広島県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
広島県の解体工事を巡る状況
中国地方のほぼ中央に位置し工業・商業で栄えた広島県は、海と山の豊かな自然に囲まれ農業や漁業も盛んに行われている「日本国の縮図」とも称される県です。関西経済圏と九州経済圏の中間に位置しており、中国5県における卸売業・小売業のシェアも非常に高く、中国地方のビジネスの拠点地として発展してきました。
世界で初めて原子爆弾による爆撃を受けた広島市を擁していることから世界的にも知名度が高く、安芸の宮島と原爆ドームの2つのユネスコ世界遺産を有しているため、国内のみならず海外からも観光客が多く訪れています。
広島県は県土の約7割を山地が占めており、住宅市街地は瀬戸内海に面した小規模な平野部に密集している状況です。急峻な山地が多く、土石流危険渓流や急傾斜地崩壊危険箇所など全国で最も多くの土砂災害危険箇所を抱えており、渓流の出口や斜面の真下の土地などに住宅が建てられている箇所もみられます。
広島県では、がけ地付近等の対象区域内から住宅を移転する場合、住宅の除却費や移転先の住宅の建設、購入及び改修のための借入金の利子に対する補助金を交付しています。広島県では、今後はこうした住宅や、老朽化した空き家等の解体工事も増加するでしょう。
広島県の解体工事費の相場(平均坪単価)
中国・四国地方で最も人口が多い広島県には、政令指定都市の広島市を中心に多くの解体業者があります。
解体業者の数が多いと選択肢の幅が広がりますが、優良な業者かどうかを見極めることも重要なポイントとなるでしょう。解体費用は地域や建物の構造、周辺環境などによって金額が変わりますが、あまりにも安い金額を提示する業者は悪徳業者という可能性もあるため、注意が必要です。
建物の解体費用は、「木造」「鉄骨造」「RC造」のどの構造かによっても解体費用が異なります。ここでは、建物の構造ごとの解体費用相場、業者に依頼する際の注意点等をご紹介します。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.5万円 |
20〜29坪 | 3.8万円 |
30~39坪 | 3.2万円 |
40~49坪 | 3.1万円 |
50~59坪 | 3.0万円 |
平成30年の住宅・土地統計調査によると、広島県の住宅における一戸建ての割合は55.5%、共同住宅の割合は41.3%となっています。構造別で見ると木造住宅が56.2%で、昭和63年からの30年間で木造は低下、鉄筋・鉄骨コンクリート造は上昇しているものの、半数以上の住宅は木造ということになります。
広島県内の住宅が密集した市街地では、敷地が狭小で狭い道路沿いに建つ老朽化した建物も多く見られます。こうした条件の良くない場所にある建物を解体する場合は、重機の搬入等が困難になるため費用も高くなる傾向にあります。
大型重機が入れない可能性のある場所で解体工事を行う場合は、小型重機を所有する業者に依頼すると費用を抑えられることもあるため、業者を探す際にはこういった点も考慮して選ぶと良いでしょう。
また、ガレージや外構、フェンスなども撤去したい場合は、別途料金が発生します。業者との打ち合わせの際には、解体費用だけではなく付帯工事の費用についても忘れずに確認しておきましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | 2.9万円 |
40~49坪 | 3.2万円 |
50~59坪 | 3.2万円 |
鉄骨造の解体費用相場は上記のとおりで、木造建物の解体と比べてやや高額になります。これは、特殊なアタッチメントなどの工具が必要なこと、人手、工期なども木造の解体よりも多くかかるためです。
鉄骨造はアパート、雑居ビル、店舗や倉庫などによく使用される構造体です。広島県では、広島市を中心に大型ショッピングセンターや高層マンションなどが次々と建設され、古くからの商店街などは衰退傾向にあります。
また、経営者の高齢化や後継者不足により、シャッターの閉まった商店や空き店舗も多く見られます。今後ますます高齢化が進行すると、空き店舗等の解体工事も増えてくるでしょう。
解体工事の対象となる鉄骨造の建物は老朽化が進んでいるなど古い建物が多く、こうした建物にはアスベストが使用されている可能性もあります。吹付け石綿、石綿を含有する断熱材などの特定建築材料が使用されている建物を解体する場合、工事の発注者又は自主施工者が作業開始の14日前までに届け出をしなければなりません。
解体業者を選ぶ際は、書類の届け出等を含め、知識や経験が豊富な業者を探すことがポイントとなります。また、解体工事の打ち合わせをする際は、安全な解体を進めるためにも図面等を用意して入念に確認することをおすすめします。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 7.3万円 |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | |
50~59坪 |
RC造とは鉄筋コンクリート造の建物のことで、鉄骨の枠にコンクリートを流し、熱に弱い鉄骨と引張力に弱いコンクリートのお互いの短所を補うことで強度の高さを生み出しています。主にマンションや団地、大規模なビル等に見られる構造体で、解体する際は多くの工程や人手が必要になり、費用も高額になります。
広島県内のマンションは昭和 40 年頃から建設が始まり、現在では約 12万戸のストックがあると考えられます。そのうち約半数は旧耐震基準により設計されたもので、建設から30年以上を経過したものも多くあります。今後は築年数の経過に伴い、建て替えが必要な老朽化したマンション等が増加することが予想されます。
RC造の建物には大規模なものも多く、解体する際は騒音や振動、粉塵の飛散など、周辺の建物や住民にも影響を及ぼします。そのため、解体工事の着工前に近隣住民に周知するなどの配慮が求められます。RC造の解体工事を依頼する際は、建設リサイクル法に基づいた適切な解体、丁寧な近隣への対応ができる経験豊富な業者を選ぶことが重要です。
広島県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 広島県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
広島県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
広島県の空き家の種類と件数
全国的に空き家の増加が話題となっていますが、人口減少・少子高齢化が進行している広島県でも空き家の増加は避けて通れない問題です。ここでは、広島県の空き家の種類や件数、県の空き家対策などについて紹介していきます。
総務省統計局が5年毎に発表している住宅・土地統計調査によると、平成30年の広島県の空き家数は215,600件、空き家率は15.1%です。広島県の空き家数は平成15年から25年までの10年間で約5万戸、空き家率は2.4ポイント増加しましたが、平成30年までの5年間で空き家数が5,700件、空き家率は0.8ポイント減少しています。
中国地方5県で見ても、平成25年は山口県に次いで2番目に高かった空き家率が、平成30年は最も低くなっています。この背景には、広島県の世帯数が現在も増加しているのに対し、住宅数の増加が鈍化したことが影響していることもあると考えられます。
広島県の空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が89,000件、「売却用の住宅」が5,900件、「二次的住宅」が6,600件、「その他の住宅」が114,200件です。平成25年と比べると「賃貸用の住宅」の空き家が16,100件減少し、それにより空き家全体の数も減少しましたが、「その他の住宅」においては12,800件も増加している状況です。
広島県では、借家率の高い都市部の広島市とその周辺の海田町、東広島市などでは空き家に関しても賃貸の空き家が多く、「その他の住宅」の割合は3割程度となっています。一方で、持ち家率の高い安芸高田市や竹原市では「その他の住宅」の割合が7割を超えるなど、空き家の属性は地域によって大きく異なっています。
「その他の住宅」は入院や転勤などにより長期にわたり所有者が不在になっている物件で、賃貸や売却物件、別荘等として活用されていないものを指します。広島県の住宅数の増加は鈍化しているとは言え、平成29年の新築戸数は約21,000件、世帯増加数は約8,000件で、世帯数の増加数よりも新築戸数が2倍以上も多い状況です。
空き家が多いにも関わらず新築の物件が増加し供給過剰の状況にあることに加え、広島県の既存住宅の流通割合は全国平均と比べても低調なことが、「その他の住宅」が増えている要因とも言えるでしょう。
空き家は定期的に管理をしていれば問題はありませんが、管理する人がいない、高齢で管理が困難などの理由により適切な管理を行わないと、建物が劣化し倒壊の恐れや景観を損ねるといった問題が出てきます。広島県の空き家のうち50,200件が何らかの破損等のある物件で、そのうち30,300件が「その他の住宅」に分類される建物です。更に、建て方別で見ると、一戸建てが24,300件、長屋建が2,400件、共同住宅が3,500件、その他が100件で、劣化が進んだ建物の多くが一戸建て住宅ということになります。
広島県では、適切な管理が行われていない空き家が増加している状況を受け、平成26年に空き家活用の促進を図るため広島県と各市町村、関係団体で構成する「広島県空き家対策推進協議会」を設置しました。
平成27年には空き家対策を総合的、計画的に進めるための「広島県空き家対策対応指針」を策定しましたが、その後も「その他の住宅」が増加していることを踏まえ、令和2年に指針を見直し対策を強化しています。
また、「ひろしま空き家バンク みんと。」を開設しており、各市町村に設置した空き家バンクと連携して県内全域の空き家情報や活用事例などを紹介しています。
まとめ:広島県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
地域によって異なる特性を持つ広島県では、斜面市街地や密集市街地における空き家、高齢化の進行が問題となっている中山間・瀬戸内沿岸地域の農山村・漁村集落における空き家、「オールドタウン」と化している郊外住宅団地における空き家など、それぞれ発生の要因や問題が異なります。
今後は地域性等に応じた空き家対策が求められますが、共通して言えることは、空き家は適切な管理を行わなければ劣化が進み周囲に悪影響を及ぼす可能性があると言うことです。
空き家の解体は、権利問題が複雑であったり、所有者が遠方に住んでいるなど、簡単に進められない事情を抱えているケースも多いでしょう。しかし、劣化したまま放置しておくと、倒壊などにより第三者に怪我をさせてしまった場合に様々な損害責任を負うことになります。
管理が困難な空き家を抱えている方は、こうした事態が起きる前に速やかに空き家を解体することをおすすめします。