住宅ローンの一括返済の手数料はいくら?手続きと注意点
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「退職金が入ったから、住宅ローンを一気に返してしまいたい」「家を売ることになったけれど、ローンの一括返済には何が必要?」。住宅ローンの一括返済を考えるきっかけは、人によってさまざまです。
一括返済(全額繰上返済)をすると、その後の利息がかからなくなり、毎月の返済からも解放されます。ただし、銀行に払う手数料は無料のところから55,000円かかるところまであり、ほかにも経過利息や抵当権を抹消する費用などが必要です。
この記事では、住宅ローンを一括返済するときの手数料を金融機関別に比べたうえで、手数料以外にかかる費用、手続きの流れ、一括返済したあとにやることを解説します。手数料の金額は2026年10月時点の情報です。
住宅ローンの一括返済について
住宅ローンの一括返済とは、残っているローンの元金を一度にすべて返すことです。銀行では「全額繰上返済」「期限前完済」などとも呼ばれます。たとえば残高が1,200万円なら、1,200万円をまとめて返して、ローンを終わらせることになります。
一括返済をするきっかけは、大きく分けて次の3つです。
- 貯蓄や退職金、相続したお金など、手元の資金で完済する
- 家を売り、その売却代金でローンを完済する
- 別の金融機関に借り換え、新しいローンで今のローンを完済する
どの場合も、銀行への手数料や抵当権の抹消など、必要な手続きはほぼ共通。違うのは、お金の出どころと、手続きを進めるタイミングだけです。
住宅ローンの一括返済を行うメリット
一括返済の主なメリットは、次のとおりです。
返済期間を短縮できる
一括返済をすれば、その時点でローンは終わります。毎月の返済がなくなるので、定年退職や収入の減少に備えて、家計に余裕をつくれます。老後にローンを持ち越したくない人にとっては、何よりの安心材料になるでしょう。
返済総額を節約できる
一括返済をすると、本来払うはずだった残りの期間の利息がすべてなくなります。3,500万円を年1.5%・35年で借りた場合、一括返済で払わずに済む利息は、時期によって次のように変わります。
| 一括返済する時期 | その時点の残高 | 払わずに済む利息 |
|---|---|---|
| 10年後 | 約2,680万円 | 約535万円 |
| 15年後 | 約2,221万円 | 約351万円 |
| 20年後 | 約1,726万円 | 約203万円 |
| 25年後 | 約1,193万円 | 約92万円 |
| 30年後 | 約619万円 | 約24万円 |
※元利均等返済・ボーナス返済なし・金利は完済まで一定とした試算。手数料などの費用は含みません。
早く返すほど、減る利息は大きくなります。逆に、完済が近い時期の一括返済は、利息の節約効果が小さくなる点も覚えておきましょう。
家の売却や住み替えの計画が立てやすくなる
ローンがなくなれば、家に設定されている抵当権も抹消できます。将来、家を売ったり、貸したり、リフォームローンを組んだりするときに、手続きがシンプルになるのもメリットです。
住宅ローンの一括返済を行うデメリット
一方で、一括返済には次のようなデメリットもあります。
手元の資金が減る
いちばん大きなデメリットは、手元の現金が大きく減ることです。急な病気や失業、家の修繕など、まとまったお金が必要になったときに対応できなくなるおそれがあります。
一度返したお金は、原則として借り直せません。手元資金が足りなくなって、住宅ローンより金利の高いカードローンなどを借りることになれば本末転倒です。一括返済は、生活費の半年〜1年分程度の予備資金を残しても、なお余裕がある場合に検討しましょう。
住宅ローン控除が受けられなくなる
住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%が所得税などから差し引かれる制度です。一括返済をすると年末の残高がなくなるため、完済した年から控除は受けられなくなります。
控除期間がまだ残っている場合は、残りの期間に受けられるはずだった控除額と、一括返済で減る利息を比べてみましょう。ローンの金利が0.7%を上回っていれば、一般的には一括返済で減る利息のほうが大きくなります。
手数料がかかる
一括返済には、多くの金融機関で手数料がかかります。金額は無料から数万円までさまざまで、同じ銀行でも手続きの方法や金利タイプによって違うのが厄介なところ。くわしくは次の章で紹介します。
団信の保障がなくなる
ローンを完済すると、団体信用生命保険(団信)の保障もなくなります。団信は、契約者が亡くなったときなどにローン残高を保険金で返済するしくみです。がんや病気の保障が付いた団信に入っていた人は、保障がなくなることもふまえて判断しましょう。必要に応じて、生命保険の見直しも検討してください。
金融機関別繰上返済に必要な手数料
主な金融機関の一括返済(全額繰上返済)の手数料は、次のとおりです。
| 金融機関名 | 一括返済(全額繰上返済)の手数料 |
|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | インターネット 16,500円 店頭窓口 33,000円 |
| 三井住友銀行 | SMBCダイレクト 無料 窓口(書面) 33,000円 |
| みずほ銀行 | 33,000円(店頭のみ) |
| りそな銀行 | 変動金利・全期間固定 11,000円 固定金利特約期間中 33,000円(店頭・テレビ電話のみ) |
| 三井住友信託銀行 | 22,000円(書面のみ) |
| イオン銀行 | 55,000円 |
| ドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行) | 変動金利 無料 固定金利特約期間中 33,000円 |
| auじぶん銀行 | 変動金利 無料 固定金利適用中 33,000円 |
| PayPay銀行 | 33,000円 |
| ソニー銀行 | 無料 |
| 楽天銀行(金利選択型) | 無料 |
| SBI新生銀行 | 無料(一部の商品を除く) |
| フラット35 | 無料 |
| 横浜銀行 | インターネット 無料 窓口 44,000円 |
※2026年10月時点・税込。各金融機関の公式サイトをもとに作成(横浜銀行は比較サイトの掲載値)。商品や契約時期によって異なる場合があるので、手続きの前に必ず確認してください。
一部繰上返済の手数料もあわせて比べたい人は、次の記事を参考にしてください。
3大メガバンク
三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3行は、一括返済の扱いがそれぞれ違います。
三井住友銀行は、インターネットバンキング(SMBCダイレクト)で手続きすれば、一括返済の手数料も無料です。三菱UFJ銀行はインターネットでも16,500円、店頭では33,000円かかります。みずほ銀行は、一括返済をインターネットでは受け付けておらず、店頭で33,000円を払って手続きする必要があるでしょう。
その他銀行
ネット銀行は手数料が安い傾向がありますが、一括返済については差があります。ソニー銀行・楽天銀行・SBI新生銀行は、金利タイプにかかわらず無料です。一方、PayPay銀行は金利タイプにかかわらず33,000円、ドコモSMTBネット銀行とauじぶん銀行は固定金利の期間中だけ33,000円かかります。
イオン銀行は55,000円と、今回比べた中では最も高い金額です。地方銀行は、インターネットなら無料、窓口では数万円という銀行が多く見られます。
フラット35の一部繰上返済
住宅金融支援機構のフラット35は、一括返済も一部繰上返済も手数料がかかりません。どの金融機関で借りたフラット35でも同じです。
一部繰上返済をする場合は、インターネットサービス「住・My Note」なら10万円以上、金融機関の窓口などでは100万円以上から返済できます。
手数料以外にかかる費用
一括返済で必要になるのは、銀行の手数料だけではありません。
| 費用 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 経過利息(未払利息) | 前回の返済日の翌日から一括返済日までの利息 | 残高×金利×日数÷365 |
| 保証会社の事務手数料 | 保証料を前払いした人が、戻し保証料を受け取るときの手数料 | 11,000円程度(戻し保証料から差し引き) |
| 抵当権抹消の登録免許税 | 法務局で抵当権を抹消するときの税金 | 不動産1つにつき1,000円 |
| 司法書士の報酬 | 抵当権の抹消を司法書士に頼む場合 | 1万〜3万円程度 |
経過利息は、住宅ローンの利息が後払いであるために発生します。たとえば残高1,193万円・年1.5%で、前回の返済日から15日後に一括返済すると、経過利息は約7,400円です。ボーナス返済を併用している人は、ボーナス返済分の利息が半年分まとめて精算されるため、金額が大きくなることがあります。
一括返済することで返金されるもの
借りるときに保証料を一括で前払いしている場合は、一括返済をすると保証料の一部が戻ってきます(戻し保証料)。
ただし、戻ってくる金額は、残りの期間に比例するわけではありません。保証料は残高が大きい借入当初の分ほど高く計算されているため、途中で完済しても、戻るのは思ったより少ないのが普通です。戻し保証料からは保証会社の事務手数料や振込手数料が差し引かれ、それより少なければ返金はありません。
保証料の代わりに、借入額の2.2%程度の事務手数料を払う「手数料型」で借りている人は、一括返済をしても戻ってくるお金はありません。自分がどちらのタイプで借りているかは、契約書や返済予定表で確認できます。
一括返済の手数料を節約するコツ
一括返済の費用は、ちょっとした工夫で抑えられることがあります。代表的なのは次の方法です。
- インターネットで手続きする:三井住友銀行や横浜銀行のように、ネットなら一括返済も無料になる銀行がある
- 固定金利の期間が終わってから返す:固定期間中だけ手数料が高くなる銀行では、期間終了後に返すと安くなる
- 毎月の返済日に合わせて返す:前回の返済日から日が浅いほど、経過利息は少なくて済む
- 抵当権の抹消を自分で行う:司法書士の報酬(1万〜3万円程度)を節約できる
ただし、手数料を節約するために一括返済の時期を何か月も遅らせると、その間の利息のほうが高くつくこともあります。たとえば残高1,200万円・年1.5%なら、利息は1か月で約1.5万円です。手数料の差が数万円程度なら、時期を遅らせるメリットはそれほど大きくありません。売却や借り換えで決済日が決まっている場合も、無理に日程をずらす必要はないでしょう。
一括返済の手続き方法と費用
一括返済の手続きは、金融機関によって細かい違いはあるものの、一般的な流れは次のとおりです。
一括返済の申し込み
まず、金融機関に一括返済を申し込みます。インターネットで受け付けている銀行もありますが、店頭や電話、書面でしか受け付けない銀行も少なくありません。申し込みの期限は、返済日の2週間〜1か月前までとされていることが多いので、余裕をもって連絡しましょう。
このとき、一括返済日の残高、経過利息、手数料を合わせた「返済に必要な金額」を確認しておきます。家の売却や借り換えで一括返済する場合は、インターネットでは手続きできず、事前の連絡が必要な銀行も珍しくありません。
一括返済に必要な金額の確認
一括返済に必要な金額は、「返済日時点の元金の残高」「経過利息」「手数料」の合計です。ネット銀行の多くは、インターネットバンキングで返済日を指定すると、必要な金額を試算できます。店頭で手続きする銀行では、申し込みのときに担当者が計算してくれます。
注意したいのは、返済予定表に載っている残高が、毎月の返済日時点の金額だという点です。一括返済日が返済日とずれていれば、経過利息のぶんだけ必要な金額は増えます。家の売却で一括返済する場合は、銀行から受け取った正確な金額を不動産会社にも伝えておくと、決済当日の精算がスムーズに進むでしょう。
一括返済の実行
一括返済日の前日(または当日の指定時刻)までに、返済用の口座に必要な金額を入金しておきます。当日、口座から引き落とされれば、ローンは完済です。
入金が1円でも足りないと、引き落としができず、一括返済が実行されないことがあります。経過利息の計算が変わることもあるため、少し多めに入金しておくと安心です。
一括返済の完了
完済すると、金融機関や保証会社から、抵当権を抹消するための書類が届きます(窓口で受け取る場合もあります)。主な書類は、抵当権の解除証書、登記識別情報(または登記済証)、金融機関の委任状、資格証明書や会社法人等番号などです。
書類の中には、資格証明書のように発行から3か月以内のものが必要な書類もあります。届いたら、早めに抵当権抹消の手続きを進めましょう。
一括返済にかかる費用の例
3,500万円を年1.5%・35年で借りて、25年後(残高約1,193万円)に窓口で一括返済したケースで、費用をまとめると次のようになります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 一括返済の手数料(窓口で33,000円の銀行の場合) | 33,000円 |
| 経過利息(前回の返済日から15日後に返済) | 約7,400円 |
| 抵当権抹消の登録免許税(土地と建物) | 2,000円 |
| 司法書士の報酬(依頼する場合) | 約2万円 |
| 合計 | 約6.2万円 |
※司法書士の報酬は依頼先によって異なり、経過利息は返済のタイミングで変わります。
この時点で一括返済すると、払わずに済む利息は約92万円です。費用を差し引いても、約86万円の節約になる計算です。インターネットで手数料無料の銀行なら、効果はさらに大きくなります。
一括返済を検討するタイミング
一括返済を考えたいのは、次のようなタイミングです。
資金に余裕がある
退職金や相続、ボーナスの積み立てなどで、まとまった資金が手元にあるときは、一括返済を検討できます。ただし、予備資金や、子どもの教育費・老後の生活費など、使い道が決まっているお金まで返済にあてるのは避けましょう。
退職金で一括返済する場合は、老後の生活費が足りるかどうかも確かめておくことが大切です。年金と貯蓄で暮らしていけるか、医療や介護の費用も含めて試算してから判断しましょう。
返済総額を減らしたい
金利が上がって利息の負担が重くなってきたときも、一括返済を考えるきっかけになります。2026年は変動金利の基準金利が引き上げられ、借りたときより適用金利が上がっている人も少なくありません。金利が高いほど、一括返済で減らせる利息は大きくなります。
返済期間を短縮したい
定年までにローンを終わらせたい、老後にローンを持ち越したくないという場合も、一括返済は有力な選択肢です。全額を返すのが難しければ、一部繰上返済で期間を短くしておき、退職金などで残りを一括返済するという方法もあります。
家を売るとき・借り換えるとき
家を売るときは、決済の日に買主から受け取る売却代金でローンを一括返済し、同時に抵当権を抹消するのが一般的です。銀行への連絡や書類の受け取りは、不動産会社や司法書士と日程を合わせて進めます。
売却代金でローンを返しきれない「オーバーローン」の場合は、不足分を手元資金で補わなければなりません。手元資金で足りないときは、住み替えローンの利用や、金融機関の同意を得て売る任意売却を検討することになります。
借り換えの場合は、新しい金融機関から借りたお金で今のローンを一括返済します。今の銀行への一括返済手数料も借り換えの費用になるので、金利の差だけでなく、手数料を含めた総額で効果を比べましょう。
住宅ローンを一括返済する際の注意点
一括返済をするときは、次の点に注意しましょう。
資金計画を立てる
一括返済で手元資金が大きく減ると、その後の家計に影響します。一括返済をしたあとも、生活費の半年〜1年分の予備資金が残るかどうかを確認しましょう。
迷う場合は、全額ではなく一部繰上返済にとどめる方法もあります。期間短縮型で返済期間を短くしておけば、手元資金を残しながら利息を減らすことも可能です。
金融機関との連絡を密にする
一括返済は、申し込みの期限や受付方法が金融機関によって違います。必要な金額も、経過利息を含めて日によって変わるため、返済日が決まったら早めに銀行へ連絡し、正確な金額を確認しましょう。
家の売却に合わせて一括返済する場合は、決済日の数週間前には銀行へ伝えておく必要があります。抵当権抹消の書類を決済日に受け取れるよう、不動産会社や司法書士とも日程を調整しておきましょう。
問い合わせ先は、返済予定表や銀行のウェブサイトに載っている住宅ローンの専用窓口です。年度末や連休前は手続きが混み合うこともあるため、一括返済を決めたら、その時点で一報を入れておくと安心です。
税務上の対応をする
一括返済をした年は、年末のローン残高がないため、住宅ローン控除は受けられません。会社員で年末調整をしている人は、その年の年末調整で住宅ローン控除の申告書を出さないようにします。
翌年以降も控除の対象にはならないので、金融機関から年末残高証明書が届かなくなっても心配はいりません。なお、一括返済そのものに税金がかかることはありません。
住宅ローンの一括返済後の手続きまとめ
一括返済が終わったら、次の手続きを忘れずに行いましょう。
抵当権の抹消
住宅ローンを完済しても、家に設定されている抵当権の登記は自動では消えません。金融機関から届いた書類を使って、法務局で抵当権抹消登記を申請する必要があります。
自分で申請すれば、費用は登録免許税(不動産1つにつき1,000円)と、登記事項証明書の取得費などで済むため、数千円程度です。司法書士に頼む場合は、別に1万〜3万円程度の報酬がかかります。法律上の期限はありませんが、書類の有効期限が切れたり、将来の売却で手間が増えたりするため、早めに済ませておきましょう。
火災保険の見直し
住宅ローンを借りるときに、火災保険の保険金に金融機関の「質権」を設定している場合があります。完済したら、保険会社に連絡して質権を外す手続きをしましょう。
ローンを借りるときの条件として加入した火災保険は、補償内容が今の暮らしに合っていないこともあります。完済をきっかけに、補償の範囲や保険金額を見直すのもおすすめです。ただし、火災保険そのものは、ローンがなくなっても必要な保険なので、解約はしないようにしましょう。
団信や引き落とし口座の確認
団信の保障は、完済と同時に終わります。団信を当てにして生命保険を減らしていた人は、保障が足りているかを確認しましょう。
また、返済用口座の自動引き落としが止まっているか、最後の返済予定表で確認しておくと安心です。ローン専用に作った口座が不要になれば、解約も検討しましょう。
住宅ローンの繰上返済について
住宅ローンでは、毎月の返済とは別に、まとまった資金ができたときに前倒しで返すことができます。残高の一部を返す「一部繰上返済」と、全額を返す「一括返済」の2つです。
一部繰上返済には2つのやり方がある
一部繰上返済をしたあとは、返済期間を短くする「期間短縮型」か、毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」かを選べます。一括返済とは違い、返済後もローンは続きます。
| 返済額軽減型 | 返済期間はそのままで、毎月の返済額を減らす。教育費がかかる時期など、毎月の負担を軽くしたいときに向いている |
|---|---|
| 期間短縮型 | 毎月の返済額はそのままで、返済期間を短くする。利息を減らす効果が大きく、早く完済したいときに向いている |
一部繰上返済の手数料は、インターネットなら無料の金融機関がほとんどです。選び方やシミュレーションは、次の記事でくわしく解説しています。
住宅ローンの一部繰上返済について
一括返済をするか迷っている人は、一部繰上返済と比べてみるのも一つの方法です。
一括返済と一部繰上返済のどちらを選ぶ?
まとまった資金があっても、全額を返すか一部にとどめるかで迷う人は多いはずです。主な違いをまとめると、次のようになります。
| 項目 | 一括返済 | 一部繰上返済 |
|---|---|---|
| 返済後のローン | なくなる | 残る |
| 手数料 | 無料〜55,000円 | ネットなら無料が多い |
| 手元資金 | 大きく減る | 返す額を調整できる |
| 住宅ローン控除 | 完済した年から受けられない | 残高に応じて受けられる |
| 団信の保障 | なくなる | 続く |
| 抵当権の抹消 | 必要 | 不要 |
手元資金に十分な余裕があり、控除期間も終わっているなら、一括返済ですっきりさせるのも一つの方法です。予備資金が心もとない場合や、控除期間がまだ長く残っている場合は、一部繰上返済で様子を見るほうが安心かもしれません。
住宅ローン控除と一部繰上返済
一部繰上返済なら、ローンが残るため、住宅ローン控除を受け続けられます。ただし、年末の残高が減る分、控除額も減ります。
また、期間短縮型で返済した結果、最初の返済日から最終返済日までの期間が10年未満になると、その年以降は控除を受けられません。控除期間中に繰上返済をするときは、返済後の最終返済日を確認しておきましょう。
かつては、ローンの金利が控除率を下回る「逆ざや」の人が多く、控除期間が終わるまで繰上返済を待つのが定番でした。いまは金利の上昇で、適用金利が控除率の0.7%を上回る人が増えています。自分の金利を確認したうえで判断しましょう。
家の売却でローンを一括返済したい人へ
「住み替えのために家を売りたいけれど、ローンが残っている」「売却代金でローンを返しきれるかわからない」。そんなときは、まず家がいくらで売れそうかを知ることが出発点です。売却価格とローン残高を比べれば、一括返済できるか、手元にいくら残るかが見えてきます。
株式会社レクソルでは、東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県を中心に、家・土地・マンションの売却相談を受け付けています。仲介での売却だけでなく、当社による直接買取やリースバックにも対応しているので、「早く売りたい」「売ったあとも住み続けたい」といったご希望にもお応えできるはずです。ローンの一括返済や抵当権抹消の段取りも、司法書士と連携して進めます。
家を売りたいと考えている方へ
住宅ローンの一括返済に関するよくある質問
一括返済の手数料は残高によって変わりますか?
今回紹介した金融機関では、一括返済の手数料は残高にかかわらず定額です。ただし、固定金利の期間中に一括返済すると手数料が高くなる銀行や、ローンの種類によって違う手数料が設定されている場合もあるので、契約内容を確認しましょう。
一括返済はいつでもできますか?
基本的にはいつでもできますが、申し込みの期限や、返済日として指定できる日が決まっています。返済日の2週間〜1か月前までに申し込むのが一般的です。
一括返済すると、払った保証料は戻ってきますか?
保証料を一括で前払いしている場合は、一部が戻ってきます。ただし、保証会社の事務手数料などが差し引かれるため、思ったより少ない金額になるのが普通です。保証料なしで事務手数料を払う「手数料型」のローンでは、戻ってくるお金はありません。
退職金で一括返済しても大丈夫ですか?
老後の生活費や医療・介護の費用を差し引いても十分に余裕があるなら、選択肢の一つです。退職金は老後の生活を支える大切なお金なので、年金と貯蓄で暮らしていけるかを試算してから決めましょう。全額ではなく、一部繰上返済で完済時期を早める方法もあります。
抵当権の抹消は自分でできますか?
できます。金融機関から届いた書類と申請書を、法務局に提出すれば手続きは完了です。費用は登録免許税(不動産1つにつき1,000円)などで、司法書士に頼むより安く済みます。手続きに不安がある人や、売却と同時に手続きする場合は、司法書士に依頼するのが一般的です。
借り換えのときも一括返済の手数料はかかりますか?
かかります。借り換えでは、新しい金融機関から借りたお金で今のローンを一括返済するため、今の銀行の一括返済手数料が必要です。新しいローンの事務手数料や登記費用もかかるので、借り換えの効果は、これらの費用を差し引いて判断しましょう。
一括返済したあと、年末調整や確定申告で何か手続きは必要ですか?
完済した年は年末の残高がないため、住宅ローン控除は受けられません。年末調整で控除の申告書を出さないようにすれば、特別な手続きは不要です。一括返済をしたことで、税金が新たにかかることもありません。
まとめ|繰上返済・一括返済には手数料の支払いがある
住宅ローンの一括返済には、多くの金融機関で手数料がかかります。金額は無料から55,000円までと幅があり、インターネットで手続きできるか、変動金利か固定金利かによっても変わります。
手数料のほかにも、経過利息や抵当権抹消の費用がかかりますが、残りの利息がまとめてなくなる効果とくらべれば、多くの場合は小さな金額です。一方で、手元資金が減る、住宅ローン控除や団信がなくなるといった点もふまえて判断することが大切です。
一括返済をしたら、抵当権の抹消と火災保険の質権の解除を忘れずに行いましょう。家の売却で一括返済を考えている人は、まず家がいくらで売れるかを確認するところから始めてみてください。








