東京23区の中でも特に治安が良く、交通の利便性が整いながらも閑静な住宅街が広がる杉並区。また70以上のアニメスタジオが密集しているなど、世界有数のアニメスタジオの集積地としても知られており、自然に恵まれた住宅都市として人気があるエリアです。

住みやすく人が高い地域ですので、杉並区で不動産売却をする際には相場を調べておくことが大切になってきます。今回の記事では、杉並区の不動産相場について解説します。

杉並区の不動産取引の現状は？

東京都杉並区は、東京都区部の西端に位置しており、23区の中では8番目の広さを誇ります。区内を西から東にかけて、妙正寺川・善福寺川・神田川と3本の川が流れていて、自然も豊かな地域です。都市の中心部からは離れた位置ですが、交通の便もよく様々な商業施設も整っているため、その住みやすさからベッドタウンとしても人気が上がりつつあります。

また杉並区の家賃・不動産相場は東京23区の中でもリーズナブルであり、単身者向けなら東京23区の中で6番目に相場が安く、ファミリー向けの2Kから3DKなら23区内で8～9番目に安い相場統計が出ています。ここでは杉並区の相場や動向について詳しく見ていきます。

杉並区の地価公示価格の推移

まずは、直近の杉並区の公示価格の推移を見てみます。

年度	公示価格（㎡単価）	前年比
2013年	49万2418円	▲0.07%
2014年	51万9608円	1.63%
2015年	53万2579円	2.27%
2016年	53万2611円	3.24%
2017年	55万5965円	3.86%
2018年	58万2267円	4.19%
2019年	61万7023円	5.24%
2020年	65万7023円	4.94%
2021年	64万9720円	▲0.92%
2022年	66万4313円	2.02%
2023年	69万5883円	3.98%

参照：国土交通省「地価公示価格」

杉並区の地価公示価格の動向

杉並区の公示価格は、年々緩やかな上昇傾向が見られます。最新公示地価は平均74万0941円で、全国順位は17位となっています。大きな金額の上昇ではありませんが、2021年度以外は地価公示価格が上がっており、不動産としての価値も上昇していることが分かります。

杉並区はとても広いエリアですので、高級住宅地はもちろん、単身向けのマンションやファミリー向けの一戸建てなど幅広い不動産が揃います。首都圏への交通の便もいいので、ベッドタウンとしても人気が高く、子育て世代も数多く移住しているのです。単身者でも家族持ちでも資産性が高いエリアですので、長く住める土地や物件を探している方におすすめです。

続いて杉並区内におけるエリア毎の価格を見ていきます。下記の表は杉並区内のエリア毎の公示価格を高い順に並べています。

順位	エリア	公示価格（㎡単価）	前年比
1位	上萩	349万0000円	10.09%
2位	阿佐谷南	141万1500円	7.53%
3位	永福	93万4333円	6.38%
4位	西萩北	91万5666円	7.01%
5位	桃井	84万8000円	7.48%
6位	高円寺南	80万0666円	6.51%
7位	方南	77万1500円	5.97%
8位	阿佐谷北	73万3000円	5.98%
9位	南萩窪	70万0000円	4.95%
10位	成田東	69万6000円	5.86%
：
25位	大宮	50万3000円	4.36%
26位	堀ノ内	49万0000円	4.70%
27位	成田西	48万9000円	5.16%
28位	今川	45万4000円	4.13%
29位	井草	44万2000円	4.00%

参照：国土交通省「地価公示価格」

杉並区では全てのエリアで価格が上昇しているのが大きな特徴です。特に価格の高いエリアと低いエリアの価格差が大きく、人気が高い「上萩」や「阿佐谷南・北」エリアなどを筆頭に高値がついています。このエリアにある駅から近い一戸建てやマンションは、1億を超える売買取引も盛んですので、売却する際にはかなりの高値を期待できます。

杉並区の不動産価格にはこのような特徴がありますので、売却の際には杉並区の特徴を上手く利用しながら賢く売る工夫が必要でしょう。

杉並区の戸建てやマンションの取引価格

杉並区のようなベッドタウンとして人気のエリアでは、物件の相場を事前に確認しておくことが大切になります。とはいえ、人気のあるエリアとそうではないエリアの価格差は大きく、商業施設などの近隣の環境の変化により、戸建やマンションの値動きも激しく変化する特徴もあります。

ですから手持ちの物件を売却する際の価格を決める時には、近隣の取引事例を参考にすることをおすすめします。なぜなら、近隣の取引事例の価格を土台にして売買価格が決められることが多く、多くの不動産屋も常にチェックしています。杉並区で不動産の売却を望んでおられるなら、まずは近隣で行われた売却事例の価格を確認してみましょう。

実勢価格からみる取引価格は？

杉並区内の物件に限らずですが、物件価格は駅からの距離や物件内容によって大きく異なってきます。価格決定の際に近隣事例を参考にする時には、なるべく手持ちの物件に類似したものを参考にしてください。特に居住用の物件の場合、戸建てとマンションは分けて確認し、条件や不動産内容などを近い状態にして価格を見てみましょう。

取引年	住所/最寄り駅	敷地面積	価格
		床面積	築年数
2024年	東京都杉並区高円寺南 最寄駅/中野駅10分 平成29年に建築の住宅 土地60㎡ 延床105㎡	19坪	7900万円
		32坪	築7年
2024年	東京都杉並区高円寺北 最寄駅/高円寺駅10分 平成13年に建築の住宅 土地130㎡ 延床140㎡	39坪	1億1700万円
		42坪	築23年
2024年	東京都杉並区阿佐谷北 最寄駅/阿佐ケ谷駅5分 平成14年に建築の住宅 土地135㎡ 延床140㎡	41坪	1億5000万円
		42坪	築22年
2024年	東京都杉並区天沼 最寄駅/萩窪駅10分 平成27年に建築の住宅 土地105㎡ 延床145㎡	32坪	1億2700万円
		44坪	築9年
2024年	東京都杉並区上萩 最寄駅/萩窪駅10分 平成1年に建築の住宅 土地200㎡ 延床180㎡	60坪	1億5300万万円
		54坪	築35年
2024年	東京都杉並区天沼 最寄駅/萩窪駅5分 令和6年に建築の住宅 土地55㎡ 延床105㎡	17坪	8600万円
		32坪	新築
2024年	東京都杉並区阿佐谷北 最寄駅/阿佐ケ谷駅10分 令和5年に建築の住宅 土地50㎡ 延床70㎡	15坪	6500万円
		21坪	築1年

参照：住宅価格ドットコムより抜粋

上記は杉並区における戸建ての事例です。首都圏の新築戸建て平均価格4,550万円と比較してみると、杉並区の不動産の価値が高く評価されていることが分かります。もちろん家の大きさだけでなく土地の広さも関係していますし、駅からの距離、立地も価格が決まる大きな要因となります。

土地の特徴や不動産によっては、相場の平均を大きく上回る取引もあり、将来性があって需要の高いエリアであることが垣間見れるでしょう。

取引年	住所/最寄り駅	専有面積（㎡）	価格
		専有面積（坪）	築年数
2024年	東京都杉並区高円寺南 最寄駅/中野駅8分 平成18年に建設のマンション(中古)	65㎡	7300万円
		20坪	築18年
2024年	東京都杉並区高円寺北 最寄駅/高円寺駅3分 昭和62年に建設のマンション(中古・改装済み)	35㎡	5800万円
		11坪	築36年
2024年	東京都杉並区高円寺南 最寄駅/高円寺駅3分 平成25年に建設のマンション(中古)	75㎡	1億2000万円
		23坪	築11年
2024年	東京都杉並区高円寺南 最寄駅/高円寺駅9分 平成17年に建設のマンション(中古)	40㎡	4600万円
		12坪	築19年
2023年	東京都杉並区阿佐ケ谷南 最寄駅/阿佐ケ谷駅3分 平成23年に建設のマンション(中古)	75㎡	1億2600万円
		23坪	築13年

参照：マンション価格ドットコムより抜粋

東京都の中古マンション平均価格は5,100万円ですが、杉並区の中古マンションの相場はある程度の年数が経っていても需要が高いことが伺えます。場所にもよりますが、専有面積が広いものは1億を超える値が付き、駅から近い物件も同様に不動産の価値が高い傾向があります。

杉並区の不動産を高く売るためのポイントとは？

ベッドタウンとして人気が高い杉並区は、不動産の需要も高いエリアです。そのため売り出し方法によっては、相場よりも高く売ることも可能になってくるのです。ここでは杉並区で不動産を高く売るポイントを見ていきます。

幾つかの不動産会社に査定をお願いする

治安の良さやファミリー向けの住宅が多いこともあり、杉並区の不動産は価値が上がっています。ただ人気エリアとそうでないエリアとの価格差もあり、状況によって大きな値動きもあります。

そのため、そのような独自の特徴を十分に理解したうえで上手に物件を売却してくれる不動産会社を探すことが大切なポイントになってきます。そうすることで、より高い値で売却が可能になるでしょう。

杉並区に詳しい不動産会社を探すなら、まず幾つかの不動産会社に査定をお願いしましょう。色んな査定を比較することで、安心してお任せできる不動産会社を見つける事が出来るのです。

口コミ評判もチェック！杉並区の土地・不動産売却におすすめ不動産会社一覧

株式会社 浜商不動産

本社所在地	東京都杉並区西荻南3-15-2
設立	昭和62年8月
免許番号	東京都知事 (9) 第52103号
特徴	西荻の街で創業36年に渡り地域密着を掲げた地元愛が強い不動産会社。幅広い不動産ニーズに対応可能。
口コミ	西萩の物件も地域のことも熟知しているので、安心してお任せできました。

有限会社 高円寺不動産

本社所在地	東京都杉並区高円寺南4-24-3 第三下田ビル3階
設立	2006年3月
免許番号	東京都知事(4) 第88171号
特徴	杉並区高円寺エリアに限定した異色の地域密着型不動産会社。アットホームで迅速な対応がウリ。
口コミ	インターネット上での情報が豊富で、遠方からの問い合わせにも迅速で大変助かる。

杉並区の不動産売却（不動産査定）のまとめ

杉並区は東京23区のなかでも城西エリアに位置する区の一つで、都会中心部にアクセスしやすく、郊外の良さも持ち合わせるバランスの良いエリアです。そのため、年々杉並区の土地や不動産の価値も上がり、人気にも拍車がかかっているのです。

ただ一方でエリアごとに人気に差があり、その分不動産の価格にも差が出るのは事実です。杉並区の不動産を出来るだけ高く売却するには、このような地域ならではの特徴を理解し、特性を上手に生かした戦略で売ることができる不動産会社に依頼することが重要になってくるでしょう。