解体工事の粉塵トラブルは避けられる?粉塵トラブルを防止する方法も紹介!
家屋や建物の解体工事を行う場合、工事の影響で振動や騒音などが発生してしまうことがあります。それだけでなく、粉塵の飛散に頭を悩ませるという解体業者や施主の方も少なくありません。実際に、近隣の方にご迷惑をお掛けする可能性がないとも言い切れないのが粉塵の存在です。今回は解体工事と粉塵の関係に注目をして、粉塵トラブルを避けることはできるのかどうかについてご紹介していきます。実際に発生するトラブルや粉塵トラブルを防止する方法なども取り上げていきます。その他、クレームが発生してしまった場合の対応などもご紹介しますので、どうぞご覧ください。
解体工事での粉塵トラブル
それでは早速、解体工事での粉塵トラブルについて取り上げていきます。騒音や振動の発生などもそうですが、解体工事を行うとどうしても粉塵が飛散してしまうことがあります。それ自体はやむを得ないことではありますが、適切な対策を取っておかないと近隣住民の方にご迷惑をお掛けしてしまうことがあります。
具体的には住居への被害や車への被害、洗濯物への被害などを挙げることができます。解体業者や施主としても、こうした被害があることを念頭に置いた上で解体工事と向き合っていくことが大切です。それぞれの被害について確認していきましょう。
住居への被害
まずは、住居への被害から確認していきます。解体工事を行う場合、粉塵を全く出さずに作業を続けることはほとんど不可能だと考えておくことが賢明です。そうなると、最も粉塵の被害を受けやすくなるのは解体現場付近の建物やマンションなどです。隣家の外壁に粉塵やほこりが付着するといったことは珍しくありません。
それぐらいであれば多少我慢してもらうこともできますが、場合によっては部屋の中にまでほこりや粉塵が入ってくるといったケースがあります。そうなると、普段の快適な生活が脅かされるだけではなく、人体への影響も気になる部分です。粉塵を吸い込んでしまうことは、健康上良いとは言えないので注意が必要です。
住居の中に粉塵が入っていくことを防ぐためには、近隣住民の方に協力してもらうことも大切です。解体工事中は窓や扉を閉め切ってもらうことで、建物内に入ってくることを防ぐことができます。
また、外壁に付着したほこりや粉塵に関しては雨が降ればきれいに取り除かれるケースも少なくありません。解体工事中は不快な思いをさせてしまうこともありますが、多少我慢してもらえるように取り計らうこともポイントです。
車への被害
続いての解体工事での粉塵トラブルとして、車への被害を挙げることができます。近隣住民の方もそうですが、近くに駐車場やコインパーキングなどがある場合は複数の車が駐車されていることが想定されます。
解体工事を通して発生する粉塵やほこりによって、現場付近に駐車している車が被害を受けることは珍しくありません。屋根付きの駐車場であっても、さまざまな角度から粉塵が飛散してくるので、しばらく駐車しておくとほこりまみれになっているということもあります。
特に頻繁に車を使わないという場合は、連日の解体工事によってフロントガラスから前が見えないほどほこりが積もっているというケースもあります。多少の粉塵やほこりでも不快な思いをする方がいるでしょうが、それぐらい被害を拡大させてしまうこともあるのが実際のところです。
車を大切にしている方にとっては心が痛くなる状況であり、どんなに洗車をしてもほこりがたまることにストレスを感じることもあるでしょう。そうしたストレスが解体業者や施主へのクレームにつながることもあります。
解体工事の影響で粉塵が飛散しそうな箇所に駐車してある車には、専用のシートを貸し出して保護してもらうといった具体策もあります。そうした対応も含めて、事前に説明をして理解と協力を求めることも大切なポイントです。
洗濯物への被害
解体工事での粉塵トラブルとして最後にご紹介するのは、洗濯物への被害です。解体工事を行っている付近で洗濯物を干している場合、多くの確率で洗濯物がほこりまみれや粉塵まみれになってしまいます。
これは避けられないことであり、解体業者が適切な粉塵対策を取っていたとしても、100%粉塵の飛散を防ぎ切ることはできません。そうなると、最初に被害を受けるのが外にいる人や外に干してある洗濯物です。車などもそうですが、外にあるものに関してはとにかく粉塵やほこりの被害を受けやすいと覚えておくことが重要です。
洗濯物に関しては、事前の近隣挨拶の際に外に干さないように協力してもらうしかありません。部屋干しは嫌だという方もいるかもしれませんが、解体工事の期間中だけは我慢してもらう必要があります。外に洗濯物を干していると、粉塵やほこりの付着によって再び洗濯せざるを得なくなります。そうした手間や状況について丁寧に説明しつつ、近隣の方たちの協力を得ることがポイントです。
人体への影響もある粉塵
解体工事中に発生する粉塵に関しては、人体への影響を及ぼす可能性もあります。ここからは、粉塵が人体に与える影響について焦点を当てて解説を行っていきます。住居や車、洗濯物といった人以外のものにも被害を与える粉塵ですが、人間にも影響があることを知っておくことが大切です。
解体業者や施主としては、なるべく粉塵が飛散しないようにする取り組みが必要となります。また、近隣住民や通行人の方も粉塵の危険性を理解した上で、不用意に解体現場に近づかないようにするという工夫も必要です。具体的にどういった影響があるのか確認していきましょう。
粉塵濃度の基準値
まず、粉塵濃度の基準値について確認していきます。解体工事の際に発生する粉塵については、特に法的な規定や制約があるわけではありません。だからと言って自由に粉塵を飛散させて良いというわけではなく、解体業者にはできるだけ粉塵の飛散を抑えるような取り組みをしてもらう必要があります。健康にも関わることであり、近隣住民や通行人の方にも配慮しつつ解体工事を進めていくことがポイントです。
法的な規定はないものの、厚生労働省では粉塵濃度に関する具体的な基準値を提示しています。工事作業者の許容濃度を0.5mg/㎥と指定しており、解体工事中は常に散水などをしながら粉塵の飛散を抑えるように呼びかけています。
参考情報:許容濃度等の勧告(2020年度) – 日本産業衛生学会
参考情報:作業環境測定の基礎知識|JaWE -日本作業環境測定協会-
粉塵を吸ってしまった場合
解体工事で発生する粉塵を吸ってしまった場合に、どういった影響があるのかご紹介していきます。実際に粉塵を吸ってしまった場合、普通の砂ぼこり程度のものであれば多少吸引してもすぐに人体への影響が出ることはないでしょう。
ただし、小さなお子様などが粉塵を吸ってしまうのは健康上良くないことでもあるので注意が必要です。また、アレルギー体質の方は特に注意が必要です。そうした方がアレルゲンが含まれる粉塵を吸ってしまった場合、くしゃみや鼻水といったアレルギー症状の発生につながることがあります。
粉塵やほこりを吸ってしまったからと言って、ただちに何かしら異変が起きるということは多くありませんが、それでも健康上良くないことは確かです。近くで解体工事が行なわれている場合は、マスクを着用するなどして自らの身を守ることが大切です。
アスベストの粉塵は発がん性も
粉塵の人体への影響という点では、アスベストが含まれる粉塵には特に注意が必要です。アスベストは1970年から1990年頃にかけて建築物に対して大量に使用されていました。2006年以降については、労働安全衛生法施行令によって原則としてアスベストの使用が禁止されています。しかし、2006年以前に建てられた家屋や建物に関しては、アスベストが使用されている可能性があります。
労働安全衛生法施行令
安衛法(労働安全衛生法)に規定された事項を実施するための細則を定めた政令。通称「安衛令」などと言われる。労働安全衛生法は、労働者の安全と衛生についての基準を定めた法律のこと。
アスベストが使用されている場合は、最初にアスベストの除去工事を行ってから解体工事を行う必要があります。それでも万一、アスベストが含まれていることに気づかず他の建材と一緒に解体してしまうと、粉塵に混じってアスベストが飛散してしまうことになります。
アスベストが含まれている粉塵を吸引すると、悪性中皮種や肺がんといった病気につながるリスクが出てきます。それだけ高いリスクがあるのがアスベストであり、解体業者としても十分に注意を払いながら工事を行う必要があります。
粉塵は細かい物質でもあり、近くを通るとそのまま吸い込んでしまう可能性もあります。それが原因で肺がんなどにつながる可能性があると理解しておくことが大切です。
解体工事で発生する粉塵と法律の関係
ここからは、解体工事で発生する粉塵と法律の関係に注目していきます。粉塵と法律の関係という意味では、大気汚染防止法を挙げることができます。大気汚染防止法には、特に特定粉塵と呼ばれる粉塵を伴う作業に対する規定が多く盛り込まれています。
その他、法律ではありませんが、建築物解体工事共通仕様書の規定についても取り上げていきます。粉塵の飛散を伴う作業には危険性があるため、法律や規則を守った上で工事を進める必要があります。法律と規則に関してそれぞれの内容を具体的に確認していきましょう。
大気汚染防止法の概要
まずは、大気汚染防止法の概要から確認していきます。大気汚染防止法では、解体工事の際に発生する粉塵の排出等を抑えること規定している部分があります。特に特定粉塵と呼ばれる石綿(アスベスト)を含む粉塵の取り扱いには十分に注意を払う必要性を明記しています。実際に、特定粉塵の排出作業を伴う工事(特定工事)に関しては、以下の事項を都道府県知事に届け出る必要があります。
- 氏名または名称および住所(法人の場合は代表者の氏名)
- 特定工事の場所
- 特定粉塵排出等作業の種類
- 特定粉塵排出等作業の実施期間
- 特定粉じん排出等作業の対象となる建築物の部分における特定建築材料の種類並びにその使用箇所および使用面積
- 特定粉塵排出等作業の方法
特定粉塵の作業に関しては上記の届出を行った上で、都道府県知事からの許可を得てから解体工事を行うことが基本です。大気汚染防止法の規定に違反して工事を行った場合などは、1年以下の懲役や100万円以下の罰金が科されるなど、解体業者側としてもデメリットが生じることがあります。そのため、大気汚染防止法の内容を適切な形で理解した上で必要な手続きを進めていくことがポイントです。
建築物解体工事共通仕様書の規定
解体工事を行う上では、建築物解体工事共通仕様書の規定も意識しつつ取り組むことが求められます。
建築物解体工事共通仕様書とは、国土交通省が発行している解体工事に関する統一的な仕様書のことです。解体業界では昔から工事の安全対策や発生する廃材の適正な処理、アスベスト含有建材の処分方法などが課題となっていました。
そうした課題に対する統一的な対応として規定が盛り込まれたものが建築物解体工事共通仕様書です。解体工事の施工方法や廃棄物の運搬方法なども含めて細かく規定されています。
その中で粉塵の飛散防止については、養生シートの設置や散水などを行うように規定しています。養生シートに関しては、解体片などが外部に落下しないようにする目的もありますが、粉塵の飛散防止にも役立ちます。建築物解体工事共通仕様書では解体する構造物よりも高くすることを規定しています。
また、散水に関しても圧砕機等の稼動時は専用の散水設備を近くに設け、直接粉塵発生部に常時散水を行うことを規定しています。粉塵の飛散を100%抑えることは難しいですが、散水をしながら作業を行うことで、多少なりとも飛散する粉塵の量を抑えることができます。こうした建築物解体工事共通仕様書の規定を踏まえつつ作業を行うことで、近隣住民や通行人の方に配慮することができます。
粉塵トラブルを防止する方法
ここからは、粉塵トラブルを防止する方法について確認していきます。解体工事を行うとどうしても発生してしまうのが粉塵であり、やむを得ない部分もあります。それでも、野放しに粉塵を飛散させ続けて良いというわけではありません。何も対策をせずに粉塵を飛散させ続けていると、近隣トラブルやクレームにつながる可能性が高まります。
そうした事態の発生を少しでも減らすためにできることがあります。それは事前の挨拶や養生シートの設置、防飛ネットの設置や散水といった行動です。粉塵トラブルを防止する1つ1つの行動について、具体的に確認していきましょう。
事前の挨拶と説明
まず、粉塵トラブルを防止する方法として挙げられるのが事前の挨拶と説明です。粉塵トラブルに限らず、解体工事中は騒音や振動の発生、道路の利用などで少なからず近隣住民の方にご迷惑をお掛けすることになります。そうした点を踏まえると、工事が始まる前に近隣住民の方に工事の内容説明や理解と協力を求めるための挨拶に伺っておくことが重要です。
事前の挨拶は必ずしなければならないというものではありませんが、お互いに気持ち良く解体工事に向き合うという意味でも行っておくことがおすすめです。基本的には、解体工事を行う数日前から10日前程度を目安に挨拶に行くことが多いです。
直接住民の方とコミュニケーションを取ることで、解体工事に対する理解と協力を得やすくなります。また、その際にいろいろと質問されることもあるので、丁寧に回答することが重要です。解体業者によっては、業者側で挨拶を行ってくれることもあります。施主としても可能な限り一緒に挨拶に行くと良いでしょう。万一、クレームが発生した場合に、事前に顔を合わせているだけでもクレームの沈下を早められる可能性があります。
事前の挨拶を行ったからと言って、トラブルやクレームが発生しないとは限りません。それでも、挨拶をしなかった場合と比べて、トラブルやクレームが発生する確率を高めることは可能でしょう。近隣住民の方ができる対策の説明をあわせて行っておくことで、未然のトラブル防止につなげることもポイントです。
工事の中断につながることも
近隣の方からのクレームに関しては、ないがしろにしてはいけません。近隣の方からのクレームが多くなると、最悪の場合、解体工事自体がストップしてしまうこともあります。それは解体業者や施主にとってもデメリットとなりますし、お互いに気分が悪くなってしまうことでもあります。
まずは、事前の説明をしっかりと行った上で近隣住民の方たちの協力を得ることが大切です。解体工事は自分たちさえ良ければ良いというものではないので、第三者の方の暮らしも尊重することが求められます。
養生シートの設置
続いての粉塵トラブルを防止する方法としては、養生シートの設置を挙げることもできます。一般的に解体工事を行う場合は、養生シートを設置して工事現場の周囲を囲ってから作業を開始します。養生シートを設置することで、建物の倒壊を防いだり防音効果の高まりにつなげたりすることも可能です。
その中で、粉塵の飛散を防止するという効果にも期待することができますが、養生シート自体にも注意を払う必要があります。例えば、ボロボロで穴があいているような養生シートでは、設置しても粉塵の飛散防止につなげることができません。シートが破れていれば破れているほど、粉塵防止の効果が低減してしまいます。
少しでも粉塵の飛散を防止したいのであれば、穴があいていたり破れていたりするような養生シートでは不十分です。きちんとした養生シートを設置して、粉塵の飛散防止を含めた効果に期待することが重要です。
車専用の養生の設置
車専用の養生の設置によっても、粉塵トラブルの防止につなげることができます。建物を囲うための養生シートもありますが、車専用の養生シートもあります。ビニールシートと言い換えることも可能で、近隣に駐車されている車への被害を抑えるために設置することがあります。
解体工事現場近くに車がむき出しの状態で駐車されていると、粉塵がどんどんかぶさってしまいます。何日も放置しておくと、フロントガラスから前面が見えないような状態になることもあります。そうした状態になってしまうと、所有者の方からのクレームにつながってしまう可能性も高まります。
車への粉塵の飛散を防止するためにも、解体業者が専用シートを貸し出して設置することが重要です。車へのシートの設置に関しては、所有者の許可なしに行うことができません。必ず事前に所有者に確認を取った上で、専用シートを設置することが重要です。多少時間がかかることはありますが、トラブル防止につなげるためにも行っておきたい対策です。
防飛ネットの設置
粉塵トラブルの防止につなげる方法としては複数の方法がありますが、その中で防飛ネットの設置も挙げることができます。工事現場の周囲に防飛ネットを設置することで、工事中に発生する木材やガラスの破片が飛び散ることを防ぐことができます。
粉塵の飛散防止という点でも、散水をしながら作業を進めることで細かい粉塵を遠くまで飛ばないようにすることができます。養生シートとあわせて防飛ネットを設置することで、より粉塵の飛散防止効果に対する期待ができます。
散水
散水も粉塵の飛散防止という点では欠かせない行動と言えます。解体現場が乾いた状態であればあるほど、粉塵も周囲に飛散しやすくなります。その点において、散水をしながら作業を進めていくことで、大いに粉塵飛散防止効果を発揮することができます。
散水は単純に水をまくといった作業ですが、ある程度高い位置からまくと全体的に湿らせることができて効果的です。場合によっては、高圧散水機や重機などを活用して水をまくことも効果的です。
解体工事中に重量のある外壁などを倒す際は、倒れた際に周囲に大量の粉塵が舞い散ってしまうことになります。養生シートや防飛ネットを設置していても、風に乗ると遠くまで飛ばされてしまうことがあります。しかし、散水を行っておくことで湿ったホコリや粉塵はほとんど飛散しません。近隣住民や通行人に対する被害を最小限にとどめるという意味でも、適度に散水をすることが重要です。
近隣への配慮を最優先に
粉塵トラブルを防止するためには、さまざまな方法があることを理解して行動へと移していくことがポイントです。その中でも特に意識しておきたいのが、近隣への配慮を最優先に考えるということです。
解体工事は解体現場で行われるものですが、そこには複数の人が関わっていると考えておくのが賢明です。直接工事に携わる人だけではなく、通行人や近隣住民の方など、工事とは直接関係ない人たちの理解や協力を得て初めて解体工事は成り立つものです。
そういった意味で、第三者の方に対する配慮を最優先にして取り組むことが重要です。事前の挨拶などもそうですが、工事中のマナーなどにも気をつけることが有効です。通行人に挨拶をしたり、現場の整理をきれいに行ったり、作業車の駐車を整然と行ったりすることも重要です。
1つ1つの動作や振る舞いをきちんとすることで、周囲からの理解も得やすくなっていきます。施主も含めて、解体工事が終わるまでは気を抜かずに周囲の方と向き合っていくことがポイントです。
粉塵トラブルでクレームが発生した場合
ここからは、粉塵トラブルによって実際にクレームが発生した場合の対応について確認していきます。多くの対策を取っていても、トラブルやクレームが発生してしまうことがあります。それは仕方のないことでもあり、クレームの発生を嘆くよりもできることを行うことが先決です。
実際にどういった対応方法や考え方があるのかについて確認していきましょう。
迅速に対応する
まず、粉塵トラブルによってクレームが発生した場合は、迅速に対応することが重要です。施主自身にクレームが入った場合は、速やかに解体業者と相談をすることが求められます。その上で、すぐに対応できるものであればなるべく早いうちにお詫びに行くことがポイントです。
時間が経てば経つほど近隣の方の怒りも増幅していき、クレームの拡大につながる恐れが出てきます。そのため、まずはお詫びに行くという姿勢を大切にしつつ、改善できる部分があれば改善することが重要です。
事前に挨拶に行っていたとしても、完全にクレームを防ぎ切ることはできません。クレームが発生した場合は、まず迅速に対応するということを念頭において行動することが求められます。
近隣の方からのクレームを無視しない
粉塵トラブルによってクレームが発生した場合、とにかく迅速に対応することが重要ですが、一番やってはいけないこともあります。それは近隣の方からのクレームを無視することです。業者によっては大したことはないと判断して、クレームに取り合わないことがあります。
そうした状態が続いていくと、近隣の方のストレスや不快感、怒りなどが一気に高まってますますクレームの発生につながることがあります。場合によっては近隣の方が行政書士などの専門家に相談をして、行政書士からの指導で工事の中断を依頼されることがあります。
そうなると、解体業者としても施主としても不都合ですし、解体後に新築工事などを計画している場合はその計画にも遅れが生じる可能性が出てきます。工事が中断するだけでも不都合ですが、さらに事態が悪化すると裁判や損害賠償請求といった事態に発展するリスクもあります。
こうしたことを考慮すると、近隣の方からのクレームを無視することには何のメリットもありません。トラブルやクレームが発生した場合は、速やかに対応することで火消しに努めることが重要です。改めて、解体工事は近隣の方の理解や協力があって成り立つものだと認識しておきましょう。
まとめ
解体工事で発生する粉塵について焦点を当てて、具体的に解説を行ってきました。解体工事を行うと粉塵が発生してしまうのはやむを得ないことでもあり、周囲への飛散につながることも少なくありません。それが原因で近隣トラブルやクレームにつながることもあると理解しておくことが重要です。
大切なのは、トラブルやクレームの発生を抑えるためにできることを行うことです。何もせずに粉塵の飛散を放置しておくと、ますますクレームが発生しやすくなります。そうではなく、事前の挨拶なども含めてできることを行うことで、近隣の方からの理解と協力を得ることが大切です。実際にクレームが発生した場合は速やかに対応することなども含めて、建設的な行動を取るようにしていきましょう。