家屋や建物の部分解体は可能か?部分解体の費用相場や注意点もご紹介!

家屋や建物の部分解体は可能か?部分解体の費用相場や注意点もご紹介!

家屋や建物の解体工事を依頼する場合、一部分だけの工事を行ってもらうことができるのかどうか疑問に思うという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、部分解体というキーワードで建物の部分的な工事や解体に焦点を当てながら解説を行っていきます。建物全てを取り壊すことはイメージしやすいですが、一部分のみを解体するのはなかなかイメージがつかないこともあるでしょう。取り壊しにかかる費用相場や注意点なども取り上げていきますので、どうぞご覧ください。

建物の部分解体は可能か?

それでは早速、建物の部分解体は可能かどうかという点について見ていきます。解体工事や家の取り壊しと聞くと、どうしても建物全体や全ての工事を行うものだとイメージしてしまう人も少なくありません。

それはそれで1つの解体工事のやり方であり、実際に依頼する人が多いことも事実です。一方で、建物全体ではなく部分的な解体や一部分だけの工事を依頼したいという人もいるでしょう。そういった依頼の仕方が可能なのかどうかも含めて、その真相について確認していきましょう。

部分解体は可能

結論から申し上げると、家屋や建物の一部分だけを解体したり取り壊したりすることは可能です。いわゆる部分解体という言葉でまとめてご紹介することができますが、全体を取り壊さなければならないというルールはありません。ちょっとした工事や断片的な工事、ピンポイントで取り壊して欲しいものがある場合の工事として受け入れられています。

ただし、家や建物の構造上、断片的な解体をすることが難しいこともあります。それは事前の現地調査によって判断されることであり、最初からあきらめる必要はありません。工事を行うことができるかどうかは業者によって判断が分かれることもあります。

ある業者では工事をすることができないと言われても、別の業者であれば工事可能と言われることがあります。したがって、1つの解体業者の意見だけを真に受けるのではなく、複数の業者の話に耳を傾けてみることもおすすめです。

いずれにしても、家屋や建物の一部分だけの工事や解体は可能であるということを頭に入れておきましょう。

構造のチェックは欠かせない

部分的な工事をすることは可能ですが、意識しておきたい部分もあります。上記でも少し触れましたが、建物の構造のチェックを欠かさずに行うということです。構造によっては部分的な工事が難しいこともありますし、場合によっては工事自体を断念せざるを得ないケースも出てきます。

木造住宅であれば、チェーンソーを活用して比較的簡単に切り離し工事を行うこともできますが、他の構造の場合、工事が難しくなることもあります。例えば、軽量鉄骨造や重量鉄骨造の場合は、専用のカッターを使用して切り離し工事を行います。これは鉄筋コンクリート造の建物の場合も同様です。

鉄骨造などは構造自体が頑強なものであり、部分的に解体しようと思ってもなかなか上手くいかないことがあります。その結果、本来工事をする必要がなかった部分にも傷やひび割れが発生してしまうなど、施主のニーズを満たしにくくなることがあります。

部分解体の経験やスキルがある業者であれば工事を行うことが可能であっても、初めて行う業者やそれほど経験がない業者の場合はなかなか難しい部分もあるのが現実です。まずは、現地調査を通して建物の構造を確認しつつ、工事が可能なのかどうか判断してもらうと良いでしょう。

部分解体の手順

それでは、部分解体の手順についても確認していきます。具体的な手順については、以下の通りです。

  1. 工事を行う部分と残す部分の区分け
  2. 足場や養生の設置
  3. ガラスや内装材、屋根瓦の撤去
  4. 切り離し解体
  5. 建物の仮補修
  6. 最終補修

以上の手順にしたがって、工事を行っていくことになります。まずは、工事を行う部分と残す部分の区分けから開始していきます。この辺は現地調査の段階ではっきりさせておく必要があり、施主としてどの部分を工事して欲しいのか、あるいはどの部分は残しておいて欲しいのかきちんとした要望を伝えることが求められます。最初の段階でお互いの意思に食い違いが生じてしまうと、その後の工事は失敗に終わってしまう可能性が高くなるので、特に重視して行っておきたいところです。

工事を行う部分とそうでない部分を分けることができたら、実際に足場や養生を設置して工事開始に向けた準備を行います。基本的には、家屋や建物の周囲に足場や養生シートを設置すれば問題ありません。この辺は通常の解体工事と同じ手順です。

その後、ガラスや内装材、屋根瓦の撤去へと移ります。これらの撤去は基本的に人の手で行い、重機やその他の機械を使うことはありません。他の部分に傷をつけないように配慮することがポイントです。

必要なものの撤去を終えることができたら、いよいよ切り離し解体を行う段階です。取り壊しを行いたい部分を慎重に解体していきます。この段階では手作業による解体を行う一方で、重機を利用することもあります。いずれにしても、残しておきたい部分に傷をつけたり悪影響を与えたりしないことが重要です。

切り離しを終えることができたら、仮補修と最終補修へと移っていきます。仮補修に関しては、工事を行った箇所に雨水などが侵入しないようにシートやベニヤなどを使って覆うことがあります。その後の最終補修では、屋根部分や外壁部分に対する作業を行います。はがれている部分や傷がついている部分があれば、この時点できれいにしておきます。

これらが部分解体を行う上での一連の手順となります。基本的には解体業者主導して進めてもらいますが、施主としても要望があればきちんと伝えることが大切です。

解体の難易度はさまざま

部分解体について、その難易度はさまざまであると言うことができます。建物の構造が木造の場合は比較的スムーズに工事を行うことができますが、それ以外の構造の場合は取り壊しに手間取ることもあります。

切り離しや一部分の工事を行うことができたとしても、その後の安全な状況を確保することも重要なポイントです。一部分を取り壊した後も、建物が安定的に建ち続けることができるのかどうかをしっかりと判断した上で工事を行う必要があります。

建物の構造計算に関しては、建築基準法の基準に則った上で行うことが求められます。

建築基準法

国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の設備や敷地、構造や用途についての最低基準を定めた法律のこと。

取り壊しを行うことができたとしても、その後の安全性に問題が生じてしまえば本末転倒です。工事後の安全性も担保しつつ、難易度に応じた工法やスキルを用いることも解体業者には求められる部分です。

特に大規模な工事に関しては、建物の安全性やバランスが脅かされるリスクがあります。必要に応じて建築士への相談を行うなど、施主としてもできることがあれば積極的に取り組むことが重要です。

部分解体の確認申請

家屋や建物の部分解体を行うという意味では、事前の確認申請の必要性についても理解しておくことがポイントです。工事を行うに当たっては、建築基準法で定義されている建築物除却届を提出する必要があります。

建築物除却届は、工事を行って取り壊しをしようとしている部分の床面積が10㎡以上である場合に届け出が必要となるものです。届け出に関しては県知事に提出すれば問題ありません。

また、解体した部分に建て替え工事を行う場合は、建築工事届の提出も必要となります。建築工事届を提出する場合はその中に建築物除却届の内容を記載すれば大丈夫です。

いずれにしても、部分解体を行うに際しては自治体に対する確認申請が必要となることを頭に入れておきましょう。

部分解体と費用の関係

ここからは、部分解体と費用の関係に注目をして解説を行っていきます。家屋や建物の一部分を取り壊す工事に関しても、通常の工事と同様に一定の費用が発生することになります。建物の大きさや工事を行う部分の面積によって総額が変わってくることが一般的です。

また、業者によって費用が異なることも多く、複数の業者から見積もりを取ることがポイントです。費用を安くするためにできることも含めて、金額的な部分について確認していきましょう。

見積もりを取ることが重要

まず、部分解体と費用の関係について知る上では、見積もりを取ることが重要であると認識しておくことが有効です。家屋や建物全体を解体する場合は、その面積や坪数によっておおよその目安を出すことができます。しかし、部分解体の場合は、その特殊性からざっくりとした金額を出すのも難しいのが実際のところです。

坪数によって金額を出すことは可能ですが、施主によってさまざまな要望があり、どういった工法で工事を進めていくのかも異なります。そのため、まずは業者に現場に来てもらい、現地調査を通して具体的な金額を確認することが賢明です。

机上で計算を行っていてもなかなか見えてこないのが部分解体であり、業者から話を聞くことが一番です。できれば3社程度から見積もりを取ることで、適正金額や適切なスケジュールも判断しやすくなっていきます。場合によっては数十万円単位で差が出ることもあるので、比較対象を持つことはおすすめです。

部分解体に助成金はあるか?

費用面の高さについて気になる方も多いですが、工事に際して助成金があるのかどうかという点について気になるという方もいるでしょう。残念ながら部分解体に関しては、助成金制度がないのが現状です。特定空き家と認定された場合は活用できることがありますが、一般的な家屋や建物の場合は自費で工事を行わなければならないのが実情です。

特定空き家

そのまま放置しておくと安全上の危険や衛生上の有害がある空き家、あるいは著しく景観を損なっている状態や周囲の生活環境の安全性を脅かす危険性があると判断された空き家などのこと。

解体を行いたい建物が特定空き家と認められた場合は、自治体から助成金を支給してもらえる可能性があります。その他の家屋や建物の場合は、自費で工事を行うことになると理解しておきましょう。

部分解体の費用相場

それでは、部分解体の費用相場についても確認していきます。建物の一部分だけの工事を行う場合、これといった決まった目安があるわけではありません。それでも、構造ごとの坪単価を参照することでおおよそのイメージをつけることが可能です。実際に工事を行う坪数を掛ければおおよその費用を計算することができるでしょう。

その金額については、以下の表にまとめていきます。

構造 坪単価
木造 4万円~5万円/坪
軽量鉄骨造 6万円~7万円/坪
鉄筋コンクリート造 7万円~8万円/坪

構造ごとの費用目安としては、上記の金額を参考にすることができます。1坪は約3.3㎡であり、100㎡の場合は約30坪ほどとなります。例えば、木造の100㎡の取り壊し工事を行う場合は120万円から150万円程度の費用がかかると想定することができます。

あくまでも取り壊しにかかる費用であり、その他の付帯工事や補修工事にかかる費用は計算されていません。おおよそのイメージだけでも持っておきたいという場合に、上記の坪単価を参考にすると良いでしょう。

費用を安くするためにできること

部分解体と言えども、数十万円から数百万円程度の費用が必要となることもあり、施主としては決して安い金額ではありません。実際に見積もりを取ってみたら、あまりの高さに驚くということもあるでしょう。

そこで、少しでも費用を安くするためにできることはないかと疑問に思う方が出てくるのも自然なことです。そのための方法としては、複数業者に見積もりを依頼することが挙げられます。そもそも1つの業者だけから金額提示を受けた場合、その金額が高いのか安いのか判断することが難しくなります。

と言うのも、費用面における比較対象がないからです。そこでカギを握ってくるのが比較対象を作るということです。2社や3社程度の業者から話を聞くことで、それぞれの業者の金額の多寡を比較することができるようになります。そこからできるだけ安い業者を選ぶことができれば、施主としては経済的な負担を和らげることができます。

悪徳業者には注意を

ただし、注意しておきたい部分もあります。それは、他社と比較した時にあまりにも安すぎる金額を提示してきた業者についてです。中には悪徳業者と呼ばれるような存在もあり、不法投棄や違法工事をして費用を抑えているケースがあります。また、契約をしてから追加費用を請求してくるなど、施主にとってはありがたくない状況が待っていることもあります。

そうした業者を事前に見分けるのは難しいこともありますが、まずは金額に注目してみると良いでしょう。あまりにも安い費用が提示された場合は、他社を優先的に検討することがおすすめです。

倉庫や土蔵の解体費用

倉庫や土蔵の解体費用についても取り上げていきます。建物の一部を解体することも有りますが、建物本体とは離れた位置にある倉庫や土蔵の撤去を依頼することもあるでしょう。その際の費用相場について知っておくことも有効です。

その坪単価としては以下の通りです。

解体対象 坪単価
倉庫 1万4,000円~2万2,000円
土蔵 3万6,000円~4万3,000円

上記が倉庫と土蔵の一般的な坪単価となります。詳しい費用に関しては、建物本体の時と同様に業者から見積もりを取って確認することが重要です。

倉庫や土蔵は物置として活用される方も少なくありませんが、用途がなくなると邪魔になってしまうというケースがあります。そこで撤去や取り壊しを依頼する方も多くなりますが、大きさや高さによって一定の費用がかかることを認識しておきましょう。

工事日数としては早ければ1日で終わることもありますし、長くても1週間程度ということがほとんどです。工期に関しても業者に確認する必要がありますが、比較的スムーズに取り壊しを行うことができます。

部分解体の注意点

ここからは、部分解体の注意点に焦点を当てて解説を行っていきます。一般的な家屋や建物を解体する場合と同様に、注意点を把握しておくことでよりスムーズに工事の依頼を行うことができます。

基本的には解体業者に全てを委ねることになりますが、施主としてできることや知っておきたいこともあります。その辺も意識しつつ、実際に工事を依頼する場合のイメージを持ちながら内容を確認していきましょう。

長屋の部分解体には注意

まず、長屋の部分解体には注意するべきという点を挙げることができます。長屋では複数の住人が生活していることが一般的ですが、そのうちの1軒だけを取り壊すということがあります。長屋は隣と壁でつながっているだけであり、部分解体を行うと他の住人に迷惑がかかってしまうことになります。

そのため、長屋の取り壊しに関しては他の所有者の同意も必要とされており、施主の意思や判断だけで工事を行うことはできません。その点を踏まえつつ、日頃から住人や所有者の方と良好な関係を築いていく必要があります。

また、工事が始まってからも騒音や振動、粉じんの飛散など、少なからずご迷惑をお掛けすることになります。そういった部分も含めて、事前に丁寧に説明をした上で他の住人からの同意を得ることがポイントです。

確実に現地調査を行うこと

一般的な解体工事に関してもそうですが、部分解体の場合も確実に現地調査を行う必要があります。資料や図面から読み取れることもありますが、やはり工事を行うに当たって一度現地を見ておかないと、工事開始になってから慌てることになってしまいます。

建物の構造もそうですが、壁の位置や厚さ、梁や屋根の特徴、柱の特徴などを含めて、実際に現場に行くことで見えてくる部分もあります。工事後の耐震性や安全性、建物の傾きなどを計算するという意味でも、必ず現地調査を行っておくことが求められます。

場合によっては、安全性を考慮して工事を中止せざるを得なくなることもあります。部分解体をした場合、その後も同じ建物に住み続けるという方もいるでしょう。ご自身の身を守るという意味でも、業者には確実に現場に来てもらうことが重要です。疑問点や不明点があればその場で解決することで、本当の意味で安全に工事を開始することができます。

ブロック塀のみの部分解体

ここからは、ブロック塀のみの部分解体に焦点を当てて解説を行っていきます。建物本体の一部分を取り壊したり工事をしたりすることもありますが、場合によってはブロック塀のみを取り壊して欲しいというニーズが出てくることもあります。

あるいは、建物本体の工事とあわせてブロック塀の解体も依頼したいということがあるでしょう。そうしたニーズが出てきた場合の費用相場や壊し方、業者の選定方法について確認していきましょう。

ブロック塀の解体費用相場

まずは、ブロック塀の費用相場について取り上げていきます。ブロック塀だけを取り壊して、庭の景観や利用方法を変えていきたいというニーズが出てくることもあります。その際の費用として、目安となる金額について押さえておきたいところです。

ブロック塀の撤去に関しては、1㎡あたり1万円から5万円が相場とされています。ブロック塀の大きさや面積、隣接している道路や周囲の家との関係など、さまざまな事情を考慮して最終的な金額が決まりますが、目安として覚えておく分には問題ありません。

決して安い金額と言うことはできませんが、ブロック塀を撤去する際の参考として相場を頭に入れておきましょう。

ブロック塀の壊し方

ブロック塀の壊し方としては、基本的に上部から少しずつ取り壊していきます。少しずつ削りとりながら行うことによって、周辺の道路や周囲の家に傷をつけることなく安全に作業を進めていくことができます。

また、ブロック塀の撤去に関しては専用工具を使って行うことがほとんどです。素手で撤去するというよりも専用工具を使って取り外していくので、一般人がやろうとしてもなかなか簡単には行きません。

人によってはハンマーなどを使って独自の方法で取り壊しをしようとする方がいますが、それではきれいに取り壊すことができませんし、周囲への影響を考えた場合にも行わない方が良いでしょう。自分の土地で収まるのであればまだ問題ありませんが、周辺の道路や近隣の敷地内にブロック塀の破片が飛び散ってしまうと大変なことになります。

また、通行している人や車に破片が当たると重大な事故につながる可能性もあるので、必ず専門業者に依頼することが大切です。素人が片手間で行えるような作業ではないので注意しておきましょう。

専門業者への依頼がおすすめ

ブロック塀の取り壊しや撤去に関しては、専門業者へ依頼することがおすすめです。ブロック塀の撤去であれば自分でも可能なのではないかと考える人もいますが、その考え方は改めた方が良いでしょう。ブロック塀の撤去に関しては複数のリスクがあり、そのリスクを考慮した上で慎重に作業を行う必要があります。以下に、主なリスクについて取り上げます。

  • 作業手順を間違えると、ブロック塀全体が倒壊してしまうことがある。
  • 専門工具を使った作業自体が危険。工具の取り扱いを誤ると腕が巻き込まれることがあるなど、重大な危険が身に及ぶリスクがある。
  • ブロック塀を撤去することによって飛散する鉄筋くずやブロック片が顔や目に当たる可能性がある。また、通行中の人や車両に当たるリスクや道路上に鉄筋くずなどを撒き散らしてしまうリスクもある。

ブロック塀の撤去に関しては、上記のようなリスクや危険性を挙げることができます。これらのリスクを考慮して安全に作業を行っていくためには、専門業者に依頼するほかありません。

「餅は餅屋」ということわざもありますが、素人が無理に手を出すのではなく、多少の費用を負担してでも専門的な知識やスキルを持った業者に依頼することがポイントです。

土間コンクリートの撤去

ここからは、土間コンクリートの撤去に焦点を当てて解説を行っていきます。ブロック塀の取り壊しもそうですが、土間コンクリートの撤去についてもさまざまな考え方をすることができます。撤去費用の目安や作業にかかる日数、費用を少しでも安くするための方法や注意点など、確認しておきたい事項が盛りだくさんです。

1つ1つの内容や考え方を理解することで、安全に作業を進めてもらうことができます。施主としてできることを行うためにも、正しい考え方を身につけていきましょう。

土間コンクリートとは?

まずは、土間コンクリートとは何かという部分から確認していきます。土間コンクリートとは、石や砂利などを敷き詰めて、直接コンクリートで打ち固めた床のことを指します。一般的な住宅でも活用されることがあり、玄関や駐車場などがその仕様になっていることがあります。また、いわゆる土間と呼ばれるような部分で土間コンクリートが活用されることも多く、長屋や古民家でも目にする機会があるでしょう。

場所や状況によっては風情のある雰囲気を醸し出すことも可能であり、年数が経過していくに連れて、味わい深い空気感に仕上がっていくこともあります。お店によっては土間コンクリートを使用することで、お店のコンセプトや世界観を表現するということも珍しくありません。

工事を行う場合は、5cmから10cm程度の厚みを持たせることもあり、重厚感のようなものを出すこともできます。その作りを知っておくことで、さまざまなシーンで取り入れることができるでしょう。

撤去費用の目安

さまざまなシーンで活用することができる土間コンクリートですが、撤去の際には一定の費用がかかります。コンクリートの厚みや鉄筋が含まれているかどうかなど、さまざまな条件によって費用相場は変わっていきます。

厚さや鉄筋ありかなしかを指標とした場合は、以下のような費用相場を目安にすることができます。

厚さと鉄筋の有無 費用相場
厚さ5cm(鉄筋なし) 700円~/㎡
厚さ5cm(鉄筋あり) 1,000円~/㎡
厚さ10cm(鉄筋なし) 1,000円~/㎡
厚さ10cm(鉄筋あり) 1,500円~/㎡

撤去費用の目安としては、上記の金額を参考にすることができます。その他、撤去にかかる作業員の数や撤去後のコンクリート処分費用などが考慮されます。また、最終的に計算された金額に業者の利益分も計上された形で、施主の負担額が決まっていきます。

建物の部分解体やブロック塀の撤去などと同様に、詳細な金額については業者に直接問い合わせることがポイントです。

撤去にかかる日数

土間コンクリートの撤去にかかる日数としては、基本的に1日で終了すると考えておいて問題ありません。早ければ半日程度で終了することもありますし、午前中や午後だけの作業で終わることもあります。

あまりにも土間コンクリートの面積が広い場合は別ですが、それでも2日程度見ておけば十分です。家屋や建物の解体工事と比較すると短期間で終わるのが土間コンクリートの撤去であり、数週間や数ヶ月かかることがありません。

工期に関しても、業者に問い合わせることで正確な日数を教えてもらうことができます。電話やメールでの確認でも問題ありませんが、できるだけ現場に来てもらって正確なスケジュールを聞くようにしましょう。

それほど見られるケースではありませんが、場合によっては撤去した部分から地中埋設物などが見つかることもあります。地中埋設物が見つかった場合、その撤去作業も行うことになるのでさらに工期が延びることがあります。また、その分の追加費用も施主の負担となるので注意が必要です。

地中埋設物の発見は相当な例外ケースであり、基本的には短期間で終わるのが土間コンクリートの撤去作業です。

撤去費用を安くする方法

少しでも撤去費用を安くしたいのであれば、その他の工事を依頼する場合と同様に複数の業者に見積もり提示を依頼することがポイントです。実際に見積もりを出してもらわないと見えてこない部分もありますし、比較対象を持つことでより冷静かつ客観的に判断しやすくなります。

できれば3社程度から見積もりを取ることで、相応の金額感を把握することができるでしょう。費用だけではなく、工事に対する姿勢や質なども考慮しつつ、最終的にここだと思える業者に工事を依頼することが賢明です。

撤去の際の注意点

土間コンクリートを撤去する際の注意点として、近隣トラブルを避けることが挙げられます。通常の解体工事の場合も騒音や振動、粉じんの飛散などによって近隣トラブルにつながることがありますが、それは土間コンクリートの撤去の場合も同様です。

専用カッターを使って取り壊しを行うこともあり、コンクリートを砕く音とあわせて、工事中は大きな音が鳴り響くことがあります。日中の時間帯であっても家にいる方や勉強中の方、寝ている方にとっては大きな迷惑であり、ストレスが溜まっていくことになります。

多少の音が生じることはやむを得ないことであるとは言え、それが長時間続くと徐々にストレスも高まっていき、近隣トラブルやクレームに発展することがあります。

そのための対策として、事前に近隣には挨拶にうかがっておくことが大切です。事前に挨拶をして工事に対する理解と協力を求めることで、トラブルやクレームの発生を防ぎやすくなります。この辺は施主としてできることでもあるので、積極的に行っておくようにしましょう。

撤去後の土地活用も有効に

土間コンクリートの撤去後の土地活用を視野に入れることもポイントです。撤去することだけを考えていると、工事を終えてから土地を有効活用することができません。更地になった部分や土地を将来的にどうしていきたいのか検討することによって、仕上げ方が変わってくる部分もあります。

主な土地の活用方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 新築の建て替え
  • マンションやアパートの新築
  • 駐車場やコインパーキングとしての利用
  • 土地の売却 etc…

上記のような方法で更地にした土地を効果的に活用することができます。いずれにしても、整地が必要であり、土地をきれいに整えることが求められます。その分の費用が上乗せされる形となりますが、マンション経営やアパート経営を検討しているのであれば、その後の経営次第で収支をプラスに変えていくことができます。

あるいは、そのまま土地を売却してしまっても問題ありません。きれいに整備された土地であれば買い手もつきやすくなるので、施主としてはそこまで損をすることはないでしょう。土地のその後のことまで考えておくことで、土間コンクリートの撤去にもポジティブな意味を持たせることができます。

まとめ

部分解体というテーマで、建物の解体やブロック塀の解体、土間コンクリートの撤去などを中心に解説を行ってきました。家屋や建物は必ずしも全て解体するだけではなく、一部分のみを撤去したり取り壊したりすることも可能です。自らの理想や実現したいことがあるのであれば、それを求めて部分解体をするのも良いでしょう。

ブロック塀や土間コンクリートの撤去などもそうですが、何かを取り壊す場合は専門業者に依頼することが重要です。中には家の解体は得意だけど、土間コンクリートの撤去経験が浅いという業者がある可能性もあります。複数の業者から話を聞くことで、質の高い工事を行ってくれる業者を見つけると良いでしょう。その上で、近隣にも配慮しながら安全に工事を進めていくことがポイントです。

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