再建築不可物件とは?買って後悔しないための3つのポイント

「再建築不可物件」という相場より安い物件があるのですが、再建築不可物件とは、建物を取り壊した後に、同じ場所に新しい建物を建てることができない土地のことです。
一般的には都市計画法や建築基準法などの法律や条例によって、再建築が制限されている場合が多いです。例えば、道路や河川などの公共用地の敷地内に建物が一部かかっている場合や、防火地域や景観地区などの特別な地域にある場合などが挙げられます。再建築不可物件は、一見お得に見えるかもしれませんが、購入する前には注意が必要です。再建築不可物件のメリットとデメリット、そして購入する際のポイントについて、この記事で詳しく解説します。
再建築不可物件がなぜ存在するのか?
再建築不可物件が生まれる主な理由は、建築基準法による「接道義務」を満たしていないことです。 接道義務とは、都市計画区域や準都市計画区域内で家を建てるには、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないという決まりです。 これは消防車や救急車などの緊急車両が入れるようにするためのルールであり、安全性や利便性を高めるためのものです。
しかし、建築基準法が制定されたのは1950年であり、都市計画法が制定されたのは1968年です。 そのため、それ以前に建てられた物件や敷地区分の中には、接道義務を果たしていないものも存在します。 例えば東京23区では、全住宅の約9%が再建築不可物件と疑われる物件であり、約25万戸もあると推測されます。
再建築不可物件を購入するメリット
再建築不可物件を購入する一番のメリットは価格が安いことです。再建築できないという大きなデメリットがある分、相場よりも半額近くまで下がることもあります。
価格が安い
再建築不可物件は、再建築できないという大きなデメリットがある分、相場よりも半額近くまで下がることもあります。例えば、東京都中野区の一戸建ての平均価格は約1億円ですが、再建築不可物件の場合は約5,000万円になることもあります。このように、再建築不可物件は低予算で物件を購入したい人にとって魅力的な選択肢です。
固定資産税が低い
再建築不可物件は、固定資産税の評価額が低くなります。固定資産税は、土地と建物の評価額に基づいて計算されますが、再建築不可物件の場合は、建物の評価額がゼロになることもあります。そのため、固定資産税の負担が軽減されます。
価格が安い分、リフォームに費用をかけられる
再建築不可物件は、購入価格を抑えられる分、リフォームに費用をかけられることもメリットです。リフォームできる範囲は「建築確認検査が不要な工事のみ」ですが、それでも内装や設備の更新などで快適性や機能性を向上させることができます。また、リフォームでオリジナルな空間を作ることも可能です。
再建築不可物件を購入した場合のデメリット
一方、再建築不可物件を購入するデメリットは、建て替えができないことです。取り壊しによる建て替えだけでなく、火災や台風などの災害による倒壊や焼失の場合も再建築が認められません。
建て替えが一切できない
再建築不可物件は、建て替えができないことが最大のデメリットです。取り壊しによる建て替えだけでなく、火災や台風などの災害による倒壊や焼失の場合も再建築が認められません。そのため、再建築不可物件を購入する場合は、現状の建物に長く住む覚悟が必要です。
住宅ローンの利用が難しい
再建築不可物件は、住宅ローンの利用が難しいこともデメリットです。再建築不可物件は担保価値が低いため、審査が厳しくなります。また、そもそも住宅ローンの利用を認めていない金融機関も多いです。そのため、再建築不可物件を購入する場合は、自己資金や他の融資方法を用意する必要があります。
売却時に損失が出る可能性が高い
再建築不可物件は、売却時に損失が出る可能性が高いこともデメリットです。再建築不可物件は需要が少なく流動性が低いため、売却する際に時間や手間がかかります。また、市場価格が下落する傾向にあるため、購入時よりも安く売らざるを得ない場合もあります。そのため、再建築不可物件を購入する場合は、売却する可能性が低いことを確認することが重要です。
以上が再建築不可物件を購入するメリットとデメリットについての詳しい解説です。再建築不可物件は価格が安いという魅力がありますが、リスクも高いということを忘れないでください。購入する場合は、十分な調査と検討を行ってから決めるようにしましょう。
再建築不可物件はリフォームできない?
再建築不可物件はリフォームできないというわけではありませんが、一定の制限があります。リフォームできる範囲は「建築確認検査が不要な工事のみ」です。建築確認検査とは、建物を建てたり大規模な修繕をしたりするときに、都道府県や市などの機関に対して計画が法律に適合しているか確認する手続きです。再建築不可物件では申請が通りませんので、耐震性や断熱性を高めるリフォームや間取り変更などはできません。
再建築不可物件を購入して後悔しないための3つのポイント
再建築不可物件を購入して後悔しないためには、以下の3つのポイントを押さえておくことが大切です。
地質調査を行う
再建築不可物件は奥まった土地にあることが多く、地質調査が難しい場合があります。地質調査ができなければ、地盤の強度や液状化の危険性などが分かりません。そのため、購入前に地質調査を行うことが重要です。
火災保険に加入する
再建築不可物件は、火災や台風などの災害によって建物が損壊した場合、再建築ができません。そのため、火災保険に加入することが必要です。火災保険は、建物の損害だけでなく、家財や賠償責任なども補償してくれます。また、火災保険の中には、再建築不可物件に対応した特約もありますので、確認しておきましょう。
再建築を可能にする方法を探る
再建築不可物件は、そのままでは再建築できませんが、可能にする方法もあります。例えば、隣接地もセットで購入して接道義務を果たす方法や、セットバックして道路を広げる方法などです。ただし、これらの方法は費用や手続きがかかりますし、必ずしも成功するとは限りません。そのため、購入前に行政や専門家に相談しておくことが望ましいです。
以上が再建築不可物件についての基本的な情報と注意点です。再建築不可物件は価格が安いという魅力がありますが、リスクも高いということを忘れないでください。購入する場合は、十分な調査と検討を行ってから決めるようにしましょう。