解体工事を行う際に地鎮祭は必要?解体工事前に行うお祓いも紹介!
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解体工事を行う際に、地鎮祭(じちんさい)と呼ばれる儀式を行った方が良いのかどうか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、解体工事と地鎮祭の関係に注目をして地鎮祭を行う必要があるのかについて詳しく解説していきます。そもそも地鎮祭とは何かという点から地鎮祭でかかる費用相場、地鎮祭の流れなども具体的に取り上げていきます。また、解体工事前に行うお祓いにも注目していきます。魂抜きや気抜きなど、さまざまなお祓いについてご紹介しますのでどうぞ参考にしてください。
解体工事と地鎮祭の関係
それでは、解体工事と地鎮祭の関係から確認していきます。家屋や建物の解体工事を依頼する際に、解体業者から地鎮祭を行うかどうか尋ねられることもあります。あるいは自分たちで地鎮祭を行いたいと伝えることもあるでしょう。
地鎮祭とは何か、その費用相場や流れにいたるまで具体的に理解しておくことがポイントです。また、地鎮祭は行わなければならないのかという点も大きなポイントです。その必要性についても理解を深めて、最終的な判断を下せるようにしておきましょう。
地鎮祭とは?
地鎮祭とは解体工事が完了した時点で行うもので、今までお世話になった家に感謝の気持ちを伝える儀式のことを言います。特に更地になった土地に新たな家を建設する場合、これから始まる建設工事の安全や今後の家の繁栄を祈願することに意義があります。
読み方としては、「じちんさい」や「とこしずめのまつり」と読むことがあります。その土地に住む神様を祝い沈めて、新たに土地を利用させてもらいたいという許可を得る意味もあり、神様に対する儀礼として地鎮祭を行う家庭も少なくありません。
地鎮祭を行うことで、心の中に安心感が生まれて新築物件の建設後もゆとりを持った状態で生活することができると言われています。これは日本人らしい気持ちの部分だと言えますが、一定の儀式を通して神様への感謝の気持ちを示すことで今後の平穏な暮らしを祈願することに価値があります。
地鎮祭でかかる費用相場
続いては、地鎮祭でかかる費用相場について確認していきます。地鎮祭は自分たちでも行うことができますが、基本的には神社の神主さんに依頼をして執り行ってもらうことになります。神職への謝礼金などを含めて、おおよその相場としては10万円から20万円程度と言われています。その内訳について具体的にご紹介します。
項目 | 費用相場 |
---|---|
初穂料(神職へ支払う謝礼金) | 2,000円~5万円 |
お車代 | 2,000円~1万円 |
祭壇等の準備費用 | 5,000円~5万円 |
お供え物や湯飲み、紙コップ等 | 1万円前後 |
近隣への菓子折り | 1,000円~3,000円/1個 |
関係者へのお弁当 | 1,000円~2,000円/1個 |
上記が地鎮祭でかかるおおよその費用相場であり、合計すると10万円から20万円前後になることが多くなっています。地鎮祭を行うためには一定の費用が必要であり、関係各所への連絡も必要となります。近隣住民の方へ配慮することも大切であり、自分たちさえ良ければ良いというものではありません。
土地の神様へ感謝の気持ちを伝える儀式に相応しいものとするために、事前の準備を含めて計画的に行動することが求められます。
地鎮祭を行う際の流れ
それでは、地鎮祭の流れについてご紹介します。実際に地鎮祭を行う場合は、一定の流れに沿って進行することがポイントです。基本的には、神主に儀式の進行を委ねておけば問題ありません。大まかな流れに関しては以下の通りです。
- 神主の挨拶
- 参列者やお供え物をお祓い
- 神様を祭壇にお迎え
- 安全と繁栄を祈願する祝詞奏上(のりとそうじょう)
- 「地鎮」の儀
- 神様のお見送り
地鎮祭の流れとしては、上記のような形となっています。まずは、神主の挨拶から始まり、どういった手順で地鎮祭を進行していくのかに関する説明を受けることになります。その後、参列者は水で手を清め、神主が参列者やお供え物をお祓いして清める儀式を行います。
そこまで終えると、いよいよ神様を祭壇にお迎えする段階へと入っていきます。参列者は頭を下げて神様をお迎えするようにすることがポイントです。
神様をお迎えすることができたら、お酒と水が入った容器を開けて神様にお供え物を献上します。その後、祝詞奏上と呼ばれる工事の安全やその後の繁栄を祈願するためのお言葉を述べます。続いて、工事の施主と設計者、施工会社の代表者が盛り砂に儀式を行う「地鎮」の儀を執り行います。
「地鎮」の儀まで終了したら、最後に神前に玉串を捧げて、お酒と水の入った容器を閉じて神様をお見送りします。その後、神様にお供えした御神酒を参列者全員でいただき、地鎮祭は終了となります。神主の挨拶から地鎮祭の終了までは、およそ30分から1時間程度を見込んでおくと良いでしょう。こうした一連の流れによって、無事に地鎮祭を終えることができます。
地鎮祭はやらなければならないのか?
解体工事を行う施主や関係者として、地鎮祭はやらなければならないのかと疑問に感じることもあるでしょう。地鎮祭は土地の神様に感謝の気持ちを示す儀式として、江戸時代後期には庶民レベルで普及していたと言われています。それだけの歴史を誇るものであり、行わなければならないのではないかと思う気持ちも理解することができます。
実際には、地鎮祭を行うかどうかは本人たちの自由です。確かに地鎮祭は長きにわたって続く神聖な儀式であることは間違いありません。しかし、だからと言って絶対にやらなければならないという義務はありませんし、やらなかったから必ず何か悪いことが起きるというものでもありません。
基本的には施主や関係者、親族などの意思を尊重するべきであり、誰もやる必要がないというのであれば無理に行う必要はないでしょう。地鎮祭を行うにしても10万円から20万円程度の費用が発生することになり、決して安い金額とは言えません。解体工事を行うだけでも相当の費用がかかるので、費用面も含めて地鎮祭を行うかどうか慎重に検討する必要があります。
解体工事前に行うお祓いの種類
ここからは、解体工事前に行うお祓いについて確認していきます。地鎮祭は解体工事後に行う儀式ですが、儀式という点では解体工事前に行うお祓いも挙げることができます。日本では古くからお祓いや儀式を行う文化があり、現在でも受け継がれている部分があります。
地鎮祭もそうですが、解体工事前にお祓いをしておくことで工事を無事に終えたいと思う気持ちも理解することができます。井戸や仏壇には魂が宿っていると言われることもあり、魂抜きを行う家庭もあります。お祓いの日程や場所、服装や流れなどを含めて理解を深めていきましょう。
解体清祓いとは?
解体工事後に行う儀式に関しては地鎮祭と呼びますが、解体工事前に行うお祓いに関しては、「解体清祓い」(かいたいきよはらい)と呼ぶことがあります。
単純にお祓いと呼ぶこともありますが、解体工事前に行うお祓いに関しても基本的には地鎮祭と同じような考え方をすることができます。これまでお世話になった家に感謝の気持ちを示し、これから行われる解体工事が無事に終わるように神様に祈願するといった意味合いがあります。
地鎮祭ほど解体工事前のお祓いが行われる頻度は多くありませんが、親族に行いたいという方がいれば行っておくのが無難です。地鎮祭と同様に解体工事前のお祓いも、必ずやらなければならないという義務はありません。個人や家族の判断によって行うかどうか決めれば良いでしょう。
井戸や仏壇の魂抜き
解体工事前に行うお祓いとしては、井戸や仏壇の魂抜きを挙げることもできます。井戸や仏壇には魂が宿ると言われており、魂が宿るものを壊す場合は魂を抜いてから壊すのが良いとされています。井戸や仏壇の他、神棚を壊す場合も魂抜きと呼ばれる儀式が行われることがあります。それぞれ依頼先が異なるので注意しておきましょう。
- 井戸、神棚の依頼先:神社
- 仏壇の依頼先:お寺
井戸を埋める際の魂抜きに関しては、「井戸埋清祓(埋井祭)」(いどうめきよはらい)と呼ばれる儀式を行うこともあります。井戸を通して水の恵みを与えてくれた「弥都波能売神」(みつはのめのかみ)と「御井神」(みいのかみ)に感謝の気持ちを伝えるために井戸埋清祓を行うことがあります。
井戸を埋めることの報告と許しを得て、工事の安全祈願をすると同時に今後の安全や平穏をお祈りすることを目的として行います。
神棚や仏壇を解体する際も同様であり、それぞれに宿っている魂を抜いてから工事を行うことで、それまでの感謝の気持ちや工事の安全祈願、今後の平穏無事をお祈りすることになります。いずれの魂抜きに関しても義務ではありません。井戸や神棚、仏壇がない家庭に関しては全く無関係の話です。そうしたものや設備を持っており、魂抜きをしたいと考える家庭のみ儀式を行うことがポイントです。
気抜きとは?
気抜きとはその名の通り、家に宿っている「気」を抜くことを意味します。家には神様や霊が宿っていると言われることもあり、「なぜか変なトラブルが多い家」や「心霊体験をしたことがある」という方もいるでしょう。霊の存在を信じるか信じないかは人それぞれですが、家も年数を重ねていくと「気」が宿ると考えられている部分があります。
家に宿った気はオバケとして出てきたり、何か悪いトラブルを起こしたりするようなこともありますが、一方で、家全体を守ってくれているという考え方をすることもできます。つまり、ネガティブな事象だけではなく、ポジティブな事象も含めて家に宿る気と向き合っていくことがポイントだと言えます。
ポジティブな面に焦点を当てるのであれば、家を解体する際に「これまで守ってくれてありがとう」という感謝の気持ちを込めて気抜きをすることができます。この辺は地鎮祭や解体工事前のお祓いと同じ感覚であり、これまでの生活を守ってくれたことへの感謝やこれからの新生活のスタートに向けた安全の願いなどを伝える儀式となります。
気抜きに関しては特別な儀式を行う必要はなく、解体する家に向かって手を合わせるだけでも問題ありません。仏壇に手を合わせることやお墓参りと同じような感覚で、これまでお世話になった家と向き合ってみることがおすすめです。
解体工事前に行うお祓いの準備や流れ
それでは、 解体工事前にお祓いを行う場合に準備するものや費用相場について確認していきます。まず、お祓いを行う際に準備しておくものとして以下のものを挙げることができます。
お祓いを行う際に準備しておくもの
- 米:白米(新米)を3合から5合程度(無洗米でも問題ない)
- 酒:日本酒を4合から1升程度
- 塩:粗塩を20gから50g程度(食塩以外が好ましい)
- 水:適量(水道水やミネラルウォーターで問題ない)
基本的に準備しておくものとしては、上記のものを想定しておけば良いでしょう。また、神社やお寺などにお祓いを依頼すると、あらかじめ準備しておいてもらいたいものを聞くことができます。神社や流派、地域によって準備するものやお祓いの流れが異なることがあるので、詳しいことは依頼先に尋ねることが一番です。
家庭菜園などを行っている農家の家であれば、お供え物として野菜を用意しておくのも悪くありません。その辺は臨機応変に対応することがポイントです。また、神社によってはあらかじめ必要なものを準備してくれていることもあるので、その場合は施主側で何かを用意する必要はありません。
解体工事前に行うお祓いの費用相場
解体工事前に行うお祓いの費用相場としては、2万円から3万円程度と言われています。この辺も神社やお寺によって変わってくることがあるので、正確な情報はきちんと尋ねるようにしましょう。
解体現場までの出張の距離が遠い場合は、追加で1万円から2万円程度必要になることもあります。また、お供え物を準備してもらう場合はさらに1万円から2万円程度追加でかかることもあるので、事前に確認するようにしておきましょう。自分たちでお供え物を用意する場合、基本的に追加費用がかかることはありません。
お祓いの日程
お祓いの日程に関しては、解体工事開始の前日に行うことが一般的です。それより前に行っても問題ありませんが、解体業者の都合なども考慮すると、工事開始の前日が一番おすすめです。お供え物などは事前に準備をしておき、当日はスムーズにお祓いをすることができるように体裁を整えておくことがポイントです。
また、お祓いを行う場所に関しては、基本的に解体する建物の1階部分に祭場を設営して行うことが多くなります。1階部分に十分なスペースを確保できない場合は、建物の2階で行うこともあります。家の中でお祓いができない場合は、家の外の敷地内に祭場を設営してお祓いを行うことになります。日程と場所に関しては、解体業者や神社、お寺の担当者と相談しながら決めていきましょう。
お祓いの服装
お祓いの際の服装についても確認していきます。お祓いの参列者に関しては、特に服装の決まりがあるわけではありません。それでも、きちんとした格好をしたいという場合は、スーツや襟付きのシャツを着用するのもおすすめです。解体業者の作業員が参列する場合は作業着のまま参列することもありますが、それも特に問題ありません。
あまり派手な服装や露出の激しい服装を避けることがポイントであり、普段着のような格好でも大丈夫です。お祓いの際に、何を着れば良いかわからないという場合の参考をご紹介しておきます。
- 男性:チノパンやジーパンに白めのシャツとスニーカーなど
- 女性:ワンピースやスカート
子供は多少派手目であっても、よほど奇抜な服装でなければ特に意識することはありません。男性、女性ともに原色ものの服装やサンダルなどは避けておくことがポイントです。
解体工事前のお祓いの流れ
それでは、解体工事前のお祓いの流れについて確認していきましょう。やや難しい用語が多くなりますが、一連の流れについてまとめていきます。
- 開式の辞
- 修祓の儀(しゅばつのぎ)
- 降神の儀(こうしんのぎ)
- 献饌の儀(けんせんのぎ)
- 祝詞奏上(のりとそうじょう)
- 清祓いの儀(きよはらいのぎ)
- 取毀の儀(とりこぼちのぎ)
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
- 撤饌の儀(てっせんのぎ)
- 昇神の儀(しょうしんのぎ)
- 直会の儀(なおらいのぎ)
- 閉式の辞
このような流れでお祓いが行われることになります。1つ1つの流れについて確認していくと、まず 修祓の儀とは、祓い清めることを意味する儀式であり、開式の辞の直後に行われます。その後、神様をお招きする降神の儀、神様にお食事をお供えする献饌の儀、神主や宮司がお祈りをする祝詞奏上へと続いていきます。
祝詞奏上まで終えると、祭場を出て建物の四隅と入り口をお祓いする清祓いの儀を行います。その後、柱を木槌で叩くことで神様に解体を知らせる取毀の儀を行い、参列者一同が玉串をお供えして拝礼する玉串奉奠へと移っていきます。
撤饌の儀では神様へのお供え物を下げて、 昇神の儀では神様を元の御座にお送りすることになります。そして、直会の儀で神酒や神様のお食事である神饌をいただき、閉式の辞を行ってお祓いが終了となります。
基本的に、依頼者となる施主側が直接行う神事は参列者一同が玉串をお供えして拝礼する玉串奉奠のみです。その他は神主や宮司が主導して行ってくれるので、しっかりと見届けておけば問題ありません。
全体的な所要時間としては1時間程度と言われています。お祓いの内容や参列者の人数によって前後することがありますが、おおよそ1時間程度を目安にしておけば問題ないでしょう。
お祓いをしなかった場合のデメリットは特にない
解体工事前に行うお祓いや解体後に行う地鎮祭もそうですが、基本的には本人の自由意思に基づいて行うことができます。そのため、必ずしもお祓いをする必要はありませんが、しなかった場合にデメリットを感じる可能性もあるので注意が必要です。
それは、解体工事中やその後に事故やトラブルが発生した場合です。お祓いや地鎮祭を行ったからと言って、100%完全にトラブルや事故を防ぐことができるわけではありません。それでも、何かしらのトラブルが起きてしまうと、お祓いをしなかったせいではないかと後悔することがあります。
何もせずに工事を始めてから不安になるくらいであれば、お祓いや地鎮祭を行っておくことがおすすめです。自分たちは、万一事故やトラブルが発生しても絶対に動じないという精神的な強さを持っているのであれば別ですが、そうでないのであればお祓いをすることを視野に入れておくことも有効です。
地鎮祭を行わずに新築物件の建設工事を行い、解体作業員が不慮の事故に遭って建築を断念したり中断したりしなくてはならなくなった場合などは後悔も長く続くでしょう。そうした不安を取り除く意味でも、地鎮祭やお祓いをすることの意義があります。また、周囲にお祓いをした方が良いという方がいれば、そういった方の声に耳を傾けることもポイントです。
最後は自分の気持ち次第
家屋や建物を解体する際は、さまざまな形でそれまでお世話になった場所と向き合うことになります。地鎮祭や解体工事前のお祓い、魂抜きや気抜きなども含めて絶対に行わなければならないというものではありません。そこで重視されるのが自分自身の気持ちです。
最終的にいずれかの儀式を行うかどうかは、自分の気持ち次第だと言うことができます。儀式を行っても正解ですし、行わなくても問題ありません。
最後は自分と向き合って、自分自身の心の声を聞いてみると良いでしょう。性格的にお祓いをしなかったことを後悔しそうだと考えているのであれば、多少の費用を払ってでも儀式を行うことがおすすめです。
反対に、どんなに不幸や悪いことが起きたとしても儀式をしなかったことを後悔しない、お祓いをしなかったこととは関係ないと言い切れる自信があるのであれば無理に行う必要はありません。家族や親族の意見も聞きつつ、最後は自分の気持ちを確かめるように思いをめぐらすことがおすすめです。
地鎮祭に対する解体業者側の考え
解体前のお祓いもそうですが、地鎮祭に関しては解体業者も協力してくれることがあります。解体業者がおすすめの神社やお寺を紹介してくれたり、事前の準備を手伝ってくれたりすることもあり、地鎮祭を行う側にとっては大きな助けとなります。
解体業者側にも地鎮祭に対する考えを持っていることが多く、行うかどうか悩んでいる場合は相談してみることがおすすめです。その他、建て替えに向かない土地も含めて、解体業者と地鎮祭の関係について確認していきましょう。
解体業者側の考え
地鎮祭に対する解体業者側の考えについてご紹介します。これまでもお伝えしてきた通り、地鎮祭は必ず行わなければならないものではなく、行ったからと言って絶対に事故やトラブルが発生しないわけでもありません。
特に信心深い人でなければ、地鎮祭を行わなくても良いと考えることも自然な流れです。地鎮祭を行うかどうか悩む施主も多く、誰に相談したら良いのかわからないということもあるでしょう。
そんな時に頼りになるのが解体業者の存在です。経験のある解体業者であれば地鎮祭のサポートを行ったことも多いケースがあり、施主の相談に乗ってくれることがあります。解体業者側の考えとして、一般的には「迷っているのであれば地鎮祭を行った方が良い」と提案してくれるケースが多くなっています。
地鎮祭を行う場合は事前の準備もそうですが、近隣住宅に挨拶回りに行くことが多くなります。場合によっては、近隣の方に地鎮祭に参加してもらうように働きかけることもあり、施主としてもいよいよ工事が始まるのだなという心の準備を進めることができます。
解体工事を終えて新しい物件を建設する場合は、施工会社としても工事の安全を祈願する意味で地鎮祭を行っておきたいと考えることがあります。それは地鎮祭を行うことで、心理面も含めて着々と工事に向けた準備をすることができることが、施主としても施工業者としてもプラスに働くことが多くなるからです。業者側の考えも踏まえて最終的な判断に役立てることが有効です。
解体業者がサポートしてくれることも
地鎮祭やお祓いに関しては、解体業者がサポートしてくれることもあります。解体工事は何度も行うものではなく、初めてという方や慣れがないという方がほとんどでしょう。工事の準備に加えて、お祓いや地鎮祭の準備をするとなると、施主や関係者としても大変に感じる部分が少なくありません。
解体業者としてもお祓いや地鎮祭を行った経験がある場合は、ある程度どういった形で準備を進めていけば良いのか、ノウハウや知識があることがあります。そうしたノウハウや知識を活用して、施主と一緒に準備を進めてくれるのです。
解体工事費用とは別に有償になるケースが多いですが、解体業者からのサポートを受けることで地鎮祭やお祓いの準備を余念なく進めることができます。何から手をつければ良いのかわからないという場合は、解体業者にお手伝いをしてもらうことができないか尋ねてみると良いでしょう。
親族の気持ちを確認
地鎮祭やお祓いに関して大切にしておきたい部分もあります。それは、親族の気持ちを確認することです。特に年配の方となると、それまでお世話になってきた家に対する思いも格別になることがあります。自然界やあらゆるものに神様が宿るという考え方を持っていることも多く、地鎮祭やお祓いを通して感謝の気持ちを伝えたいという人もいるでしょう。
施主自身としては特に地鎮祭やお祓いをする必要がないと考えていても、親族に地鎮祭やお祓いをしたいという人がいるのであれば、そういった人の気持ちに配慮してあげることが大切です。地鎮祭やお祓いをしてから後悔することは少なくても、やらなかったことで後悔する可能性があることは否定できません。
後になってから「あの時お祓いをしておけば良かった」と後悔してもすでに時遅しです。親族の意見を聞いて、お祓いに対して肯定的な考え方を持っている人がいれば、儀式を行うことをベースに話を進めていくと良いでしょう。
まとめ
解体工事と地鎮祭の関係に焦点を当てて、解説を行ってきました。地鎮祭やお祓いに関しては必ず行わなければならないというものではなく、個人個人の判断に委ねられる部分が大いにあります。それでもやっておいて損はないことであり、親族の意向も確認しつつ、行うのであれば然るべき手順を踏んで行うことがポイントです。
儀式を通して心を清らかにすることもできますし、改めてこれまでお世話になった家や場所に対して感謝の気持ちを伝えることができます。これから迎える新生活に向けて、安全で平穏に生活できるように祈願するという意味でも効果的です。さまざまな人から意見を聞きつつ、最終的に儀式をするかどうか決めるようにしていきましょう。地鎮祭やお祓いを行わない場合も含めて、後悔しないと思える判断をすることが今後の生活にもつながっていきます。