山形県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
山形県の解体工事を巡る状況
山形県は東北地方の南西部、日本海側に位置する県で、県土の80%以上が山地という豊かな自然環境に恵まれています。
県の中央を「母なる川」と呼ばれる最上川が流れ、その流域に市街地、住宅地が形成され、県民の多くが居住しています。農業が盛んで、全国の生産量の約7割を占める「さくらんぼ」の産地としても知られているほか、「つや姫」に代表されるお米、米沢牛、三元豚なども高い評価を受けています。
山形県における住宅地の公示地価は、県外の都市部に比べると安価なことに加え、県や市町村による住宅の建設・取得・改修等に対する支援が充実していることから、住宅を取得しやすい環境が整っています。実際に平成27年の国勢調査では、山形県の持ち家率は全国で4番目に高い75%を示しており、多くの県民が持ち家に居住していることがわかります。
また、持ち家の中でも一戸建て住宅の割合が非常に高く、一住宅当たりの延べ床面積は全国3位の広さとなっています。山形県は三世代同居率が全国で最も高い県ですが、近年は全国の流れと同様に核家族化や少子高齢化が進んでおり、広すぎる住宅はなかなか買い手がつかないといった事情もあり、今後は空き家等の解体工事も増加していくと考えられます。
山形県の解体工事費の相場(平均坪単価)
山形県で最も人口が多いのは山形市で、次いで鶴岡市、酒田市と続きます。この3市については人口・世帯数が多い分、賃貸住宅等の空き家の数も多めですが、高齢化率の高い郡部では今後利用される可能性の低い空き家が増加しています。所有する建物の解体を考えている方は、山形県の解体費用相場がどのくらいなのか気になるところでしょう。
建物には大きく分けて「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類の構造があり、どの構造かによって解体費用の坪単価も異なります。所有する建物の構造を踏まえた上で、解体費用相場や業者に依頼する際の注意点などを頭に入れておくと良いでしょう。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.8万円 |
20〜29坪 | 3.4万円 |
30~39坪 | 3.9万円 |
40~49坪 | 3.1万円 |
50~59坪 | 2.9万円 |
木造一戸建て住宅の割合が高い山形県ですが、住宅の耐震化率は約76%と全国平均の82%を下回っています。
山形県には広い住宅が多いため、耐震改修に多額の費用を要するということもあり、耐震化がなかなか進んでいない状況と言えます。そのため、県内の多くの市町村では耐震診断および耐震改修に要する費用の一部を補助する制度を設けているほか、山形市、鶴岡市、天童市などでは危険な空き家の解体費用に対する補助を行っています。
木造建物の解体は複雑な工程などもそれほどなく、鉄骨造やRC造の解体と比べると費用は安価になります。しかし、広い住宅が多い山形県では、木造住宅の解体でもそれなりの費用がかかってしまいます。解体費用を安く抑えるためには、家財道具は自分で処分しておく、敷地内の庭木を伐採しておくなど、事前にできることをやっておくということも1つの方法です。
また、解体業者によって木造の解体を得意としている業者もあれば、RC造の解体を得意としている業者もあり、木造解体に慣れている業者のほうが金額も安くなる可能性があります。
納得のいく条件で解体工事を行うためには、自治体の補助金制度や解体業者について入念に下調べする、自分でできる大型ごみの処分を済ませておくなど、着工までに積極的に動くことが重要です。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.4万円 |
20〜29坪 | 3.2万円 |
30~39坪 | 3.0万円 |
40~49坪 | 2.9万円 |
50~59坪 | 2.7万円 |
県全体で見ると木造建物が多い山形県ですが、都市部ではオフィスビルやマンション等の鉄骨造の建物も多く見られます。県の中心部である山形市では、山形駅前を中心に再開発事業が進められており、建て替えのための解体工事等も頻繁に行われています。
鉄骨造の解体にかかる日数は、ビルやマンションなど大規模な建物はそれなりの日数がかかりますが、店舗など小規模な建物であれば1週間程度あれば解体することができます。全体的な目安としては、10日前後みておくと良いでしょう。解体工事を依頼する際に業者に確認しておくこととしては、資格の有無が挙げられます。
解体業者は「解体工事業登録」または「建設業許可」の資格が必要で、工事代金が500万円未満であれば解体工事業登録を受けていれば工事ができますが、500万円以上の工事であれば建設業許可を受けていなければ請け負うことができません。中には無資格で工事を請け負う業者もあるため、工事を依頼する際には資格についてもしっかり確認しておきましょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | |
50~59坪 |
RC造とは鉄筋コンクリート造の建物のことで、ビルやマンション、団地などに多い構造です。木造と比べると熱に強く耐震性にも優れており、なおかつ自由な形状にも対応できるため、近年はRC造の一戸建て住宅も増加しています。しかし、山形県では木造の一戸建て住宅が大半を占めるため、RC造の建物は商業施設や大規模な団地等が多いでしょう。
RC造の建物は構造上、木造や鉄骨造の建物の解体と比べると複雑な工程を経て解体するため、その分解体費用も高額になります。また、古い鉄骨造やRC造の建物は耐火被覆材としてアスベストが使用されているケースも多く、こうした建物を解体する場合は事前に含有調査を行い、アスベストが見つかれば専門的なスキルを持った業者によって除去する必要があります。
アスベストの除去費用は、部屋の形状や天井の高さなど様々な条件によって大きく差がでます。また、アスベストの除去には知識・経験のあるスタッフや設備、備品等が必要となるため、除去費用は決して安いものではありません。あまりにも安い金額を提示する業者は悪徳業者や違法解体業者の可能性もあるため、注意が必要です
山形県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 山形県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
山形県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
山形県の空き家の種類と件数
高齢化率が全国で6番目に高い山形県では、空き家が年々増加している状況です。空き家にも種類がありますが、山形県にはどの種類の空き家が多いのか、また、空き家を増加させないために県が行っている対策についてなどを紹介していきます。
総務省統計局が5年毎に発表している住宅・土地統計調査によると、平成30年の山形県の空き家の数は54,200件、空き家率は12.0%です。山形県における10年間の空き家率の推移を見ると、平成20年が11.0%、平成25年は10.7%に低下、平成30年には12.0%に上昇しています。
平成25年に空き家率が低下した要因は、平成23年に発生した東日本大震災の避難者の関係で一時的に賃貸物件が埋まったためであり、平成30年には住宅の取得等により賃貸物件からの転居者が増え、再び空き家率が上昇したものと考えられます。
山形県の空き家の内訳を見ると、「賃貸用の住宅」が21,500件、「売却用の住宅」が1,400件、「二次的住宅」が1,700件、「その他の住宅」が29,600件で、賃貸や売却物件として活用されていない「その他の住宅」の空き家の数が最も多い状況です。賃貸用住宅の空き家は前述したような理由により増減していますが、長期にわたり使用されていない「その他の住宅」においては、調査開始以降一貫して増加傾向にあります。
山形県の人口は昭和60年代から減少が続いており、全国よりも早い段階から高齢化の現象もみられています。平成29年時点の山形県の高齢化率は32.2%で、全国で6番目、東北地方では秋田県に次いで2番目に高い数字です。また、「三世代同居率」は全国トップ、「高齢者のいる世帯」では全国2位になっており、高齢夫婦のみの世帯や高齢単身者世帯も年々増加している状況です。
こうした状況から、今後は高齢化等により所有者が転居、入院、施設に入所するなどのほか、死亡するなどの理由により、今後ますます「その他の住宅」に分類される空き家が増加すると考えられます。空き家がもたらす影響としては、適正に管理されていれば大きな問題は生じないものの、管理を行わなければ防災、防犯、環境衛生、風景・景観等、様々な面でリスクや問題が生じます。
県内の空き家の破損状況を見ると、空き家全体の約26%にあたる13,900件が腐朽・破損等のある建物で、そのうち9,200件が「その他の住宅」に分類される建物です。更に、建て方別で見ると、9割以上が一戸建て住宅となっています。県内全域が豪雪地帯、26市町村が特別豪雪地帯に指定される山形県では、劣化の進んだ空き家等は積雪による家屋倒壊の恐れもあり、県、市町村では積極的に空き家対策に取り組んでいます。
県の取り組みとしては、空き家の現状や課題、適正な管理等についてまとめた「空き家大辞典」、空き家を相続した場合の事務手続きや空き家対策法令・条例等をまとめた「やまがたの空き家対策の手引き」などを県のホームページ上で公開しています。
また、平成28年から山上市と協力してモデル事業を実施し、空き家対策の取り組みや手順、利活用の事例等をまとめた「総合的な空き家対策推進マニュアル」を策定しました。これにより、市町村における空き家対策の推進、利活用の促進等の支援を行っています。
まとめ:山形県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
山形県は全国と同様に、高齢化や人口減少を背景に空き家が増加傾向にあります。
県では、平成27年に全市町村に空き家対策アンケートを実施したり、市町村の担当者から空き家対策等についての現状を聞き取り、その声を反映してマニュアルを作成するなど、積極的な対策を講じています。しかしながら、今後も山形県の人口減少・少子高齢化の波は続くと予想されており、県内のどの地域においても空き家が増加することは明確な状況です。
空き家は管理しないまま放置しておくと劣化が進み、「空家等対策の推進に関する特別措置法」によって特定空家等に認定されると、税金が高くなるなど所有者の負担が生じます。
山形県では空き家や老朽建物を解体する際の助成制度を設けている自治体も多くあるため、空き家が立地する市町村のホームページ等を確認し、該当する場合は助成制度等を活用し、速やかに空き家の対処をすることをおすすめします。