住宅ローンの繰り上げ返済はするべき?期間短縮型と軽減型の選び方

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「ボーナスが出たから、住宅ローンを少しでも減らしたい」「でも、手元のお金を減らして大丈夫だろうか」。繰り上げ返済を考えはじめると、こんな迷いが出てくるものです。

繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に、ローンの元金の一部または全部を前倒しで返すことです。返した元金にはその後の利息がかからないため、総返済額を減らせるのが最大のメリット。ただし、手元資金が減る、住宅ローン控除が減る、一度短くした期間は戻せないといった注意点もあります。

さらに2026年は、日銀の利上げを受けて変動金利の基準金利が上がり、繰り上げ返済の効果も以前より大きくなっています。数年前の「低金利だから繰り上げ返済はしない方がいい」という考え方が、そのまま当てはまるとは限りません。

この記事では、繰り上げ返済の2つの種類と選び方、メリット・デメリット、住宅ローン控除との関係、手数料、残高別のシミュレーションを、2026年10月時点の情報で解説します。試算はすべて、条件を明記して計算し直しました。

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住宅ローンの繰上返済は2種類ある

繰り上げ返済の効果を理解するには、まず住宅ローンの返済のしくみを知っておく必要があります。多くの住宅ローンは「元利均等返済」です。毎月の返済額は一定ですが、その中身である元金と利息の割合は少しずつ変わっていきます。

借りた直後は残高が大きいため、返済額の多くが利息にあてられます。たとえば3,500万円を年1.5%・35年で借りると、毎月の返済額は約107,200円です。このうち最初の月の利息は約43,800円で、返済額の4割ほどを占めます。残高が大きい時期ほど利息の割合が高いため、繰り上げ返済は早く行うほど効果が大きいのです。

繰り上げ返済には、残高をすべて返す「全額繰上返済(一括返済)」と、一部を返す「一部繰上返済」があります。一般に「繰り上げ返済」というと一部繰上返済を指すことが多く、この記事でも中心となるのは一部繰上返済です。一部繰上返済には、次の2つの方法があります。

種類 毎月の返済額 返済期間 利息を減らす効果
期間短縮型 変わらない 短くなる 大きい
返済額軽減型 少なくなる 変わらない 期間短縮型より小さい

期間短縮型

期間短縮型は、毎月の返済額はそのままで、返済期間を短くする方法です。繰り上げ返済したお金は元金の返済にあてられ、その分だけ最終返済日が早まります。

期間短縮型(返済額と返済期間)

毎月の負担は変わらないので、家計に変化を感じにくい方法です。その一方で、完済の時期が早まり、払う利息も大きく減ります。「定年までに完済したい」「老後にローンを持ち越したくない」という人に向いています。

返済額軽減型

返済額軽減型は、返済期間はそのままで、毎月の返済額を少なくする方法です。残りの期間で、減った元金をあらためて割り振るしくみになっています。

返済額軽減型(返済額と返済期間)

毎月の返済額が下がるため、効果をすぐに実感できます。ただし、利息を減らす効果は期間短縮型より小さめです。毎月の家計に余裕をつくりたい人や、これから教育費が増える家庭に向いています。

期間短縮型と返済額軽減型の違い・選び方

指さす女性

どちらを選ぶかで、繰り上げ返済の効果は大きく変わります。それぞれの違いと、向いている人を整理しておきましょう。

総支払利息と返済額の軽減が大きな違い

同じ金額を繰り上げ返済しても、減る利息の額は方法によって違います。3,500万円を年1.5%・35年で借り、5年後に100万円を繰り上げ返済した場合をくらべてみましょう。

項目 期間短縮型 返済額軽減型
毎月の返済額 約107,200円のまま 約107,200円→約103,700円(約3,500円減)
返済期間 1年2か月短くなる 変わらない
減る利息 約55.5万円 約24.2万円

※元利均等返済・ボーナス返済なし・金利は全期間一定とした試算。手数料は含みません。

期間短縮型のほうが、減る利息は2倍以上です。期間を短くすると、高い利息を払うはずだった最後の数年分の返済そのものがなくなるためです。利息を減らす効果だけを見れば、期間短縮型が有利といえます。

期間短縮型と返済額軽減型の違い

総支払利息を抑えたい人は期間短縮型がおすすめ

期間短縮型が向いているのは、次のような人です。

  • いまの返済額でも家計に余裕がある
  • 定年や年金生活に入る前に完済したい
  • 教育費のピークが過ぎた、またはこれからも大きな出費の予定がない
  • とにかく総返済額を減らしたい

たとえば、45歳で35年ローンを組んだ場合、そのままだと完済は80歳です。期間短縮型で何度か繰り上げ返済して完済を65歳前後まで早めておけば、退職金や年金で返済に追われる心配が減ります。

毎月のキャッシュフローを改善したい人は返済額軽減型がおすすめ

一方で、返済額軽減型が向いているのは次のような人です。

  • 子どもが小さく、これから教育費が増えていく
  • 収入が減る予定がある(育休、転職、定年後の再雇用など)
  • 変動金利で、今後の金利上昇による返済額の増加に備えたい
  • 毎月の返済が家計を圧迫している

毎月の返済が数千円〜数万円軽くなるだけでも、家計のゆとりはかなり変わってきます。利息を減らす効果は期間短縮型に及びませんが、無理に期間を短くして家計が苦しくなっては本末転倒です。数字の大小だけでなく、暮らしの安定を優先する選び方も十分に合理的といえます。

住宅ローン繰上返済のメリット

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繰り上げ返済には、利息が減る以外にもいくつかのメリットがあります。主なものを見ていきましょう。

毎月の返済額や利息を軽減できる

いちばんのメリットは、総返済額を減らせることです。繰り上げ返済したお金は全額が元金の返済にあてられるため、その元金にかかるはずだった利息がまるごと不要になります。

金利が高いほど、この効果は大きくなります。先ほどと同じ条件(3,500万円・35年・5年後に100万円を期間短縮型で繰り上げ返済)で、金利だけを変えて試算すると次のとおりです。

金利(全期間一定) 毎月の返済額 短縮される期間 減る利息
年1.0% 約98,800円 1年1か月 約34.3万円
年1.5% 約107,200円 1年2か月 約55.5万円
年2.0% 約115,900円 1年3か月 約79.9万円

※元利均等返済・ボーナス返済なしとした試算。手数料は含みません。

年1.0%と年2.0%では、同じ100万円でも減る利息が2倍以上ちがいます。2026年は変動金利の基準金利が引き上げられ、借りたときより適用金利が上がっている人も少なくありません。金利が上がった今は、繰り上げ返済の効果が以前より大きくなっていると考えてよいでしょう。

保証料が戻ってくる

借りるときに保証料を一括で前払いしている場合、繰り上げ返済をすると保証料の一部が戻ってくることがあります。全額繰上返済のときはもちろん、銀行によっては一部繰上返済でも戻る場合があります。

ただし、戻ってくる金額は期間に比例しません。保証料は残高が大きい借入当初の分ほど高く計算されているため、借入期間の半分が過ぎたところで完済しても、戻るのは当初払った額の半分よりかなり少ないのが一般的です。返戻の際に事務手数料が差し引かれることもあります。

最近は、保証料を無料にして、代わりに借入額の2.2%程度の事務手数料をとる「手数料型」のローンが増えました。この場合、事務手数料は戻ってこないので注意しましょう。

金利上昇や老後のリスクを減らせる

元金が減れば、その後に金利が上がっても利息の増え方は小さくなります。変動金利で借りている人にとって、繰り上げ返済は金利上昇への備えにもなるでしょう。

完済が早まれば、老後にローンが残るリスクも減ります。50代以降に繰り上げ返済で完済の目途を立てておくと、住み替えや売却を考えるときにも選択肢が広がるでしょう。

住宅ローン繰上返済のデメリット

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「繰り上げ返済はしない方がいい」といわれることがあるのは、次のようなデメリットがあるからです。メリットだけを見て判断しないようにしましょう。

手元資金が減る

いちばん大きなデメリットは、手元の現金が減ることです。急な病気やケガ、失業、車の故障、家の修繕など、まとまったお金が必要になる場面はいつ来るかわかりません。

手元資金が足りなくなると、住宅ローンより金利の高いカードローンや教育ローンを借りることになりかねません。教育ローンやリフォームローンの金利は、住宅ローンより高いのが一般的です。繰り上げ返済で数十万円の利息を減らしても、別の高い借入をすれば意味がありません。

一度返したお金は、原則として借り直せません。繰り上げ返済に回すのは、生活費の半年〜1年分程度の予備資金と、数年以内に使う予定のお金を残したうえでの「余ったお金」にしましょう。

住宅ローン控除が使えなくなる場合がある

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末のローン残高の0.7%が所得税(引ききれない分は一部住民税)から差し引かれる制度です。2026年度の税制改正で適用期限が延び、2030年12月31日までに入居した人が対象になりました。控除期間は新築の多くや、省エネ性能の高い中古住宅で13年、それ以外の中古住宅で10年です。

繰り上げ返済が住宅ローン控除に与える影響は、2つあります。

年末残高が減るので控除額も減る

控除額は年末残高に比例するため、繰り上げ返済で残高が減れば、控除額も減ります。100万円を繰り上げ返済すると、控除額は年に最大7,000円(100万円×0.7%)減る計算です。

一方で、繰り上げ返済した100万円にかかるはずだった利息は、金利が年1.5%なら年に約15,000円です。おおまかにいえば、ローンの金利が0.7%を上回っていれば、控除期間中でも繰り上げ返済による利息の削減効果のほうが大きくなりやすいといえます。

かつては変動金利が0.3〜0.5%台で、控除率(当時1%、現在は0.7%)を下回る「逆ざや」の状態が多く見られました。この場合は、控除期間が終わるまで繰り上げ返済を待つほうが有利でした。いまは基準金利の引き上げで、適用金利が0.7%を上回る人が増えています。自分の適用金利を返済予定表などで確認してから判断しましょう。

返済期間が10年未満になると控除を受けられない

住宅ローン控除の対象となるのは、返済期間が10年以上のローンです。期間短縮型で繰り上げ返済した結果、最初の返済日から最終返済日までの期間が10年未満になると、その年以降は控除を受けられなくなります。

注意したいのは、基準が「残りの期間」ではなく、「最初の返済日から、短縮後の最終返済日まで」の全体の期間だという点です。たとえば、借りてから6年たった時点で期間短縮型の繰り上げ返済をし、残りが3年になったとします。この場合、全体の期間は9年となり、控除の対象から外れてしまいます。大きな金額を期間短縮型で返すときは、返済後の最終返済日を必ず確認してください。

状況 控除への影響
一部繰上返済(返済額軽減型) 年末残高が減る分、控除額が減る
一部繰上返済(期間短縮型)で、全体の返済期間が10年以上 年末残高が減る分、控除額が減る
一部繰上返済(期間短縮型)で、全体の返済期間が10年未満 その年以降、控除を受けられない
全額繰上返済(完済) 完済した年以降、控除を受けられない

※2026年10月時点の制度にもとづく整理です。個別の判断は税務署や税理士に確認してください。

一度短くした期間は伸ばせない

期間短縮型で短くした返済期間は、あとから元に戻すのが簡単ではありません。返済が苦しくなって期間を延ばしてもらう場合は、金融機関に返済条件の変更を相談することになり、審査があるうえ、希望どおりに認められるとは限りません。

期間短縮型で大きく期間を縮めると、毎月の返済額はそのままでも、将来の住み替えや借り換えの計画が立てにくくなることもあります。迷ったときは、一度に大きく返すより、余裕を見ながら少しずつ返すほうが安全です。

団信で守られていたお金を前払いすることになる

多くの住宅ローンでは、団体信用生命保険(団信)に加入しています。団信に入っていれば、契約者が亡くなったり、所定の高度障害状態になったりしたときは、保険金でローンの残高が返済される仕組みです。

つまり、繰り上げ返済に使ったお金は、万一のときには返さなくてもよかったお金ともいえます。がんなどの保障が付いた団信に入っている人ほど、手元資金を残しておく意味は大きくなります。もちろん、これだけで繰り上げ返済をやめる理由にはなりませんが、判断材料の一つとして知っておきましょう。

住宅ローン繰上返済の手数料・利息

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繰り上げ返済は、いつでも好きな金額でできるわけではありません。手数料や最低金額、手続きの方法は金融機関ごとに違うため、事前に確認しておきましょう。

繰上返済の手数料

以前は1回あたり数万円の手数料がかかるのが普通でしたが、いまはネット銀行やメガバンクの多くで、インターネットからの一部繰上返済が無料になっています。ただし、窓口での手続きや全額繰上返済、固定金利期間中の返済では、手数料がかかることが少なくありません。

手続きの種類 手数料の傾向
一部繰上返済(インターネット) 無料の金融機関が多い
一部繰上返済(窓口・郵送) 数千円〜数万円かかることがある
全額繰上返済 無料〜数万円。ネットでも有料の銀行がある
固定金利期間中の繰上返済 変動金利より高く設定されていることがある

全額繰上返済の手数料は、たとえばイオン銀行が55,000円、三菱UFJ銀行がインターネットで16,500円、みずほ銀行が店頭で33,000円です(いずれも税込・2026年10月時点)。フラット35は、一部・全額とも繰上返済の手数料がかかりません。金額は変わることがあるので、手続きの前に公式サイトで最新の情報を確認しましょう。

最低金額も金融機関によって違います。ネット銀行では1円や1万円から繰り上げ返済できるところが多い一方、フラット35はインターネット(住・My Note)で10万円以上、窓口では100万円以上が必要です。主な銀行の手数料は、次の記事でくわしく比較しています。

ボーナス払いがある場合は利息に注意

ボーナス返済を併用している人は、繰り上げ返済のときに利息の精算が必要になる場合があります。

住宅ローンの利息は後払いが基本です。毎月の返済では1か月分の利息を払いますが、ボーナス返済分の利息は半年分をまとめて払うしくみになっています。そのため、ボーナス返済日の間に繰り上げ返済をすると、前回のボーナス返済日から繰り上げ返済日までの利息(経過利息)を、そのときに精算しなければなりません。

経過利息は、ボーナス返済の割合が大きいほど高くなります。ボーナス返済をなくしたい場合は、繰り上げ返済でボーナス返済分を減らせるか、金融機関に相談してみましょう。手続きのタイミングを毎月の返済日やボーナス返済日に合わせると、精算の手間を減らせることもあります。

繰り上げ返済の手続きの流れ

ネット銀行や多くの大手銀行では、インターネットバンキングで手続きが完結します。一般的な流れは次のとおりです。

  1. インターネットバンキングにログインし、繰上返済のメニューを開く
  2. 返済金額と、期間短縮型・返済額軽減型のどちらにするかを選ぶ
  3. 返済後の毎月の返済額・最終返済日・手数料を確認する
  4. 返済日の前日(または指定日)までに、返済用口座へ資金を入金しておく
  5. 返済後に届く新しい返済予定表で、内容を確認する

申し込みの締め切りは「返済日の◯営業日前まで」と決められていることが多いので、早めに手続きしておきましょう。窓口で手続きする場合は、通帳と届出印、本人確認書類などが必要です。

住宅ローン繰上返済のシミュレーション

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ここからは、ローンの残高別に、100万円と300万円を繰り上げ返済した場合の効果を試算します。条件は次のとおりです。

  • 金利:年1.5%(全期間一定)
  • 返済方法:元利均等返済・ボーナス返済なし
  • 繰り上げ返済は1回だけで、その後は完済まで通常どおり返済
  • 手数料は含まない

実際の金利は契約や時期によって違います。あくまで効果の大きさをつかむための目安として見てください。

住宅ローン残高が4,000万円の場合

4,000万円を35年で借り、1年たった時点(残高約3,912万円)で繰り上げ返済した場合です。毎月の返済額は約122,500円です。

繰上返済額 期間短縮型 返済額軽減型
100万円 1年1か月短縮
減る利息 約65.2万円
月 約3,100円減
減る利息 約27.7万円
300万円 3年3か月短縮
減る利息 約187.4万円
月 約9,400円減
減る利息 約83.2万円

借りてすぐの時期は残りの期間が長いため、100万円の期間短縮型で65万円以上の利息が減ります。100万円を返して、165万円分の返済が不要になる計算です。

住宅ローン残高が3,000万円の場合

3,500万円を35年で借り、5年たった時点(残高約3,105万円)で繰り上げ返済するケースを見てみましょう。毎月の返済額は約107,200円です。

繰上返済額 期間短縮型 返済額軽減型
100万円 1年2か月短縮
減る利息 約55.5万円
月 約3,500円減
減る利息 約24.2万円
300万円 3年6か月短縮
減る利息 約158.2万円
月 約10,400円減
減る利息 約72.7万円

4,000万円のケースとくらべると、同じ100万円でも減る利息は少し小さくなりました。残りの期間が短くなるほど、繰り上げ返済の効果は小さくなっていきます。

住宅ローン残高が2,000万円の場合

続いて、同じ3,500万円・35年のローンで、15年たった時点(残高約2,221万円)に繰り上げ返済した場合です。毎月の返済額は変わらず約107,200円。

繰上返済額 期間短縮型 返済額軽減型
100万円 1年短縮
減る利息 約34.0万円
月 約4,800円減
減る利息 約15.8万円
300万円 3年短縮
減る利息 約95.9万円
月 約14,500円減
減る利息 約47.4万円

15年目になると、減る利息は5年目の6割ほどに下がります。この時期は住宅ローン控除の期間が終わっている人も多いので、控除を気にせずに繰り上げ返済しやすくなります。

住宅ローン残高が1,000万円の場合

最後は、同じローンで25年たった時点(残高約1,193万円)に繰り上げ返済したケース。ほかの条件はこれまでと同じです。

繰上返済額 期間短縮型 返済額軽減型
100万円 10か月短縮
減る利息 約15.5万円
月 約9,000円減
減る利息 約7.7万円
300万円 2年7か月短縮
減る利息 約41.8万円
月 約26,900円減
減る利息 約23.2万円

残りの期間が10年ほどになると、減る利息はかなり小さくなります。その一方で、返済額軽減型での毎月の返済額の下がり方は大きくなりました。定年後の家計を軽くしたい場合には、返済額軽減型も選択肢になるでしょう。

繰り上げ返済のタイミングと考え方

シミュレーションからわかるように、繰り上げ返済は早い時期に行うほど効果が大きくなります。同じ100万円でも、1年目なら約65万円、15年目なら約34万円と、減る利息はおよそ半分になります。

とはいえ、早く返すために手元資金をぎりぎりまで減らすのは危険です。おすすめは、予備資金を確保したうえで、余ったお金をこまめに返していく方法です。ネットで手数料無料の一部繰上返済ができる銀行なら、数十万円単位の返済でも負担はかかりません。

繰り上げ返済と借り換えをくらべてみるのも一つの方法です。いまの金利が高い場合は、借り換えで金利を下げたほうが効果が大きいこともあります。借り換えには事務手数料や登記費用もかかるため、両方の効果を試算して比べてみましょう。

住み替えや売却を考えている人の注意点

将来、住み替えや売却をする可能性がある人は、繰り上げ返済の前に一度立ち止まって考えてみてください。

家を売るときは、決済の日に売却代金でローンの残りを一括返済し、同時に抵当権を抹消するのが一般的な流れです。ローンが残っていても売却はできますが、売却代金でローンを返しきれない場合は、不足分を手元資金で補う必要があります。

ここで、繰り上げ返済で手元資金を使いきっていると、住み替え先の頭金や引っ越し費用が足りなくなることがあります。売却を考えているなら、繰り上げ返済よりも、まず家がいくらで売れるかを確認するほうが先です。売却時の全額繰上返済の手数料や、ローンが残っている家の売り方は、次の記事で解説しています。

困ったら不動産会社に相談する

「繰り上げ返済で家計を楽にするか、思い切って住み替えるか迷っている」「金利が上がって返済が苦しくなってきた」。こうした悩みは、ローンの話だけでは答えが出ないことがあります。

家の売却価格がわかれば、ローンを返しきれるか、手元にいくら残るかがはっきりするはずです。返済が苦しいけれど今の家に住み続けたい場合は、家を売却したあとも賃貸として住み続ける「リースバック」という方法もあります。延滞してしまう前に、早めに相談することが大切です。

株式会社レクソルでは、東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県を中心に、家・土地・マンションの売却相談を受け付けています。仲介での売却だけでなく、当社による直接買取やリースバックにも対応しているため、「早く売りたい」「住みながら売りたい」といったご希望に合わせて方法をご提案できます。査定は無料です。

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住宅ローンの繰り上げ返済に関するよくある質問

繰り上げ返済はしない方がいいのですか?

一概にはいえません。手元資金に余裕がなく、ローンの金利が低い場合は、急いで繰り上げ返済しなくてもよいでしょう。逆に、予備資金を確保したうえでお金が余っていて、金利が0.7%を上回っているなら、繰り上げ返済で利息を減らすメリットは大きくなります。

100万円を繰り上げ返済すると、どのくらい得になりますか?

金利や時期によって違います。3,500万円・35年・年1.5%で借りて5年後に期間短縮型で返した場合、減る利息は約55万円です。同じ条件で年1.0%なら約34万円、年2.0%なら約80万円になります。

繰り上げ返済はこまめにしたほうが得ですか?

手数料がかからないなら、こまめに返すほど早く元金が減るため、利息を減らす効果は大きくなります。ただし、手元資金を減らしすぎないことが前提です。窓口で手数料がかかる場合は、ある程度まとめて返したほうがよいでしょう。

変動金利の「5年ルール」がある場合、繰り上げ返済の効果はありますか?

あります。5年ルールは、金利が上がっても5年間は返済額を変えないというしくみです。金利が上がると返済額のうち利息の割合が増え、元金が減りにくくなります。繰り上げ返済で元金を減らしておけば、金利上昇の影響を小さくできます。

住宅ローン控除の期間中に繰り上げ返済しても大丈夫ですか?

控除の対象から外れるわけではありません。年末残高が減る分だけ控除額は減りますが、ローンの金利が0.7%を上回っていれば、利息の削減効果のほうが大きくなりやすいでしょう。ただし、期間短縮型で全体の返済期間が10年未満になると控除を受けられなくなるので注意してください。

繰り上げ返済の前に、手元にいくら残しておけばいいですか?

目安は、生活費の半年〜1年分です。会社員なら半年分、収入が不安定な自営業の人や、共働きでも片方の収入に頼っている家庭なら1年分ほどあると安心でしょう。これとは別に、子どもの進学費用や車の買い替え、家の修繕など、5年以内に使う予定のお金も分けておきます。そのうえで残ったお金を、繰り上げ返済に回すかどうか考えるのがおすすめです。

全額繰上返済(一括返済)をしたら、どんな手続きが必要ですか?

完済したあとは、家に設定されている抵当権を抹消する登記が必要です。完済すると銀行から抵当権の抹消に必要な書類が届くので、自分で法務局に申請するか、司法書士に依頼しましょう。登録免許税は不動産1つにつき1,000円で、土地と建物なら2,000円かかります。司法書士に頼む場合は、別に報酬が必要です。書類には期限のあるものもあるため、届いたら早めに手続きを済ませておくと安心でしょう。

繰り上げ返済と投資では、どちらを優先すべきですか?

繰り上げ返済の効果は、ローンの金利と同じ利回りで確実に運用するのに近いものです。投資は元本割れのリスクがある代わりに、それ以上のリターンを期待できることもあります。リスクをとりたくない人は繰り上げ返済、ある程度のリスクをとれる人は投資と、性格や家計に合わせて選びましょう。

まとめ|繰上げ返済は慎重に行うことが重要!

財布を持つ女性

繰り上げ返済は、住宅ローンの利息を減らす確実な方法です。期間短縮型は利息を減らす効果が大きく、返済額軽減型は毎月の負担を軽くできます。どちらも、早い時期に行うほど効果が大きいのが特徴です。

2026年は金利の上昇で、繰り上げ返済の効果が以前より大きくなっています。その一方で、手元資金が減る、短くした期間は戻せない、期間短縮型で返済期間が10年未満になると住宅ローン控除が使えなくなるといった注意点は変わりません。

予備資金をしっかり残し、教育費や住み替えの予定もふまえたうえで、余ったお金をこまめに返していく。これが、無理なく繰り上げ返済の効果を得るコツです。住み替えや売却も視野に入れている人は、繰り上げ返済の前に、家がいくらで売れるかを確認しておきましょう。

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