鹿児島県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
鹿児島県の解体工事を巡る状況
鹿児島県は日本の西南部に位置し、県土の面積は全国10位、九州の中では1位の広さを誇ります。南北600kmに及ぶ広大な県土の中に、四季折々の美しい景観や魅力ある観光資源が豊富にあるほか、日本で初めて国立公園に指定された霧島、日本で初めて世界自然遺産に登録された屋久島など、豊かな自然環境に恵まれています。
また、広い畑地などを生かし野菜や花きなどの栽培が盛んであり、平成30年の農業産出額は全国2位になるなど、日本有数の農業県になっています。
600kmに及ぶ県土の中には離島や半島を数多く有しており、中でも有人離島数は26に及ぶなど、全国有数の離島県としても知られています。その中において、密集市街地から過疎地域まで多様な住環境を有しており、これらの地域ではそれぞれ住宅事情が異なるため、特性に応じた住宅施策の展開が課題となっています。
半島地域を含めた地理的条件に恵まれない地域を中心に過疎市町村が多く、こうした地域では今後、空き家の解体工事等も進められるでしょう。
鹿児島県の解体工事費の相場(平均坪単価)
平成30年の鹿児島県における1世帯当たりの住宅数は1.23戸と、住宅ストックは充足されている状況です。
住宅が余っていることに加え世帯数の減少も始まっており、今後は所有している空き家や空き店舗等の解体を考える方も多くなるでしょう。鹿児島県には多くの解体業者がありますが、お住まいの地域やそれぞれの業者によって費用には若干の差があります。
また、解体の対象となる建物は、主に「木造」「鉄骨造」「RC造」の3つの構造があり、それぞれの構造によっても費用が異なります。ここでは、3つの構造の解体の特徴や費用相場をご紹介しますので、自分の所有する建物の構造や周辺環境等を踏まえた上で参考にすることをおすすめします。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 2.8万円 |
20〜29坪 | 2.8万円 |
30~39坪 | 2.7万円 |
40~49坪 | 3.3万円 |
50~59坪 | 1.9万円 |
鹿児島県は台風の常襲地帯であると同時に、平地が少なくシラス土壌といった地理的特徴もあることから、土石流や地滑り等による被害を受けやすい地域になっています。
また、県内の既成市街地の中には、道路が狭く老朽化した木造住宅の密集した地域が多くみられます。こうした脆弱で危険な状況にある地域では特に、地震や津波、浸水への備えに対する関心が高まっており、今後は住宅の補強工事や建て替え工事等も増加すると予想されます。
解体工事の中で最も一般的なのが木造建物の解体で、鉄骨造やRC造の解体と比べると費用は安めなことに加え、建物の大きさにもよりますが工期も1週間~10日程度と比較的短い期間で完了することができます。しかし、道幅の狭い道路沿いや住宅が密集した場所に建つ建物を解体する場合は重機が入れないことも多く、手壊しによる部分が増えるため、その分費用が高くなるケースもあります。
業者との間の行き違いなどにより想定していた金額よりも高くなったというようなことがないように、事前に現地を確認してもらった上でしっかりと打ち合わせをして見積もりを出してもらうようにしましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 1.2万円 |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | |
50~59坪 |
鹿児島県の住宅状況を見ると、一戸建て住宅では木造率が高いものの、マンションやアパートなどの共同住宅では木造よりも鉄骨造・RC造が多くなっています。また、鉄骨造の建物は高い強度を持つため大きなフロアを確保することができ、オフィスビルや工場等にもよく使用されています。
鉄骨造の解体工事は騒音や振動も大きくなるため、周辺住民への事前説明や安全対策をきちんと行ってくれる業者を選ぶことが大切です。業者選びは見積金額の安さに釣られてしまいがちですが、解体工事業等の資格の有無、これまでの経験・実績等も十分に考慮して選択することが重要です。
また、古い鉄骨造の建物にはアスベストが使用されていることが多いため、解体に伴うアスベスト除去の経験があるかどうかも確認しておくことをおすすめします。
県内にはアスベスト含有調査および除去にかかる費用の補助を行っている市町村もありますので、事前にご確認ください。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | 4.1万円 |
50~59坪 |
鹿児島県では、鹿児島市などを中心に再開発事業が進められており、老朽化したビルやマンションなどのRC造の解体工事が行われています。RC造の解体工事は、3つの構造体の中で最も解体費用が高額になります。
その理由として、規模の大きな工事になることはもちろん、建設リサイクル法に基づきコンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設木材について現地で適正に分別解体しなければならないことも挙げられます。
建物を解体する業者は、「解体工事業登録」または「建設業許可」の資格が必要です。特に、工事代金が500万円以上の大規模な建物を解体する場合は、解体工事業登録を受けている業者でなければ請け負うことはできません。中には無資格で工事を請け負う業者もあるため、工事を依頼する際には資格についてもしっかり確認しておきましょう。
RC造の解体は費用の負担が大きいため、業者を1つに決めてしまうと見積もり金額が高いのか安いのか判断することが難しくなります。そのため、複数の業者の金額を比較することができる合見積もりを取ることをおすすめします。
鹿児島県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 鹿児島県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
鹿児島県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
鹿児島県の空き家の種類と件数
ここからは鹿児島県の空き家の種類や件数に基づいて、解体工事の需要を探っていきましょう。
総務省が5年毎に実施する住宅・土地統計調査によると、平成30年の鹿児島県の総住宅数は879,400件、空き家数は167,000件で、共に過去最高の数字となっています。
前回の調査と比べると、総住宅数は14,700件、空き家数は19,700件増加しています。空き家率は前回から1.9ポイント増加の18.9%となっており、空き家率の高い順から見て全国5位、九州地方では1位と、非常に高い値になっています。
鹿児島県の空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が53,600件、「売却用の住宅」が3,900件、「二次的住宅」が4,200件、「その他の住宅」が105,200件で、市場に供給可能な賃貸・売却用の住宅が空き家全体の34.4%、別荘などの二次的住宅が2.5%、所有者が長期にわたり不在で利用目的のないその他の住宅が63.0%となっています。
ここで注目する点としては、全国の「その他の住宅」の空き家全体に占める割合は41.1%なのに対し、鹿児島県は63.0%と非常に高いことです。この数字は、全国でも島根県、高知県、秋田県に次いで4番目の高さとなっています。
鹿児島県の「その他の住宅」を建て方別に見ると、一戸建てが96,400件、長屋建が1,600件、共同住宅が6,700件、その他が500件となっており、大部分を一戸建てが占めています。鹿児島県では、昭和38年以前は総世帯数が総住宅数を上回る住宅不足の状況でしたが、昭和43年に逆転し、その後も総住宅数の増加が総世帯数の増加を上回り続けました。
近年は総住宅数の増加幅は落ち着きを見せているものの、増加傾向は続いている一方で、総世帯数は平成20年をピークに減少局面に入りました。住宅は増え続けているにも関わらず、世帯数が減少していることが、鹿児島県の空き家が増加している要因と言えるでしょう。
世帯数減少の背景にあるのが、高齢化および人口減少です。2019年の全国の高齢化率は28.4%、鹿児島県は32.0%で、全国平均よりも高くなっています。鹿児島県の人口は県外への流出などが続き減少が進んでいましたが、近年は高齢化の影響により死亡者数が出生者数を上回る自然減の状況が続いています。高齢単身世帯や高齢夫婦世帯が死亡、または施設に入所するなどにより、世帯数の減少が進行していると考えられます。
鹿児島県の空き家の破損状況を見てみると、腐朽・破損のある建物は48,500件、腐朽・破損のない建物が118,400件と圧倒的に今後も利用できる空き家が多い状況ですが、破損等のある建物の約7割を占める一戸建て住宅に関しては、所有者が死亡したなどの理由により放置されている可能性の高い空き家です。鹿児島県では、破損等のある建物は修繕または除却、修繕等の必要がない建物は市場に流通させることが課題になるでしょう。
鹿児島県はこうした状況を受け、平成26年に県と市町村、公益財団法人鹿児島県住宅・建築総合センターで構成する「鹿児島県建築住宅行政連絡協議会」が「空き家対策マニュアル」を作成し、空き家再生等推進事業による活用・除却等の具体的な対策事例を紹介するなど、市町村における空き家対策を支援しています。
また、ホームページ上で空き家の適正管理や対策についての相談の促進、空き家に関する相談窓口などを紹介しているほか、令和元年に行われた「かごしま空き家活用コンテスト」の結果を掲載するなど、広く情報発信を行い空き家活用の促進を図っています。
まとめ:鹿児島県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
鹿児島県の空き家は年々増加傾向にあり、直近の調査では全国で5番目に高い空き家率を示しています。特に、高齢化等の影響により利用目的のない「その他の住宅」が多い状況で、鹿児島県では空き家の有効活用が課題となっています。県内の多くの市町村で空き家バンクを設置しており、こうした制度を利用して空き家を賃貸・売却することも放置空き家を減らす1つの方法です。
しかし、老朽化の進んだ空き家は賃貸・売却物件として活用することは困難です。鹿児島県の空き家の約3割が破損等のある物件で、倒壊等の恐れのある「特定空家等」に認定されると固定資産税が高くなるなどの金銭的な負担が生じます。
利用する予定のない空き家を所有している場合は、速やかに信頼できる解体業者を探して解体の依頼をすることをおすすめします。