秋田県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
秋田県の解体工事を巡る状況
秋田県は東北地方の日本海側に位置する県で、世界自然遺産に登録されている「白神山地」、日本一の深さを誇る「田沢湖」など、豊富な観光資源を有しています。
自然に恵まれた秋田県では、あきたこまちに代表されるお米をはじめ、お酒、魚、海藻、そしてそれらの良質な食材を活かした郷土料理などが豊富で、特に「きりたんぽ」は秋田を代表する料理として知られています。
秋田県は全国に先駆けて人口・世帯数の減少が進行している地域で、平成29年には戦後初めて人口が100万人を割り込み、今後も人口減少が避けられない状況が続くと推測されています。空き家も年々増加しており、秋田県大仙市では平成24年3月に全国で初となる行政代執行による空き家の解体が行われました。
県内全域が豪雪地帯、県土面積のほぼ半分を占める13市町村が特別豪雪地帯に指定される秋田県では、積雪による空き家の倒壊も懸念されており、秋田銀行では県内の多くの自治体と提携し、空き家を解体する人に低利で融資する「空き家解体ローン」を取り扱っています。
秋田県の解体工事費の相場(平均坪単価)
人口減少率ワースト1の秋田県では、解体業者の数もそれほど多くはありません。地域によっては近くに解体業者が全くない、または限られた業者しかない、といったケースも多くみられます。
解体費用は立地の条件や環境等によって差が出ますが、同じ建物を解体する場合でも解体業者によって金額の違いが出ることもあるでしょう。近所に頼める業者が1つしかないので、見積もりを取らずに決めてしまうといったケースもあるかもしれませんが、損をしないためにも複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
また、建物の解体費用は、「木造」「鉄骨造」「RC造」のどの構造かによっても解体費用が異なります。ここでは、建物の構造ごとの解体費用相場、業者に依頼する際の注意点等をご紹介します。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 2.7万円 |
20〜29坪 | 2.6万円 |
30~39坪 | 3.3万円 |
40~49坪 | 2.5万円 |
50~59坪 | 2.4万円 |
近年、全国的にマンション等の共同住宅の数が増加しており、秋田県でも増加は見られるものの、共同住宅率(居住世帯のある住宅に占める割合)は17.7%と、全国で最も低くなっています。一方で、一戸建率79.7%、木造率(居住世帯のある住宅に占める割合)88.5%と共に全国トップの数字で、秋田県には木造の一戸建て住宅が非常に多いことがわかります。
秋田県で木造建物を解体する場合、費用の相場は30坪の住宅で約100万円です。ただし、この金額は建物のみを解体する場合の費用で、敷地内にあるガレージや庭木等も解体・除去する場合は別途費用が加算されます。また、隣家との間隔が狭い、建物に面する道路が狭いなど条件が良くない場合は、重機の搬入等が困難になるため費用も高くなる傾向にあります。
秋田県の住宅は、1住宅辺りの延べ面積も全国トップレベルの広さとなっているため、トラックや重機が入りやすく、効率良く作業ができるケースが多いでしょう。ガレージや外構、フェンスなども撤去したい場合は、業者との打ち合わせの際に解体費用のみならず付帯工事の費用についても忘れずに確認しておきましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | 2.9万円 |
30~39坪 | |
40~49坪 | |
50~59坪 |
木造一戸建て住宅の割合が全国で最も高い秋田県ですが、共同住宅においては67,800件のうち木造が29,000件(42.8%)、非木造が38,800戸(57.2%)で、非木造の割合が高くなっています。非木造のうち、14,700件が鉄骨造のアパートやマンション等ということになります。
また、鉄骨造の建物には、オフィスビルや店舗等も多くあります。解体工事の対象となる鉄骨造の建物は老朽化が進んでいるなど古い建物が多く、こうした建物にはアスベストが使用されている可能性もあります。吹付け石綿、石綿を含有する断熱材などの特定建築材料が使用されている建物を解体する場合、工事の発注者又は自主施工者が作業開始の14日前までに届け出をしなければなりません。
秋田県で解体作業を行う場合の届け出先は、作業場が秋田市以外の場合はその地域を管轄する地域振興局福祉環境部、秋田市で解体作業を行う場合は秋田市環境部になります。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 10.2万円 |
20〜29坪 | 10.1万円 |
30~39坪 | 9.8万円 |
40~49坪 | 9.7万円 |
50~59坪 | 9.6万円 |
RC造とは鉄筋コンクリート造の建物のことで、鉄骨の枠にコンクリートを流し、熱に弱い鉄骨と引張力に弱いコンクリートのお互いの短所を補うことで強度の高さを生み出しています。主にマンションや団地、大規模なビル等に見られる構造体で、解体する際は多くの工程や人手が必要になり、費用も高額になります。
また、床面積80㎡以上の建物を解体する場合は、建設リサイクル法により分別解体等及び再資源化等が義務付けられています。つまり、現場で出た廃材をコンクリート、アスファルト・コンクリート、木材に分別し、再資源化施設へ運搬する等の対処をしなければなりません。
また、RC造の建物には大規模な物も多く、解体する際は騒音や振動、粉塵の飛散など、周辺の建物や住民にも影響を及ぼします。そのため、解体工事の着工前に近隣住民に周知するなどの配慮が求められます。RC造の解体工事を依頼する際は、建設リサイクル法に基づいた適切な解体、丁寧な近隣への対応ができる経験豊富な業者を選ぶことが重要です。
秋田県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
秋田県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
秋田県の空き家の種類と件数
全国的に空き家の増加が話題となっていますが、急速に人口減少が進む秋田県でも空き家の増加は避けて通れない問題です。ここでは、秋田県の空き家の種類や件数、県の空き家対策などについて紹介していきます。
総務省統計局が5年毎に発表している住宅・土地統計調査によると、平成30年の秋田県の総住宅数は445,100件で、平成25年と比べると1,800件減少しています。全国的に住宅数が増加している中、秋田県の増加率は全国46番目の低さです。
一方で、空き家総数は60,800件、空き家率は13.5%で、前回の調査時から空き家率は0.8%増加しています。空き家の内訳を見ると、「賃貸用の住宅」が19,600件、「売却用の住宅」が1,000件、「二次的住宅」が1,200件、「その他の住宅」が38,900件で、長期にわたり不在の住宅が空き家全体の約64%を占めています。
秋田県は全国で最も持ち家率が高く、そのほとんどが一戸建て住宅です。一方、総住宅数に占める共同住宅の割合は全国で最も低く、賃貸用のアパートやマンションが少ないことが特徴です。賃貸・売却用の空き家物件や別荘以外の「その他の住宅」の内訳を見ても、38,900件のうち約9割にあたる34,700件が一戸建て住宅となっており、秋田県では市場に流通していない一戸建て住宅の空き家の割合が非常に高いことがわかります。
秋田県では平成17年以降、年間1万人以上の人口が減少しており、人口減少率が平成26年には1.26%になるなど、全国最大のペースで人口減少が進行しています。また、平成27年の国勢調査における秋田県の高齢化率は33.8%と全国で最も高く、令和元年7月には37.1%まで上昇しています。このペースで高齢化が進むと2040年には43%を超えると推測されており、人口減少・少子高齢化が深刻な問題となっています。
秋田県は高校卒業後の就職・進学や、短大・大学・専門学校の卒業後の就職等による若年層の県外転出が多く、県内の働き口の少なさから一度転出すると戻ってくる人も少ない傾向にあります。こうした背景から、高齢者のひとり暮らし世帯・夫婦のみ世帯が増加しており、夫婦のどちらかが亡くなって施設や子供の家に移り住む、ひとり暮らしの高齢者が入院するなどの理由により、放置されている空き家が少なくない状況です。
空き家は定期的に管理をしていれば問題はありませんが、管理する人がいない、高齢で管理が困難などの理由により適切な管理を行わないと、建物が劣化し倒壊の恐れや景観を損ねるといった問題が出てきます。
秋田県の空き家のうち19,700件が何らかの破損等のある物件で、そのうち14,900件が「その他の住宅」に分類される建物です。更に、建て方別で見ると、一戸建てが13,500件、長屋建が300件、共同住宅が1,000件、その他が100件で、劣化が進んだ建物の多くが一戸建て住宅ということになります。
国内でも有数の豪雪県である秋田県では、雪の重みによる空き家の倒壊などの恐れもあり、約9割の市町村が空き家等の適正管理に関する条例を施行、空き家等対策計画の策定も多くの市町村が進めるなど、積極的に空き家対策を講じています。
また、NPO法人が運営する秋田県移住・定住総合ポータルサイト「“秋田暮らし”はじめの一歩」では、各市町村の空き家バンク、空き家や住宅に関する補助制度等の情報を公開しており、県のホームページ上で紹介しています。
まとめ:秋田県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
秋田県では人口の減少に歯止めをかけるべく、東京圏から秋田県に移住して移住支援金対象求人に就業した方を対象に、県・市町村から共同で100万円、秋田県独自に一定の条件を満たした場合に更に100万円の、最大200万円の移住支援金を支給しています。しかしながら、人口減少率は2019年まで7年連続で全国最高となるなど厳しい状況が続いており、今後は空き家もますます増加していくと予想されます。
空き家の解体は、権利問題が複雑であったり、所有者が遠方に住んでいるなど、簡単に進められない事情を抱えているケースも多いでしょう。しかし、空き家を放置しておくと劣化が進み、周囲に悪影響を及ぼす可能性もあります。
秋田県では、空き家の解体費用の補助制度を設けている自治体もあるため、該当する場合はそういった制度を利用して、速やかに解体工事を進めることをおすすめします。