東京23区の西北に位置している豊島区には、国内外でも有名な観光地となっている池袋があり、超高層ビルや大型商業施設などが集まる商業エリアを有しています。また同時に少し離れれば、目白や雑司が谷などの閑静な住宅街エリアもあり、様々な表情を見せてくれる魅力的な地域性が特徴です。

また有名な立教大学や学習院大学なども点在しているため、地方から出てきた若い世代も多く居住し、様々な年齢層が混在する活気ある土地になっています。他の土地とは異なる顔を持つエリアですが、それだけに豊島区で不動産売却をする際には不動産の相場を調べておくことが重要になってきます。

今回の記事では豊島区の不動産相場について詳しく解説していきたいと思います。

豊島区の不動産取引の現状

豊島区は東京都の区部北西部に位置する特別区で、面積は13.01平方キロメートル、東京23区のうち18番目の広さです。都内有数の繁華街の一つである池袋を有し、同時に高級住宅街として知られる目白、下町の風情がある巣鴨や駒込なども含みます。特徴としてはファミリー層よりも単身者が多い傾向があります。ここでは豊島区の相場や動向について見ていきましょう。

豊島区の地価公示価格の推移

まずは、直近10年間の豊島区の公示価格の推移を見ていきます。

年度	公示価格（㎡単価）	前年比
2013年	101万0690円	▲0.30%
2014年	113万3416円	2.81%
2015年	117万9375円	3.13%
2016年	115万0890円	4.34%
2017年	122万8254円	4.69%
2018年	132万5800円	6.10%
2019年	144万7581円	8.16%
2020年	156万7054円	8.86%
2021年	153万0381円	▲1.44%
2022年	153万4727円	1.60%
2023年	160万2272円	4.67%

参照：国土交通省「地価公示価格」

豊島区の地価公示価格の動向

豊島区の公示価格は上記の通り毎年上昇をしています。最新公示地価は平均172万9509円で、坪単価では平均571万7385円、全国順位は7位です。土地の金額も上昇幅も高いことから人気があるエリアだということが分かります。

豊島区の土地に価値があるのは、やはり池袋などを含む有名な商業地・観光地を含んでいるという知名度の影響でしょう。店舗やオフィスを保有したい方はもちろん、少し離れれば現実的に住みやすい住宅地もありますので、豊島区の不動産や物件を狙っている方は多いのです。

豊島区の人口は30万人超えており、年々増えていることに加え、その中には外国人の居住者が多いのも特徴の一つ。そのため、中心部に近いほどワンルームマンションなどの単身向けの物件が多く、人口密度は日本一と言われています。近年は都心回帰の流れが加速していることもあり、豊島区の不動産価格の上昇要因のひとつとなっているのです。

続いて豊島区内におけるエリア毎の価格を見ていきます。下記の表は2020年度の豊島区内のエリア毎の公示価格を高い順に並べたものです。

順位	エリア	公示価格（㎡単価）	前年比
1位	南池袋	337万1000円	7.99%
2位	西池袋	242万8800円	7.92%
3位	南大塚	134万5666円	7.73%
4位	北大塚	108万7666円	8.12%
5位	高田	94万1333円	7.65%
6位	上池袋	82万5000円	8.36%
7位	池袋本町	63万1500円	7.68%
8位	千早	62万4666円	7.65%

参照：国土交通省「地価公示価格」

豊島区では全てのエリアで価格が上昇をしていることが分かります。やはり特徴的なのは、池袋周辺エリアに近ければ近いほど高値がつく傾向があり、人気が高いことが分かります。また南池袋と千早の公示価格にはかなりの開きがあり、人気が高いエリアとそうではないエリアには不動産価値の差があることが分かります。

このように豊島区の不動産価格は独特の傾向を示しており、実際に手持ちの物件を売却する時には際には、エリアならではの特徴を生かしながら工夫して売ることが重要でしょう。

豊島区の戸建てやマンションの取引価格

豊島区のような人気が高いエリアでは、頻繁に物件の相場を確認することが難しくなります。人気が高いエリアとそうではないエリアによる価格差も大きいためです。

ですから物件の価格を決める時には、近隣の取引事例を把握することが大切になってきます。近隣の取引事例の価格を元にして売買価格が決まることも珍しくなく、多くの不動産会社も常に注視しています。豊島区で不動産を売却する予定がある場合は、近隣で取引された売却事例の価格を事前に確認しておいてください。

実勢価格からみる取引価格について

不動産や物件の価格というもの土地の価値に加え駅からの距離、物件の種類などの要因で大きく左右されます。

近隣事例の価格を参考にする時には、なるべく手持ちの不動産に似ている物件を参照してください。また居住用の物件なら、戸建てとマンションは必ず分けて確認することをおすすめします。

取引年	住所/最寄り駅	敷地面積	価格
		床面積	築年数
2024年	東京都豊島区目白 最寄駅/目白駅15分 平成9年に建築の住宅 土地90㎡ 延床75㎡	27坪	9700万円
		23坪	築27年
2024年	東京都豊島区池袋 最寄駅/池袋駅10分 平成7年に建築の住宅 土地45㎡ 延床85㎡	14坪	5900万円
		26坪	築29年
2024年	東京都豊島区池袋 最寄駅/池袋駅15分 令和5年に建築の住宅 土地70㎡ 延床100㎡	21坪	1億500万円
		30坪	築1年
2024年	東京都豊島区北大塚 最寄駅/大塚駅10分 令和2年に建築の住宅 土地45㎡ 延床75㎡	14坪	6300万円
		23坪	築4年
2024年	東京都豊島区上池袋 最寄駅/北池袋駅10分 平成22年に建築の住宅 土地70㎡ 延床105㎡	21坪	7500万円
		32坪	築14年
2024年	東京都豊島区池袋本町 最寄駅/北池袋駅10分 平成13年に建築の住宅 土地85㎡ 延床105㎡	26坪	8100万円
		32坪	築23年
2024年	東京都南長崎 最寄駅/東長崎駅5分 令和2年に建築の住宅 土地50㎡ 延床100㎡	15坪	6500万円
		30坪	築4年

参照：住宅価格ドットコムより抜粋

上記は豊島区における戸建ての事例です。東京都の新築戸建て平均価格4,400万円と比較していくと、やはり不動産の高い価値が浮き彫りになってきます。特に池袋周辺のエリアは人気も高く、住居はもちろんオフィスや店舗として購入したい方も多いため、需要過多になっている傾向もあります。

池袋は国内外で有名な地域ですので、狭い物件でも平均を大きく上回る取引価格の事例も多数あり、もし物件を売却する場合にはかなりの高値を期待できるかもしれません。

取引年	住所/最寄り駅	専有面積（㎡）	価格
		専有面積（坪）	築年数
2024年	東京都豊島区目白 最寄駅/目白駅3分 令和2年に建設のマンション(新築・中古)	60㎡	8300万円
		18坪	築4年
2024年	東京都豊島区目白 最寄駅/目白駅3分 令和2年に建設のマンション(新築・中古)	55㎡	8500万円
		17坪	築4年
2024年	東京都豊島区南池袋 最寄駅/目白駅7分 平成13年に建設のマンション(中古)	25㎡	2100万円
		8坪	築23年
2024年	東京都豊島区目白 最寄駅/目白駅8分 平成1年に建設のマンション(中古)	105㎡	1億3400万円
		32坪	築35年
2024年	東京都豊島区高田 最寄駅/目白駅12分 平成20年に建設のマンション(中古)	65㎡	1億1000万円
		20坪	築16年

参照：マンション価格ドットコムより抜粋

かなり高い価値がついている豊島区のマンションの不動産取引です。東京都の中古マンション平均価格は5,100万円程度ですから、駅から近くある程度の広さとなってくると、人気が高いことが分かります。狭いワンルームマンションだとしても、改装済みで交通の利便性も良ければ、年々需要がアップしています。

豊島区の不動産を高く売るためのポイントとは？

超高層ビルや大型商業施設などが集まる池袋はもちろん、目白や雑司が谷などの閑静な住宅街エリアが混在している豊島区。賑やか印象もあり、若い世代の単身者が住みやすく、都心5区と比較すると地価が安いこともあり、マンションなどの不動産価値が高いエリアです。

住宅はもちろんのことですが、オフィスや店舗として借りたい方も多く不動産需要が高いため、売り方次第では相場よりも高値を狙えることも。ここでは豊島区で不動産を高く売るポイントをご紹介します。

幾つかの不動産会社に見積もりをお願いしてみる

豊島区の不動産には幾つかの特徴があります。一つは単身者向けのマンションがかなり多く、新しいものができるたびに古いマンションの値動きがあること。また人気エリアとそうではないエリアの価格差があり、池袋などの特に人気が高い場所は飛び抜けて高値が付きます。

ですから豊島区の物件を売却したい時には、このような豊島区独特の特徴を押さえて売ることができる不動産会社に依頼することが大切です。豊島区に詳しい不動産会社を探す際には、幾つかの不動産に当てをつけ、同時に査定を取ってみるのがおすすめです。情報を比較すれば、本当に信頼してお任せできる不動産会社を見つける事が可能になるでしょう。

口コミ評判もチェックするべき！豊島区の土地・不動産売却におすすめ不動産会社一覧

エールーム 池袋店

本社所在地	東京都豊島区東池袋1丁目4－4　嶋田ビル3階
設立	平成22年7月15日
免許番号	東京都知事 (2) 第100327号
特徴	人気のエリア・池袋を中心に、数多くの物件や不動産の情報を持っている不動産会社。
口コミ	明るく相談しやすい雰囲気がありがたかったです。また機会があったらお願いしたいと思います。

東京不動産株式会社

本社所在地	東京都豊島区南大塚2丁目39－9　田中ビル4階
設立	令和3年4月22日
免許番号	東京都知事(1) 第106628号
特徴	外国人の対応もできる不動産会社で、賃貸仲介、管理や住宅の購入・売却に特化している。
口コミ	対応のスピードも早く、とにかく情報量が多いので助かりました。

豊島区の不動産売却（不動産査定）のまとめ

日本国内の中でも有名な池袋エリアを有する豊島区。特に中心地に近い地域は不動産需要がとても高く、価格も毎年大きく上昇する傾向が見られています。ただエリア毎の価格差も大きく開きがあるため、豊島区で不動産を高く売るためには、このように区独自の特徴を知り尽くした不動産会社に売却を依頼することが重要なポイントになってくるでしょう。