パチンコ屋の解体工事を行う際のポイントとは?費用事例なども紹介
パチンコ屋を閉店して建て替えなどを行う場合も解体工事をする必要があります。そこで今回は、パチンコ屋の解体工事を考えた際に考慮すべきポイントや解体費用事例などを解説します。坪数もあり、費用が高くなりがちなパチンコ屋を解体する際は、実績のある業者を選ぶことが重要です。その他のポイントも含めて解説を行いますので、どうぞご覧ください。
パチンコ屋の解体工事のポイント
パチンコ屋の解体工事と言うと、あまり聞き馴染みのない方もいるかもしれません。それほど盛んに行われる工事ではなく、不要になったお店を取り壊して新たな店舗や建物を建てる場合に行う程度です。
それだけに、施主としてはわからないことが多いのもパチンコ屋の解体の特徴です。少しでも理解を深めるために、1つ1つのポイントについて整理していきましょう。
- 実績のある業者選び
- 業者との綿密な打ち合わせ
- 施主が提供するものを準備する
- 予算や作業範囲の交渉
- 小型重機の使用が可能か
実績のある業者選び
パチンコ屋の解体経験がある業者を選べれば最良ですが、そうではなくても問題ありません。パチンコ屋の解体経験がない場合、大型建造物の解体経験がある業者を選定することが重要です。
パチンコ屋もそうですが、大型建造物の解体工事は一般的な住宅の解体とは異なる部分が多いです。解体する対象物の規模もそうですし、事前に行う調査についてもより詳細な調査が必要です。
大型構造物を解体する際は周辺への影響も大きく、近隣対策も万全に行う必要があります。こうしたさまざまな点を考慮すると、過去の実績を重視した業者選びが求められます。一般的な住宅や建物しか解体経験がない場合は他の業者を優先的に選択すると良いでしょう。
業者との綿密な打ち合わせ
パチンコ屋の解体工事を依頼する場合は、解体業者と綿密な打ち合わせを行うこともポイントです。パチンコ屋に限ったことではありませんが、規模の大きな構造物を解体する場合は特に作業計画や作業スケジュールなどをしっかりと話し合うことが大切です。
工事期間によって業者が確保する作業員の数にも変化が出ます。建物にアスベストが使用されているかどうかによっても作業期間や解体費用に差が出ます。
自分たちが知っている情報は全て出した上で、業者から聞かれることに対して適切に回答するようにしましょう。
施主が提供するものを準備する
パチンコ屋の解体工事に際して、施主が準備するものも複数あります。特に資料や図面に関してはあれば提供するようにしましょう。なければ「ない」と伝えることがポイントです。具体的には、以下のものを準備しておきましょう。
- パチンコ屋の解体工事を行う箇所の図面
- 防犯カメラや音響設備、電気配線の工事の図面
- 作業指示書や店内の写真、作業範囲を示した図面
- エアコンや什器備品の残置物の範囲
- 撤去が必要な店舗の看板やシール、サインやポスター
- 撤去が必要な広告物 など
上記のものを事前に準備しておくと、業者との交渉をスムーズに行えます。建物構造に関する図面があると事前調査も行いやすくなります。可能な限り必要な資料や図面を用意して、解体業者の手助けができると良いでしょう。
予算や作業範囲の交渉
業者との綿密な打ち合わせとつながる部分もありますが、予算や作業範囲の交渉も重要なポイントです。パチンコ屋の解体は特に規模が大きいため、工事内容や作業範囲によって金額が大きく異なります。
あらかじめ予算を設定して、その予算内でできる工事はどの程度か確認するのも選択肢の1つです。予算や納期、確保できる人員数はどれくらいかなどを確認し、施主側の要望を伝えるようにしましょう。
また、ガスや電気、水道の撤去は必要かなど、付帯工事に関する部分も入念な確認が必要です。場合によっては残置物の撤去を自分たちで行うなど、費用削減に向けて努力できる部分を洗い出すことも有効です。
小型重機の使用が可能か
パチンコ屋の内装解体を行う場合は小型重機の出番が多くなります。外から構造物を壊せれば問題ありませんが、中身だけを解体する場合は大型重機を使うことができません。業者によって所有する重機のタイプは変わるので、事前にどういったタイプの重機があるか確認しましょう。
例えば、横1m、高さ2m程度の出入り口があれば入れる小型重機もあります。自動ドアの大きさや非常口の大きさなどを見て、業者側から小型重機を搬入できるか確認してもらうと良いでしょう。
規模の大きな業者であれば、さまざまな種類や大きさの重機を取り揃えています。そうした業者に工事を任せれば施主としても安心です。
パチンコ屋の解体費用
ここからは、パチンコ屋を解体する場合の費用面についてご紹介します。パチンコ屋の解体は規模が大きくなることが多く、費用もそれなりにかさむことが一般的です。数百万円単位になることは普通で、場合によっては数千万円単位になることもあります。
それだけ多くの費用が必要であり、事前の交渉を含めて慎重に行うことが重要です。予算を超えないように工事を工夫してもらうことも可能です。具体的な費目も含めて費用の実態について確認しましょう。
解体費用事例
実際にあったパチンコ屋の解体費用についてご紹介します。
坪数 | 解体期間 | 解体費用 |
---|---|---|
78坪 | 12日 | 325万円 |
205坪 | 38日 | 984万円 |
上記が実際にあったパチンコ屋の解体費用事例です。78坪の解体に関しては内装解体だったため、比較的費用が安く済んだ部分があります。
基本的には数百万円単位となるのがパチンコ屋の解体です。解体面積が大きくなればなるほど費用も高騰することを頭に入れておきましょう。
具体的な費目
パチンコ屋の解体に際して、どういった費目があるのかご紹介します。解体業者によっても提示してくる費目や金額はさまざまです。パチンコ屋を解体する場合の一例としてどういった費目があるのか確認しましょう。
- 鉄骨造建物解体工事(遊技場)
- 木造倉庫解体工事(倉庫)
- 鉄骨造建物解体工事(店舗)
- 鉄骨造立体駐車場解体
- ブロック塀解体
- アスファルト解体処分
- 万年塀解体
- 樹木伐採処分
- 防火水槽解体処分
- シート養生
- 敷地内電柱撤去処分
- 看板撤去処分
- 重機回送費
- 諸経費 など
上記の費目についてそれぞれの単価計算が行われ、最終的な解体費用が算出されます。複数の解体業者に見積もり提示を依頼すると、業者によって費目の書き方や計算方法に違いがあることがわかります。
その中で、費用面や工事内容面で最適だと思える業者を見つけて解体工事を依頼することがポイントです。
鉄くずなどの買取で費用削減できる可能性も
パチンコ屋を解体すると、鉄くずや銅、アルミなどの金属類や有価物が排出されます。特に鉄くずの買取を行っている業者も多く、工事代金から割引されるというケースも珍しくありません。
銅やアルミを含めて、工事着手前に買取に応じてくれるかどうか確認してみると良いでしょう。規模によっては数十万円から数百万円の値引きにつながることもあるので、積極的に尋ねることがおすすめです。
相見積もりの実施で費用削減を視野に
パチンコ屋を解体する場合は数百万円単位の費用が必要です。場合によっては1,000万円以上かかることもありますが、少しでも安くしたいと思うのは施主に共通する願いでしょう。
その願いを叶えるためにも相見積もりを実施することがおすすめです。複数業者に見積もり提示を依頼することで、適正価格を見定めることができます。
費用面だけではなく、工事実績も尋ねることが重要です。費用が安くても大型建造物の解体経験がない業者だと不安が残ります。多少費用が高くてもパチンコ屋の解体経験や大型建造物の解体経験がある業者の方が安心感が高まるでしょう。
担当者の対応やコミュニケーションスキルなどを含めて、総合的な視点を持って業者選びを行うようにしましょう。
パチンコ屋の解体方法
ここからはパチンコ屋の解体方法についてご紹介します。パチンコ屋自体を取り壊すことも多いですが、構造自体はそのまま残して新たな内装にしたり、別の店舗を入れたりすることもあります。
後者の場合はスケルトン解体や内装解体といった手法を選択することが一般的です。さまざまな点を考慮して最終的な解体方法を決定しましょう。
スケルトン解体
スケルトン解体
建物構造体以外の全てを解体し、床・壁・天井・配線・給排水機・吸排気設備などを入居時の状態に戻すこと。
スケルトン解体は飲食店や店舗、マンションなどを解体する際にも用いられる工法です。コンクリート打ちっぱなしの状態にすることが多く、構造物そのものがむき出しになった状態が基本的な完成形です。
壁や天井ボードといった内装材まで撤去することもスケルトン解体の特徴です。
内装解体
内装解体
改装した造作などを撤去する工事のこと。一般的に壁の下地や天井下地までは解体しない。
パチンコ屋の構造体を残しておく場合、スケルトン解体か内装解体のいずれかを選択することが基本です。内装解体の場合はパチンコ屋として営業するために入れた遊戯施設や照明器具、空調設備や什器などの解体を行います。
入居時の状態に戻すのが内装解体であり、スケルトン解体のように壁や天井ボードなどを取り壊すことはありません。
まだ使えるものや残しておきたいものはそのままにしておき、次の店舗やオフィス側が使える状態にします。したがって、テナントに新しく入るオーナーとの話し合いも行う必要があります。
解体方法はオーナーとの話し合い
最終的なパチンコ屋の解体方法についてオーナーとの話し合いをしっかりと行い、お互い認識のズレが生じないようすり合わせが必要です。なお、建物自体を完全に取り壊す場合は特に話し合うことはないでしょう。一方で構造物自体は残して内部のみを解体する場合は、どの工法を採用するのかなど話し合うことが求められます。
次の賃借人が決まっている場合は新たなテナントとの話し合いを含めて、どういった工事にするのか検討する必要があります。工事内容や範囲によって解体費用にも差が出ます。一般的にはスケルトン解体の方が高額になりがちで、内装解体の方が安く済むことが多いです。
次の賃借人が使えるものはそのまま残すという選択肢もあるでしょう。さまざまな点を考慮した上で、関係者全員が納得できる解体工法を選択することがポイントです。
建て替え工事のケースもある
パチンコ屋の内装部分を解体することもありますが、建て替え工事のため取り壊しを行うこともあります。例えば、2019年には京都市伏見区で、パチンコ屋を解体してホテルを建設するという建て替え工事計画が発表され工事が開始されました。
延べ約6,800㎡のホテル建設を計画しているということで、大規模な建て替え工事になります。パチンコ屋の構造をそのまま活用できれば良いですが、新しい店舗やホテル、オフィスなどを建設する場合はなかなか再利用が難しいケースもあります。
その場合はパチンコ屋を一度取り壊してから新たな建造物を建設することになります。
まとめ
パチンコ屋の解体工事に注目して、そのポイントなどを中心にご紹介しました。パチンコ屋の解体工事はそれほど頻繁に行われるわけではありませんが、実施されることもあります。その際は、過去の解体実績を見た上で業者選びを行うことが重要です。
また、パチンコ屋内部の資料や図面など、施主が用意できるものはあらかじめ用意しておきましょう。そうすることで、解体業者としても安全で確実な工事を行えます。パチンコ屋の解体は規模が大きいため、関係者全員の協力が必要です。解体工法の決定も含めて、業者側との話し合いもしっかりと行うようことを心がけましょう。