鳥取県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
鳥取県の解体工事を巡る状況
鳥取県は中国地方の北東部に位置しており、東西に細長い形をした全国で7番目に面積の小さい県です。
北側は日本海に面し、南側は中国山地の美しい山々が広がるなど、県の面積の7割を森林が占める豊かな自然環境に恵まれています。こうした豊かな自然を背景に海の幸、山の幸が豊富で、松葉ガニや二十世紀梨は全国一の水揚げ量、生産量を誇ります。
鳥取県の人口は令和2年1月時点で約55万4千人と全国で最も少なく、減少傾向が続いています。核家族化や単身世帯の増加により世帯数は増加傾向にありますが、将来的には世帯数も減少すると予想されています。
一方で、鳥取県全体の住宅数は、昭和43年以降継続して世帯数を上回っており、住宅は既に充足している状況にあります。今後、世帯数の減少が始まると、空き家はますます増加するでしょう。
鳥取県ではこうした人口減少・少子高齢化の進行に歯止めをかけるべく、県内に移住・就業・起業される方に、最大100万円の移住支援金を支給するなど、移住定住者への支援を年々充実させているところです。
鳥取県の解体工事費の相場(平均坪単価)
鳥取県は、人口の多い鳥取市や米子市などで空き家が多く発生していますが、町村部でもここ数年で空き家は急速に増加している状況です。今後は高齢化がますます進行すると予想されていることから、所有者不在の住宅の解体など県内の至るところで解体工事が行われるでしょう。解体工事を依頼する際には、いくつかの留意点があります。
まず、建物には大きく分けて「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類があり、構造によって解体費用が異なることを覚えておきましょう。また、同じような敷地面積、構造の建物の解体でも業者によって坪単価に大きく差が出るケースもあります。
1社のみの見積もりで決めずに、複数の業者に見積もりを出してもらうのも損をしない方法と言えます。その他にも、解体費用の助成制度を設けている市町村があるため、事前に役所の窓口で確認しておくと良いでしょう。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.2万円 |
20〜29坪 | 3.9万円 |
30~39坪 | 2.5万円 |
40~49坪 | 2.7万円 |
50~59坪 |
平成30年の住宅・土地統計調査によると、鳥取県の住宅の状況は一戸建てが152,800件で、住宅全体の 70.9%を占めています。全国的に木造の建物は減少傾向にありますが、鳥取県の一戸建て住宅の9割以上は木造となっています。
新耐震基準が導入された昭和 56 年以降に建築された住宅は全体の6割以上を占めていますが、約3割においては基準を満たしていない住宅であり、今後はこうした住宅の建て替え工事なども行われるでしょう。
木造の建物は鉄骨造やRC造の建物と比べると解体しやすいため、費用の相場も安めです。とはいえ、平均的な広さの30坪の住宅を解体する場合でも70万円以上かかるため、簡単に出せる金額とは言えないでしょう。鳥取県では一部の市町で空き家の解体費用の助成制度を設けていますが、多くの自治体は行っていないため、解体費用はできるだけ安く抑えたいところです。
解体工事は、建物自体の解体費用のほかにも付帯工事の有無、隣接する道路状況などによって追加費用が発生するケースもあります。また、業者によっても解体費用は一律ではないため、数社の業者に見積もりを頼んで比べてみるのも1つの方法です。
まずは信頼できる解体業者を探し、現地調査をしたうえで見積もりを出してもらうことをおすすめします。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.8万円 |
20〜29坪 | 3.6万円 |
30~39坪 | 3.5万円 |
40~49坪 | 3.3万円 |
50~59坪 | 3.0万円 |
鉄骨造は一部の戸建て住宅にも用いられることがありますが、多くはアパート、雑居ビル、店舗や倉庫などに使用される構造体です。鳥取県では、鳥取市や米子市などを中心に、鉄骨造の賃貸アパートなどが多く見られます。
鉄骨造の解体は、木造建物に比べて高さのあるものや規模の大きなものが多く、解体するには専用の切断機や大型の重機などが必要になります。騒音や振動も大きくなるため、周辺住民への事前説明や安全対策をきちんと行ってくれる業者を選ぶことが大切です。
鉄骨造の建物を解体する場合、平成18年以前に建設された建物についてはアスベストを含む建材が使用されている可能性があるため、解体工事の着工前にアスベストの使用状況を調査することが義務付けられています。アスベストの使用が認められた場合は、除去作業開始の14日前までに市町村等に届出をし、適切な除去処理を行う必要があります。
アスベストの調査や除去作業は、使用されている部位や量によって異なりますが、高額な費用がかかるケースもあります。鳥取県では、鳥取市、米子市、倉吉市などでアスベスト除去等の助成制度を設けています。
所有する建物にアスベストが使用されている可能性がある場合は、補助金が適用されるかどうか役所窓口やホームページ等で確認することをおすすめします。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | |
50~59坪 |
一戸建て住宅は木造が9割を占める鳥取県ですが、共同住宅においては非木造が約9割を占めており、鉄骨造、RC造のマンション等が多いことがわかります。RC造の解体費用の相場を見てみると、木造、鉄骨造に比べて耐久性等に優れた頑丈な造りのため、解体にも手間がかかり費用も高額になります。
交通量や人通りの多い場所で解体工事を行う場合、近隣への防音対策、粉塵の飛散対策などをしっかりと行い、トラブルにならないよう細心の注意を払わなければいけません。また、駐車スペースのない場所ではガードマンの配置等が必要になることもあり、こうした費用が上乗せされるケースもあります。
また、RC造の解体では、杭抜き作業の際に見積もりよりも多い本数があるというケースなど、実際に工事を始めてみなければわからない部分も少なからずあるでしょう。できるだけ正確な見積もりを出してもらうためには、解体する建物の図面があれば打ち合わせもスムーズに進むため、事前に用意しておくことをおすすめします。
鳥取県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 鳥取県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
鳥取県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
クリックで画像拡大
内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
鳥取県の空き家の種類と件数
5年毎に行われる住宅・土地統計調査によると、平成30年の鳥取県の空き家総数は39,900件、空き家率は15.3%となっており、平成25年の調査と比べると空き家数は4,000件の増加、空き家率は0.9ポイント上昇しています。
平成25年には空き家数、空き家率ともに減少に転じたものの、今回の調査では再び増加し過去最高の数字となっています。空き家率に関しては全国の13.6%を上回っており、空き家問題が深刻化していると言えます。
鳥取県の空き家内訳は、「賃貸用の住宅」が14,900件、「売却用の住宅」が800件、「二次的住宅」が1,400件、「その他の住宅」が22,800件で、利用目的がなく市場に流通していない空き家が約57%を占めている状況です。全国のこの部分に分類される空き家の割合は41.1%のため、鳥取県は空き家の中でも問題があるとされる「その他の住宅」が非常に多いということがわかります。
鳥取県の「その他の住宅」に分類される空き家が多い要因としては、人口減少が大きく関わっていると考えられます。鳥取県の人口は昭和60年をピークに減少しており、平成14年以降は社会減の状況が継続しています。
年齢別に見ると20代前半の転出超過が最も多く、就職のため関西圏や東京圏に転出する若年層が多いということが見て取れます。また、高校卒業後に県外の大学へ進学する若者も多く、そのまま県外で就職する傾向が非常に強いことも人口減少の要因の1つと言えるでしょう。
こうした背景から、鳥取県の65才以上の高齢者の占める割合は29%(平成27年国勢調査)と、全国平均の26%に比べても高くなっており、今後は単身・夫婦のみの高齢者世帯はますます増加することが見込まれます。
地域別に見ると、都市部の人口集中地区の空き家率が最も高くなっていますが、町村部では平成10 年の7.4%から平成25年には12.6%まで増加するなど増加幅が大きく、町村部における空き家の増加が深刻化している状況です。
鳥取県内における中古住宅の購入率はわずか8.4%と全国平均の 14.4%を大きく下回っており、県民の新築志向が根強いと言えます。こうした結果から見ても、満足できる価格で売れそうにないからと空き家にしたままにしている所有者も多いのでしょう。
県内の「その他の住宅」に分類される空き家の劣化状況を見てみると、腐朽・破損等のある建物が7,200件、破損等がなく住まいとして利用できる状態の建物が15,600件です。破損等のある建物7,200件のうち6,300件が一戸建て住宅で、劣化が進んだまま将来誰も住まなくなる可能性の高い空き家が多い状況です。
鳥取県ではこうした空き家の増加状況を受け、利活用を促進するため「鳥取空き家等利活用相談窓口」を開設しています。空き家に関する総合的な相談から、利活用する際の建築基準、ゲストハウスや民泊として活用する際の規制・申請に関する相談など、各関係機関と連携して様々な相談に応じています。
また、空き家と農地を一緒に探したい場合などに活用できるよう、県内市町村の空き家バンク情報や空き地・農林地の情報を一元化して情報提供を行うなど、移住促進と併せた取り組みを行っています。
まとめ:鳥取県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
鳥取県は空き家率が過去最高を記録するなど、空き家問題が深刻化している状況です。世帯数に比して住宅数は約1.17倍と量的には既に充足しており、高齢化が進行している鳥取県では住宅の所有者が死亡または入院するなどの理由により、放置される空き家も今後はますます増加するでしょう。
やむを得ない理由で空き家になったとしても、定期的に庭の手入れや修繕等を行っていれば、賃貸や売却物件として活用することができます。しかし、所有者が高齢の場合や遠方に住んでいる場合は、適切な管理が難しいという事情もあるでしょう。
空き家はそのまま放置しておくと老朽化が進み、倒壊や窓ガラスの落下などにより周囲の住民等に影響が及んで損害賠償を問われるケースもあります。管理の困難な空き家を所有している方は、早めに信頼できる解体業者を探して解体工事を進めましょう。