山口県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
山口県の解体工事を巡る状況
本州の西端に位置する山口県は、三方が海に開かれ県土の約7割を森林が占める豊かな大自然に恵まれています。
約1,500kmに及び北と南で異なる表情を見せる海岸線、日本最大級のカルスト台地や鍾乳洞が広がる秋吉台国定公園、各地に点在する原生林や渓谷美など四季折々の美しい自然に触れることができ、年間を通して多くの観光客が訪れています。また、沿岸・沖合域には約240の島々が点在し、このうち22の島では県民が生活しており、有人離島数は全国第3位となっています。
山口県の人口は1985年以降減少局面に入り、近年は特に若年層の女性の転出超過が顕著な状況です。総人口に占める出産期(20~39歳)女性の人口割合も全国・東京を大きく下回って推移しており、出生数の減少の大きな要因となっています。少子化や人口流出により、親世帯が亡くなったり施設に入所した後の住宅を引き継ぐ人がいなく、県内の空き家も増加しているのが現状です。
山口県では、県外からUJIターンを希望する子育て世帯で、県内で三世代での同居や近居を始める場合、住宅の新築や購入、リフォームにかかる費用を補助する「ふるさとやまぐち三世代同居・近居住宅支援補助金」制度を実施するなど、人口減少の克服に向けた施策を展開しています。
山口県の解体工事費の相場(平均坪単価)
山口県は人口の減少に相まって、高齢化率の上昇や若年者比率の減少などにより、産業などのあらゆる分野において担い手不足問題が深刻化しています。
今後は空き家だけでなく、商店や事務所など様々な建物の解体工事が増加するでしょう。山口県で解体工事を行う場合、費用は都心などに比べると安価ですが、「木造」「鉄骨造」「RC造」の構造によっても金額が変わるということを覚えておきましょう。
ここからは、山口県における解体工事費用の相場を紹介していきます。山口県では、解体等に関わる助成制度、補助金交付を行っている自治体もあるため、解体工事を進める前にホームページ等で確認しておくことをおすすめします。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 2.9万円 |
20〜29坪 | 3.8万円 |
30~39坪 | 3.3万円 |
40~49坪 | 2.9万円 |
50~59坪 | 3.1万円 |
山口県内における居住世帯のある住宅のうち、木造住宅の割合は64.4%、鉄筋・鉄骨コンクリート造等の非木造住宅の割合は35.6%となっており、全国と比べて木造住宅の割合が高くなっています。
県内の木造住宅の中には、現行の耐震基準を満たしていない古い建物も多く、住宅の所有者が高齢の場合は耐震化に対する意欲の低下等の理由により改修を行っていない住宅も数多くあります。山口県では今後、活用することの難しい空き家も増加することが考えられます。
木造住宅の解体工事は、内部は手作業により取り除かれますが、最終的には重機を使用して解体する方法が一般的です。しかし、住宅密集地で解体工事を行う場合は道幅が狭く重機が入れないこともあり、全ての工程が手壊しになる可能性もあります。
こうした場合は費用が高くなるため、事前に現地調査をした上で見積もりを出してもらうことをおすすめします。また、庭石や庭木、ガレージの撤去など付帯工事としての費用が別途かかるケースもあります。上記の解体費用相場の表は建物の解体のみの金額のため、打ち合わせの際には付帯工事費についてもきちんと確認しておきましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.8万円 |
20〜29坪 | 3.7万円 |
30~39坪 | 3.4万円 |
40~49坪 | 3.2万円 |
50~59坪 | 3.0万円 |
鉄骨造は、主にオフィスビル、商業施設、店舗等などによく用いられる構造体です。建物の骨組みに鉄骨が使用されているため木造建物の解体よりも手間がかかり、坪単価も高くなる傾向にあります。
山口県では、県内の各地で居住人口の減少、空き店舗の増加等により、商店街の空洞化が進行している状況です。今後も人口減少や少子高齢化が進行すると予想されており、老朽化の進んだ鉄骨造の解体工事も増加してくるでしょう。
鉄骨造の解体で注意が必要なのは、追加費用の有無についてです。鉄骨造の建物にはアスベストが使用されていることも多く、除去する場合には追加費用が発生します。
アスベストは事前の現地調査で発見できることもありますが、建設図面や仕様書などで有無を確認しておくと打ち合わせもスムーズに進み、思いがけない追加費用が発生するといった事態を避けることができるでしょう。
また、廃棄物の費用を抑えることができるかどうかにより、解体工事全体の費用も変わってきます。例えば、解体工事で発生した産業廃棄物は建設リサイクル法に則って解体業者が処分するため、木材や鉄材、ガラス類など産業廃棄物に分類されるものは安く抑えることは難しいですが、不要な備品や家具等の処分は自治体で回収する大型ごみに出す方が安く済むこともあります。
解体工事を始める前に、不用品の処分方法や費用などについて調べておくと良いでしょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | |
50~59坪 |
最後に、RC造の解体費用の相場を見てみましょう。RC造は鉄筋を組んだ枠組みにコンクリートを流し込んだ構造のため、3つの構造体の中で最も強度のある建物です。その分、解体するにあたっても様々な工程や使用機材、人件費が必要となり、解体費用も高めになります。
山口県内には、旧耐震基準で建設されたマンションのストックが約1,500戸存在し、建設時期が古いほど居住者の高齢化が進行しているものと考えられます。今後はこうした古いマンションの空室が増え、借り手がつかなくなると解体工事の対象となってくるでしょう。
建物を解体する業者は、「解体工事業登録」または「建設業許可」の資格が必要です。特に、工事代金が500万円以上の大規模な建物を解体する場合は、解体工事業登録を受けている業者でなければ請け負うことはできません。中には無資格で工事を請け負う業者もあるため、工事を依頼する際には資格についてもしっかり確認しておきましょう。
山口県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 山口県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
山口県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
クリックで画像拡大
内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
山口県の空き家の種類と件数
ここからは、山口県の空き家の種類や件数に基づいて、今後の解体工事の需要を探っていきましょう。
総務省が5年毎に実施する住宅・土地統計調査によると、平成30年の山口県の空き家総数は126,800件、空き家率は17.6%で、ともに調査開始以降一貫して増加しています。空き家率に関しては前回の調査(平成25年)から1.4ポイントも上昇しており、空き家率の高い順では前回の全国12位から9位に上昇という結果になりました。
中国地方5県で見ても山口県の空き家率は最も高く、空き家の増加は深刻な問題になっていると言えます。市町別では15の市町のうち空き家率が低下したのは2市町のみで、他の13市町は空き家率が上昇している状況です。
空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が50,300件、「売却用の住宅」が2,800件、「二次的住宅」が2,300件、「その他の住宅」が71,400件となっており、賃貸・売却用や別荘等として使用されていない住宅が空き家全体の56%を占めている状況です。山口県にこうした空き家が多い要因には、人口の減少が大きく関わっていると考えられます。
山口県の人口は、昭和60年の約160万人をピークに30年以上にわたり減少傾向が続いています。特に、若年層における東京圏および福岡県、広島県などへの転出超過が顕著であり、以前はこうした社会減を出生による自然増が補っていましたが、近年は社会減に加え大幅な自然減により人口減少に歯止めがかからない状況になっています。
若年層の流出、少子化による若年人口の減少、団塊の世代の高齢化に伴い山口県の高齢人口は増加しており、平成27年の国勢調査では高齢化率が32.1%と全国で4番目に高い数字になっています。山口県の高齢単身世帯の割合は15.9%で全国3位、夫婦とも65歳以上の世帯の割合は13.4%で全国2位となっており、高齢者のみで生活している世帯が全国に比べて多いことが空き家増加の一因となっているのでしょう。
山口県下最大の都市である下関市でも、人口減少・少子高齢化が全国的に見ても突出して進んでおり、山口県の高齢化は今後ますます進行すると予想されます。住宅の戸数に大きな影響を与える世帯数も既に減少局面を迎えており、空き家の増加は避けられない状況と言えます。
空き家の中でも特に問題とされるのが、適切な管理がされていない放置された空き家です。定期的に管理を行わなければ湿気や自然災害等により劣化が進み、周囲への悪影響やトラブル、資産価値の下落など様々な問題が生じます。県内の空き家のうち、腐朽・破損等のある物件は35,100件あり、そのうち23,200件が「その他の住宅」に分類される空き家です。
山口県では、空き家の改修または老朽空き家の除去に要する費用の一部の補助を行う市町もあるため、劣化の進んだ空き家はトラブルが起きる前に早急に対処することが望ましいでしょう。
山口県ではこうした状況を踏まえ、空き家に関する悩みを持つ方などを対象に、空き家セミナーと専門家による無料相談会を県内各市町で開催しているほか、空き家の管理方法や利活用、相談窓口等をまとめた「空き家ガイドブック~相続から管理・利活用まで~」、空き家の利活用事例集「Yamaguchi空き家ナビ」等を作成し、ホームページ上で紹介しています。
また、令和2年度からは、一戸建て住宅の売主がインスペクション(建物状況調査)の実施と既存住宅売買瑕疵保険に加入する場合、最大5万円(合計費用の2分の1)の補助を行うなど、中古住宅流通の促進や空き家の発生抑制策を強化しています。
まとめ:山口県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
山口県の空き家率は、昭和63年の調査から平成30年の調査までの30年間で8.1ポイント上昇しており、増加率の大きさは全国3位となっています。
この背景には、全国に先駆けて進行している高齢化や人口の県外流出などがあり、今後もこの傾向は続くと予想されています。山口県の空き家問題は深刻化しており、特に老朽化した空き家は倒壊の恐れや衛生・景観上の問題など周囲に悪影響を及ぼします。
山口県は空き家に対する県の支援制度のほか、各市町でもそれぞれ独自に空き家バンク制度を整備するなど、積極的に空き家対策を行っています。空き家を所有している方で、遠方に住んでいる、高齢により管理することが難しいといった場合は、こうした自治体の支援制度を利用することも、放置空き家を増やさないための1つの方法です。
様々な事情により解体を考えている場合は、老朽空き家の解体にかかる費用の補助を行う市町もあるため、こうした制度を利用して速やかに解体工事を進めることをおすすめします。