田舎の土地活用アイデア14選!お金をかけずに稼ぐには?事例に見るビジネス成功のヒント

田舎の土地の活用に悩む男性

田舎に土地を持っているけれど、どう活用すればいいかわからないという方は少なくありません。田舎の土地は都市部と比べて需要が少なく、規制や地形などの制約もあり、活用に難しさを感じるかもしれません。しかし、工夫次第で田舎の土地でも有効活用することは可能です。

この記事では、賃貸住宅や太陽光発電などの定番の方法から、キャンプ場や市民農園などのオリジナルの方法まで、田舎の土地活用のアイデアを12個紹介します。また、田舎の土地活用で注意すべきポイントや進め方、成功事例も解説します。田舎の土地活用でなるべくお金をかけずに稼ぐにはどうすればよいか、アイデアのヒントとしてぜひ参考にしてください。

田舎の土地活用はどうすればいい?

田舎の土地活用は、都市部とは異なる特徴や課題を把握しながら計画することが大切です。

田舎の土地は人口や需要が少なく、規制や地形などの制約も多くあります。地域、場所によって条件が大きく異なるため、一概にどの方法が良いとは言えません。自分が所有する土地の状況や目的に合わせて最適な活用方法を選ぶことが重要です。

また、田舎の土地活用ではその土地ならではの独自の風習・風土や商習慣に関する知識・経験を求められる場合もあります。
地方で土地活用を進めていくには、その土地に精通した不動産業者やコンサルタントなどのプロに相談しながら進めていくと安心です。

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田舎の土地活用が難しい理由

田舎の土地活用が難しい理由は主に以下の3つです。

需要の少なさ

田舎は人口や経済活動が少なく、都市部と比べると賃貸需要が低いのが通常です。そのため、賃貸住宅を建てても入居者を集めづらく、空室率が高まる、商業施設を開設しても利用者を集めずらく収益性が低下するなどリスクがあります。
観光客や移住者などをターゲットとする民泊やキャンプ場などの方法もありますが、利益を出せるのは好立地の土地のみで、採用できるケースは限定的です。

地形・地盤の悪い土地

田舎では山林や農地など、平坦でない土地や未整備で地盤が弱い土地などが多く見られます。地形・地盤的に悪条件な土地の場合、土地活用のための舗装や建築を行う前段階で、多額の費用をかけて造成や基礎工事を行う必要があります。
土地活用しようにも初期コストがあまりに高額になるようだと、投資回収までの見込みも立てづらくなります。地形・地盤などの条件もふまえ、なるべく初期コストのかからない活用方法を選択することで、より短期間で採算を取ることができます。

規制の制限を受ける場合がある

田舎の土地では、都市計画法や農地法などの規制によって活用の自由度が制限される場合があります。
例えば、市街化調整区域にあたる土地の場合、建物を建てることができません。また、農地法によっては農地以外の利用に許可や登録変更手続きが必要となる場合もあります。
規制に違反して建築物を立てると、国や自治体などから是正を求められ、放置すれば罰金等の処罰、最悪は行政代執行による解体・撤去へと至ります。現実的には規制に反して土地活用を進めていくことは難しいため、所有する土地に対する規制の状況については、土地活用の準備を進める前に確認しておくことが必須となります。

田舎の土地活用おすすめ14の方法

無数にある田舎の土地活用の方法の中でも、特に人気があり、おすすめしやすい14の活用方法を紹介します。
どの方法にもメリットやデメリット、注意点などがあるため、土地活用の目的や条件に合わせて、最適な方法を選択することが大切です。

戸建て賃貸住宅

戸建て賃貸住宅は、賃貸アパートやマンションに比べて、プライバシーが保たれやすく、庭や駐車場など充実した付帯設備を確保しやすいことから、家族連れやペットを飼いたい人など、田舎での暮らしを求める層に需要があります。建築費用や管理費が高くなることがありますが、その分、賃料も高く設定できます。また、アパート・マンションと比べ長期的に居住する借り手が多いため、安定的に賃料収入を得られる可能性があります。

一方で、戸建て賃貸住宅は、敷地に対して区分貸しをするアパート・マンション賃貸に比べて空室率が高くなるリスクがあり、賃借人がいない時期の維持費・固定資産税等コストは大きくかさみます。田舎では人口減少や過疎化が進んでいる場合も多く、入居者が確保できないケースもあります。
また、雪国や台風地域などでは、自然災害による被害も出やすく、想定されるコスト要因として考慮しておく必要があります。

アパート経営

田舎でもアパート経営は有力な土地活用方法のひとつです。ひとつの建物から複数の部屋を貸し出すことから、住人が転居した場合も一度に空家率が低下することがなく、安定した家賃収入が期待できます。
アパート経営で特に有効なのが相続対策としての効果です。現金ではなくアパートの土地・建物の不動産で相続することで評価額を2〜3割下げることができ、相続税の節税につながります。また、アパートローンを利用する際、団信(団体信用生命保険)に加入すると、加入者が死亡した場合はローンの返済が免除されます。自分が亡くなった後、ローン返済の負担なくアパート経営を相続することで遺族に対する生命保険のような目的で使用することもできます。

田舎の場合、借り手が少なく空室率が高くなるリスクがある、入居者の確保・集客にはオーナー側の工夫や努力が必要となる点は戸建て賃貸住宅と同様です。
また、アパート賃貸の場合、老朽化による経営への影響が大きく、修繕コストの向上・他物件との競争による賃料値下げなど、利回りが大きく減少する傾向にあります。
老朽化と需要低迷の影響で、物件を手放す際に売却が難しく、最終的な売却価格も下落しやすい点にも注意が必要です。

倉庫・トランクルーム

土地に倉庫やトランクルームを設置して賃貸に出すことで、収入を得る土地活用法です。
倉庫・トランクルームのメリットは、建築費などの初期投資が少なくて済むこと、賃借人が住む賃貸物件と比べ管理の手間が少ないこと、一度借り手がつけば安定した収益が見込めることなどが上げられます。

広い土地を比較的安価で活用できる田舎では、需要に合わせた倉庫・トランクルームビジネスを立ち上げしやすいかもしれません。逆に田舎の人口・経済規模の小ささから来る集客の難しさ、収益性の低さなどは課題となるでしょう。

コインランドリー

コインランドリーを設置し、営業収入を得る土地活用法です。コインランドリーのメリットは、無人営業が可能で設備投資以外にほとんど経費がかからない点、機器設置を含む導入費用を即時償却でき、節税に活用できる(自分で営業する場合のみ。業者に運営委託を行うケースは除く)点です。

デメリットは、3~4000万円程度と大きな初期コストがかかること、洗剤の補充・機材トラブル対応など店舗運営の負荷が大きいことなどが上げられます。
コインランドリー営業で収益を上げるには立地が非常に重要です。大通り沿い、人目につきやすく、競合店がない立地が理想ですが、田舎の土地の場合、条件に合う場所があるかどうかについては特に冷静な判断が必要になるでしょう。駐車場の確保、清潔感や安全性などコインランドリー店舗としてのサービス品質を保つことも当然重要です。

太陽光発電

太陽光発電とは、土地に太陽光パネルを設置して発電し、電力会社に売電することで収入を得る土地活用法です。太陽光発電のメリットとしては、太陽光発電で発電した電気の利用・売電により電気代の削減、収入を得ることができること、再生可能エネルギーとして環境に優しいことなどが上げられます。FIT制度(固定価格買取制度)により一定期間、固定価格で電力を買い取ってもらえるため、安定した収入が見込めます。

太陽光発電のデメリットとしては、高額な初期設備投資およびメンテナンス費用がかかること、天候や季節によって発電量が変動すること、FIT制度の見直し等電気の買取価格や要件の変更の大きな影響を受けることなどがあります。田舎の土地は、都市部に比べて安く購入できることが多く、広い空き地も多いことから、都市部に比べれば太陽光発電に適した土地が見つけやすい環境と言えるでしょう。

コンビニ経営

コンビニ経営とは、土地にコンビニエンスストアを開業し、営業収入を得る土地活用法です。コンビニは都心部・郊外に関係なくニーズがあり、様々なサービスを提供する業態のため地域で安定した需要が見込めます。フランチャイズ制度が確立しており開業しやすいこともメリットです。コンビニを建設する方式には、自分の土地に自分で店舗を建て本部に貸し付けるリースバック方式と、自分の土地を本部に貸し付け店舗は本部が建てる事業用定期借地方式の2種類があります。リースバック方式は初期費用の負担が大きい代わりに収益性が高く、事業用定期借地方式は初期費用を押さえつつ安定した賃料収入が得られるビジネスをはじめられます。

コンビニ経営には、地域によって出店制限がある場合がある、店舗の利益が悪ければ撤退されるリスクがあります。近隣に競合店がある場合や近隣への新規出店でも売上の影響を受けやすい点、住宅用地でなくなることから固定資産税や都市計画税の優遇を受けられなくなる点もデメリットです。
コンビニの建物の建設費用や管理費用は高額なため、契約年数が短いとコスト回収のリスクが高まる点も事前に意識しておいた方が良いでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、食事や介護などのサービスを提供する高齢者向けの住宅です。アパートやマンションに比べても広めの土地が必要となりますが、サ高住は高齢化社会における需要が高い不動産業態で、入居者との長期的な契約が見込め、安定的な収入が期待できます。
また、サ高住は、国土交通省の「高齢者等居住安定化推進事業」となっており、建築費の最大10分の1の補助金を受けることができる他、固定資産税や不動産取得税の軽減措置もあります。

ただし、サ高住は、基本的に200〜300坪にもなる広大な土地と高額な初期投資が必要となります。建物の規模や設備によって異なりますが、億単位の投資となる前提で取り組むべき方法です。
その上で、法令や基準に沿った設備やサービスを提供して運用する必要があり、現実的には介護サービス事業者との協働で運営していくことになります。
田舎の土地活用のための事業としてはじめるには決してハードルの低い事業ではありませんが、高齢化が進む地方においても一定のニーズが期待できるビジネスでもあります。条件に合う田舎の土地を保有している方にはぜひ検討いただきたい活用方法です。

カフェ・雑貨などのショップ経営

カフェ・雑貨などのショップを開業、経営することで収入を得る土地活用法です。自分の趣味や特技を生かし、地元住民や観光客などの需要に応えるお店を作るのは、仕事としてとてもやりがいのあるアプローチと言えます。デメリットは、自営のビジネスだからこそ売上が不安定な場合がある点です。

ショップ経営を軌道に乗せるには、商品や提供サービスによる他店舗との差別化、集客方法や販促方法などマーケティング面の対応も重要になります。

市民農園や貸し農地

市民農園や貸し農地とは、畑や花壇などを設置した土地を市民や企業などに貸し出すことで収入を得る土地活用法です。

市民農園や貸し農地は、使う予定のない農地を所有している方であれば、大きな費用をかけずに始められる点がメリットです。シンプルに農地を貸し出す形であれば、その管理も借り主に任せる形になるので、所有者側での管理の手間はほぼかかりません。
また、所有する農地が使用していない遊休農地である場合、通常の農地に比べ約1.8倍の固定資産税が発生します。市民農園や貸し農地の形で農地として利用・管理維持することで、固定資産税の節税にもつながります。土地にほぼ手を加えずに利用することになるので、将来の土地売却・事業利用など、他の活用方法に転用する際も、比較的簡単に行うことができます。

初期コストを低く抑えられることから、農地所有者であればほぼノーコストで開始できる一方、一般的に貸し農園の利用料は1区画せいぜい月5000〜1万円程度にとどまることから、アパート経営など他の運用方法に比べると、収益性はどうしても低めとなります。また、農地全体の定期的な管理や利用者への対応が発生する他、規模や営業形式によっては地域の農業委員会や自治体への届出が必要となる点もデメリットと言えるでしょう。

民泊

民泊は、旅行者に住宅を貸し出すことで収入を得ることができるサービスです。田舎の不動産を民泊に活用することで、空き家や空き地の有効利用ができます。

民泊は、2018年6月に施行された住宅宿泊事業法によって、年間180日以内なら届出だけで全国どこでも営業することが可能になりました。そのため、開業の手続きが簡単で、初期費用も少なく済みます。
民泊は、田舎ならではの魅力や体験を提供することができます。例えば、農山漁村余暇法(農村休暇法)による農家民宿や、自然や歴史を楽しむ体験型民泊などの形態もあります。こうした特色ある民泊業態は、旅行者のニーズに応えるとともに、地域の活性化にも貢献できます。

一方、民泊は観光地ではない地域あるいはアクセス的に非常に僻地にあたる田舎の場合、そもそも集客することが難しい場合があります。季節や天候も収益に少なからず影響します。
また、届出だけでスタートできる住宅宿泊事業法の民泊の場合は営業日数制限があり年間180日までとされます。180日以上営業するには旅館業法の民泊で運営する必要があり、その場合、消防法・建築基準法などの条件を満たす必要があります。所有する空き家が条件を満たさないものである場合、あらかじめ建物の改修・リフォーム等が必要となるでしょう。

その他、民泊も宿泊業の一形態なので、宿泊者の管理や清掃、備品の管理などの運営は当然必要です。これら業務に対応するための人件費や経費もかかります。

駐車場経営

駐車場経営は、少ない初期費用で安定した収益を期待できる土地活用方法です。駐車場経営には、自ら駐車場を整備し運用する自主経営方式の他、駐車場運営会社を利用した管理委託方式・一括借り上げ方式などの運営方法もあります。自分の希望や土地の状況に合わせて方法を選択することで、管理の手間と収入のバランスを調整できます。
駐車場経営は、狭小地や不整形地にも向いており、住宅を建てるには狭すぎる土地や、三角形・L字形のようにいびつな形の土地でも、駐車場としてなら活用できる可能性があります。

リスクとしては、駐車場経営は立地条件に大きく左右される事業と言えます。田舎の場合、広大に土地が空いている場所や、駐車場ニーズの少ない地域などでは契約者を確保できない可能性もあります。
また、他の活用方法と比べ収益性が低いものの、住宅と比べると固定資産税は高くなり、特別な節税効果は見込めません。特別な駐車ニーズのある土地でもない限り、税金等の支出が収入を上回るケースは多いでしょう。

キャンプ場

キャンプ場とは、土地にテントサイトやバンガローなどを設置して営業することで収入を得る土地活用法です。
田舎暮らしやソロキャンプブームの流行を背景に需要も高まっており、田舎の土地でも自然豊かな環境を生かせる立地であれば、有効な活用方法のひとつでしょう。

一方で、キャンプ場は、立地条件や施設の充実度によって集客力が大きく変わります。田舎では交通の便が悪い場合が多く、アクセスしやすい立地の場合は競合施設が既にあるケースも少なくありません。
また、キャンプ場として経営する以上、管理や清掃、安全対策などの運営業務は必要です。自然災害や野生動物などのリスクも考慮が必要です。
立地によっては環境保護法や森林法などの規制を受ける場合があり、自然環境に配慮した施設の開発・運営を進める必要があります。

資材置き場

資材置き場とは、土地に建築や土木などの工事に必要な資材を一時的に保管する場所です。資材置き場として土地を貸し出すことで、収入を得ることができる土地活用法です。

資材置き場としての貸出であれば、資材や重機を置くスペースさえあれば、初期費用はほとんどかかりません。契約期間が終了すれば、土地はそのまま返却されます。
そのため、別の土地活用方法に切り替える際に、解体費用や原状回復費用などがからず、将来的な転用がしやすい活用方法と言えるでしょう。

資材置き場のデメリットは、収益性の低さと節税効果の低さです。
ただし、資材置き場の賃貸料の計算方法として固定資産税や都市計画税の2〜4倍程度を目安に貸し付ける方法があります。この方法での契約であれば、収益が毎年の税金支出を下回ることは回避できます。
資材置き場として土地を貸し出す場合、不動産会社に依頼し、借り手を探してもらうのが一般的です。

貸地

貸地とは、土地をそのまま借り手に貸し出すことで収入を得る土地活用法です。
田舎の土地を貸地として貸し出すメリットは、なによりも手間がかからない点です。実際の利用者は借り主のため、土地の管理・修繕等は基本的に利用者が行います。
他の活用方法を検討する間、一時的な対応として駐車場や資材置き場として短期間だけ第三者に貸し出すケースも少なくありません。

貸地としての契約を結ぶと、借地権の存在する契約期間中は他用途への転用が難しくなるデメリットも存在します。

田舎の土地活用で注意すべきポイント

田舎に空き地や空き家がある場合、それらを有効に活用することで収入を得たり、地域の活性化に貢献したりすることができますが、田舎での土地活用にはその土地ならではの様々な注意点があります。以下では、田舎の土地活用で注意すべきポイントを6つ紹介します。

地域性に合った活用方法を取る

田舎の土地活用には、ここまでご紹介したように様々な方法がありますが、これらの方法すべてが、どの地域でも適用できるわけではありません。

人口減少や過疎化が進んでいる地域では、賃貸需要が少なく、空室率が高くなるため高いコストをかけてアパート経営を行うにはリスクが伴います。また、交通の便が悪い地域では、継続的な集客が必要な活用方法は現実的に難しい可能性も高いです。

田舎の土地活用を進める際は、地域の環境、特性やニーズを把握し、土地活用にかかるコストと、その後の収益の試算想定もふくめ、最適な活用方法を選択することが重要です 。

使える補助金は利用する

田舎の土地活用を進める際には、国や自治体が提供している様々な補助金制度や税制優遇措置にも注目しましょう。

例えば、空き家を再利用する場合は、「空き家等対策総合推進法」に基づき空き家活用を対象とした補助金制度があります。

また、農業や林業などの第一次産業に関する場合は、「農業・農村振興基本法」や「森林法」などに基づく補助金制度や税制優遇措置などがあります。これらの制度は、田舎の土地活用における初期費用や運営費用を抑えることができるだけでなく、地域の課題解決や振興にも役立ちます。田舎の土地活用を行う際には、使える補助金は積極的に利用していくのがおすすめです。

自己資金はなるべくかけない

田舎に限らず土地活用を進めるには、ある程度の初期費用や運営費用がかかるものです。
方法ごとにかかる費用は異なりますが、基本的には自己資金を多くかけると、回収までの期間が長期化し、活用するはずの土地がリスクを高める結果につながります。田舎の土地活用を考える際は、自己資金はなるべくかけない方法から検討するのが重要自己資金を使わず費用を準備する方法としては、たとえば以下のような方法があります。

ローンを利用する

賃貸経営や事業開発を行うのであれば、住宅ローンやリフォームローン、あるいは事業者ローンなど、様々なローンを利用できます。ローンを利用すれば、自己資金が少なくても収益事業をスタートすることが可能です。
ただし、ローンには金利や返済期間などの条件もあります。返済のことを考慮すると、収益物件・事業として積極的な運用を進めるケースでのみ、利用するのが得策です。

リースバック方式や一括借り上げ方式を利用する

リースバック方式とは、土地や建物を企業に売却し、その後賃貸借契約を結んで土地や建物を借り戻す方法です。また、一括借り上げ方式とは、土地や建物を企業に一括で貸し出す方法です。
駐車場やコンビニ経営など、活用方法によってはこうした手法で自己資金をかけずに安定した収入を得ることができます。ただし、売却先/貸付先が費用を負担する形で事業をスタートすることから、自己資金でスタートする場合より利益率は低下するのが一般的です。長期的な事業を想定する場合は自己資金または事業者ローンの借入などを活用した方が良いケースもあります。

方法ごとのメリット・デメリットを比較する

田舎の土地活用の方法には、それぞれにメリットとデメリットがあります。

例えば、戸建て賃貸住宅は、家族連れやペットを飼いたい人などから高い需要があります。一方で、1家族が家屋を専有利用する都合、賃借人が転居した場合は、空室率が100%となり、次の契約者が決まるまでは無収入となるリスクをはらみます。
また、太陽光発電は、再生可能エネルギーとして環境にやさしい収益化方法である反面、初期費用が高額であることや買取価格や要件が変わる可能性があることなどがデメリットです。

田舎の土地活用をする際には、方法ごとのメリット・デメリットを比較し、自分の目的や予算に合った方法を選ぶことが重要です。

運営費用やメンテナンス費用を見積もる

田舎の土地活用における支出は、初期費用を払えば終わりではありません。経営を続けていく中での運営費用や、建屋や設備の補修・改善のためのメンテナンス費用もかかります。
これら恒常的に発生する費用は常時収入から差し引かれるものなので、田舎の土地活用をする際には、運営費用やメンテナンス費用を見積もっておくことが重要になります。
事前の収支計画を立てておくことで、どの程度の収益が必要となるのか、撤退までの損益分岐点はどこかなど判断が行えるようになります。

不動産業者など専門家に相談する

田舎の土地活用には、様々な法律や制度、契約や手続きなどが関わり、専門家以外の素人では把握しきれない場面も多々あります。そのため、田舎の土地活用をする際には、不動産業者や税理士など専門家に相談することがおすすめです。
専門家に相談することで、田舎の土地活用で考慮すべき法律や制度、契約や手続きなどへの対応をスムーズに進めることができます。
地域に根付いた業者であれば、その地方ならではの風習や商習慣、地域関係者との関わりにも慣れているため、自力では通しづらい活用プランでもプロが付くことで進められるケースは多いです。

田舎で土地活用を進める場合の流れ

田舎で土地活用を行う場合は、専門家に相談しながら、正しい手順で進めるのが成功への近道です。以下の手順に沿って進めましょう。

専門家に土地活用の相談をする

田舎で土地活用を始める前に、まずは不動産業者や建築会社などの専門家に相談することがおすすめです。

専門家は、土地活用のプランニングや施工、運営までトータルでサポートし、自分の目的や予算に合った最適な土地活用方法を提案してもらうこともできます。
また、地域ごとの事情や、土地活用に関する最新トレンドにも精通しているので、専門家に相談することが結果として、運用後に発生しうるトラブル・リスクを未然に回避し、効果的な土地活用を実現することにつながります。

市場調査を行い収益の見込みを出す

田舎の土地活用をする前には、市場調査を行い収益の見込みを出すことが重要です。市場調査では、自分の土地がある地域の特性やニーズを把握し、それに合った需要や競合状況を分析します。
市場調査を行うことで、自分の土地活用方法の適切性や優先度の判断基準をはじめて把握できます。

市場調査は、

  • インターネットで情報収集する
  • 現地視察やヒアリング
  • 統計情報などをもとにした調査・分析

などの手法を複合的に組み合わせて行うのが一般的です。
自分にとって最適な土地活用方法を選ぶ上では、その土地自体の収益可能性やリスクを把握することが重要です。
市場調査を行うことで、収益予測や投資回収期間の算出が行えるようになり、地域事情をふまえた賃料設定や集客戦略も立てやすくなります。

業者等との契約

市場調査を行い、土地活用方法を決めたら、次に業者等との契約に進みます。業者等とは、家屋や店舗の建設を行うなら建築会社や不動産会社、事業をはじめるのであればフランチャイズ運営会社や管理会社などを指します。

どの分野の、どの業者と契約するかは、土地活用の成功や失敗に大きく影響する重要なステップです。慎重に選び、納得のいく契約を結ぶことが大切です。

土地への施工を進める

業者等との契約が完了したら、土地への施工を進めます。施工とは、具体的には整地・舗装・店舗・家屋の建築・事業に必要な設備の設置等です。
施工を進める際には、以下のような点に注意しましょう。

  • 事業スタート後までの動きをふまえた施工計画・工程表を作成する
  • 施工内容が適正か、施工過程でのタイミングごとのチェック
  • 施工後のアフターサービスや保証期間を確認する

この段階では、事業開始後の情報宣伝、集客の進捗と平行して準備を進めていくことになります。
施工は、土地活用の目的や方法に応じて内容や規模は異なります。
専門家や業者と正しく連携し、想定した施工内容と意図のズレが出ないよう、適切に進めることが大切です。

土地活用が難しい田舎の土地の場合

田舎の土地を活用することは、都市部と比べて難易度が高いと言われています。その理由の代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 人口の少なさにともなう需要の低さ
  • 地形や地質の問題
  • アクセス面での集客の難しさ
  • 農地法などで規制を受ける土地がある

こうした理由に該当するなど、なかなか有効に活用できない田舎の土地の場合、どうすればよいのでしょうか?
ここでは、土地活用が難しい田舎の土地で考えられる3つの対処法を紹介します。

売却する

田舎の土地活用が難しい場合の最もシンプルな対処法は、土地を売却することです。土地を売却すれば、その売却益を得た上で、固定資産税や管理費などの経費も払わなくて済むようになります。

ただし、田舎の土地、それも活用の難しい土地となると、売却期間は長引き、売却価格も相当に低くなる可能性も高いです。売却価格の設定は売り主の自由なので、相場以上の高い価格を設定すること自体は可能ですが、売りに出した土地がいつまでも売れないまま塩漬けになるリスクを考えると現実的ではありません。

なお、売却益に対しては

  • 所得税
  • 住民税
  • 復興特別所得税

などの税金がかかるため、土地売却で得た利益全額が手元に残るわけではありません。
売却価格を決める、あるいは別の土地活用の仕方を模索するなど、売却益に対して発生する税金+将来的に支払いの続く固定資産税額を考慮した上で、慎重に検討することをおすすめします。

田舎の土地を売却した後は、当然ですが、その土地を利用する権利や義務が失われます。将来的に再利用する意向がある土地については、他の活用方法をご検討ください。。

寄付する

土地の売却が難しい場合、その土地を寄付するという方法も選択肢のひとつです。寄付先は市区町村などの自治体を筆頭に団体、法人、個人への寄付も可能です。
国や地方公共団体、公益法人、認定NPOなど一定の認証を受けた団体に寄付すれば、寄付金控除を受けることができ、節税に役立てることも可能です。逆に、営利企業や特定個人など特別な公共性の認められない寄付先の場合、寄附金控除の対象にはなりません。寄付先の選定にあたってはなるべく公共性の認められる寄付先を選択するのが無難です。

田舎の土地を寄付するにあたって、最も難しいのが、寄付は断られるケースが多い点です。
寄付先にとっては、その土地の固定資産税等の税金の負担、土地そのものの管理責任を受け入れることにもなります。必ずしも寄付する側が思う通りに土地を受け取ってもらえるとは限らないのです。

特に、田舎の活用の難しい土地ともなると、寄付を受け入れてもらえる可能性はかなり低くなるでしょう。
実際に寄付の方向で検討する際は、その土地を役立てられる可能性のある、公益性の高い寄付先を探す必要があります。個人の独力で行うには難航が予想されるため、不動産業者や土地活用コンサルタント等の専門家に相談することをおすすめします。

相続土地国庫帰属制度

活用することも、売却することも寄付することも難しいような場合、その土地が相続で取得したものならば、2023年4月よりスタートした相続土地国庫帰属制度の利用をご検討ください。相続土地国庫帰属制度は、その字の通り、相続した土地を国に帰属させ、自分の手元から手放すことのできる制度です。
土地の国庫帰属が認められれば、その人は土地の所有者ではなくなるため、日常的な土地の管理や毎年の固定資産税の負担から解放されます。

ただし、相続土地国庫帰属制度の申請を行い認めてもらうには、土地に建物がないこと、境界が明確で所有権の存否や範囲に争いがないこと、一定の勾配の崖があり管理が難しい土地ではないこと、など、様々な条件を満たす必要があります。実際に相続土地国庫帰属制度の要件を満たす時点で、売却できそうな土地でもなければ、なかなか認めてもらいづらいのも事実です。

相続土地国庫帰属制度で土地を手放したい場合は、不動産業者などの専門家、場合によっては不動産に関する公共への手続きとして弁護士への相談を検討するのもおすすめです。

参考)相続土地国庫帰属制度とは?仕組み、費用と利用するメリット・デメリット|相続弁護士相談広場

田舎の土地活用の成功事例

ここでは、田舎の土地を有効に活用して収益を上げたり、地域に貢献したりした3つの事例を紹介します。

営農型太陽光発電による農業/売電の兼業化

山形県のある農家は、所有する約1.5ヘクタールの農地に太陽光パネルを設置し、発電した電力を電力会社に売電することで収入を得ています。太陽光パネルの設置によって農地が減少するのを避けるため、太陽光パネルと農作物を共存させる「営農型太陽光発電」という方法を採用しました。この方法では、農地の上に太陽光パネルを設置、パネル同士の間隔や高さを農作物に日光が当たるように調整することで、太陽光発電と農業、両方の生産性を高めています。

この農家は、太陽光パネルの下にトウモロコシやトマトなどの野菜を栽培しています。太陽光パネルに覆われることで日照量がある程度減少するため、その条件下でも育つ作物を選択する必要がありました。また、農地内に太陽光パネルを設置する支柱が立つため、大型機材を入れることはできなくなりました。大型の機械なしで収穫しやすいことも作物選定のポイントのひとつでした。

天候や気温に収穫が左右される農業に、太陽光発電による売電をプラスすることで、収益計画の安定性もより増した形で営農を続けられるようになりました。

グランピング施設

長野県のある林業家は、所有する約2.5ヘクタールの森林にグランピング施設を開業しました。
グランピングとは、「グラマラス」と「キャンピング」を組み合わせた造語で、キャンプスペースに備えられた快適な宿泊施設・提供サービスを楽しみながら、自然を満喫できるキャンプスタイルです。
近年のキャンプ/ソロキャンプのブームを背景に、テントやキャンプ道具など持ち込んだり使わず、キャンプ初心者や未経験の人でも気軽に楽しめるスタイルで幅広い世代から人気を集めています。

この林業家は、森林内にテントやコテージなどの宿泊施設やレストランなどの共用施設を設置しました。
また、森林浴やバーベキューなどのアクティビティや地元食材を使った料理などのサービスも提供しており、自然やローカルな魅力を求める都市部からの観光客に人気で、予約が殺到しています。

木材伐採後のスペース利活用の一環としてはじめたグランピング施設ですが、自然そのままの土地の魅力を最大限に引き出しながら収益を上げることに成功し、周辺地域活性のモデルケースとして注目を集めています。

シェア畑

岐阜県のある農家は、所有する約0.5ヘクタールの畑をシェア畑として貸し出しています。シェア畑とは、「シェア」と「畑」を組み合わせた造語で、農家が自分の畑の一部を一般人に貸し出し、農業体験や収穫を楽しんでもらうサービスです。
この農家は、畑を区画に分けて、月額1,000円から3,000円で貸し出しており、種や苗、農具などの提供・農作業の指導などのサポートも行っています。

このシェア畑は、農業に興味がある人や自分で作った野菜を食べたい人に人気で、利用者は幅広い年代や職業の人たちで構成されています。
シェア畑の事業は、本業である農業の農地管理と並行して行えることから、運営自体の負担はそこまで高くはなく、シェア畑の利用登録者向けに、野菜の直販・直送サービスも展開しています。
土地の有効活用、農業に親しみを持ってもらう普及や交流の促進とあわせて、農家と消費者間のダイレクトな流通販路の獲得にも寄与する、三重得の取り組みとして、地域の農業関係者の間からも関心が寄せられています。

お気軽にご相談ください

田舎の土地活用についてお悩みでしょうか?当社にご相談頂ければ、売却を含め様々なご提案が可能です。お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

田舎の土地活用は、収入を得るだけでなく、空き家問題の解決や地域の活性化に貢献する等、そのやり方次第で様々な効果を生み出すことができます。
無数にあるやり方の中でも、その地域性に合った活用方法を、自己資金をなるべくかけずにスタートするのが理想です
補助金や税制優遇措置を受けられる取り組みならば、自己資金で賄えること以上の取り組みを選択することにできるでしょう。

田舎の土地活用には、様々な法律や制度、契約手続きなどが関わります。地域事情や法律に明るくない素人が把握して対応するには難しい場面も折々あるため、田舎の土地活用で迷うようなら、お近くの不動産業者や税理士、弁護士などの専門家に相談もご検討ください。本記事の情報も参考に、ぜひ自分の目的や予算に合った田舎の土地活用方法を検討していきましょう。

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