北海道の解体工事業者一覧と費用相場について解説
北海道の解体工事を巡る状況
日本の国土面積の22%を占める北海道は、太平洋、日本海、オホーツク海の3つの海に囲まれ、雄大な山々や湿原、湖などの豊かな土地資源・海洋資源に恵まれています。
農業算出額、水産漁獲量ともに全国1位と食料供給力が高く、地域ごとの個性的な自然、歴史、文化、産業等を有しています。観光や移住・定住の地としても人気が高く、ブランド総合研究所が行う都道府県別の魅力度を示す「都道府県魅力度ランキング」では、2019年まで11年連続で首位に立っており、全国で最も魅力的な地域として認知されています。
道内の人口は、政令指定都市である札幌市を中心とした近郊都市に集中しているほか、北海道の中央部の旭川市、道南の函館市、道東の釧路市なども人口の多い主要都市となっています。札幌市への人口集中割合は1970年には北海道全体の約5分の1でしたが、1980年に4分の1になり、2015年には3分の1以上と、札幌市への人口集中が加速している状況です。
この割合は2040年には約40%まで上昇すると推測されており、札幌市近郊以外の多くの市町村における過疎化の進行が問題となっています。地方の住宅は圧倒的に一戸建て住宅が多く、今後は高齢化等が要因となり空き家等が増えることが懸念されており、住宅の解体工事の需要も一層高まるでしょう。
北海道の解体工事費の相場(平均坪単価)
雄大な自然に恵まれた北海道は全国で最も人口密度が低く、全国1位の東京都は北海道の約91倍にもなります。
人口が集中している札幌市では住宅密集地も見られますが、その他の市町村では比較的ゆとりを持った住宅地が形成されています。解体工事費の相場は地域によって若干の違いがありますが、建物が密集している場所で解体工事を行う場合も費用が高くなる傾向にあります。
また、建物の構造によっても金額が異なります。解体の対象となる建物は主に3種類あり、「木造」「鉄骨造」「RC造」に分けられます。木造は一戸建て住宅や小規模なアパート等、鉄骨造はマンション、ビル、店舗等、RC造は大規模な団地やマンション等に用いられます。
ここでは、費用の相場や業者に依頼する際の注意点などを紹介していきますので、ご参照ください。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.5万円 |
20〜29坪 | 3.1万円 |
30~39坪 | 2.8万円 |
40~49坪 | 2.6万円 |
50~59坪 | 2.5万円 |
北海道は全国を上回るスピードで人口・世帯数の減少、高齢化が進行しており、65歳以上の人口が半数を超える集落は今後10年間で約7割になると予想されています。新築住宅着工数は減少傾向にあり、注文住宅の事業者数も減少の一途を辿っています。一方で、木造一戸建ての空き家は増加しており、道内各地で解体工事が頻繁に行われている状況です。
木造建物の解体は工期や人手がそれほどかからないため、他の構造体の解体と比べると費用は比較的安価です。また、北海道は首都圏などと比べても相場が安くなっています。とはいえ、30坪の建物を解体する場合で80万円以上かかるため、決して簡単に出せる金額とは言えないでしょう。
解体費用を安く抑えるためにぜひ活用したいのが、自治体の助成金制度です。北海道では札幌市の「危険空家等除却補助制度」をはじめ、多くの自治体で空き家や老朽建築物等の解体・除去費用の補助制度を設けています。損をしないためにも、解体工事に取り掛かる前にお住まいの市町村のホームページ等で確認することをおすすめします。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 9.5万円 |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | 2.3万円 |
50~59坪 |
北海道では、札幌市の中心部や札幌駅周辺で再開発が活発化しており、高層タワーマンション、オフィスビルなどの新築や建て替え工事が継続的に続いています。また、札幌市に隣接する北広島市では2023年にプロ野球北海道日本ハムのボールパークが開業予定で、周辺地域の整備が進められています。北海道ではこのように、道央圏を中心に鉄骨業の解体工事が日々行われている状況です。
鉄骨造の解体費用は木造の解体に比べて高くなりますが、優れた解体業者を選ぶことができれば打ち合わせや手続きもスムーズに進み、結果的に費用も納得できるものになるでしょう。業者を選ぶポイントとしては、見積金額の安さに釣られてしまいがちですが、解体工事業等の資格の有無、これまでの経験・実績等も十分に考慮して選択することが重要です。
また、古い鉄骨造の建物にはアスベストが使用されていることが多いため、解体に伴うアスベスト除去の経験があるかどうかも確認しておくことをおすすめします。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 2.2万円 |
20〜29坪 | |
30~39坪 | 6.3万円 |
40~49坪 | |
50~59坪 |
RC造の建物は一般的に規模の大きなものが多く、特殊な工法を用いて解体するため木造や鉄骨造に比べて費用が高額になることが特徴です。業者との打ち合わせの際には、解体する建物の建築図面等を用意しておくとスムーズに進みます。
近年は全国的に、CO2の貯蔵、排出抑制機能を持ち地球温暖化防止に貢献するという観点から、公共建築物の木造利用促進が進められています。北海道でも良質な道産木材による高性能な木造住宅の供給に取り組んでおり、木造道営住宅の整備等が行われています。一方で、道内の大規模団地や共同住宅はこれまで大部分がRC造で建築されており、築40年以上を経過している建物等の解体工事が進められています。
北海道で一定規模以上の解体工事を行う場合、建設リサイクル法により事前の届出や資材の分別・再資源化などが義務付けられており、道内には179市町村に届出受理窓口を設置しています。解体業者を選ぶ際は、こうした届け出等をきちんと行っているかどうかも確認しておくことをおすすめします。
北海道で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
北海道で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
北海道の空き家の種類と件数
広大な面積を誇り、グルメ、観光スポット、温泉など多くの魅力を持つ北海道ですが、近年は人口の減少や空き家の増加が問題となっています。ここでは、北海道の空き家の数、空き家に関する道の政策などについて紹介していきます。
平成30年の北海道の住宅総数は2,811,100件、空き家の総数は379,800件です。住宅総数に占める空き家の割合(空き家率)は13.4 %で、全国の空き家率(13.6%)とほぼ同等の値です。空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が204,600件、「売却用の住宅」が9,000件、「二次的住宅」が8,900件、「その他の住宅」が157,300件となっています。
北海道では昭和43年頃から住宅総数が世帯総数を上回り、空き家が年々増加傾向にありました。5年毎に行われる住宅・土地統計調査において、平成25年には空き家数がピークの388,200件を記録しましたが、平成30年には8,400件減少し、空き家率も0.7ポイント低下しました。一方で、賃貸や売却、別荘等に分類されない長期にわたり不在の「その他の住宅」に属する空き家の数は、この5年間で17,800件増加しています。
広大な面積を有する北海道は、47都道府県で最多の179市町村を有しています。それぞれの地域において特徴ある歴史・文化を育んでいますが、札幌市を中心とする道央圏への人口の流出、高齢化の進行などにより地方の人口は減少の一途を辿っており、道央圏とそれ以外の人口差が広がり続けている現状です。
空き家の状況を見ても、単身世帯が多くマンション・アパート等の需要が高い道央圏で「賃貸用の住宅」の空き家の割合が高く、高齢化率の高い地方では「その他の住宅」の占める割合が高い傾向にあります。
市場に流通しない空き家が地方の市町村に多い理由として、宅地建物取引業者など売買や仲介といった取引を行う業者や専門家が少なく、空き家の流通が進みにくい状況ということも挙げられます。また、市町村の技術職員が不足していることにより、老朽化した空き家の判断や、所有者からの空き家の管理や活用についての相談に苦慮するなど、空き家対策の体制が十分に整っていない市町村が多いことも理由の1つと考えられます。
北海道の空き家のうち、腐朽・破損のある建物は89,900件あり、その半数以上の46,300件が市場に流通していない「その他の住宅」に分類される建物です。これらの建物は管理が不十分になりがちなため、早急な対策が求められるでしょう。
こうした状況を踏まえ、北海道では平成26年に庁内関係部局で構成する「空き家対策連絡会議」を設置し、関係部局の情報共有、市町村に対する情報提供などを行っています。具体的な取組として、平成28年4月から「北海道空き家情報バンク」を運用開始し、市町村や関係団体と連携しながら普及・啓発に努めているほか、市町村が相続や不動産取引といった専門的な相談に対応できるよう関係団体と連携した相談体制の整備を行っています。
また、技術職員が不足している市町村に対し、技術的な助言や情報提供などの支援を行うとともに、道民向けのリーフレットやガイドブックの作成等により空き家の活用法などの周知・啓発を行っています。
まとめ:北海道の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
北海道は全道の3分の1の人口が札幌市に集中しており、その他の多くの市町村は少子高齢化に加え道内の中核都市、道外の都市への人口流出により、過疎化が進行している状況です。
また、札幌市でも進学・就職を機に道外へ流出する若年層が多く、北海道全体の人口は減少傾向が続いています。道内の空き家問題も深刻化しており、都市部の空き家は土地を売却して解体費用を捻出するとういこともできますが、地方では空き家の借り手・買い手が見つからず、解体しても土地が売れる保証がないため踏み切れない、といったケースも多く見られます。
空き家は管理しないまま放置しておくと劣化が進み、「空家等対策の推進に関する特別措置法」によって特定空家等に認定されると、税金が高くなるなどの負担が生じます。相続問題も関係し一存では解体を決められないというケースも多いと思われますが、北海道では空き家や老朽建物を解体する際の助成制度を設けている自治体も多くあります。
空き家が立地する市町村のホームページ等を確認し、該当する場合は助成制度等を活用し、速やかに空き家の対処をすることをおすすめします。