解体工事からの建て替えの流れとは?建て替えとリフォームの違いも紹介!
現在住んでいる家を建て替えて、新たな生活環境を築きたいと考える人も少なくありません。実際に建て替えを行うにはどうすれば良いのか、注意するべきことはあるかなど、疑問を抱える方もいるでしょう。そこで今回は、建て替えに注目をして解体工事からの流れや複数の注意点などについてご紹介していきます。解体工事や建て替えには一定の費用も必要です。少しでも費用を安くするための方法もご紹介します。建て替えを検討されている方は、どうぞ本記事を参考にしてください。
解体工事からの建て替えの流れ
それではまず、解体工事からの建て替えの流れについてご紹介していきます。建て替えは基本的に、現在家が建っている場所に新たな家を建てるという考え方となります。そのため、既存の家を取り壊している間は別の物件に引っ越しをする必要があります。その他、建て替えを終えて新たな家に住み始めるまでにはいくつかの段階があります。
1つ1つの流れについて理解して、実際に建て替えを行う際にスムーズに行動できるようにしていきましょう。
住宅会社の選定
まずは住宅会社の選定から行います。建て替えの決意をしたり検討を開始したりした場合は、新しい家をどういった間取りにしたいのかイメージを膨らませます。予算の検討や融資の確認なども合わせて、住宅会社とイメージを共有しながら新たな家を建てるための計画を練っていきます。
住宅会社にもさまざまな会社があるので、複数の会社の担当者とコミュニケーションを取った上で信頼できそうな会社を選択することがおすすめです。
新居のイメージの擦り合わせはとても大切なことであり、予算も含めて施主の納得のいく形にすることが求められます。インターネットでも簡単に資料請求を行うことができるので、その中から住宅会社を絞って連絡を入れてみると良いでしょう。
設計と打ち合わせ
住宅会社の選定を終えることができたら、より具体的な部分の話へと移ります。契約を済ませたら、新居の設計に関する打ち合わせを行います。住宅会社が紹介してくれる工務店やハウスメーカーの担当者も交えながら打ち合わせをすることもあります。
その中で依頼主側の希望や予算などを具体的に伝えることが重要です。予算によっては希望通りの間取りや内装にならないことがあります。どこまで我慢できるか、あるいは妥協できない部分はどこなのかを整理しておき、予算内に収まるような設計に持っていくことがポイントです。
ある程度話し合いが進んでいくと、諸経費や付帯工事費も含めて見積もりを提示してもらえます。その見積もりを一度持ち帰って、改めて家族や親族間で話し合ってみることも大切です。
住宅ローンの申し込み
建て替え住宅の設計をしている間や終えた後に、住宅ローンの申し込みを行います。実際には工事を開始してからローンを組むことになりますが、その前に金融機関にローンの相談をしておく必要があります。工事が始まってから相談すると、万一ローンを組めなかった場合に大変なことになるので事前に相談しておくことが重要です。
事前相談の際には建て替えの施工計画や見積書が必要となるので、建設会社や工務店などから必要な書類を受け取るようにしましょう。事前の相談の中で不明点を解消しておき、確実に審査に通るようにしておくことがポイントです。
解体業者探し
続いて行うのは解体業者探しです。建て替えを行う場合は、最初に既存の住宅を解体する必要があるので、解体業者を見つけて工事を依頼することが求められます。建て替えの場合、工務店やハウスメーカー経由で解体業者を紹介されることもありますが、それは避けておいた方が良いでしょう。
と言うのも、紹介という形で解体業者を決めてしまうと、紹介手数料として中間マージンが上乗せされることがほとんどだからです。その分、解体工事にかかる費用とは別に余計な費用を支払わなければならなくなることがあります。
資金に余裕がある場合は別ですが、そうでなければ自分で解体業者を探すことがおすすめです。少なくとも2社、できれば3社程度から見積もりを取ることで工事の適正価格や工期について判断しやすくなります。
自分で解体業者を探す場合は、現地調査や見積もりも含めて1ヶ月程度かかると想定しておきましょう。スケジュールに余裕を持って早め早めに行動を開始することが重要です。
仮住まい探し
解体工事からの建て替えの流れの中においては行うべきことも多くなりますが、そのうちの1つとして仮住まい探しも挙げることができます。解体する家や建て替える家の状況にもよりますが、仮住まい期間の目安としては半年程度と言われています。
場合によっては3ヶ月程度で済むこともありますし、長くなれば1年以上仮住まいに住む可能性もあります。その辺は事前に解体業者や建設業者の話を聞き、どのくらいで建て替えを完成させられそうか、だいたいの目星をつけておくことが大切です。
いずれにしても、一定期間にわたって仮住まいに住む必要があります。建て替え完了の時期まで賃貸契約を結ぶことになるので、インターネットを活用したり地元の不動産屋に足を運んだりしながら良い物件を見つけられるようにしましょう。
物件によっては短期間の契約を嫌がられる可能性もあるので、マンスリーマンションなどを探してみることも選択肢の1つです。解体業者探しもそうですが、仮住まい探しも時間がかかることが想定されるので、早めに動き出すことがポイントです。
片付けと引っ越し
解体業者探しや仮住まい探しを終えて、実際に解体工事を開始できる段階になったら、片付けと引っ越しを行います。解体工事を開始する場合は、できるだけ室内に残置物を残しておかないことがポイントです。特に粗大ごみや家電製品などが残っていると、提示されていた解体費用とは別に追加費用を請求される可能性があります。
仮住まいに引っ越すということもありますが、処分できるものはできるだけ自分たちで処分して、すっきりした状態にしておくことが重要です。引っ越しの際に引っ越し業者を利用する場合は、事前に数社に連絡を入れて、スケジュール面や費用面で納得できる業者に依頼すると良いでしょう。
解体工事の場合もそうですが、引っ越しの際も相見積もりをすることで少しでも費用負担を緩和することがおすすめです。
地盤調査と地盤改良
続いて行うのは地盤調査と地盤改良です。これは業者が行うことであり、基本的に依頼主側で行うことではありません。新しく家を建設する際には、法律で地盤調査を行うことが義務付けられています。
その土地に本当に家を建てて良いのか、地盤の強度が基準を満たしているかなど、家を建てる際に行うべきことして地盤調査があります。解体する前はまだ家が残っているので、簡易的な調査しか行いませんが、解体を終えて更地になった時に正式な調査を行います。
最初の地盤調査の段階で特に問題ないと判断された場合は、そのまま建て替え工事を開始することができます。一方で、地盤に何らかの問題があることがわかった場合は、地盤改良工事を経てから建て替え工事へと移ります。地盤調査と地盤改良は安全性を担保するために必要なことであり、確実に行うべきものです。
解体工事
ここからは、いよいよ建て替えに向けて本格的な工事へと移っていきます。まずは、既存の家を取り壊すための解体工事からです。
足場や養生の設置、近隣住民への挨拶、ライフラインの停止など、解体工事を開始するに当たって必要なことは複数あります。そうした工程を経て、外壁工事と重機を使った建物全体の取り壊し、基礎の撤去、整地作業といった流れを踏んでいきます。
物件の大きさや構造にもよりますが、早ければ1週間から10日前後、長くても1ヶ月以内で終わることが多いでしょう。あらかじめ工期について聞いておく必要がありますが、施主としても、建て替えに向けた解体作業が順調に進んでいるのか定期的に確認することがポイントです。
建設工事の着工と引き渡し
解体工事を終えて地盤にも問題ないことがわかった時点で、建設工事へと移っていきます。地盤に不具合や異常があった場合は地盤改良を行ってから建設工事に入ります。
建設工事に関しては、事前に話し合っていた内装や間取り、家の大きさに合わせて1つ1つ丁寧に作業を行っていきます。この辺は建設業者の手腕に委ねられるところであり、工期も含めて施主としては定期的に確認することが役割となります。
実際に建て替え工事が終わったら、契約内容に基づいた家になっているのかどうか、担当者立ち会いのもとで確認を行います。全ての確認を終えたら家の鍵を受け取り、物件の引き渡しとなります。
その後、施主としてはライフラインの開通や各種手続きを行いましょう。仮住まいから引っ越しをすれば、建て替えに関する一連の流れを終えて新生活の開始となります。
建て替えとリフォームの違い
建て替えとリフォームの違いに注目して解説を行っていきます。現在の家を新しい雰囲気やテイストにしたいという場合、建て替えやリフォームによってニーズを満たせます。
それぞれの特徴やメリット、デメリットを知ることで、自分たちにとって何が最適なのか判断しやすくなります。居住環境を変えることを決意した場合、建て替えとリフォームに関するそれぞれの概要を理解した上で最善の判断を下せるようにしていきましょう。
建て替えとは?
まずは、建て替えについて確認していきます。建て替えの場合は完全に新たな住宅を建築することを言います。既存の住宅は全て取り壊し、ゼロから新しい住宅を建てるのが建て替えであり、それまで建っていた住宅は跡形もない状態となります。
基本的に今まで家があった場所に新しい家を建てることになりますが、それまでとは異なる家が完成することが建て替えの特徴です。
リフォームとは?
続いては、リフォームについて確認していきます。リフォームは建て替えとは異なり、今ある住宅を残した状態で、部分的に改築や修繕などを行うことを言います。部分的に改築や修繕することをリフォームと呼びますが、その程度は問いません。
家全体を新築同様にきれいにすることもリフォームですし、水回りや壁など、室内の部分的な箇所のみを修繕することもリフォームと呼びます。
建て替えとの違いとしては、既存の家や住宅を残すかどうかという点が挙げられます。建て替えの場合は一旦既存の家を取り壊して再度建築し直しますが、リフォームの場合は既存の家を再利用する形で新たな装いにします。
近年、内装などを作り直すリノベーションも人気を博していますが、それもリフォームの一つと言えます。つまり、既存の状態のものを活かすところにリフォームの特徴があります。
建て替えのメリット
それでは、建て替えとリフォームのメリットやデメリットについて確認していきます。まずは、建て替えのメリットについてですが、何と言っても間取りや設備に関する自由度が高いところが挙げられます。
既存の家を一度取り壊して新たな家を建てることができるので、ご自身のニーズや理想の状態に近づけやすいところが大きなメリットです。リフォームに比べて費用的に高くなることが多いですが、その分多額のローンを組みやすいところもメリットです。
既存の家に多くの不満がある場合は、建て替えによってニーズを満たしやすくなります。
建て替えのデメリット
建て替えにはメリットがある一方で、デメリットもあります。まず、費用的な部分でコストがかさみやすいところが挙げられます。どのくらいの規模の家にするのかにもよりますが、解体工事や建設工事などを含めて、数千万円単位の費用が必要になることも少なくありません。
ローンを組めば問題ないという方でも、それだけの資金がかかることは大きな損失と言えるでしょう。
また、工期が長くなることも建て替えのデメリットです。建て替えの場合は、一度既存の家を取り壊してから新たな家を建設することになるので、その分工期も長くなります。建て替えを検討してから、新たな家が建つまで半年から1年程度かかることも珍しくありません。
その間の仮住まい暮らしなど、物理的な移動を伴って大変な部分も出てきます。
また、建て替えの場合は税金関係の出費も多くなります。具体的には、以下の種類の税金が発生します。
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 登録免許税 など
建て替え自体にもお金がかかりますが、付随する税金による出費も大きくなりがちです。この辺を踏まえた上で、建て替えを検討することが大切です。
リフォームのメリット
続いては、リフォームのメリットについて確認していきます。リフォームの場合は、まずコスト面でのメリットを挙げることができます。リフォーム内容にもよりますが、数十万円から数百万円単位で収めることも可能です。
既存の家を改築したり修繕したりすることになるので、工期も短くて済みます。一般的には1ヶ月程度あれば完成することが多く、建て替えほど多くの時間を要することは少ないでしょう。また、既存の家を利用するので、仮住まい探しや引っ越しなどをする必要もありません。
その他、建て替えの際に発生する不動産取得税や登録免許税などの税金類の発生も抑えることができます。
リフォームのデメリット
一方で、リフォームのデメリットとしては自由度が少ないことが挙げられます。建て替えであればゼロベースで家を作り直せるので多少無理がききますが、リフォームの場合は建て替えほどの自由度がありません。
既存の家を取り壊すわけではないので、完全に新たな状態にすることはできません。スペースを増やしたい場合は増築なども可能ですが、その分費用もかさみやすくなります。
また、築年数が古く、経年劣化が激しくなっている場合、改築や補修にも大きなお金が必要となることがあります。家の状態によっては、建て替えをする場合とそれほど費用負担が変わらなくなる可能性もあるので注意が必要です。
解体工事と建て替えの費用相場
ここからは、解体工事と建て替えの費用相場について確認していきます。建て替えの場合は、既存の家を取り壊す必要があり、解体工事を実施しなければなりません。その分、費用負担も大きくなりがちで、施主としては経済的な負担を強いられることになります。
その中で、解体工事や建て替えにかかるおおよその費用を把握しておくことも大切です。少しでも費用を安くするためには業者選びも大切な要素です。その他、補助金制度についてもご紹介していきます。
家の解体費用目安
まずは、家の解体費用目安について見ていきます。家の解体には人件費や産業廃棄物の処理費用などを含めて、大きな費用がかかります。解体する地域によって差が出ることもありますが、大まかな費用相場をご紹介することは可能です。
ここでは、東京都で解体工事を依頼した場合の費用相場について取り上げます。木造と鉄骨造、鉄筋コンクリート造に分けて確認していきましょう。
木造住宅 | 坪単価 |
---|---|
30坪 | 3万5,000円 |
40坪 | 3万3,000円~3万5,000円 |
50坪 | 3万5,000円 |
60坪 | 2万9,000円~3万円 |
木造住宅の場合は、坪数が上がっても取り壊しに要するスキルや手間にそれほど大きな変化が見られないので、面積が広くなれば広くなるほど、坪単価が安くなることがあります。解体工事にかかる総額は大きくなりますが、坪単価としては低くなるところが特徴です。
鉄骨住宅 | 坪単価 |
---|---|
30坪 | 3万3,000円 |
40坪 | 4万円~4万1,000円 |
50坪 | 4万円~4万2,000円 |
60坪 | 5万円 |
鉄筋コンクリート住宅 | 坪単価 |
---|---|
30坪 | 5万3,000円~5万5,000円 |
40坪 | 6万円~6万2,000円 |
50坪 | 6万5,000円 |
60坪 | 7万5,000円~7万7,000円 |
ここでご紹介している坪単価は、養生や解体にかかる費用のみです。その他、庭木の撤去や駐車場の撤去など、付随する工事がある場合は別の費用負担となるので注意しておきましょう。
また、正確な金額は解体業者に見積もりを提示してもらうことが重要です。地域や工事を行う季節、その他の状況によって総額が変わることは珍しくありません。上記の金額はあくまでも目安として捉えておくことが賢明です。
付帯工事の費用目安
続いては、付帯工事の費用目安について確認していきます。解体工事では、建物本体の解体以外に付随工事が発生することが多いです。例えば、駐車場の撤去や植栽の撤去、コンクリート撤去費など、さまざまな付随工事があります。
ここでは、40坪の木造住宅を解体することを想定して、付随工事にどれくらいの費用がかかるのかご紹介します。あくまでもイメージとして参考にしてください。
付随工事の内容 | 作業費 |
---|---|
敷地内のコンクリート撤去 | 3万5,000円 |
門柱の撤去 | 4万円 |
駐車場の撤去 | 3万6,000円 |
植栽の撤去 | 7万円 |
重機回送費 | 2万7,000円 |
諸経費(各種届出費用など) | 5万円 |
上記のような形で、建物本体の解体とは異なる部分で費用負担を強いられることも珍しくありません。付随費用だけで数十万円から数百万円かかることもあります。複数の解体業者から話を聞き、最終的にどれくらいの費用がかかるのか把握した上で業者選びを行うことがポイントです。
建て替えの際に発生する費用
続いては、建て替えの際に発生する費用について見ていきます。建て替えの内容にもよりますが、新しい家を建てる工事には1,000万円から5,000万円程度かかることがあります。
どういった家を建てたいのか、予算はどれくらいかによっても変わってくるので、その辺はご自身の経済状況や建設会社の話を聞きながら組み立てていくことがポイントです。
また、建て替え中には仮住まいへの引っ越しと賃料がかかります。どのくらいの期間にわたって仮住まい暮らしをするのかにもよりますが、100万円程度は確保しておいた方が良いでしょう。引っ越しに関しては仮住まいへ移動する際と、新居へ移動する際の2回分必要です。
また、仮住まいに6ヵ月住むのであれば6ヵ月分の賃料も必要となります。その他、仲介手数料や敷金、礼金といった初期費用が必要となるので、多めに見積もっておくと良いでしょう。
業者選びがポイント
建て替えに関しては、解体工事にも建て替え工事にも大きな費用がかかることを頭に入れておくことが大切です。その中で、少しでも費用負担を抑えたいと考えるのであれば、業者選びがポイントになってくることは間違いありません。
建て替え工事の際は複数の工務店やハウスメーカーと交渉を行い、予算内で少しでもニーズを満たしてくれそうな業者を選ぶことが重要です。
また、解体工事に関しても複数の業者から見積もりを受け取り、その中で最も納得感のある業者に決めることがおすすめです。一概に金額が安ければ良いというわけではなく、一定の費用で質の高い工事を行ってくれる業者を探しましょう。
業者選びは大変な部分もありますが、少しでも経済的な負担を和らげるためには頑張りどころでもあります。新生活に向けて自分たちでできることは自分たちでやって、少しでも費用負担を抑えることが効果的です。
空き家の場合は補助金も
建て替えに関して、現在人が住んでいる家を建て替える他に、空き家の建て替えを行おうと検討することもあるでしょう。人が住んでいる場合は別ですが、空き家の場合は取り壊しをする際に補助金や助成金を受け取れる可能性があります。
近年の日本では急速に空き家が増えている状況にあり、国や地域としても空き家対策に積極的に乗り出しています。実際に、2019年時点で空き家の解体費用を補助している自治体は全国で300以上あるとも言われており、活用しない手はありません。
例えば、以下のような名称で補助金を支給を行っていることがあります。
- 空き家解体補助金
- 空き家解体助成金
- 空き家解体費補助制度
- 老朽危険空き家解体補助金
- 老朽危険空き家及び空き建築物除却費補助金
- 解体撤去費助成 など
地域や自治体によって名称は異なりますが、補助金を受け取れるという考え方には変わりありません。
また、実際に支給してもらえる補助金額も地域によってそれぞれです。まずはインターネットで検索したり、役所や役場に問い合わせをしたりして、補助金制度があるのか確認してみましょう。
制度がある場合は利用条件などを確認した上で、必要な手続きを取って補助金を活用することがおすすめです。
建て替えの際に家具はどうする?
ここからは、建て替えを行う際に家具をどうすれば良いのかという点について解説を行っていきます。
建て替えを行う場合は一時的に仮住まいに引っ越す必要があり、既存の家に家具や家電製品を残しておくことができません。
家具の処分方法や保管方法に悩む方も多く、そうこうしている間に解体工事の着工となってしまうケースもあります。そうならないためにも計画的に家具の処分を進めることが大切であり、費用負担を緩和するポイントとなります。具体的にどういった形で処分を行えば良いのかについて理解を深めていきましょう。
家具などの不用品は自分で処分
まず、家具などの不用品は自分で処分することが重要です。解体業者へ処分を依頼することもできますが、その場合は追加費用という形で費用負担を強いられることがあります。少しでも経済的な負担を緩和したいのであれば、自分で処分するようにしましょう。
また、どの家具を残しておいてどの家具を処分するのか決めることも重要です。仮住まい先に持って行って利用する家具もあれば、すでに使わなくなって不要なものもあるでしょう。この辺は通常の引っ越しと変わらない部分であり、取捨選択をすることが求められます。
まずは、使うものと使わないものに分けて効率的に作業を開始できる状態を作り上げることがポイントです。
家具の処分方法
家具の処分方法に関しては、複数の選択肢があります。まずは、その選択肢について確認していきましょう。
- リサイクルショップに買い取ってもらう
- ネットオークションやフリマアプリで売る
- 自治体に引き取ってもらう
まず、家具の種類や量、状態にもよりますが、場合によってはリサイクルショップなどが買い取ってくれることもあります。まだ使えるものであれば、リサイクルショップ側で売れると判断して買い取ってくれるでしょう。それほど大きな資金にはならないかもしれませんが、処分するのであれば安くても譲ってあげるのがおすすめです。
無料で出張買取サービスを行っているリサイクルショップも多いので、連絡を入れて見に来てもらうことが有効です。
あるいは、ネットオークションに家具の写真を提示して第三者に売るという方法もあります。最近ではフリマアプリを活用する方も多くなっており、一般の方でも簡単に売買できる環境が整っています。そうしたサービスを利用して家具の処分につなげる方法もあります。
買い手がつかないような家具や粗大ごみであれば、潔く自治体に引き取ってもらうことが有効です。地域のクリーンセンターに持ち込んだり、あらかじめ予約をして引き取ってもらったりすることができます。粗大ごみとして引き取ってもらう場合は、ごみの種類や大きさによって所定の費用を負担する必要があります。
ものによって数百円から数千円程度かかりますが、確実に処分する方法として頭に入れておきましょう。
家具の保管
家具を処分するだけではなく、保管するという選択肢も挙げることができます。仮住まいで使うほどではなくても、処分はしたくないと思うこともあるでしょう。その場合はトランクルームや貸倉庫に預けることによって、一時的に保管することができます。
トランクルームや貸倉庫に預ける場合、広さによって金額が変わります。目安としては、月額1,000円~1万5,000円程度の範囲と考えておくと良いでしょう。数ヶ月間分の費用が必要となりますが、保管という選択肢を持っておくことがおすすめです。
解体業者への依頼も可能
家具の処分方法としては、解体業者へ依頼することも可能です。何らかの理由で自分たちでは処分できないものがあるケースもあります。その場合はあらかじめ解体業者に相談しておくことで、処分してもらうことができます。
解体業者に処分を依頼した場合、費用負担に関してはケースバイケースです。家具の大きさや量によっては無料で処分してくれるケースもありますし、追加費用という形で費用請求してくるケースもあります。
いずれにしても解体業者に依頼する場合は、早めに相談することが大切です。事前の相談なく工事開始日になっても家具が残っている場合、作業スケジュールの遅れにつながる可能性があるので注意が必要です。
リサイクル家電の処分
リサイクル家電と呼ばれる家電製品は、家電リサイクル法の規定に則って適切に処分される必要があります。
家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)
一般家庭や事務所から出た家電製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)から、有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに資源の有効活用を促進するための法律。
テレビやエアコン、冷蔵庫や洗濯機など、指定された家電製品については購入した量販店などに引き取ってもらうことが一般的です。あるいは、新しく購入する家電量販店に古い製品を引き取ってもらえることもあります。
処分方法がよくわからない場合は、家電リサイクルセンターや自治体に連絡を入れることで、適切な方法を教えてもらうことができます。適切な形で処分を行わないと、罰金などが科せられる他、環境的にも良くないことなので注意しておきましょう。
パソコンの処分
家電製品にはパソコンも含まれます。パソコンの処分を検討している場合も、適切な形で処分することが求められます。パソコンの処分については、パソコンメーカーに連絡を入れて回収してもらうことが一般的です。
場合によっては、家電量販店で処分してくれることもありますが、最初の選択肢としてはメーカーへの回収依頼を念頭に置いておくと良いでしょう。パソコンもその他の家電製品と同様に一般ごみとして処分することができないので、適切な処分を心がけることが大切です。
粗大ごみの処分
続いては、粗大ごみの処分について確認していきます。粗大ごみに関しては、基本的に自治体のごみ処理業者に回収してもらう必要があります。
まずは電話やインターネットで自治体に問い合わせを行い、粗大ごみの回収を申し込むことになります。粗大ごみの回収は基本的に予約制であり、前もって日付を指定した上で引き取りに来てもらいます。
自治体の状況や時期によっては引き取りに時間がかかることがあるので、処分する粗大ごみが発生することがわかった場合は、早めに連絡を入れることが重要です。
予約できたら、「ごみ処理券」と呼ばれる券を購入します。これはコンビニなどで手に入れることができます。ごみ処理券の金額については粗大ごみの種類や量によって変わってくるので、あらかじめ確認しておきましょう。
その後、ごみ処理券に必要事項を記入して、回収日が来たら粗大ごみに券を貼って指定場所に置いておけば問題ありません。基本的に室内からの持ち運びは行ってもらえないので、自力で指定場所まで持っていく必要があります。
建て替えの際の注意点
ここからは、建て替えの際の注意点について解説を行います。建て替えには多額の費用が必要なことや工期も長くなりやすいことをご紹介しましたが、その他にも注意しておくべきポイントがあります。
何も知らずに工事を行ってしまうと、後で痛い目に遭う可能性も出てきます。1つ1つの考え方や知識を正確に理解しつつ、最終的な判断を下すようにしましょう。
再建築不可物件の認定
まず、建て替えの際に注意しておきたい点として、再建築不可物件の認定を挙げることができます。再建築不可物件の認定とは、既存の家を解体して更地になった部分に新たな家を建てることができないことを指します。
ほとんどの土地では建て替えを行うことができますが、建築基準法の規定を満たさない場合に再建築不可物件の認定が下されることがあります。例えば、1つのケースとして接道義務があります。
接道義務
幅4メートル以上の道路に、敷地が2メートル以上接地していなければならないという規定。
公園と接している場合など、一部の例外条件はありますが、接道義務を満たしていない場合は基本的に再建築を行うことができません。この辺の細かい規定に関しては、解体業者や建設業者などの専門家から話を聞くことが大切であり、事前に確認しておくようにしましょう。
地盤改良工事の必要性
続いての注意点として、地盤改良工事の必要性について見ていきます。建て替えの場合もそうですが、新しく家を建てる際には地盤調査を行う必要があります。地盤調査とは地盤の強度や質、状況などを調査して、その土地に家や建物を建てることが相応しいのか調査するものです。
地盤調査には7万円から9万円程度の費用がかかります。調査によって地盤に問題ないことが証明されれば、そのまま建設工事を開始できます。
一方で、地盤に問題があると認定された場合は、地盤改良工事を行って耐震力を高めなければなりません。地盤改良の方法としては、表層を固める工事や基礎部分に杭を打ち込む方法などがあります。
いずれにしても、地盤改良工事を通して地盤の耐震性や安定感を高めた状態で建設工事を開始する必要があります。地盤改良には数十万円から数百万円程度の費用がかかります。急な出費になって大変な部分もありますが、あらかじめ頭に入れておくことが重要です。
取り壊しは名義確認を
既存の家の建て替えを行う場合は、まず取り壊しから行うことになります。その際の注意点として、名義確認をすることが挙げられます。と言うのも、家や建物の取り壊しをできるのは建物の名義人だけだからです。
名義人以外の人が建物の取り壊しを指示することはできません。万一、名義人が亡くなっている場合は、相続人全員の合意を取り付ける必要があります。名義人が存命中の場合でも、名義人以外の人たちで話し合って取り壊しを進めてはいけません。
名義人の同意が必要であり、同意がなければ工事をすることができません。名義人が亡くなった場合は速やかに建物や土地の名義変更を行い、誰が名義人なのかはっきりさせておくことが重要です。
建て替えと固定資産税の関係
建て替えの際に注意しておきたいこととして、固定資産税との関係も挙げられます。住宅用地の土地に関しては固定資産税の特例が適用されており、更地の場合と比較して6分の1から3分の1程度の税金に抑えられています。
つまり、家を取り壊して更地のままにしておくと、その分、固定資産税の額が上がることになってしまいます。住宅用地の固定資産税については、1月1日時点でどういった状態になっているかによって判断されます。そうした事情も考慮しつつ、どのタイミングで家の取り壊しを行い、どのタイミングで建設工事を開始するかについて入念に擦り合わせておくことが大切です。
まとめ
建て替えと解体工事の関係に注目をして、具体的に解説を行ってきました。建て替えをすることでそれまでの居住空間から心機一転、新たな住まいを堪能することができます。そこには大きな夢や希望が詰まっていることもあるでしょう。
しかし、建て替えにいたるまでの道のりは決して簡単なものではなく、さまざまな苦労や苦難が伴うこともあります。特に費用面で折り合いがつかず、妥協せざるを得ないということも出てきます。その中で譲れない部分や妥協できる部分などを模索しながら工事を進めていくことが大切です。
建て替え以外にリフォームという選択肢を取ることも可能です。それぞれのメリットやデメリットを把握しつつ、自分たちにとって最適な手段を選択していくと良いでしょう。