埼玉県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
埼玉県の解体工事を巡る状況
埼玉県は東京都、千葉県など1都6県と隣接する内陸県で、災害が少なく快晴日数が多いという恵まれた環境や、良好な住環境が整っています。
首都圏の中央に位置し、6つの高速道路や6つの新幹線が走るなど鉄道網・道路網が充実しており、昼間の人口流出が全国1位のベッドタウンとしての性質を色濃く持つ県です。令和2年2月時点の人口は約730万人と全国では5番目に多く、人口増加率においては東京都、沖縄県に次いで第3位となっています。
埼玉県は、高度経済成長期以降に新規の鉄道路線の整備等が進められ、交通アクセスが向上したことから東京都のベッドタウンとして鉄道沿線ごとに市街地の開発、住宅地の整備が行われました。都心への通勤圏を中心にニュータウンや高層マンションが立ち並び、比較的若い世代が多く居住しています。
一方で、県北部や西部は過疎化・高齢化が進んでおり、単身高齢者世帯も多いことから、今後は空き家が増加し解体工事の需要が高まることが予想されます。
埼玉県の解体工事費の相場(平均坪単価)
埼玉県には63の市町村があり、全国では北海道、長野県に次いで3番目、首都圏では最も多い数を有しています。
解体業者の数も多いため選択肢の幅が広がりますが、優良な業者かどうか見極めることも重要なポイントとなるでしょう。解体費用は地域や建物の構造、周辺環境などによって金額が変わりますが、あまりにも安い金額を提示する業者は悪徳業者という可能性もあるため、注意が必要です。
埼玉県で解体工事を行う場合、費用は地域によって若干の差がありますが、全体的に見て47都道府県の中では比較的高いほうと言えます。埼玉県では、自治体によっては解体工事費用の助成金制度を設けているところもあるため、上手に利用するとコストを抑えることができるかもしれません。
では、「木造」「鉄骨造」「RC造」の構造別の解体費用相場、解体を依頼する際の注意点などについて紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.9万円 |
20〜29坪 | 3.8万円 |
30~39坪 | 3.5万円 |
40~49坪 | 3.2万円 |
50~59坪 | 3.1万円 |
木造建物の解体は比較的容易なため、鉄骨造やRC造の解体と比べると費用は安く抑えることができます。近年は全国的に住宅の非木造化が進んでおり、埼玉県でもその傾向が顕著にあらわれています。しかし、一戸建て住宅においては、まだまだ木造建築が多い状況です。
県内の木造・非木造建築の構成は、平成30年時点で木造が59.6%、非木造が40.4%となっています。埼玉県には昭和56年以前の旧建築基準に適応した住宅が約74万戸あり、その3分の2を木造一戸建て住宅が占めています。これらの建物は大規模な地震が起きると倒壊する可能性があり、県では職員による無料耐震診断を行っています。
また、さいたま市では耐震診断、補強設計のほかに補強工事及び建替え工事の費用の一部の補助制度、蕨市では老朽空き家等解体補助金制度を設けるなど、解体や建て替え工事の補助を行っている自治体もあります。
県内で木造建物の解体工事を行う場合、相場は東京都心に比べると若干安くなります。しかし、県内でも地域や周辺環境などによって金額が変わってくるため、事前に現地調査は必ず行ってもらうようにしましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.5万円 |
20〜29坪 | 6.5万円 |
30~39坪 | 4.6万円 |
40~49坪 | 4.1万円 |
50~59坪 | 3.5万円 |
埼玉県では、人口集中が特に著しいさいたま市や川口市を中心に、県内の各地域で再開発事業が進められています。また、平成17年につくばエクスプレスが開業したことに伴い、八潮駅周辺や三郷中央駅周辺ではまちづくりが進められており、マンションや商業施設の建設、老朽化の進んだ建物の解体工事等が日々行われています。
鉄骨造の建物には、重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類があります。重量鉄骨造は鋼材の厚さが6mm以上、軽量鉄骨造は6mm以下という違いがあり、一般的に重量鉄骨造はビルやマンションなどの大規模な建物、軽量鉄骨造は店舗や一般住宅など比較的小規模な建物に適しています。解体する際はどちらの構造かによって費用も変わるため、所有する建物について事前に確認しておくことをおすすめします。
また、古い鉄骨造の建物にはアスベストが使用されているケースが多く、除去するには高額な費用がかかります。埼玉県では、さいたま市、川越市、熊谷市など12市を除く県内の全ての区域を対象に、民間建築物を所有する方に対しアスベスト含有調査費用の補助、および除去等に対する費用の一部の補助を行っています。
また、対象外の地域でも自治体によってはアスベスト含有調査や除去等に要する費用の補助制度を設けているところもあるため、解体する建物がある自治体のホームページ等で確認することをおすすめします。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | 5.2万円 |
50~59坪 |
RC造の建物は鉄筋とコンクリートを組み合わせた強度の高い造りが特徴で、解体する際は手間がかかる分、木造や鉄骨造の建物と比べて解体費用が高額になります。
県内では、東武伊勢崎線沿線地域に大規模団地が多く存在しています。県営団地の約40%が建築後35年以上を経過しているほか、民間のマンション等の中にも老朽化が進み建て替えやリフォーム等の対応を必要とする建物が多くあります。
埼玉県内で解体工事を行う場合、埼玉県知事の登録を受ける必要があります。また、請負金額が500万円以上の場合は建設業許可の登録も必要です。
業者の中にはこういった資格を持たず工事を請け負う、いわゆる悪徳業者も存在するため、業者選びの際は登録申請をしている業者かどうかという点にも着目して選択することをおすすめします。
埼玉県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 埼玉県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
埼玉県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
埼玉県の空き家の種類と件数
47都道府県の中で5番目に人口が多く、人口の流入が続いている埼玉県ですが、全国と同様に空き家に関する問題も抱えています。ここでは、埼玉県の空き家の数、空き家に関する県の政策などについて紹介していきます。
総務省の実施する住宅・土地統計調査によると、平成30年の埼玉県の空き家数は346,200件、空き家率は10.2%で、空き家の数としては全国で8番目に多い数字です。この調査は5年ごとに行われており、埼玉県は平成15年・20年・25年と連続して空き家数・空き家率ともに増加傾向にありました。
しかし、平成30年の調査では、空き家数が約9千戸、空き家率が0.7ポイント減少しています。空き家率に至っては、47都道府県の中で最も低い値となりました。県内の市町村別で見ると、空き家数が最も多いのは、さいたま市の57,500件、空き家率が最も高いのは秩父市の19.6%となっています。空き家の数は、県南部や北部に多く、空き家率は県北部、西部で高い傾向にあります。
埼玉県の空き家率は沖縄県と並んで全国一低い値ですが、約35万戸という数は決して少ないとは言えません。空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が199,400件、「売却用の住宅」が15,300件、「二次的住宅」が7,400件、「その他の住宅」が124.100件となっており、賃貸用住宅の空き家が最も多い状況です。
東京圏では全国から人口の流入が続いており、埼玉県を含め、賃貸用住宅は慢性的な供給過剰状態となっています。県内では東武伊勢崎線沿線地域に平坦で低平な地形が広がっており、人口の増加に伴い本来需要のないような場所でも田畑や農地を転用して賃貸用アパート等が建設されてきました。埼玉県では今後、人口・世帯数の減少が予測されており、賃貸用住宅の空き家は更に増加すると考えられます。
埼玉県の空き家で、賃貸用住宅に続いて多いのが「その他の住宅」に分類される物件です。「その他の住宅」は転勤や入院など何らかの理由により長期不在になっている住宅のことで、埼玉県の124.100件は全国で9番目に多い数字です。
「その他の住宅」の多くは、所有者が亡くなり引き継ぐ家族がいない、子が相続したけれど遠方に住んでいるため管理ができないなど、高齢化が要因となっている物件が占めています。国立社会保障・人口問題研究所の資料を基にした計算では、埼玉県の将来人口の減少数(2015年から2040年)は全国平均の約5倍の90万人となることが推測されており、「空き家予備軍」を非常に多く抱えている状況です。
続いて、埼玉県の空き家の破損状況を見てみると、腐朽・破損のある建物が65,100件、腐朽・破損のない建物が281,100件で、空き家の8割以上が修繕等を行わなくても利活用できる物件です。破損等のある建物の内訳は、「賃貸用の住宅」が30,400件、「売却用の住宅」が2,100件、「二次的住宅」が600件、「その他の住宅」が32,000件です。
賃貸、売却物件については破損等があると借り手・買い手も見つかりにくく、リフォーム等を行わなければ近い将来「その他の住宅」に分類される可能性があります。また、二次的住宅やその他の住宅については、破損等のあるまま放置しておくと「特定空家等」の対象になり、自治体から助言・指導を経て勧告を受けると土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、税金が高くなってしまいます。
埼玉県は空き家対策の取組として、平成26年から埼玉県空き家対策連絡会議を設置しています。県および県内の63の市町村、埼玉県宅地建物取引業協会、埼玉弁護士会等で構成されており、県と関係団体が一体となり連絡会議の開催、空き家対策の主体となる市町村の支援を行っています。
支援の内容としては、「空き家対策を総合的に推進」、「空き家化の予防」など4つのカテゴリ別に各種マニュアルを作成しているほか、空き家予防のために無料で講師を派遣し「相続おしかけ講座」を開催するなど、管理不全の空き家の解消および空き家の活用促進に努めています。
また、市町村では、34市町村が空家等対策計画を策定(平成31年3月時点)、49市町村39バンクを設置(令和元年5月時点)するなど、積極的に空き家対策に取り組んでいます。
まとめ:埼玉県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
埼玉県の空き家率は全国で最も低い値ですが、数としては約35万戸と多くの空き家を抱えています。
人口減少・高齢化の進行が予想され、今後急速に空き家が増加することが懸念される埼玉県では、空き家の増加を抑制するための様々な対策を講じていますが、空き家所有者に広く情報が行き届いているとは言えない状況です。
県のホームページ上では、建物の所有者向けに今後住まなくなった場合の管理や活用の仕方についてまとめた「住まなくなったらこうする!空き家管理・活用の道しるべ 」を公開しています。
こうした資料を参考に、適正な空き家の管理あるいは賃貸・売却物件として利用する、解体して更地にするなど、建物の今後について家族や親族と話し合っておくことも、空き家を増やさないための1つの方法と言えるでしょう。