福島県の解体工事業者一覧と費用相場について解説
福島県の解体工事を巡る状況
福島県は東北地方の南部、東京都から200km圏内に位置しており、県の面積は北海道、岩手県に次いで3番目の広さを誇ります。
海・山・高原など緑豊かな自然に恵まれた福島県には、「尾瀬国立公園」や「日光国立公園」など15箇所の国立・国定・県立自然公園があり、これらの面積は県土の約12%にも及びます。福島県は阿武隈高地と奥羽山脈を境に「会津」「中通り」「浜通り」の大きく3つの地方に分けられ、気候や文化などそれぞれ異なる特徴を持っています。
福島県は、2011年に発生した東日本大震災及び原子力災害により甚大な被害を受け、多くの住民が県内外での避難生活を余儀なくされました。これに伴い急激な人口減少、若年層の流出が生じましたが、その後は避難指示が徐々に解除され、県の人口は緩やかに回復傾向にあります。
仮設住宅や賃貸住宅等から、修繕した持ち家や新設した住宅に移り住む世帯も増加しており、今後は民間賃貸住宅等の空き家の増加が懸念されます。仮設住宅や損壊・老朽化した空き家の解体工事も今後ますます増えていくでしょう。
福島県の解体工事費の相場(平均坪単価)
全国3位の面積を持つ福島県は、東北地方では宮城県に次ぐ人口・経済規模を有します。震災と原発事故の発生以降、国や自治体、民間企業、ボランティア等により様々な復興支援の取り組みが行われ、インフラや住環境の整備は着々と進んでいる状況です。福島県で解体工事を行う場合、費用は都心などに比べると安価ですが、「木造」「鉄骨造」「RC造」の構造によっても金額が変わるということを覚えておきましょう。
ここからは、福島県における解体工事費用の相場を紹介していきます。福島県では、解体等に関わる様々な助成制度、補助金交付を行っている自治体もあるため、解体工事を進める前にホームページ等で確認しておくことをおすすめします。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 5.0万円 |
20〜29坪 | 4.2万円 |
30~39坪 | 4.2万円 |
40~49坪 | 3.7万円 |
50~59坪 | 3.5万円 |
東日本大震災により、約25万棟の家屋が全壊・半壊・一部損壊の被害を受けた福島県では、今後も日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震や宮城県沖地震の発生の切迫性が指摘されています。木造住宅の耐震化の促進をより一層強化するため、県では市町村を通じて最大15万円の耐震診断補助、最大100万円の耐震改修補助等を行っており、県内の住宅の耐震化率は徐々に上昇しつつあります。
一方で、福島県の高齢化率は令和2年時点で31.9%と全国平均を3.3ポイント上回っており、金山町が59.9%、昭和村が56.3%と特に会津地方で高い傾向にあります。住宅の所有者が高齢の場合は、耐震化に対する意欲の低下等の理由により改修を行っていない住宅も多く、今後は活用することの難しい空き家が増加することが考えられます。
福島県には昔ながらの古い住宅も多く、隣家との距離があり1軒あたりの敷地が広いことが特徴です。住宅密集地で解体工事を行う場合は、道幅が狭く重機が入れないため解体費用が高額になるということもありますが、郊外の住宅ではそういった心配はないでしょう。
しかし、敷地が広い分、庭石や庭木、ガレージの撤去など付帯工事としての費用が別途かかるケースもあります。上記の表は建物の解体のみの金額のため、打ち合わせの際には付帯工事費についてもきちんと確認しておくことをおすすめします。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | |
30~39坪 | 4.5万円 |
40~49坪 | 3.2万円 |
50~59坪 | 3.7万円 |
鉄骨造は、主にオフィスビル、商業施設、店舗等などによく見られる構造体です。建物の骨組みに鉄骨が使用されているため木造建物の解体よりも手間がかかり、坪単価も高くなる傾向にあります。
福島県では、居住人口の減少、空き店舗の増加等により、商店街の空洞化が進行している状況です。高齢化の進行、後継者不足等により今後はますます空き店舗の増加が懸念されており、県の商業まちづくり課では空き店舗を店舗または他商店街の魅力向上に寄与する施設として活用する場合、市町村を通じて賃貸料の補助を行っています。しかし、今後も人口減少や少子高齢化が進行すると予想されている福島県では、鉄骨造の解体工事も増加してくるでしょう。
鉄骨造の解体で注意が必要なのは、追加費用の有無についてです。鉄骨造の建物にはアスベストが使用されていることも多く、除去する場合には追加費用が発生します。アスベストは事前の現地調査で発見できることもありますが、建設図面や仕様書などで有無を確認しておくと打ち合わせもスムーズに進み、思いがけない追加費用が発生するといった事態を避けることができるでしょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | |
20〜29坪 | 3.8万円 |
30~39坪 | |
40~49坪 | 3.9万円 |
50~59坪 |
最後に、RC造の解体費用の相場を見てみましょう。RC造は鉄筋を組んだ枠組みにコンクリートを流し込んだ構造のため、3つの構造体の中で最も強度のある建物です。その分、解体するにあたっても様々な工程や使用機材、人件費が必要となり、解体費用も高めになります。
福島県には、旧耐震基準で建築された共同住宅や商業施設、事務所などのRC造の建物が多く、耐震改修工事や建て替え工事が順次進められています。RC造の解体は費用の負担が大きいため、業者を1つに決めてしまうと見積もり金額が高いのか安いのか判断することが難しくなります。そのため、複数の業者の金額を比較することができる合見積もりを取ることをおすすめします。
建物を解体する業者は、「解体工事業登録」または「建設業許可」の資格が必要です。特に、工事代金が500万円以上の大規模な建物を解体する場合は、解体工事業登録を受けている業者でなければ請け負うことはできません。中には無資格で工事を請け負う業者もあるため、工事を依頼する際には資格についてもしっかり確認しておきましょう。
福島県で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 福島県における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
福島県で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
福島県の空き家の種類と件数
総務省が5年毎に実施する住宅・土地統計調査によると、平成30年の福島県の総住宅数は861,300件で、前回の調査時(平成25年)と比べると79,000 件増加しています。空き家総数の推移を見ると、平成20年が105,000件、平成25年が91,800件、平成30年が123,500件と、平成25年には減少した空き家がその後の5年間で31,700件増加しています。
これは、平成23年に発生した東日本大震災に係る福島原発事故により、平成25年は県内の7町村の全域と5市町村の一部地域が調査の対象から外れたため空き家が減少したものの、平成30年には調査対象外地域が縮小したため増加したと考えられます。空き家率で見ると、平成25年が11.7%、平成30年が14.3%と大きく上昇しており、2.6ポイントの増加は全国で最も高い上昇率となっています。
空き家の内訳を見ると、「賃貸用の住宅」が56,500件、「売却用の住宅」が2,600件、「二次的住宅」が5,500件、「その他の住宅」が58,900件となっており、賃貸用と売却用が合わせて59,100件で空き家全体の約48%を占めています。
福島県では、東日本大震災により住宅総数の11.7%が全半壊、一部損壊を含めると約30%が被害を受けたほか、原子力災害等の影響により多くの県民が避難生活を余儀なくされました。県内にとどまった住民の多くは仮設住宅や賃貸用住宅に移り住みましたが、近年は住宅の整備等が進み復興住宅への移転が進んだことも「賃貸用の住宅」の空き家が増加している一因となっています。
また、福島県では長期にわたり使用されていない「その他の住宅」に分類される建物が、空き家全体の約48%を占めています。全国的に所有者の死亡等により放置状態になっている空き家が増加していますが、福島県ではこれに加え現在も避難生活を送っている被災者の持ち家が空き家状態になっていることも影響していると考えられます。
空き家の中でも特に問題とされるのが、適切な管理がされていない放置された空き家です。定期的に管理を行わなければ湿気や自然災害等により劣化が進み、周囲への悪影響やトラブル、資産価値の下落など様々な問題が生じます。
県内の空き家のうち、腐朽・破損等のある物件は28,200件あり、そのうち16,600件が「その他の住宅」に分類される空き家です。福島県では、空き家の改修または老朽空き家の除去に要する費用の一部の補助を行う市町村も多くあるため、劣化の進んだ空き家はトラブルが起きる前に早急に対処することが望ましいでしょう。
福島県では、増え続ける空き家を抑制する対策として、子育て世帯が空き家を取得して改修等を行う場合に最大190万円の補助金を交付する「福島県空き家再生・子育て支援事業」、県内に定住するための空き家改修等にかかる費用を最大190万円(子育て世帯は最大250万円)まで補助する「福島県空き家・ふるさと復興支援事業」を設けています。
また、令和元年度から、空き家バンクに登録した物件の所有者または購入・賃借の予定者に対し、既存住宅状況調査に要する費用の2分の1以内の補助金を交付しています。
まとめ:福島県の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
福島県では、東日本大震災に伴う住宅不足から震災後は空き家率が低下していましたが、復興が進み住宅の再建が加速している現在、空き家が増加している状況です。Uターン率が低く、少子高齢化が進行している福島県では空き家問題が深刻化しており、特に老朽化した空き家は倒壊の恐れや衛生・景観上の問題など周囲に悪影響を及ぼします。
福島県は空き家に対する県の支援制度のほか、市町村でもそれぞれ独自に空き家バンク制度を整備するなど、積極的に空き家対策を行っています。空き家を所有している方で、遠方に住んでいる、高齢により管理することが難しいといった場合は、こうした県や市町村の支援制度を利用することも、放置空き家を増やさないための1つの方法です。
また、老朽空き家の解体にかかる費用の補助を行う市町村もあるため、該当する場合はこうした制度を利用して速やかに解体工事を進めることをおすすめします。