和歌山県の解体工事業者一覧と費用相場について解説

和歌山県

和歌山県の解体工事を巡る状況

和歌山県は本州南西部の紀伊半島西南に位置し、大阪府、奈良県、三重県に接しています。県の西側は約600kmにも及ぶリアス式海岸が続き、魚の宝庫といわれる紀伊水道、豊かな太平洋の黒潮が流れています。

県の面積の8割以上を森林地域が占め、平野部が少なく中山間地が多いため、農業・漁業・林業の第1次産業が盛んに行われています。特に、みかん、梅、柿、桃など様々な果実の栽培が盛んで、果樹の農業産出額は全国でもトップクラスを誇ります。

和歌山県の人口は、少子高齢化や若年層の県外流出の影響もあり減少傾向が続いており、今後も更に減少することが予想されています。過疎化が進む農山漁村の集落はもとより、市街地においても人口減少が問題となっており、空き家も年々増加しています。

平成30年の住宅・土地統計調査では、別荘等の二次的住宅を除くと和歌山県の空き家率の高さは全国1位となっており、中でも市場に流通していない一戸建て住宅が多いことから、不衛生・生活環境の悪化、倒壊等による周囲への悪影響などが懸念されます。今後はこうした空き家の解体工事も増加していくでしょう。

和歌山県の解体工事費の相場(平均坪単価)

所有する建物の解体工事を依頼するということは、ほとんどの方にとって初めての経験のため、どのような業者に依頼すれば良いか悩む方も多いでしょう。

和歌山県には多くの解体工事を請け負う業者がありますが、職人の高度な技術が必要なことはもちろん、近隣の住民への配慮等も重要になるため、豊富な経験や実績のある業者を選びたいところです。

建物には大きく分けて「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類の構造があり、どの構造かによって解体費用が異なります。また、その他にも立地条件や周辺道路の状況、付帯工事の有無などによって費用が高くなるケースもあります。

ここでは、それぞれの建物の解体費用相場や解体の際の注意点等をご紹介しますので、所有する建物の構造や環境を踏まえた上で参考にすることをおすすめします。

木造の解体費用相場

坪数 坪単価
10〜19坪 3.5万円
20〜29坪 3.1万円
30~39坪 2.8万円
40~49坪 2.9万円
50~59坪 2.5万円

和歌山県の住宅は木造一戸建てが非常に多く、建築時期の古い住宅が多いことも特徴です。

老朽化の進んだ住宅の中には耐久性や耐震性の劣る物件も数多くあり、和歌山県では耐震化の促進のため耐震診断、補強設計、耐震改修等にかかる費用の補助を行っていますが、耐震化率の目標値には及ばない状況が続いています。和歌山県には耐震基準が強化される昭和 56 年以前に建築された住宅が約半数あり、親から引き継いだ家を改修せずに建て替えるというケースも多いでしょう。

和歌山県の既成住宅地には住宅敷地に接する道路の幅員も狭いことが多く、こうした場所にある建物を解体する場合は、重機が入れないため手壊し、手運びになり費用が高くなることもあります。交通量の多い通りなどに面した場所で解体工事を行う場合は、通行人等に危険が及ばないようガードマンを配置するなど、しっかりとした養生対策が必要です。

また、郊外の住宅などは敷地面積が広いことが多く、庭木の撤去、ガレージや物置、塀の解体などの作業が伴うこともあるでしょう。これらの付帯工事は別途料金が発生するため、打ち合わせの段階でしっかりと確認しておくことをおすすめします。1つの業者に絞らず、複数の業者に見積もりを依頼するのも良いでしょう。

鉄骨造の解体費用相場

坪数 坪単価
10〜19坪  
20〜29坪  
30~39坪  
40~49坪 3.5万円
50~59坪 2.9万円

鉄骨造の解体工事は、比較的容易な木造建物の解体に比べると、手間や時間、廃材の分別や処分費がかかったりするため費用も高くなる傾向にあります。解体費用を少しでも安く抑えるためには、業者選びが最大のポイントとなるでしょう。

和歌山県の住宅事情を見ると、戸建て住宅のほとんどが木造で、マンションや団地はRC造が多く、全体的に見て鉄骨造の建物はそれほど多くはありません。しかし、店舗や雑居ビル、アパートなどは鉄骨造の建物も見られます。

近年は、大型店舗へのアクセス向上やネットショッピングの普及などにより、中心市街地の活気撤退、空き店舗の増加が問題となっています。人口減少や高齢化が更に進行することが予想されている和歌山県では、こうした鉄骨造の建物の解体工事も増加するでしょう。

鉄骨造の解体工事は騒音・振動などが発生し、周囲への影響も少なからず出てくるため、トラブルが起きないように細心の注意を払わなければなりません。騒音や粉塵の飛散を防ぐための養生、近隣への挨拶など、しっかりと対策の取れる業者を選ぶことが大切です。

また、鉄骨造の建物の解体で発生した鉄くずは、有価物として業者に売却できる場合もあります。売却できればその分を解体費用に充てることができるため、結果的にコストを抑えることが可能となります。業者との打ち合わせの際に、廃材をどのように扱うか確認しておくと良いでしょう。

RC造の解体費用相場

坪数 坪単価
10〜19坪  
20〜29坪  
30~39坪  
40~49坪  
50~59坪 4.2万円

RC造はコンクリートと鉄筋が複合された強固な造りのため手作業での解体は不可能で、大型重機の使用が必須となります。自社で重機を所有し、解体現場の道路状況を確認して重機が入れるかなどをしっかり調査してくれるような、RC造の解体を得意とする業者に解体を依頼するのが望ましいでしょう。

規模の大きな建物を解体する際に問題になる点として、騒音・振動などが挙げられます。重機等の使用により騒音・振動が発生する作業は「特定建設作業」に定められており、作業を開始する7日前までに市町村の窓口へ届け出が必要になります。

また、解体工事において近隣トラブルというのは非常に多く発生しており、発注者・施工業者ともに誠実な対応が求められます。あまりにも費用の安い解体業者などは、無資格や実績がないなどの問題があるケースも考えられます。業者との打ち合わせの際には、資格や届出等の県も含めしっかりと確認することをおすすめします。

和歌山県で実際に行われた解体工事の費用事例

建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

  • 和歌山県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。

和歌山県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと

店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体

設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。

ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。

内装解体とスケルトン工事・原状回復工事・設備解体工事の相関図
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内装解体

内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。

具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。

スケルトン解体工事

スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。

入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。

スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。

原状回復工事

原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。

物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。

例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。

※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。

設備解体工事

設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。

そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。

また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。

まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。

和歌山県の空き家の種類と件数

ここからは、和歌山県に空き家はどのくらいあるのか、また、空き家に関する県の取り組み等を紹介していきます。

総務省統計局が5年毎に行う住宅・土地統計調査によると、平成30年の和歌山県の空き家数は98,400件、空き家率は20.3%です。5年前の調査と比べると空き家率は2.2ポイント上昇しており、全国では山梨県に次いで2番目に高い割合になっています。

別荘等の二次的住宅を除いた空き家率では全国1位となり、前回の調査で6位だったことを踏まえると大幅に空き家が増加したことが見受けられます。空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が34,000件、「売却用の住宅」が2,600件、「二次的住宅」が7,400件、「その他の住宅」が54,400件で、長期にわたり不在の住宅など対策が必要となる空き家の割合が5割以上を占めている状況です。

ここ40年間ほどの国勢調査によると、近畿地方における和歌山県以外の2府4県は15%~40%の人口増加率を示しているのに対し、和歌山県は唯一の人口減となっている県です。1985年の約109万人をピークに人口は減少に転じ、1995年に阪神淡路大震災の影響等により一時的に増加したものの、現在に至るまで減少傾向が続いています。

人口減少の主な要因としては、若年層の県外流出が挙げられます。和歌山県は、大学への進学希望者に比して県内大学の定員が少ないこともあり、県内の高校から県外の大学等へ進学する学生の割合は全国で最も高い数字となっています。また、就職にあたって大阪府などに転出する若年層が多いことも、人口減少の要因の1つとなっています。

また、高齢化も進行しており、平成31年1月1日時点の和歌山県の高齢人口比率は32.0%で全国9位、近畿府県内では1位の高さとなっています。特に、すさみ町、北山村、紀美野町は45%を超え、古座川町は52.3%となるなど、県南部の高齢化が深刻な問題となっています。

子供が進学・就職を機に県外へ転出し、そのまま和歌山県に戻らず県外に世帯を持つというケースが多いため、県内の高齢夫婦世帯、高齢単身者世帯も増加している状況です。そのため、高齢の住宅所有者が亡くなり空き家になっている、というケースも多いのでしょう。

次に、和歌山県の空き家の破損状況を見てみると、腐朽・破損等のある建物は28,900件、破損等がなく利用可能な建物が69,500件となっています。現状、空き家の約3割は今すぐに活用することは困難な建物、ということになります。

腐朽・破損等のある建物の内訳は「賃貸用の住宅」が8,200件、「売却用の住宅」が600件、「二次的住宅」が2,600件、「その他の住宅」が17,500件で、最も多い「その他の住宅」のうち大部分の14,700件が一戸建て住宅となっています。

近い将来に南海トラフ地震が発生する確率が高く、甚大な被害を受ける可能性があると予想される和歌山県では、こうした劣化の進んだ空き家は倒壊等のリスクが高くなるため早急な対処が求められます。

和歌山県はこうした空き家の増加を受け、平成28年に市町村の空き家対策を促進するため「和歌山県空家等対策推進協議会」を設置し、定期的に協議会を開催して各種対応などについて協議を行っています。

また、空き家に関する各専門家等と行政が連携して相談体制を整え、定期的に無料の「空き家なんでも相談会」を開催しているほか、空き家に関するあらゆる相談を一元的に受け付けるワンストップ窓口「空き家相談センターわかやま」を開設しています。

その他にも、わかやま移住・定住支援サイト「わかやまLIFE」を運営しており、サイト内で空き家バンク、空き家支援制度等を紹介しています。

まとめ:和歌山県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を

和歌山県は少子高齢化が全国に先駆けて進行しており、若年層を中心とした県外流出も深刻な問題となっています。そのため、空き家率も全国トップクラスの高さで、老朽化の進んだ空き家も増加しています。

和歌山県では、移住者へ空き家を賃貸する場合の改修費用や、空き家バンクへ登録している方で賃貸借・売買契約が成立した場合の家財等撤去費用の補助を行っているため、こうした制度を利用することも空き家を増やさない1つの方法と言えます。

空き家を放置したまま劣化が進むと、近隣に悪影響を及ぼしたり、税金が高くなるなどの問題が生じます。和歌山市や田辺市など一部の自治体では、空き家を解体する際の補助を行っています。解体を考えている場合は、お住まいの市町村の窓口で補助について確認をし、速やかに解体工事を行うことをおすすめします。

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