治安が良いことが有名で、多くのファミリー層を抱えている東京都世田谷区。物件の資産価値も高いエリアと言われているため、不動産取引も活発で大注目の地域です。

二子玉川や成城のような高級なイメージも強いエリアですが、三軒茶屋や下北沢のような若者に人気の街もあり、それに加えて自然も多く、のどかな雰囲気も併せ持っている多彩なエリアでもあります。人気が高い場所であるがゆえに、世田谷区で不動産売却をする際には相場を調べておくことが大切になってきます。今回の記事では世田谷区の不動産相場について解説していきます。

世田谷区の不動産取引の現状

東京都世田谷区は東京23区の中の一つで、東京の西部に位置しています。面積は大田区に次いで二番目に大きく、人口約92万人以上の規模の大きな自治体です。

世田谷区は、世田谷地域、北沢地域、玉川地域、砧地域、烏山地域の5地域に分かれていますが、面積があるだけに広さとゆとりがある物件が多く、住宅地はファミリー層に人気です。基本的には住宅街が広がっている景色ですが、都心へのアクセスも良く、それでいて住宅地に付随する商業エリアが混在しているため、非常に暮らしやすい環境と言えるでしょう。

ここでは世田谷区の相場や動向について見ていきましょう。

世田谷区の地価公示価格の推移

まずは、直近10年間の世田谷区の公示価格の推移を見ていきます。

年度	公示価格（㎡単価）	前年比
2013年	56万0900円	▲0.31%
2014年	58万7581円	1.42%
2015年	59万7845円	1.64%
2016年	59万7820円	2.86%
2017年	62万1888円	3.35%
2018年	65万2993円	4.51%
2019年	69万0153円	5.06%
2020年	72万4748円	4.42%
2021年	71万9776円	▲0.58%
2022年	72万7538円	0.99%
2023年	74万7349円	2.54%

参照：国土交通省「地価公示価格」

世田谷区の地価公示価格の動向

渋谷区の公示価格は、上記の通り緩やかな上昇が見られます。最新の公示地価は平均78万0916円、坪単価では平均258万1540円で全国順位は15位です。

世田谷区の不動産価格浄書の理由は、やはりバランスが取れたその住みやすさ。都心へのアクセスがよい一方で、高級住宅街も若者の街もあり、自然も多くて全体的に落ち着いた雰囲気があるのです。多くの鉄道路線が揃うのはもちろんのことですが、路線バスも充実しており、バス1本で都心に通えるなど働く世代や学生にもピッタリです。

特に再開発が進んでいる「二子玉川駅」周辺は、大型のショッピングセンターがあり、それに合わせるように多くのマンションも建設されています。自然を感じながらも利便性を重視したいファミリー層に人気が出ており、一軒家やマンションの需要も伸びつつあります。続いて世田谷区内におけるエリア毎の価格を見ていきましょう。

下記の表は世田谷区内のエリア毎の公示価格を高い順に並べています。

順位	エリア	公示価格（㎡単価）	前年比
1位	太子堂	191万0500円	6.72%
2位	北沢	157万0500円	4.72%
3位	駒沢	134万0000円	6.35%
4位	池尻	118万4000円	6.14%
5位	玉川	101万1500円	4.86%
6位	南鳥山	85万8000円	4.78%
7位	代沢	84万8666円	4.78%
8位	下馬	80万6333円	5.46%
9位	大原	79万6000円	5.09%
10位	代田	78万7000円	4.75%
：
37位	給田	43万7000円	2.82%
38位	北鳥山	41万0500円	3.51%
39位	大蔵	35万9000円	3.16%
40位	鎌田	35万0000円	3.10%
41位	宇名根	30万2000円	2.37%

参照：国土交通省「地価公示価格」

世田谷区ではほとんどのエリアで価格が上昇しています。価格が高い「太子堂」「駒沢」「池尻」に対し、価格が低いエリアの「鎌田」や「宇名根」の間は価格差がとても大きくなっています。世田谷区の不動産価格にはこのような特徴があり、もし手持ちの不動産を売却する際にはこのような特徴をよく理解したうえで売りに出すことが大切なポイントになってきます。

世田谷区の戸建てやマンションの取引価格

世田谷区のように土地が広く、閑静な住宅街はもちろんのこと三軒茶屋を中心とした賑やかなエリアもある地域は、幅広い世代に住宅地として人気があります。ただ人気なエリアとそうではないエリアの価格差もあり、新しいマンションや住宅街の出現に合わせて値動きも激しいため、物件の相場確認は非常に困難です。

ですから物件の価格を決める際には、近隣の取引事例を参考にしてください。なぜなら近隣の取引事例の価格を参考にして売買価格が決まることも珍しくはなく、不動産業者も常に注目しているからです。世田谷区で不動産を売却する予定があるなら、近隣で行われた売却事例の価格を確認しておいてください。

実勢価格からみる取引価格

物件の価格というものは、建物そのものの価値に加えて駅からの距離や物件の種類、築年数など様々な要素によって変化します。価格を決める際に近隣事例を参考にする時には、必ず手持ちの不動産と似ている物件を参照してください。居住用の物件の場合は、戸建てとマンションは分けて確認し参考にします。

取引年	住所/最寄り駅	敷地面積	価格
		床面積	築年数
2024年	東京都世田谷区北沢 最寄駅/笹塚駅5分 平成2年に建築の住宅 土地100㎡ 延床115㎡	30坪	8300万円
		35坪	築34年
2024年	東京都世田谷区松原 最寄駅/明大前駅10分 令和5年に建築の住宅 土地85㎡ 延床145㎡	26坪	1億5700万円
		44坪	築1年
2024年	東京都世田谷区羽根木 最寄駅/明大前駅15分 平成13年に建築の住宅 土地55㎡ 延床105㎡	17坪	8700万円
		32坪	築23年
2024年	東京都世田谷区桜上水 最寄駅/桜上水駅5分 平成14年に建築の住宅 土地95㎡ 延床110㎡	25坪	7900万円
		33坪	築22年
2024年	東京都世田谷区上北沢 最寄駅/上北沢駅5分 平成16年に建築の住宅 土地160㎡ 延床135㎡	48坪	1億1000万円
		41坪	築20年
2024年	東京都世田谷区八幡山 最寄駅/八幡山駅5分 平成30年に建築の住宅 土地105㎡ 延床100㎡	32坪	9500万円
		30坪	築6年
2024年	東京都世田谷区北鳥山 最寄駅/芹花公園駅10分 令和1年に建築の住宅 土地165㎡ 延床110㎡	50坪	8400万円
		33坪	築5年

参照：住宅価格ドットコムより抜粋

上記は世田谷区内の戸建ての事例ですが、区の特徴として敷地が広い住宅の傾向が高く、そのぶん都の平均よりも高い価格帯が見られます。エリアにもよりますが、比較的大きな住宅や不動産が多いので、ファミリー向けのエリアと言えるでしょう。またエリアに加え、築年数が少ないものは1億を超える価格のものも少なくありません。

取引年	住所/最寄り駅	専有面積（㎡）	価格
		専有面積（坪）	築年数
2024年	東京都世田谷区松原 最寄駅/明大前駅1分 平成9年に建設のマンション(中古)	75㎡	8500万円
		23坪	築21年
2024年	東京都世田谷区松原 最寄駅/明大前駅2分 昭和60年に建設のマンション(中古・改装済)	55㎡	4400万円
		17坪	築39年
2024年	東京都世田谷区松原 最寄駅/明大前駅3分 昭和50年に建設のマンション(中古)	75㎡	6400万円
		23坪	築49年
2024年	東京都世田谷区松原 最寄駅/明大前駅7分 平成21年に建設のマンション(中古)	35㎡	3000万円
		11坪	築15年
2024年	東京都世田谷区北沢 最寄駅/笹塚駅5分 昭和44年に建設のマンション(中古)	40㎡	2400万円
		12坪	築55年

参照：マンション価格ドットコムより抜粋

比較的築年数が多いマンションがたくさん見られますが、価格はその分リーズナブルになっています。手ごろな物件価格の割には駅からのアクセスがよく、特に働く世代には魅力的なマンション物件が揃っています。エリアにもよりますが、世田谷区ではマンションの需要もとても高いことが分かるでしょう。

世田谷区の不動産を高く売るためのポイントとは？

世田谷区は、閑静な住宅街と若者に人気のにぎやかなエリアを有するバランスの良い地域です。そのうえ、都心に近く便利な割に自然も多いので、子育て世代にも人気があります。そのため売り方次第では、世田谷区の不動産を相場よりも高く売ることも可能になるでしょう。ここからは世田谷区で不動産を高く売るポイントを見ていきます。

幾つかの不動産会社に査定を依頼して比較する

世田谷区の不動産は、土地や家屋が平均よりも広いという特徴があるため、価格が上昇しがちです。またマンションも駅チカの便利な物件が多くありますが、築年数が経っているため、価格に変動が起こりやすい傾向もあります。このような特徴をよく理解したうえで、上手に情報を活かしながら売却出来る不動産会社に依頼することをおすすめします。

世田谷区に詳しい不動産会社を探す時には、幾つかの不動産会社から査定を取り、情報を比較検討してから決めてください。様々な査定内容や会社の対応を比較すると、信頼出来る会社かどうかを見極めることができるのです。

口コミ評判も！世田谷区の土地・不動産売却におすすめ不動産会社一覧

三軒茶屋不動産株式会社

本社所在地	東京都世田谷区太子堂４丁目18-4 TS三軒茶屋 104
設立	2018年9月7日
免許番号	東京都知事 (2) 第102997号
特徴	社名の通り三軒茶屋中心の不動産・物件を取り扱っている地元密着型不動産会社。新しい会社ですが、すでに口コミ評判も上場。
口コミ	最初から最後までとても丁寧な接客が印象的でした。友人にも勧めたいと思います。

株式会社 ファニーホーム

本社所在地	東京都世田谷区豪徳寺１丁目43-2 千代田ビル 2F
設立	2019年8月8日
免許番号	東京都知事(1) 第103922号
特徴	世田谷区を中心に数多くの物件を取り扱っている不動産会社。地域トップレベルの情報量と経験豊富なスタッフが魅力。
口コミ	スピーディーで親身な対応に助けられました。依頼者の希望にとことん寄り添う姿勢に感謝です。

世田谷区の不動産売却（不動産査定）のまとめ

約90万人以上の住民を抱える大きな世田谷区ですが、あらゆる世代からの住宅地としての人気が高く、不動産需要は年々上昇しています。一方で人気エリアとそうではないエリアの差もあるため、どの場所の不動産を売却するかで価格も開きが出てしまうことになります。

世田谷区で手持ちの不動産を出来るだけ高く売却するためには、区ならではの特徴や特性を生かした売り方ができる不動産会社に依頼するのが一番です。