件です。県内では、平川市や南部町など一部の市町村で空き家にリフォームにかかる費用の補助制度を設けるなど、空き家の利活用を促進する取組を行っています。
県の空き家対策としては、平成27年に不動産関係団体、居住支援団体及び地方公共団体で組織する「青森県居住支援協議会」を設立し、平成28年には空き家の適正管理セミナー&相談会、29年には空き家相談員候補者募集相談会を開催しています。
また、空き家コンシェルジュの養成、空き家バンクのバックアップ、情報提供やマッチング等の取り組みも進めるなど、空き家対策ばかりでなく移住促進、良質な既存住宅ストック形成の促進等に努めています。
まとめ:青森県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
青森県の空き家率は全国平均よりも高く、中でも市場に流通していない利用目的のない空き家の割合が半分以上を占めています。
この背景には、利用を希望する人がいても市町村のマッチング体制が整っていない等の理由があります。しかし、平成29年度時点で空家等対策計画を策定している市町村は0でしたが、29年以降に次々と策定するなど、各市町村で空き家対策が進められています。
空き家を放置しておくと、犯罪や災害のリスク、老朽化による周囲への悪影響など様々な問題が生じてきます。更に、空き家の対処を先延ばしにしていても、固定資産税が高くなる、資産価値の下落など、所有者のデメリットも増えるばかりです。
空き家を解体して土地を有効に活用するためにも、解体工事に特化した優良な業者を選び、速やかに対処することをおすすめします。