レンガの解体にかかる費用はどれくらい?工事にかかる日数や注意点なども解説
家屋や建物の解体工事の際にレンガの解体も依頼することがあるでしょう。あるいは、レンガだけの解体を依頼したいと思うこともあるでしょう。今回はレンガの解体に注目して、解体にかかる日数や費用相場、解体した方が良いレンガの特徴、レンガの解体工事を行う場合の注意点などについて解説します。レンガの解体工事依頼を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
レンガの解体工事にかかる日数や費用相場
家屋や建物と比較してレンガの場合は比較的簡単な工事で済むことが多いです。そのため、日数的にも費用的にもそれほどかかることはありません。
レンガのみの解体を行うと仮定した場合の情報について確認しましょう。
レンガの解体は1日で可能
基本的にレンガの解体は1日で終えられます。小規模なものであれば半日もあれば十分でしょう。庭に積んであるレンガブロックやオブジェ、レンガ塀などはハンマーで叩き壊すことで短時間で解体可能です。
よほど大きな庭でレンガの積まれている範囲が広い場合は別ですが、多くのケースでは1日で十分に対応可能です。場合によっては重機を使うこともありますが、そこまで大掛かりな工事になることはありません。
レンガの解体費用相場
レンガの解体費用に関しては1万5,000円から2万円程度が相場と言えます。レンガの規模にもよりますが、一般的な庭に積んであるレンガを解体するのであれば2万円を超えることは少ないでしょう。
実際にレンガの解体を行う場合の参考として、約30cm四方で高さ50cmのオブジェを解体する場合の費用は以下の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
解体工事費 | 1万円 |
ガラ運搬処分費 | 5,000円 |
出張費 | 5,000円 |
合計 | 2万円 |
1つの例として上記の金額を参考にできます。
長さが1m20cm程度、高さ2mほどのレンガ塀を解体する場合も基本的には1万円から2万円程度の解体費用で済みます。
解体する面積が大きくなれば、その分解体費用が上乗せされます。最終的な費用については解体業者からの提示を受けることが大切です。
悪徳業者には注意
一般的なレンガの解体であれば1万5,000円から2万円程度が相場ですが、業者によってはさらに高い金額を提示することがあります。その金額が妥当かどうか判断できない場合は別の業者に見積もりを依頼することも重要です。悪徳業者の中には施主が素人であることを良いことに、明らかに高い金額提示を行うことがあるので注意が必要です。
例えば、上記の約30cm四方で高さ50cmのオブジェを解体する場合でも、以下のような提示をすることがあります。
費目 | 金額 |
---|---|
重機代 | 5万円 |
重機搬入費 | 5万円 |
撤去費用 | 10万円 |
処分費用 | 5万円 |
合計 | 25万円 |
レンガの解体はハンマー1つでも十分に可能ですが、重機を使って撤去しようとする業者もあります。それ自体は問題ありませんが、重機を使うことを理由に費用を加算する可能性があります。撤去費用や処分費用についても適正価格ではありません。
レンガの解体は数十万円もかかるほど大掛かりなことではないので、悪徳業者に引っ掛からないように注意しましょう。
解体した方が良いレンガとは?
一軒家にお住まいの方であれば、庭にレンガ塀やレンガのオブジェがあることも多いでしょう。レンガブロックもそうですが、長年にわたって同じ状態にしておくと傷むことがあります。
レンガも永遠に使えるものではなく、いつか寿命がやってきます。大事になる前に解体した方が良いケースもあります。解体が必要なレンガの具体的な特徴について確認しましょう。
- 不安定で傾いている
- ヒビが入っている
- 長年にわたって使用している
- 塀が高すぎる場合
- 耐震補強されていない
不安定で傾いている
まず、不安定で傾いているレンガは解体した方が良いでしょう。レンガブロックやレンガ塀など、ある程度の高さがあるもので明らかに傾いている場合は倒壊のリスクがあります。特に日本は地震や台風といった自然災害が多い国であり、いつ倒壊するかわかりません。
レンガが倒壊するだけであればまだ良いですが、それが原因で隣家に被害を与えたり通行人にけがを負わせたりすると大変です。多額の損害賠償を請求されるリスクも高まり、経済的な損失も大きくなります。
傾きがあるレンガは強度不足の不安もあります。場合によっては基礎が傾いていることもあり、揺れや衝撃に耐えられない可能性があります。解体も含めて何らかの手を打った方が状態だと言えます。
ヒビが入っている
レンガにヒビが入っている場合も解体した方が良いでしょう。レンガにヒビが入ることはそれほど多いわけではありませんが、長期間にわたって風雨にさらされていると脆くなっていきます。小さなヒビであってもそこから、雨水が入り込んで周辺のレンガの錆や劣化につながることは珍しくありません。
小さなヒビであれば補修対応も可能です。どういった工事をするかは施主の判断次第ですが、そのままにしておくのは危険だと認識しましょう。
長年にわたって使用している
レンガを長年にわたって使用している場合も解体を検討した方が良いでしょう。レンガの種類や用途によって耐用年数は変わりますが、だいたい20年から40年程度で劣化が激しくなることがあります。
住宅に使用されるレンガは100年以上の耐用年数を持つこともありますが、あまり過信し過ぎることは良くありません。視覚的な変化がなくても、数十年スパンで補修工事を行うことが賢明です。
庭にレンガを積み上げている場合、数十年スパンで解体して新しいものと交換するなど、状況に応じて対応を取るようにしましょう。
塀が高すぎる場合
庭や道路にレンガ塀を積み上げている場合、塀が高すぎるケースも解体した方が良いと言えます。ブロック塀やレンガ塀の高さは国土交通省の規定で2.2mまでと定められています。原則としてそれ以上の高さの塀を作ることはできませんが、2.2mでも高すぎるくらいです。
1.2m以上の塀については控え壁を設置するなど、強度を担保するための対応をする必要があります。視覚的に不安定さがあったり、ヒビが入ったりしている場合もそうですが、高すぎる塀を長年使用することも危険です。レンガ塀を設置する時に1.2m以内に抑えるか、控え壁を適切に設置して強度を高めることも必要です。
耐震補強されていない
耐震補強されていないレンガもすぐに撤去することが重要です。レンガ塀の高さが1.2mを超える場合は控え壁の設置が義務付けられていますが、中には控え壁が適切に設置されていないレンガ塀もあります。
そうしたレンガ塀はいつ倒壊するかわかりませんし、周囲に多大な被害をもたらす危険性もあります。塀の厚さ基礎の万全性などを含めて、専門家に見てもらうことも検討しましょう。自分の身だけではなく、周囲の安全を守るという意味でも国土交通省が定める規定を順守することが大切です。
レンガの解体工事の際の注意点
ここからは、レンガの解体工事を行う際の注意点についてご紹介します。例えば、庭にあるレンガを解体する場合は所有権を確認することも大切です。どちらの家のレンガなのかはっきりしない場合もあるでしょう。勝手に自分のものだと判断するのは危険です。
その他にも解体工事に際して注意するべき事項は複数あるので、それぞれの内容に対する理解を深めていきましょう。
- レンガの所有権を明確にする
- 近隣への説明が必要な場合がある
- 地中埋設物として見つかった場合のリスク
レンガの所有権を明確にする
隣家との間にあるレンガ塀やレンガブロックの場合、所有権がはっきりしないことがあります。自分で設置したと証明できれば問題ありませんが、所有権が曖昧な状態で解体するのは避けましょう。
解体してから隣人に何か言われても対抗できません。まずは隣人に相談してから解体するかどうか検討することが重要です。
所有者がはっきりすれば費用負担をするべき人も決まります。
所有者 | 費用負担 |
---|---|
自分 | 自分で解体費用を払う |
お互い(隣人と自分) | 解体費用を折半にする |
隣人 | 相手に解体費用を払ってもらう |
そもそもお互いが所有者だったり相手が所有者だったりした場合、自分の意思だけでレンガを解体することはできません。相手の意思も確認した上で最終的な結論を下すことが大切です。まずは所有権をはっきりさせるところからスタートしましょう。
近隣への説明が必要な場合がある
レンガの解体に際しては近隣への説明が必要なケースも出てきます。建物を解体する場合は確実に近隣挨拶を行う必要がありますが、レンガの解体でも周辺に迷惑がかかると判断した場合は説明を兼ねて挨拶することが賢明です。
特に重機を使って解体を行う場合は騒音や振動が発生しやすくなります。また、解体したレンガのごみや粉が飛散する可能性もあるでしょう。
工事によって生じる弊害をあらかじめ説明することで、近隣の方からの理解や協力を得やすくなります。短時間で終わる工事であっても必要に応じて近隣への説明を行うと良いでしょう。
地中埋設物として見つかった場合のリスク
家屋や建物の解体工事などをしていると、地中からレンガが見つかることがあります。レンガの解体によって基礎部分を撤去しようとしたら、さらに地中からレンガが見つかるということもあるでしょう。
過去の解体工事で地中にごみや廃棄物を埋めているケースもあり、地中障害物という形で発見されるのです。そうした状況になると障害物を取り除くための追加費用を請求されることがあります。
施主としては経済的な痛みを伴いますが、数万円から数十万円程度の費用が発生することも珍しくありません。レンガ以外にも、瓦礫や衣類、コンクリートガラや鉄くずなど、建築資材やその他のものが見つかる可能性もあります。施主としては追加費用負担のリスクがあることを認識した上で、解体工事と向き合うことが大切です。
事前の契約内容を要チェック
追加費用が発生する件については、事前の契約内容をチェックすることも大切です。悪徳業者の場合、多額の追加費用を請求することを目的として最初に提示する見積もり金額を安くすることがあります。
そうした業者に引っ掛からないように、契約書を確認するようにしましょう。優良業者であれば地中埋設物が見つかった場合の対応について記載があるはずです。どのくらいの費用がかかるのかも含めて事前の提示を確認することが重要です。
追加費用の規定について契約書に記載がない場合は施主から尋ねるようにしましょう。その際にしっかりと対応してくれない場合は、業者の変更を検討してみましょう。
まとめ
レンガの解体にかかる日数や費用相場、解体した方が良いレンガの特徴などについてご紹介しました。レンガも長年使用していると、劣化や損傷が激しくなることがあります。周辺に危険を及ぼすような状態になる前に解体や補修工事を行うことが重要です。
レンガの解体は基本的に1日もあれば終えられます。あまりにも時間がかかる場合や見積もり金額が高いと感じた場合は他の業者に依頼することも検討しましょう。施主として納得感のある形で解体工事や補修工事を行ってもらうことが重要です。また、隣人との所有権の確認などを含めてやるべきことをやってから工事へと進みましょう。