大分県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
大分県の解体工事を巡る状況
大分県は九州地方の北東部に位置する県で、海や山などの豊かな自然、温暖な気候に恵まれています。全国的に知名度の高い別府、湯布院をはじめ県内全域に多数の温泉があり、その数と湧出量は日本一を誇ります。
また、含有する成分も多様で、地球上にある10種類の泉質のうち8種類が湧出するなど、バラエティに富んだ温泉を満喫することができます。さらに、地下から湧き出る蒸気と熱水を使った地熱発電でも日本一を誇り、豊かな温泉の恵みが産業や食文化など様々な分野で活かされています。
県内には14市3町1村の合計18市町村があり、県庁所在地である大分市に県人口の約42%が集中しています。一方で、大分市を除く全ての市町村では人口の転出超過が続いており、中心市街地へ集中することにより地方の空き家が増加している状況です。
大分県では多くの市町村で老朽空き家の解体費用を補助する制度を設けており、制度を活用した解体工事は年々増加しています。
大分県の解体工事費の相場(平均坪単価)
大分県には利用する予定のない空き家や空き店舗等が多くあり、今後は解体を考える所有者も増加するでしょう。
建物の所有者にとって解体工事を行うということは、業者との打ち合わせ等も含め時間や労力がかかり、金銭的な負担も大きなものとなります。解体工事に悔いを残さないようにするためには、業者選びが最も重要になります。
建物には、大きく分けて「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類の構造があり、解体費用は建物の構造によって大きく異なります。また、道路状況や隣家との距離など周辺の状況によって金額に差が出るケースもあります。
構造ごとに解体の際の注意点、解体業者を選ぶ際のポイント等があるため、所有する建物の構造や環境を踏まえた上で参考にすることをおすすめします。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.3万円 |
20〜29坪 | 2.7万円 |
30~39坪 | 2.3万円 |
40~49坪 | 2.4万円 |
50~59坪 | 2.9万円 |
大分県では県内各地に木造住宅が密集した地域があり、その中には旧耐震基準で建築された住宅も多くあります。
大分県は各市町村と連携して耐震診断及び耐震改修の支援を実施していますが、所有者の高齢化に伴う耐震改修への意欲低下などもあり、未実施の住宅も多いのでしょう。今後は、こうした古い木造住宅の解体工事も増加すると予想されます。
大分県の住宅状況を見ると、比較的ゆとりのある広い住宅が多いという特徴があります。一般的に、広い敷地の中にある建物は重機が入りやすいため解体しやすく、手壊し作業等の必要もないため追加費用等が発生することも少ないでしょう。一方で、坪数の大きい家屋は廃材も多く出るので、解体費用自体は高くなる傾向にあります。
解体業者に依頼する際は現地調査をしっかりと行ってもらい、追加費用等が発生する場合はどのくらいかかるのかなども確認しておくことをおすすめします。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | 2.4万円 |
50~59坪 |
大分県では、相次ぐ大型ショッピングセンターの郊外出店、消費者の県外流出、ネットショッピングの普及などにより、中心地の商店街は衰退の一途を辿っています。小規模なテナントビルや店舗などは鉄骨造の建物が多く、今後はこうした建物の解体工事も進められるでしょう。
鉄骨造の解体費用を左右する要素としては、立地環境等が挙げられます。交通量の多い場所に立地する建物の解体であれば、工事車両の駐車場所の確保、大型重機の搬入経路確保などにより、金額が高くなることもあります。大まかな費用がどのくらいになるか把握するためには、事前に現地調査をしてもらうことが有効です。
鉄骨造の建物を解体するには、専用の切断機や大型の重機などが必要になります。騒音や振動も大きくなるため、周辺住民への事前説明や安全対策をきちんと行ってくれる業者を選ぶことが大切です。また、建物にアスベストが使用されている場合は、高額な除去費用が発生することもあります。
建築図面上に記載される施工時期や仕上げ名称などからアスベスト使用の有無がわかる場合もあるため、打ち合わせの際には図面を用意しておくと見積もりもスムーズに進むでしょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | |
40~49坪 | |
50~59坪 |
RC造の建物は、防音・耐火・耐震性などに優れた強度の高い造りが特徴で、マンションなど規模の大きな建物によく利用される構造体です。その分、解体する際も手間がかかり様々な問題が発生するため、細心の注意を払って作業を行わなければなりません。
大分県には築年数の経過した団地、マンション、アパートなどが多くあり、これらの建物の中には高齢人口比率が高く、老朽化の進んだものもあります。今後は人口減少・高齢化がますます進行すると予想されていることから、借り手のない物件も増えていくと思われます。RC造の解体工事の需要も必然的に高まることが考えられるため、建物の所有者は費用の相場などもしっかり押さえておきたいところです。
RC造の建物の解体は騒音・振動・粉塵などが発生するため、安全面や周辺環境に配慮して施工を進めていきます。解体前には、周辺の住民に工事の概要や期間などを周知しておくと、近隣トラブルも起きにくいでしょう。
また、住宅街やオフィス街など騒音や振動に敏感な地域で解体を行う場合は、ワイヤーソー工法など低騒音・低振動での解体を得意とする業者に依頼するという方法もあります。ただし、こうした特殊な工法で解体を行う場合は費用が高額になることもあるため、複数の業者から見積もりを取りしっかりと検討しましょう。
大分県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 大分県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
大分県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
大分県の空き家の種類と件数
ここからは、大分県の空き家の現状や、空き家に関する大分県の取り組み等を紹介していきます。
総務省統計局が5年毎に行う住宅・土地統計調査によると、平成30年の大分県の空き家総数は97,700件、空き家率は16.7%でした。平成25年の調査と比べると空き家率は0.9ポイント増加しており、九州地方では鹿児島県に次いで2番目に高い割合を示しています。
空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が42,100件、「売却用の住宅」が2,100件、「二次的住宅」が4,800件、「その他の住宅」が48,700件で、賃貸用とその他の住宅に分類される空き家が全体の約93%を占めている状況です。
平成30年の空き家率の全国平均は13.6%で、大分県の空き家率は全国を3.1%も上回っています。市町村別で見ると、大分市は11.7%と全国平均以下の割合になっているものの、その他の全市町村で全国平均を上回っています。特に、国東市は27.5%と高い割合を示しており、全国の自治体の中でもワースト10に入っています。
大分県の人口は昭和30年にピークに達した後は減少が続き、昭和45年から昭和60年まで再び増加傾向にあったものの、その後は現在に至るまで減少が続いています。近年は大分市への都市機能の一極集中化が進み、大分市を含め由布市、挾間町、日出町など周辺都市では住宅需要が増大していますが、中津市、日田市、竹田市、佐伯市など拠点的都市での人口減少、およびその他の都市での過疎化が進行しています。
大分市を除く市町村の空き家の増加が深刻な問題となっていることに加え、大分市においても市場に流通していない「その他の住宅」に分類される空き家が年々増加しており、今後は更に高齢化が進行することを考えると、空き家はますます増加するでしょう。
空き家が増加しても、定期的に適切な管理がされていれば問題はありませんが、問題となるのは適切な管理がされず老朽化が見られる空き家です。大分県の空き家の破損状況を見ると、腐朽・破損等のある建物は25,900件、破損等がなく今後も活用できる建物は71,800件で、空き家の約27%が修繕や解体など何らかの対処が必要な物件です。
腐朽・破損等のある建物の内訳は、「賃貸用の住宅」が9,300件、「売却用の住宅」が600件、「二次的住宅」が500件、「その他の住宅」が15,500件で、賃貸や売却物件、別荘などを除いた住宅が最も多くなっています。
破損等のある建物でも、賃貸物件や売却物件は管理がきちんとされている建物が多いですが、「その他の住宅」においては放置された物件も多いことが考えられます。劣化が進むと家屋崩落や屋根瓦の落下等による通行人等への被害の危険もあることから、早急な対処が求められます。
大分県では利用予定のない空き家が増加している状況を踏まえ、大分県のホームページで各市町村の空き家の活用・除却等に係る補助金事業を紹介しています。
また、県外から県内に移住する場合、移住予定者または空き家の所有者に対し、中古住宅・空き家に居住するために必要な改修費用の補助、空き家や敷地内にある家財等の撤去および処分費用の補助、賃貸借または売買契約に要する仲介手数料の補助等を行う「大分県移住者居住支援事業」を実施し、空き家の有効活用とあわせて移住・定住を促進しています。
ただし、この制度は大分県から事業を実施する市町村に対する補助制度で、未実施の市町村には補助を行っていないため、事前に市町村のホームページ等でご確認ください。
まとめ:大分県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
大分県の空き家率は九州地方で2番目に高く、大分市を除いた全ての市町村で全国の平均を上回っています。人口が増加傾向にあった大分市も近年は減少に転じており、全国よりも早いスピードで人口減少・高齢化が進む大分県では、今後は空き家も一層増加することが懸念されます。
空き家は適切な管理をしなければ、劣化が進み周囲に悪影響を及ぼすこともあります。大分県は11の市町村で空き家の除却にかかる費用の補助を行っているため、空き家を所有している方で年齢的な問題や遠方に住んでいて管理が困難という問題を抱えている場合は、思い切って空き家を解体することをおすすめします。