解体工事を雑に行う業者の特徴とは?仕上がりが雑だった場合の対応も紹介!
家屋や建物の解体工事を依頼する場合、しっかりとした形で最後まで作業を終えてもらいたいと考えることが一般的でしょう。建物本体の解体だけでなく、整地や清掃まで含めてきれいな状態で工事を終えることが解体工事の基本です。しかし、中には雑な工事や作業でいい加減な状態で終えてしまう業者もあります。今回は、解体工事を雑に行う業者の手口や特徴に焦点を当てて解説を行います。
雑な解体工事を行う業者の手口や特徴
それでは、雑な解体工事を行う業者の手口や特徴についてご紹介します。解体業者の中には優良な業者もあれば悪徳業者と呼ばれるような業者も存在します。
施主としてはできるだけ優良業者に工事を依頼して、最後まで丁寧に行ってもらいたいところでしょう。しかし、残念ながら雑な解体工事を行う業者もあるのが実際のところです。そうした業者の特徴について確認しましょう。
工事自体の放棄
まずは工事の放棄についてです。施主としては信じられないかもしれませんが、工事代金を回収したらそのまま作業をせずに逃げ出してしまうケースがあります。
全く工事を行わないケースもあれば、途中まで作業をしてその後連絡が取れなくなるというケースもあります。
最初から確信犯的に放棄をする業者もあれば、施主との間で生じた何らかのトラブルを理由に放棄することもあります。また、どうしても対処できない状況が発生したことが原因で放棄するケースもあります。
施主に相談することなく途中で作業を放り出してしまう業者は悪徳業者と言えるでしょう。
不法投棄を行う
不法投棄を行う業者にも要注意です。解体工事によって生じた廃棄物に関しては、廃棄物処理法の規定に則って適切な形で処分されなければなりません。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
廃棄物の排出抑制と処理の適正化によって生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的に制定された法律。「廃棄物処理法」とも言う。
法律の規定に従うことなく、廃棄物を山中や池などに投棄したり所定の方法以外で埋めたりする業者もあります。廃棄物の処理には多額の費用がかかることもあり、不法投棄を行うことで利益を上げようと考えるケースもあります。
不法投棄をした場合、最大で5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、その両方が科せられることになります。施主としても迷惑な行為となるので、こうした業者には注意が必要です。
近隣や第三者への配慮が欠如
解体工事中に近隣や第三者への配慮が欠如しているケースもあります。一般的な業者であれば、事前の挨拶を含めて近隣の方々へ十分に配慮した形で工事を行います。
一方で、雑な工事を行う業者や悪徳業者の場合は、自分たちさえ良ければ良いというスタンスで作業を行うこともあります。具体的には以下のような行為を行う可能性があります。
- 無断で隣家の敷地内へ侵入
- 作業後の清掃不足
- 散水をせずに作業を開始
- 耐え難いほどの騒音や振動の発生
- 養生シートの不備
- 深夜帯や早朝の工事
- 不適切な身だしなみ
- 不適切な言葉遣い
- 敷地内での立ち小便
- 近隣の塀や外壁などの破損
- 空き缶やたばこのポイ捨て など
上記のような行為を平気で行う業者は信頼できないでしょう。工事自体も雑になる可能性が高く、思ったような結果にならない可能性があるので注意が必要です。
無許可での解体工事
無許可で解体工事を行う業者も雑な作業に終始する可能性があります。そもそも、解体工事を行うためには建設業の許可か解体工事業登録を行わなければなりません。
そうした許可や登録がなく作業を行おうとする業者には注意が必要です。一般的な業者であれば契約前に許可証や登録に関する証明書を提示してくれます。
そうした書類の提示がない場合は無許可で営業している可能性があるので注意しましょう。
未申請での作業
無許可での解体工事の他、未申請で作業を開始する業者にも注意が必要です。解体工事を行うためにはさまざまな申請を行う必要があります。
状況や条件によって必要な申請は異なりますが、以下の届出や申請が必要なケースが多いです。
- 建設リサイクル法の届出
- 道路使用許可の申請(工事中に車両を駐車させる場合)
また、アスベストが使用されている建物を解体する場合は「アスベスト除去の工事計画書」や「特定粉じん排出等作業実施届出書」といった届出を行う必要があります。
必要な届出や申請を行わずに工事を開始した場合、行政から工事の中断や中止の勧告を受けることになります。
工期遅延
雑な工事を行う業者にはさまざまな特徴がありますが、工期遅延もその1つです。正当な理由があれば施主としても納得できる部分はありますが、工事が雑な業者の場合は業者側の一方的な都合で遅延することが少なくありません。
そもそものスケジュール設定に問題があった場合や、想定していた作業員を確保できなかったなど、業者側の問題でどんどん作業が遅れていきます。完工時期については必ず書面で確認することが大切です。
口約束だけで終えてしまうと、施主側も正当な主張ができなくなる可能性があるので注意しましょう。
解体工事の仕上がりが雑な場合の対応
ここからは、解体工事の仕上がりが雑な場合の対応についてご紹介します。雑な作業や工事をされた場合、施主としても然るべき対応をした方が良いでしょう。解体業者の言いなりになってしまうと損をするのは施主の方です。
最後までしっかりと工事を終えてもらうためにできることについて確認しましょう。
契約内容の確認
解体工事の仕上がりや作業工程に問題があった場合は、契約内容を確認することが重要です。契約内容と工事内容に相違がある場合は、工事のやり直しを求めることができます。
ここで意識しておきたいのは、事前に契約書をしっかりと受け取ることです。書面で記録が残されておらず、口頭で約束しただけでは施主の主張が退けられてしまう可能性が高まります。
口約束では、後から業者に「そんなことは言っていない」と言われたらおしまいです。1つ1つの作業や工事内容について具体的に記載された書類を受け取った上で工事を開始してもらいましょう。
地面の凸凹
契約書を受け取ることが前提ですが、工事終了後に地面が凸凹の状態になることがあります。基本的には凸凹するのが通常であり、最後に整地を行って地面を平らにします。
しかし、業者によっては整地を行わずに工事を終えてしまうこともあります。その場合は、契約書の内容に沿って業者への対応を促しましょう。
契約書に記載がなくても、粗整地と呼ばれる最もシンプルな整地を行うのは業者の役目です。慣例的にも凸凹した状態で放置しても良いわけではないので、しっかりとした対応を促すと良いでしょう。
コンクリートガラの残り
解体工事終了後にコンクリートガラの残りがある場合も、業者に撤去を依頼することがポイントです。解体工事によって発生したコンクリートガラやその他のごみは、基本的に業者の責任によって処分される必要があります。
解体工事を行うと、さまざまなごみや破片、木くずやプラスチックなどが排出されます。そうしたものは全て撤去してきれいな状態で明け渡すことが業者の責任です。
コンクリートガラなどが最初からあった場合は別ですが、工事によって発生したのであれば確実に撤去してもらいましょう。
土地のぬかるみ
工事によって土地がぬかるむこともあります。建物の基礎を撤去する際に深くまで掘り返すと地盤が緩む可能性も出てきます。
あまりにもぬかるみがひどい場合は表層用の新しい土を投入してもらうように促すことがポイントです。優良業者であれば新しい土の投入も率先して行ってくれますが、そうではない業者もあります。
場合によっては追加費用が発生することもありますが、次の土地活用に向けてぬかるみをなくすことが重要です。
解体工事が雑な場合に生じる不都合
ここからは、解体工事が雑な場合に生じる不都合についてご紹介します。雑な解体工事をされるとさまざまな形で不利益を被ることがあります。解体工事はそれほど頻繁に行うものではなく、一生に1回だけ行うという方も多いでしょう。
そうした数少ない機会で生じる不都合は決して喜ばしいものではありません。具体的にどういった事象が発生するのかについて確認しましょう。
近所トラブルの発生
1つ目の不都合として、近所トラブルの発生を挙げることができます。事前挨拶を含めて近隣への配慮に欠ける業者に工事を依頼してしまうと、近隣トラブルやクレームの発生につながることがあります。
振動や騒音の発生、夜間や早朝の工事、隣家の外壁を傷つけるなど、さまざまな形で近所の方にご迷惑をお掛けすることがあります。
一般的な業者でも近所トラブルが発生することはありますが、雑な工事を行う業者の場合、その可能性が高まることになります。
追加費用の発生
解体工事や雑な場合や悪徳業者に工事を依頼すると、追加費用の発生確率が高まります。通常の解体工事であっても追加費用が発生することはあるので、それ自体は違法ではありません。
しかし、雑な工事を行って生じた追加費用に関しては、本来施主側の責任ではなく業者側の責任であることも多いはずです。それを施主に押し付けてこようとするところが不都合な点です。
悪徳業者の場合は、最初から追加費用を徴収することを想定して金額提示を行うこともあります。
想定とは異なる工事内容
工事が雑な業者に依頼すると、想定とは異なる工事内容になってしまうこともあります。一軒家の解体工事では、庭部分の工事を行うこともあるでしょう。
その際に「大切にしている木は残しておいて欲しい」と伝えても、実際には切られてしまうというケースがあります。
その他、解体や撤去して欲しいものと残しておいて欲しいものを伝えても、その通りにならないことが往々にしてあります。
1つ1つ丁寧に確認して作業を行ってくれる業者であれば工事内容の相違は発生しにくいですが、雑な業者の場合はそうもいきません。
最終的には施主が泣き寝入りしなければならない事態になることもあるので注意が必要です。
まとめ
雑な解体工事を行う業者の手口や特徴を中心にご紹介しました。できれば何事もなく穏便に工事が終わることが一番です。しかし、実際には何らかの問題やトラブルが発生することも珍しくありません。
大切なのは、一生懸命解体工事に向き合ってくれる業者を選ぶことです。一生懸命やっていてもミスが発生するものであり、一生懸命さがなければ余計にミスやトラブルが発生しやすくなります。
雑な解体工事をされると、施主としても気持ちが晴れないでしょう。そうした工事を行いそうな業者の特徴をあらかじめ押さえておき、できるだけ優良な業者に依頼することがポイントです。