空き家の売却方法を解説!手放すまでの流れ・税金・費用相場も紹介
空き家を手放したいと思っても、どうすればいいのかわからない人は多いでしょう。空き家の売却は、建物や設備の状態、売り出す価格設定や売却方法をはじめ、様々な要素を考慮する必要があります。
また、空き家の放置は劣化や不法投棄などのトラブルの原因にもなるため、使う予定のない空き家は早めに売却することがおすすめです。しかし、空き家を売却するにはどうすればいいのでしょうか?
本記事では、空き家売却の方法や手放すまでの流れ、売却に必要な費用や税金、空き家売却時の注意点などを詳しく解説します。空き家の売却に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
家を売りたいと考えている方へ
空き家を売却する6つの方法
空き家を所有している方の中には、相続や転居などの理由で手放したいと考えている方も多いでしょう。しかし、空き家を売却するにはどのような方法があるのでしょうか。以下では、空き家を売却する6つの方法と各々のメリット・デメリットを紹介します。
- 空き家をそのままの状態で売却
- 築20年以内は中古住宅で売却
- 築20年以上は古家付き土地で売却
- 建物の劣化が酷い場合は解体・更地にして売却
- 早く売るなら不動産会社の買取に依頼して売却
- 空き家バンクを利用して売却
空き家の状態 | 最適な方法 |
---|---|
築20年以内 | 中古住宅で売却 |
築20年以上 | 古家付き土地で売却 |
建物の劣化が酷い | 解体・更地にして売却 |
早く売りたい | 不動産会社の買取 |
空き家をそのままの状態で売却
空き家をそのままの状態で売却する方法は、解体費用やリフォーム費用をかけずに販売できるので、出費を抑えることができます。しかし、建物や設備の状態が悪いと買主が見つかりにくくなったり、空き家に不審者が入ったりするリスクもあります。
また、築年数が20年以上経っていると建物の価値はほとんどなくなってしまうので、古家付き土地として売却することになるでしょう。
築20年以内は中古住宅で売却
築20年以内の空き家は、中古住宅として売却することができます。中古住宅は、買主としては新築住宅よりも安く購入できるメリットがありますが、売主としては建物の状態や設備の劣化などによって価格が下がる可能性もあります。そのため、売却前に必要最低限のリフォームや清掃を行うことが望ましいです。
例えば、水回りや設備の点検・修理、外壁や屋根の塗装・補修、清掃などです。ある程度の費用がかかりますが、それでも中古住宅として売却した方が、古家付き土地として売却するよりも高く売れることが多いでしょう。
築20年以上は古家付き土地で売却
築20年以上経っている空き家は、建物の価値がほとんどなくなってしまうため、古家付き土地として売却することになります。古家付き土地は、建物を解体して土地を更地にした場合よりも安く販売されることが多いです。しかし、建物解体の費用や手間を買主に任せることができるメリットもあります。
また、建物があることで敷地内に入れない場合や再建築不可物件の場合は、大手不動産会社などでは売却が難しくなるでしょう。
建物の劣化が酷い場合は解体・更地にして売却
建物の劣化が酷くて修繕やリフォームが困難な場合は、解体して更地にしてから売却する方法もおすすめです。建物解体の時間や費用、リスクを自分で負う必要がありますが、一般的に古家付き土地よりも高く早く売却できる可能性が高まります。
更地は買主がすぐに建物を建てられるメリットがあるので、古家付き土地よりは需要が高いからです。ただし、解体する前に再建築不可の土地でないか確認する必要があります。
早く売るなら不動産会社の買取に依頼して売却
とにかく空き家を早く売りたい場合は、不動産会社が直接空き家を買い取ってくれる買取サービスに依頼する方法が最適です。買取のメリットは、買主を探す手間や時間がかからないことや、売却完了までの期間が短いことです。一方、買取のデメリットは、一般的に市場価格よりも安くなります。
不動産会社は、空き家を買い取った後に再販するため、市場価格よりも安く買いたたく傾向があります。そのため、高く売りたい場合は、仲介で売却する方が良いでしょう。
空き家バンクを利用して売却
空き家バンクとは、地方公共団体や民間企業が運営する空き家の情報提供サービスです。空き家バンクに登録すると、ホームページやポータルサイトなどで空き家の情報が公開され、空き家を借りたい方や購入希望者とのマッチングが可能になります。
空き家バンクのメリットは、登録料や仲介手数料が無料または安価であることや、地域の人や移住希望者などにアピールできることです。一方、空き家バンクのデメリットは、登録できる物件に条件があることや、購入希望者が見つかるまでに時間がかかることです。また、登録しただけでは売れる保証がないことです。
基本的には空き家を貸したい人と借りたい人を、賃貸や購入に繋げるサービスとなっているため、売却または賃貸を視野に入れている場合に検討すると良いでしょう。
以上が、空き家を売却する6つの方法です。空き家の築年数や状態、売却期間や価格などによって変わります。自分の空き家に最適な方法を選ぶためには、空き家の売却経験が豊富で古い物件や少々難しい物件にも強い不動産会社に相談することが大切です。
使う予定のない空き家は早めに売却すべき理由
使う予定が一切なく、手放したいと考えている空き家がある場合、できるだけ早く売却した方がいい理由があります。一切使用しない空き家を持ち続けると、具体的には以下のようなデメリットがあります。
- 固定資産税や管理費などの維持費がかかる
- 空き家は劣化しやすく、修繕費用や解体費用がかかる
- 空き家は火災や犯罪などのトラブルの原因になる
- 空き家は近隣住民や自治体から苦情や指導を受ける
- 空き家放置は資産価値が下がり売却しにくくなる
固定資産税や管理費などの維持費がかかる
空き家は、不要でも所有しているだけで固定資産税や管理費などの維持費がかかります。固定資産税は、土地と建物の価格に応じて毎年納付する必要があります。管理費としては、水道料金やガス料金、電気料金などの公共料金や、草刈りや清掃などの外構費用が発生します。維持費は、空き家を利用しなくても支払わなければならず、無駄な出費となります。
空き家は劣化しやすく、修繕費用や解体費用がかかる
一般的な木造の空き家は、長期間放置すると劣化しやすくなります。屋根や壁、床などの建物本体はもちろん、水回りや設備なども老朽化していきます。特に日本の気候は湿度が高く、カビやシロアリなどの被害にもさらされやすいです。劣化した空き家を修繕するには、高額な費用がかかります。
また、修繕する価値がないほど劣化している場合は、空き家を解体して更地化する必要がありますが、解体するにも工事費用がかかります。解体費用は、建物の規模や構造、立地条件などによって変わりますが、一般的に一軒家であれば百万円~数百万円程度と言われています。
木造の場合は、地域によっても多少の差はありますが、解体工事にかかる坪単価(建坪)は4万円~5万円程度が目安です。
坪数 | 費用相場 |
---|---|
20坪 | 80万円~100万円 |
30坪 | 120万円~150万円 |
40坪 | 160万円~200万円 |
50坪 | 200万円~250万円 |
出典元:建物の構造別、物件の種類別で知る解体工事費用・坪単価相場まとめ
空き家は火災や犯罪などのトラブルの原因になる
空き家を放置してしまった場合は、火災や犯罪などのトラブルの原因を抱えることになります。空き家は、長期間放置されていることで、電気やガスなどの設備が劣化したり、不法侵入や放火などの被害に遭ったりするリスクが生じます。
空き家の所有者や周辺住民にとって大きなリスクとなりますし、万が一トラブルの発生源となった際は、空き家の所有者に責任が問われることも考えられます。
空き家は近隣住民や自治体から苦情や指導を受ける
放置空き家は、近隣住民や自治体から苦情や指導を受けることもあり、無視し続けてしまうと最悪の場合は行政代執行などの対象になります。
老朽化してきている空き家は、見た目が悪く景観を損なうだけでなく、衛生面や安全面でも問題があります。空き家には、害虫や野生動物が住み着いたり、ゴミや雑草が溜まりやすく、近隣住民の生活環境や健康に影響を与えるためです。
また、放置空き家は崩れることなども考えられ、地域の防犯や防災にも支障をきたします。空家等対策特別措置法によって自治体から勧告や命令を受けると、所有者は対応する義務が発生します。
空き家放置は資産価値が下がり売却しにくくなる
空き家を放置すると、建物の劣化が進むなどして資産価値が下がり、買主からの需要が低くなります。建物の劣化は、物件の価値を下げるだけでなく、修繕費用や解体費用を増やすことにも繋がります。
また、需要が低くなるということは、売却価格が下がったり、売却に時間がかかったりすることを意味します。需要が低い場合は、土地だけの価格で売却することも考えられますが、その場合は解体費用などがかかります。
上記のデメリットを避けるためには、使う予定のない空き家は早めに売却することが賢明です。
手放したい空き家を売却する流れ
空き家を手放したいものの、具体的な売却完了までの手順が分からないという方は少なくありません。おおまかな手順さえ分かってしまえば、流れに沿って行うだけで売却を終えることができます。以下では、空き家を売却する方法と流れについて確認していきましょう。
- 空き家の価格査定
- 仲介業者決定・媒介契約
- 売り出し価格の決定・売却開始
- 買主と交渉・売買契約の締結
- 引き渡し・残代金受領
- 確定申告・税金の支払い
空き家の価格査定
空き家の売却では、最初に不動産会社などに依頼して物件の価格査定を行います。査定では、3ヶ月程度で売却できるとされる価格を出すことが多いです。査定額については、空き家の場所や広さ、築年数、状態などによって変わります。不動産会社によっても査定額は異なるため、複数の不動産会社に査定してもらうことがおすすめです。
不動産の査定には、簡易査定と訪問査定の2種類があります。簡易査定は、インターネットや電話で物件の情報を伝えて、大まかな価格を知る方法です。訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に物件を見て、詳細な価格を知る方法です。訪問査定の方がより正確な価格がわかりますが、時間や手間がかかります。
査定額はあくまで目安であり、実際の売却価格とは異なる場合があることを留意しておきましょう。売却価格は、市場の需要や供給、買主との交渉などによって決まるため、査定額よりも高く売れることもあれば、低く売れることもあります。
仲介業者決定・媒介契約
価格査定後に、空き家の売却を依頼する不動産会社を決めます。不動産会社を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 古家・空き家売却に強いかどうか
- 査定額や手数料が適正かどうか
- 担当者との相性や信頼感があるかどうか
不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。媒介契約とは、不動産会社と売主との間で結ぶ契約で、不動産会社に売却活動を依頼することを意味します。媒介契約には以下の3種類があります。
一般媒介契約
複数の不動産会社に依頼できるものの販売力が低い。
専任媒介契約
1社だけに依頼することになるが販売力が高い。
専属専任媒介契約
1社だけに依頼する上に、自分で買主を探すこともできないが、販売力が最も高い。
一般的には、専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合、不動産会社の販売力が高くなるため、売却の成功率が高まると言われています。しかし、契約の種類によっては、手数料や違約金などの条件が異なる場合があるので、契約内容をよく確認しましょう。
売り出し価格の決定・売却開始
媒介契約を結んだら、空き家の売り出し価格を決めます。売り出し価格は、査定額を参考にしつつ、不動産会社と相談して決めます。売り出し価格は、市場の動向や競合物件の状況などによって変更することも多いです。
売り出し価格を決めたら、空き家の販売活動が始まります。販売活動には以下のような方法があります。
- 不動産ポータルサイトへの掲載
- 不動産会社のホームページへの掲載
- チラシやダイレクトメールの配布
- 不動産購入検討者への紹介
販売活動中には、不動産会社から定期的に進捗状況やアドバイスを受けることができます。また、購入希望者から内覧の依頼があれば、空き家を見せることになります。内覧では、空き家の清掃や整理整頓を行っておくことが大切です。
買主と交渉・売買契約の締結
買主となる購入希望者が見つかったら、価格や引き渡し時期などの条件を交渉します。買主との交渉は不動産会社が仲介して行われます。仲介業者を通して交渉で合意が成立したら、売買契約を締結します。売買契約では、以下の書類や手続きなどが必要です。
本人確認書類
運転免許証やパスポートなど、本人であることを証明するために必要です。
実印
不動産売買契約書や登記申請書に押印するために必要です。
印鑑証明書
実印であることを証明するために必要です。3か月以内に発行されたものが必要です。
登記事項証明書
物件の登記簿の内容を証明するために必要です。3か月以内に発行されたものが必要です。
固定資産税納税証明書
固定資産税を納めていることを証明するために必要です。1年以内に発行されたものが必要です。
建物構造図
物件の構造や面積などを示す図面です。建築確認申請時に作成されたものが必要です。
建築確認済証
物件が建築基準法に適合していることを示す証明書です。建築確認申請時に交付されたものが必要です。
抵当権抹消登記申請書
物件に抵当権が設定されている場合は、抵当権を抹消するために必要です。金融機関から登記識別情報や抵当権解除証書などを受け取り、司法書士に依頼して作成します。
売買契約では、重要事項説明書や物件状況報告書などの書類を確認した上で、契約書に署名捺印します。また、売買代金の一部(通常10%程度)を手付金として受け取ります。
物件引き渡し・残代金受領
売買契約後、空き家の引き渡しまでに必要な手続きを行います。主に以下の3つの手続きが必要です。
- 登記の対応
- 物件の確認
- 退去・解体
登記の対応
売却する土地や物件に抵当権が設定されている場合は、抵当権を抹消しておきます。また、売主から買主に所有権を移転するために、司法書士などに依頼して登記手続きをします。
物件の確認
売却する物件の形状や間取り、付帯設備の有無や状態などが契約内容と同じかどうか、売主と買主、不動産会社が立ち会って現地で確認します。特に土地や一戸建ての場合は、隣地の所有者との境界の確認が重要です。
退去・解体
売却する物件から残置物などの不要なものを撤去し、引き渡し当日までには買主に引き渡せる状態にしておきます。更地で引き渡す場合は、解体も必要です。解体には費用と時間がかかるため、引き渡し日から逆算してスケジュール調整を行います。
空き家の引き渡し後、残りの売買代金を受け取ります。残代金は、売主と買主が直接売買した場合はやり取りすることもありますが、仲介であれば不動産会社が買主から預かっています。
確定申告・税金の支払い
空き家を売却した場合、譲渡所得税が発生します。譲渡所得税は、空き家の売却益(売却価格から諸経費等を差し引いた額)にかかる税金です。譲渡所得税は、翌年2月16日から3月15日までに確定申告を行い、納付する必要があります。
確定申告では、必要な書類や領収書などを用意して、税務署やインターネットで申告します。確定申告を行ったら、税金の支払いを行います。
以上が、手放したい空き家を売却する流れとなります。空き家の売却を検討している段階で、ある程度の書類などを準備しておくと良いでしょう。
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空き家を売却する際には、ある程度の目安となる相場を知っておくことが大切です。相場を知ることで、適正な価格で売却できるだけでなく、不動産会社や買主との交渉にも多少有利になります。しかし、空き家の相場は、物件の状態や立地、市場の動向などによって変動するため、一概には全く同じになるとは言えません。
以下では、空き家の相場を調べる方法や相場に影響する要因について確認していきましょう。
空き家の相場はどう決まる?
空き家の相場は、同じような条件の空き家が売買された際の価格平均値や範囲を算出目安にしています。空き家の相場は、おおまかには以下の要素によって決まります。
- 土地の価値
- 建物の価値
- 市場の需要と供給
土地の価値
土地の広さや形状、利便性や景観など。
建物の価値
建物の広さや間取り、築年数や構造、設備や状態など。
市場の需要と供給
不動産市場のニーズや季節、金利や税制など。
空き家の相場は、上記の要素が組み合わさって決まるため、似たような物件だったとしても全く同じではありません。また、空き家は築古物件が多く、建物の価値が低い場合が多いため、周辺状況や土地の価値が大きく影響します。
空き家の相場を調べる方法
空き家の相場を調べる方法はいくつかありますが、現代向きのネットで簡単にできる3つの方法を紹介します。
- 不動産ポータルサイトを活用する
- 一般人向けのREINSを利用する
- 土地総合情報システムを利用する
不動産ポータルサイトを活用する
SUMOやLIFULL HOME’S、アットホームなどの不動産ポータルサイトでは、売り出し中の物件情報が掲載されています。そこで周辺地域の同じような条件(土地面積や建物面積、築年数など)の物件を見れば、大体いくらで売れるかをイメージしやすくなります。
ただし、不動産ポータルサイトに掲載されている価格はあくまで売り出し価格であり、実際に成約された価格とは異なる可能性があります。また、内部や周辺環境など細かい情報は分からないため、あくまで参考程度にしましょう。
一般人向けのREINSを利用する
REINS(レインズ)は国土交通大臣指定不動産流通機構が運営する不動産データベースで、不動産会社が利用しているものです。その中のREINS Market Informationというサイトでは、一般の人も過去の成約事例を絞り込み検索できます。
REINS Market Informationでは、物件の種類や地域、築年数や面積などの条件を指定して検索できます。直近1年間の取引価格がグラフで表示されたり、指定した期間で成約した物件のデータが多数出てきたりします。
ただし、REINS Market Informationでは、物件の詳細な情報や写真は見ることができません。また、一部の地域や物件はデータが少ない場合があるため、あくまで参考程度にしましょう。
参考リンク:不動産取引情報提供サイト|REINS Market Information
土地総合情報システムを利用する
土地総合情報システムは国土交通省が運営するデータベースで、過去5年間の成約事例を間取りや構造別に見ることができます。
土地総合情報システムでは、物件の種類や地域、築年数や面積などの条件を指定して検索できます。指定した期間で成約した物件のデータが多数出てきます。
ただし、土地総合情報システムでは、物件の詳細な情報や写真は見ることができません。また、一部の地域や物件はデータが少ない場合があるため、あくまで参考程度にしましょう。
空き家の相場に影響する要因
空き家の相場は上記の方法で調べることができますが、売却する際にはさまざまな要因によって価格が変動することがあります。空き家の相場に影響する主な要因は以下の通りです。
内部や周辺環境
空き家の内部や周辺環境は、相場に大きく影響します。主に以下のような場合は価格が下がります。
- 内部にカビやシロアリなどの被害がある
- 内部に汚れや傷みなどの劣化がある
- 周辺に工場や高速道路などの騒音や臭気源がある
- 周辺にゴミ屋敷や空き家などの景観を損ねるものがある
一方、以下のような場合は多少価格が上がります。
- 内部にリフォームや改装済みなどの付加価値がある
- 内部に床暖房やオール電化などの設備がある
- 周辺に公園や商業施設などの生活利便施設がある
- 周辺に駅やバス停などの交通アクセスがある
内部や周辺環境は、実際に物件を見て判断することができます。そのため、不動産会社や買主の目線に立って、物件の良い点や悪い点を把握しておくことが大切です。
市場の需要と供給
空き家の相場は、市場の需要と供給のバランスによっても変動します。市場の需要と供給は、時期や景気などによって変化します。そのため、空き家を売却するタイミングを見極めることも重要です。
一般的には、1月~2月に内見などを行った購入希望者が、転勤や引越し前の2~3月に購入することが多いため、売り出す時期の目安になります。
以上が、空き家の相場を調べる方法と空き家の相場に影響する要因になります。空き家を売る際は、不動産ポータルサイトや一般人向けのREINS、土地総合情報システムなどを利用して売却金額の目安を知った上で、一括査定を行いましょう。また、3月の成約を目標に売り出し開始できるよう準備することをおすすめします。
空き家の売却相談するなら経験豊富な不動産会社
空き家を売却する際には、相場や各種手続きで必要になるものなど、一定の不動産売買知識が必要です。自分自身で買主を見つけて空き家を売却するのでなければ、経験豊富な不動産会社に相談することがおすすめです。
以下では、空き家の売却相談する際、経験豊富な不動産会社に依頼するメリットや選び方について確認していきましょう。
空き家の売却相談するメリット
不動産会社に空き家の売却相談をすることで、以下のようなメリットがあります。
- 適正な価格で売却できる
- 早く売却できる
- 手間やリスクを減らせる
適正な価格で売却できる
不動産会社は、物件の状態や周辺環境、市場の動向などを考慮して、適正な価格を査定してくれます。また、不動産会社によって査定額は多少異なるため、複数の不動産会社に査定依頼をすることで、最高額がいくらなのか分かります。
早く売却できる
不動産会社は、自社のホームページや不動産ポータルサイトなどで物件を広告宣伝を行います。また、自社の顧客や提携先の不動産会社などにも物件を紹介するため、多くの買主候補に空き家を見てもらうことができます。
手間やリスクを減らせる
不動産会社は、物件の見学や契約書の作成、買主との各種交渉などの手続きも代行します。不動産会社に依頼することで、売主は手間やリスクを減らすことができます。
空き家の売却を相談する際の注意点
不動産会社に空き家の売却相談をして依頼する際には、以下のような注意点があります。
相場や手続きについて自分である程度調べておくこと
不動産会社に相談する前に、空き家の売却価格や手順について基本的な知識を持っておくと、騙されるリスクを減らせます。
空き家の状態や立地に応じて相談先を選ぶこと
空き家が過度に劣化している場合や僻地にある場合は、一般的な不動産会社では買い手が見つかりにくい可能性があります。そのような場合は、専門的な不動産会社や自治体に相談することで、解体や買取のオプションが出てくるかもしれません。
空き家のある地域の不動産会社に相談すること
空き家の所在エリアの知識が乏しい不動産会社に相談すると、相場以下での売却や、長い間買い手が見つからない可能性があるので注意が必要です。空き家のある地域の不動産会社なら、そのエリアの需要や特徴を把握しており、適切な価格設定や販売戦略を提案してくれます。
空き家を売却する際には、大手は避けて少々難しい物件でも対応可能な不動産会社に相談することをおすすめします。不動産会社に相談することで、適正な価格で早く売却できるだけでなく、手間やリスクを減らすことができます。
不動産会社によって査定額やサービス内容は異なるため、複数の不動産会社に査定依頼をして、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
空き家売却の際にかかる費用・税金
空き家を売却する際には、さまざまな費用や税金がかかります。空き家売却時にかかる費用や税金は、物件の価格や状態、所有期間などによっても変わります。
以下では、空き家売却の際にかかる費用や税金について確認していきましょう。
空き家の売却にかかる費用
空き家の売却にかかる費用は、主に以下の通りです。
- 仲介手数料
- 解体費用
- 登記・抵当権抹消費用
- 測量費用
- 残置物の処分費用
仲介手数料
不動産会社に仲介してもらう場合は、仲介手数料がかかります。仲介手数料は物件価格の取引額ごとにパーセンテージが定められています。
解体費用
空き家を更地にする場合は、解体費用がかかります。解体費用は建物の構造や坪数によって変わりますが、木造であれば4~5万円/坪(建坪)程度が目安です。
登記・抵当権抹消費用
空き家を売却する際には、登記や抵当権の抹消などの手続きが必要です。登記や抵当権の抹消手続きには、登記費用や司法書士への報酬などがかかります。
測量費用
空き家を売却する前に、土地の境界や面積を確定するために測量を行う場合は、測量費用がかかります。測量費用は土地の形状や規模によって変わりますが、一般的な住宅用地の現況測量なら約10~20万円、土地の売却時に必要な確定測量なら約40~50万円程度が目安です。
残置物の処分費用
空き家に荷物やゴミなどが残っている場合は、処分費用がかかります。処分費用は残置物の量や種類によって変わりますが、一軒家であれば15~30万円程度が目安です。
空き家の売却後にかかる税金
空き家の売却後にかかる税金は、主に以下の通りです。
- 登録免許税
- 印紙税
- 譲渡所得税(所得税と住民税)
- 復興特別所得税
- 固定資産税
- 都市計画税
登録免許税
登録免許税は、不動産の所有権や抵当権などの権利を登記する際に、登記所(法務局)に納付する税金です。空き家を売却する場合、売主は所有権移転登記の登録免許税を負担することになります。
登録免許税の金額は、不動産の評価額に応じて決まります。評価額は、固定資産税評価額や路線価などをもとに算出されます。所有権移転登記の場合、評価額の2%が登録免許税として課されます。
例えば、空き家の評価額が5,000万円だった場合、登録免許税は5,000万円×2%=100万円となります。登録免許税の金額は売主が支払うことになります。
参考リンク:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁
印紙税
空き家を売却する際に作成する契約書や譲渡証明書などに印紙税がかかります。印紙税は売却価格によって変わりますが、本則税率は400円~60万円となります。
不動産の譲渡に関する契約書に関して、平成26年4月1日から令和6年3月31日までの間に作成されるものについては、軽減後の税率が適用されます。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円を超え 50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下のもの | 1千円 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下のもの | 2千円 | 1千円 |
500万円を超え 1千万円以下のもの | 1万円 | 5千円 |
1千万円を超え 5千万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超え 1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
5億円を超え 10億円以下のもの | 20万円 | 16万円 |
10億円を超え 50億円以下のもの | 40万円 | 32万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 | 48万円 |
譲渡所得税(所得税と住民税)
空き家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、譲渡所得税(所得税と住民税)がかかります。譲渡所得税は譲渡所得に応じて課税されますが、所有期間や住宅ローンの残高などによって税率や控除額が変わります。
復興特別所得税
空き家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、復興特別所得税もかかります。復興特別所得税は、譲渡所得税(基準所得税額)の2.1%となります。
固定資産税
空き家を保有している間は、固定資産税がかかります。固定資産税は自治体によって異なる場合がありますが、一般的には固定資産評価額×1.4%となります。
都市計画税
空き家を保有している間は、都市計画税もかかります。都市計画税は不動産の価値によって変わりますが、一般的には課税標準額×制限税率0.3%となります。
費用と税金を抑える対策
空き家の売却にかかる費用や税金は、以下のような対策で抑えることができます。
解体費用を節約する
空き家を解体して更地の状態にする場合は、解体業者を比較して安い業者を選んだり、立派な梁などがあれば解体物の買取も依頼したりすることで費用を抑えられます。解体業者の比較見積もりは下記のサービスが便利です。
参考リンク:解体見積もり広場
登記・抵当権抹消費用を節約する
空き家の売却にかかる登記や抵当権の抹消などの手続きは、司法書士への報酬が大きな費用となります。そのため、比較して安い司法書士を選んだり、内容によってインターネットで簡単にできる登記サービスを利用したりすることで費用を抑えられます。
参考リンク:登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと
測量費用を節約する
空き家の売却前に測量を行う場合は、測量業者を比較して安い業者を選んだり、状況にもよりますが必要最低限の測量内容にしたりすることで、ある程度は費用を抑えられます。
残置物の処分費用を節約する
空き家に荷物やゴミなどが残っている場合、対応可能なものは自分で処分したり、価値があるものはリサイクルショップや廃品回収業者に引き取ってもらったりすることで、費用を抑えられます。
譲渡所得税を節税する
空き家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は譲渡所得税が発生しますが、所有期間を5年以上にして長期譲渡所得の税率を適用させることで、税率や控除額を調整できます。
空き家の売却には、さまざまな費用や税金がかかります。空き家の売却に関する費用や税金は、物件の価格や状態、所有期間などによって変わります。そのため、空き家の売却前には費用や税金を把握しておくことが大切です。
また、紹介した内容以外にも費用や税金を抑える対策もありますので、専門家などに相談の上、活用してみましょう。
空き家を少しでも高く売却するためのコツ
空き家を売却する際には、少しでも高く売却したいと思うのが当然です。しかし、空き家の多くは築古物件となっており、市場の需要も低いため、理想の金額で売却するのは難しい場合があります。
まずは、少しでも高く売却するためのコツを試してみましょう。以下では、空き家を少しでも高く売却するための6つのコツを紹介します。
- 不動産会社に査定依頼をする
- 物件の清掃や整理整頓をする
- 必要なリフォームや修繕をする
- 売り出し時期を考える
- 物件の魅力や特徴をアピールする
- 不動産会社と交渉する
不動産会社に査定依頼をする
空き家を少しでも高く売却するには、まずは不動産会社に査定依頼を行って比較検討することが大切です。不動産会社は、物件の状態や周辺環境、市場の動向などを考慮して、適正な価格を査定してくれます。
不動産会社に空き家の査定依頼をする際は、インターネットで簡単にできる一括査定サービスを利用すると便利です。一括査定サービスでは、一度の入力で複数の不動産会社に査定依頼をすることができます。また、優良な不動産会社だけを厳選して紹介してくれるサービスもあります。
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03-6304-2731毎日 10:00 ~ 21:00物件の清掃や整理整頓をする
空き家は長期間放置されていることが多いため、埃やカビなどで汚れていたり、荷物やゴミなどで散らかっている場合が多々あります。荷物やゴミで散らばっていると、物件の価値を下げるだけでなく、買主に悪い印象を与える要因になります。そのため、物件の清掃や整理整頓をすることで、少しでも高く売却できる可能性が上がります。
物件の清掃や整理整頓は自分で行うこともできますが、時間や労力がかかったり難しい箇所の場合は、プロに依頼することも検討してください。プロに依頼する場合は、費用やサービス内容を比較して、信頼できる業者を選びましょう。
必要なリフォームや修繕をする
築古の空き家は劣化が進んでいることが多いため、壁や床などに傷やひび割れがあったり、水回りや設備が故障していたりすることが多いです。劣化は、物件の価値を下げるだけでなく、買主に修繕費用を負担させることになります。そのため、必要なリフォームや修繕を行っておくと、少しでも高く売却することができます。
売り出し時期を考える
空き家を少しでも高く売却するには、売り出し時期も考慮することが大切です。売り出し時期は、不動産市場の需要と供給のバランスによって変わります。最適な売り出し時期は、引っ越しや転勤などが活発になる3月よりも前が良いとされています。そのため、空き家を売却するタイミングを見極めることも重要です。
物件の魅力や特徴をアピールする
空き家は築古物件が多いため、新築物件や他の中古物件と比べて不利になりがちです。しかし、空き家にも何かしらの魅力や特徴があるはずです。他にはない保有物件の良い点を見つけ、不動産会社や買主にアピールすることで、少しでも高く売却できる可能性が高くなります。
不動産会社と交渉する
空き家を少しでも高く売却する最後のコツは、不動産会社と交渉することです。不動産会社は仲介手数料を得るために早く売却したいと考えているため、相場より低い価格で売り出すことを勧めてくる場合があります。しかし、売主は相場より高い価格で売却したいと考えています。そのため、不動産会社と交渉して売り出し価格や値下げ幅などを決めることが大切です。
空き家を少しでも高く売却したいと考えている方は、少しでも高く売却するためのコツを試してみましょう。あまり変わらない可能性も高いですが、やらないよりはやってみることをおすすめします。
空き家を売却する際の注意点
空き家を売却する際、もし対応を間違ってしまうと、売却価格が下がったり、売却に時間がかかるほか、トラブルに巻き込まれたりする可能性があります。以下では、空き家を売却する際の注意点について確認していきましょう。
- 空き家の名義変更は済ませておく
- 売り出す価格の設定は少し高めに
- 売却するまでの期間は余裕を持つ
- 売却実績がある不動産会社を選ぶ
- 空き家の状態を確認しておく
- 家具などの残置物は片付けておく
- 査定依頼後に解体の判断を行う
- 取り壊す場合は1月1日以降に行う
空き家の名義変更は済ませておく
空き家を売却する前には、物件の名義変更を済ませておくことが大切です。多くの場合、物件の名義変更は、空き家の所有者が死亡や相続などで変わった際に、登記簿上の所有者名を変更します。名義変更をしないまま売却しようとしても、名義が故人のままだと第三者には誰がその不動産を相続したのかが分かりません。
空き家の名義変更は、登記費用や司法書士への報酬などがかかります。また、相続登記の場合は、相続税や登録免許税などもかかります。そのため、空き家の名義変更は早めに行うことがおすすめです。
売り出す価格の設定は少し高めに
空き家を売却する際は、売り出す価格の設定を少し高めにすることが大切です。売り出す価格は、不動産会社から提示される査定額を参考にして決めますが、査定額はあくまで目安なので最終的な売却価格とは異なります。
実際には、買主との交渉や市場動向などによって価格を値下げすることが多いため、少し高めに設定しておくことで、値下げしても納得できる価格で売却できるでしょう。
ただし、売り出す価格を高くしすぎると、買主からの問い合わせや見学者が減ってしまうこともあります。そのため、相場や物件の魅力などを考慮して適正な価格帯を見極めることも重要です。
売却するまでの期間は余裕を持つ
空き家を売却するまでの期間は、ある程度の余裕を持つことが大切です。空き家は築古物件が多く、立地などによっては需要が低い場合が多いため、売却に時間がかかる場合がほとんどです。
また、物件の清掃や整理整頓、リフォームや修繕などの必要な作業や手続きなどにも時間がかかります。そのため、急いで売却しようとせずに、じっくりと準備しておくようにしましょう。
ただし、余裕を持ちすぎると、物件の劣化や固定資産税などの負担が増えてしまいます。売却の目標期間を設定した上で、不動産会社と協力して効率的に売却することも重要です。
売却実績がある不動産会社を選ぶ
空き家の売却を依頼する際は、売却実績がある不動産会社を選ぶことが大切です。築古物件の売却実績がある不動産会社は、空き家の市場や買主のニーズに詳しく、適切な価格や方法で売却することができます。
また、自社のホームページや不動産ポータルサイトなどで物件を広告したり、自社の顧客や提携先の不動産会社などにも物件を紹介することで、他社に依頼するよりも好条件で早く売却できる可能性も高まります。
売却実績がある不動産会社を選ぶ際には、客観的な視点で見るためにtwitterや口コミサイトなどで実績や評判を確認しましょう。また、査定依頼や面談などで対応や提案内容を確認して最終的に判断することをおすすめします。
空き家の状態を確認しておく
空き家を売却する前には、空き家の状態を確認しておくことが大切です。建物の構造や設備、水回りなどの劣化度や故障の有無、シロアリ発生はないかなど、空き家の状態を確認しておくことで、必要なリフォームや修繕、査定額や売り出し価格を正しく判断できます。
空き家の状態を確認する際は、自分で目視するだけでなくプロに点検してもらうことで、見落としがちな部分や専門的な部分もチェックできます。
家具などの残置物は片付けておく
空き家に家具や荷物などが残っている場合は、あらかじめ片付けておくことが大切です。家具や荷物などが残っていると、売却時に撤去費用が売主負担になるほか、買主に悪い印象を与えてしまい、売却成約に至りにくくなります。
家具や荷物などを片付ける際には、自分で処分するか、プロに依頼するかのどちらかになります。自分で処分する場合は、市町村の粗大ごみ回収やリサイクルショップや廃品回収業者に引き取ってもらう方法があります。プロに依頼する場合は、費用やサービス内容を比較して、信頼できる業者を選びましょう。
査定依頼後に解体の判断を行う
空き家売却の検討時、解体するかどうかの判断は査定依頼後に行うことが大切です。解体するかどうかの判断は、物件の価値や市場の需要などによって変わるため、不動産会社から査定額を提示されてから、解体する方が得かどうかを検討した方が良いでしょう。
建物が老朽化していて解体する場合は、空き家の解体費用などがかかりますが、土地だけの価格で売却できる可能性が高まります。空き家を解体しない場合は、解体費用などはかかりませんが、建物の価値が低い場合は売却が難しくなる可能性も高いです。
取り壊す場合は1月1日以降に行う
もし、空き家を取り壊す場合は、1月1日以降に行うことが大切です。理由は、土地の固定資産税を節税するためです。固定資産税は、土地と建物の価値に応じて課税されますが、土地の上に空き家が建っていると、住宅用地の軽減が適用されて土地の固定資産税が安くなります。
土地の上に空き家が建っているという事実は1月1日の状態で判断されるため、1月1日に建物が残っているとその年は1年間住宅用地の軽減が適用されます。そのため、空き家を1月1日以降に取り壊し、その年の12月31日までに土地を売却してしまえば、土地の固定資産税を安くしたまま売却できます。
以上のように空き家を売却する際には、さまざまな注意点があります。空き家の売却で損をしないためにも、空き家を手放す前には、最低限の注意点を把握しておきましょう。
特別控除(特例)や補助金を利用して空き家売却がお得
空き家の売却は、特別控除(特例)や補助金制度などを利用すれば、費用や税金を抑えることができます。特別控除(特例)や補助金は、空き家の解体や売却にかかる費用の一部を補助したり、売却で発生した譲渡所得を控除できる制度です。
以下では、空き家を解体する際に利用できる補助金・助成金と、空き家売却で発生する譲渡所得の特例・控除について確認していきましょう。
空き家を解体する際に利用できる補助金・助成金
空き家を解体する場合、居住地域の自治体にもよりますが、以下のような補助金・助成金制度を利用できる場合があります。
老朽危険家屋解体撤去補助金
老朽危険家屋解体撤去補助金とは、地震などによって倒壊する恐れがある老朽危険家屋を解体するための補助金制度です。老朽化や倒壊の危険性が高い空き家を解体する場合に、解体費用の一部を補助してもらえます。
補助率は、一般的には解体費用の1/5から1/2程度で、対象となる物件は地方自治体ごとで定められています。
都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金とは、美しい街並みの景観を損なう老朽危険家屋を解体するための補助金制度です。都市景観形成地域として指定された地域内で、景観に影響を与える老朽空き家を解体する場合に、解体費用の一部を補助してもらえます。
補助率は、一般的には解体費用の1/5から1/2程度で、自治体から支給されるケースが多い制度です。
自治体による補助金の例
上記の補助金制度に加えて、各自治体で独自に空き家の解体に関する独自の助成金制度を設けている場合があります。あらかじめ、居住地域の自治体ホームページなどで、補助金・助成金制度が設けられているか確認が必要です。
今回紹介した内容は一例であり、補助金・助成金を利用する場合は、事前に申請や届出などの手続きが必要です。自治体ごとに適用条件や手続き方法などが異なりますので、詳細は各自治体のホームページや窓口で確認してください。
空き家売却で発生する譲渡所得の特例・控除
空き家の売却で発生する譲渡所得は、以下のような特例・控除を利用することで、抑えることができます。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例は、国税庁が実施している制度です。居住用財産を売って、一定の要件に当てはまる場合に、譲渡所得から3,000万円まで控除できるため、税負担を軽減することが可能です。譲渡所得が3,000万円以内であれば、納める税金がなしということになります。
軽減税率の特例の適用を受けるための申請条件は、5つの要件すべてに当てはまるものとされています。※一部省略
- 日本国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。
- 売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること。
- 売った年の前年および前々年にこの特例の適用を受けていないこと。
- 売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例の適用を受けていないこと。
- 親子や夫婦など「特別の関係がある人」に対して売ったものでないこと。
より具体的な詳細条件は、以下から確認してください。
参考リンク:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例は、国税庁が実施している制度です。相続した空き家を売った場合に、譲渡所得の金額から3,000万円を控除することができます。譲渡所得が3,000万円以内であれば、納める税金がなしということになります。
申請条件は、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋かつ、3つの要件すべてに当てはまるものとされています。
- 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
- 区分所有建物登記がされている建物でないこと。
- 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。
より具体的な詳細条件は、以下から確認してください。
参考リンク:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除
低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除は、国税庁が実施している制度です。個人が、令和2年7月1日~令和4年12月31日の間、都市計画区域内の低未利用土地等を500万円以下で売った場合に、譲渡所得から100万円を控除することができます。
低未利用土地等とは、都市計画区域内にあって居住や事業などの用途に供されていない土地や、利用の程度が周辺の土地に比べて著しく劣土地のことです。
申請条件は、都市計画区域内の低未利用土地等であることや、売った年の1月1日において所有期間が5年を超えること、売却後に低未利用土地等の利用がされることなどです。より具体的な詳細条件は以下から確認してください。
参考リンク:No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除|国税庁
上記の特例・控除を利用する場合は、事前に申告や届出などの手続きが必要です。また、あらかじめ対象となる物件や詳細条件なども確認しておきましょう。
まとめ
今回は、空き家を売却する方法、空き家売却までの流れ、売却にかかる費用や税金、売却する際の注意点などについて紹介してきました。
空き家を売却する方法としては、主に中古住宅で売却・古家付き土地で売却・解体・更地にして売却・不動産会社の買取の4つに分かれています。空き家の状態次第で、売却する方法を柔軟に選ぶという対応が最適です。
空き家の売却を行う流れには、査定依頼、媒介契約、売却活動、条件交渉、契約、引き渡しの6つのステップがあります。基本的に、不動産会社に売買仲介を依頼すれば、特に大きな手間もなく売却することが可能です。
空き家を売却する際、土地物件の名義変更や残置物の片付けなどの注意すべきことがあります。また、解体する場合は査定依頼後に判断し、土地の固定資産税対策で1月1日以降に行うことがおすすめです。
紹介してきたように、少しの対応違いで大きな金額の差が出てしまう空き家の売却では、いかに事前知識を身につけておき、うまく物件を売るかが大切です。本記事が、空き家の売却を検討している方の役に立てば幸いです。