高知県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
高知県の解体工事を巡る状況
高知県は四国の南部に位置し、太平洋に面して扇状に突き出た形をしています。北側の県境には四国山地がそびえ、南側の太平洋側は700km以上の海岸線を擁するなど、海と山に囲まれた豊かな自然環境に恵まれています。山地が県土の約84%と全国1位の高い割合を占めている一方で、可住地面積は約16%と全国最下位となっており、県全体の人口は47都道府県で少ない方から3番目となっています。
人口の減少が著しい高知県では経済規模が縮小し、若年層の県外流出、中山間地域の衰退や少子化に拍車がかかっています。こうした事態を受け、高知県は全国の都道府県に先駆けて平成27年に「高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、経済の活性化や少子化対策等を精力的に進めています。
しかしながら、高齢化等に起因する空き家は年々増加しており、南海トラフ地震等の大規模地震が発生すると空き家の倒壊で道路が塞がれ避難の阻害要因となることも懸念されていることから、今後は空き家の解体工事も進められるでしょう。
高知県の解体工事費の相場(平均坪単価)
2015年の国勢調査によると高知県の高齢化率は32.8%で、秋田県に次いで全国で2番目に高い割合です。親世帯が亡くなり子が住宅を相続したものの、利用しないまま空き家になるというケースも今後ますます増加するでしょう。
解体費用は、「木造」「鉄骨造」「RC造」のどの構造かによって異なるほか、建物のある地域、周辺環境などによっても差が生じます。業者に正確な見積もりを出してもらうためには、所有する建物の図面等を用意しておくと打ち合わせもスムーズに進みます。ここでは、建物の構造ごとの解体費用相場、業者に依頼する際の注意点等をご紹介します。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.2万円 |
20〜29坪 | 3.5万円 |
30~39坪 | 2.5万円 |
40~49坪 | 2.6万円 |
50~59坪 |
高知県では、県土の92%を占める中山間地域の人口が大幅に減少しており、高齢化の進行や人口・世帯の減少、後継者不在などにより集落全体が衰退しています。集落の一部または全体の消滅が危惧されていることに加え、高知市などの都市部でも人口減少が進んでおり、県内各地で木造住宅や空き店舗等の解体工事が進められています。
木造建物の解体は工期や人手がそれほどかからないため、他の構造体の解体と比べると費用は比較的安価です。また、高知県は首都圏などと比べても相場が安くなっています。とはいえ、30坪の建物を解体する場合で80万円程かかるため、決して簡単に出せる金額とは言えないでしょう。
解体費用を安く抑えるためにぜひ活用したいのが、自治体の助成金制度です。愛媛県では高知市の老朽住宅等除却事業をはじめ、多くの自治体で空き家や老朽建築物等の解体・除去費用の補助制度を設けています。損をしないためにも、解体工事に取り掛かる前にお住まいの市町村のホームページ等で確認することをおすすめします。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.9万円 |
20〜29坪 | 3.7万円 |
30~39坪 | 3.5万円 |
40~49坪 | 3.3万円 |
50~59坪 | 3.1万円 |
鉄骨造は一部の戸建て住宅にも用いられることがありますが、多くはアパート、雑居ビル、店舗や倉庫などに使用される構造体です。鉄骨造の建物は木造よりも強固な造りであるため、解体に要する日数も木造より長くなるのが一般的です。工期が長くなると、その分人件費等も高くなります。
全国で人口減少が続いている中、地方都市における商店街は来店者数や売上が減少し、大きく影響を受けています。高知県も例外ではなく、高知市を中心に多くの商店街で空き店舗が目立つ状況です。
鉄骨造の解体にかかる日数は、ビルやマンションなど大規模な建物はそれなりの日数がかかりますが、店舗など小規模な建物であれば1週間程度あれば解体することができます。全体的な目安としては、10日前後みておくと良いでしょう。
解体工事を依頼する際に業者に確認しておく重要なポイントとしては、資格の有無が挙げられます。解体業者は「解体工事業登録」または「建設業許可」の資格が必要で、工事代金が500万円未満であれば解体工事業登録を受けていれば工事ができますが、500万円以上の工事であれば建設業許可を受けていなければ請け負うことができません。
中には無資格で工事を請け負う業者もあるため、工事を依頼する際には資格についてもしっかり確認しておきましょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | |
50~59坪 |
RC造とは鉄筋コンクリート造のことで、柱や梁などの主要構造部に鉄筋の入ったコンクリートを用いる構造です。構造が複雑で頑丈に造られている分、解体費用も木造・鉄骨造に比べて高くなります。RC造の建物には、マンション、病院、団地など規模の大きな建物が多くあります。
若年層の流出や高齢化の進行が著しい高知県では、空室の多い団地やマンション、老朽化の進んだ建物などが多く、解体工事や建て替え工事が検討されているものもあります。RC造の建物は規模の大きなものが多いため、解体工事を行う場合は近隣への防音対策、粉塵の飛散対策などをしっかりと行い、トラブルにならないよう細心の注意を払わなければいけません。また、人通りの多い通りに面した建物を解体する場合は、ガードマンの配置等が必要になることもあり、こうした費用が上乗せされるケースもあります。
コンクリート、アスファルト・コンクリート、コンクリート及び鉄からなる建設資材や木材などの特定建設資材を用いた建物(床面積80平方メートル以上)を解体する場合は、建設リサイクル法に基づき、廃棄物を種類ごとに分別、再資源化、着工前の届け出等が必要になります。
RC造の解体を依頼する際は、こうした届け出や近隣への対応をしっかり行うことができる解体業者を選ぶことが重要です。
高知県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 高知県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
高知県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
高知県の空き家の種類と件数
近年、空き家の増加が社会問題となっていますが、高知県にも多くの空き家が存在します。ここでは、高知県の空き家の種類や件数、高知県の空き家対策などについて紹介していきます。
平成30年住宅・土地統計調査における高知県の空き家総数は74,600件、空き家率は全国で5番目に高い18.9%となっています。これは、全国に比べて空き家率の上昇が著しい四国地方においても徳島県に次いで2番目に高い割合で、前回の調査から1.1ポイント上昇しています。空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が21,200件、「売却用の住宅」が800件、「二次的住宅」が2,400件、「その他の住宅」が50,100件です。
高知県の空き家の特徴は、賃貸用、売却用、別荘等の二次的住宅の空き家が全体の約33%なのに対し、「その他の住宅」が約67%を占めていることです。この67%という割合は全国でも島根県に次いで2番目に高く、高知県には市場に流通していない空き家が非常に多いということがわかります。
賃貸用、売却用、二次的住宅に関しては今後も利用される可能性が高いですが、「その他の住宅」は所有者が長期にわたり不在、または所有者不明などの理由により、このまま放置される可能性があります。
高知県の空き家が増加している要因には、新築住宅の供給過剰や無人になった住宅の解体および流通が進んでいないということもありますが、最も大きく影響しているのは人口の減少でしょう。高知県における出生数と死亡数を見ると、長らく出生数が死亡数を上回る自然増の状態が続いていましたが、平成2年に全国で初めて死亡数の方が上回る自然減となって以降、その状況が現在も続いています。
全国より15年先行して人口が自然減の状態に陥ったことに加え、高齢化は全国より10年先行して進行するなど、高知県は全国に先駆けて人口減少・高齢化社会に突入している状況です。人口減少による経済の縮小が若者の県外流出や高齢化の進む中山間地域の衰退を招き、少子化が加速するなど負のスパイラルを辿っており、中山間地域の人口は昭和35年と比較すると46.9%も減少しています。
こうした背景から、高齢の所有者が亡くなった後に住宅を継ぐ人がいない、または子や親族が相続したものの近くには住んでいないというケースが多く、空き家が増加しているのでしょう。高知県の空き家のうち、腐朽・破損のある建物は20,200件あり、そのうち14,200件が「その他の住宅」に分類される建物です。更に、「その他の住宅」を建て方別で見ると、一戸建てが12,800件、長屋建が400件、共同住宅が800件、その他が200件と、一戸建て住宅が圧倒的に多い状況です。
劣化の進んだ空き家は、倒壊や火災等の危険、防犯・衛生上の課題等も生じます。高知県では、こうした空き家のリフォームを行う場合、お住まいの市町村によっては補助金を受けられる場合もあります。リフォームを行うと賃貸や売却物件として市場に流通させることができ、空き家の有効活用に繋がります
高知県では空き家が増加している状況を踏まえ、空き家の利活用に関する技術的・専門的な業務を行う「空き家再生・活用促進専門家グループ」の登録制度を設けており、登録したグループは空き家改修に関する技術的な業務の支援、空き家を活用した移住促進など様々な業務を行っています。平成30年3月から募集を行い、令和2年6月時点で26のグループが登録しています。
また、移住ポータルサイト「高知家で暮らす」を開設しており、空き家や仕事の情報、移住者のインタビューなどを発信し、空き家の有効活用の促進とともに移住・定住を促進し人口の増加を図っています。
まとめ:高知県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
高知県の空き家率は全国で5番目、四国では徳島県に次いで2番目に高い割合です。人口減少や高齢化に歯止めがかからない高知県では、今後は利活用されていない空き家の一層の増加が懸念されています。
高齢化率の高い高知県では、空き家の所有者も高齢者が多く、適切な管理等が困難な状況になっています。空き家は適切な管理を行わなければ、倒壊の危険や景観が損なわれるという問題も発生します。
空き家の所有者の中には、解体して更地にすると固定資産税が高くなるため、解体に踏み切れないという方も多いでしょう。しかし、空き家の老朽化が進み特定空家等に指定されると、解体しなくても同様に固定資産税が高くなるケースもあります。
周囲に悪影響を及ぼすことを避けるためにも、管理が困難な空き家を所有している方は、できるだけ早急に信頼できる解体業者を探して解体に踏み切ることをおすすめします。