注文住宅とは|メリット・デメリットから予算相場まで解説

注文住宅とは

注文住宅とは、個々の顧客の要望に応じて設計・建築されるカスタムメイドの住宅です。これは、一般的な建売住宅や分譲住宅とは異なり、購入者が間取りやデザイン、設備などを自由に決定できる点が特徴です。注文住宅は、住む人のライフスタイルや好みに合わせて、理想の住空間を創造することが可能です。

注文住宅には3種類ある

注文住宅の種類には大きく分けて「フルオーダー住宅」「セミオーダー住宅」「規格住宅」の3つがあります。
フルオーダー住宅は、間取りから内装、設備に至るまで完全にカスタマイズ可能な住宅で、最も自由度が高いとされています。セミオーダー住宅は、ある程度の基本設計が決まっている中で、一部のカスタマイズが可能です。規格住宅は、ハウスメーカーが提供するいくつかのプランの中から選ぶタイプで、比較的コストを抑えつつも、一定のカスタマイズが楽しめます。

3種類の注文住宅についはこちらで詳しく解説しています。

注文住宅の特徴3つ

自由度の高さ

注文住宅の最大の魅力は、設計の自由度の高さです。間取りや外観、仕様を自分や家族の好みに仕上げた家は、まさしく自分たちだけの住宅といえます。

予算調整

注文住宅は予算の割り当ての自由度が高いのも特徴です。こだわらない部分はコストダウンを図りつつ、浮いた予算をこだわりたい箇所にあてるといった調整ができます。

建築過程の確認

注文住宅では、設計の段階はもちろんのこと、建物ができあがっていく途中段階を実際に見ることができます。

注文住宅の予算

予算を決める際には、年収の約7倍が住宅ローンの平均借入額とされていますが、これはあくまで目安です。実際には、返済できる額で住宅ローンを決めることが重要です。また、コストダウンのコツとしては、四角形に近い形状の家を選ぶ、設備の必要性を吟味する、外構工事で費用を削る、自分で手配できるものは自分で行うなどが挙げられます。

最初に自己資金額を決める

まず、自己資金額を決めることから始めます。これは、世帯年収と貯金額から算出され、家づくりに充てる貯金額を意味します。次に、住宅ローンの借入額を割り出し、月々のローン返済額を確認します。これにより、家づくりの予算の目安がわかります。

注文住宅の予算相場

全国の平均で見ると、注文住宅の予算相場は約3,235万円であり、三大都市圏では平均が3,327万円となっています。

全国平均 約 3,235万円
首都圏平均 約 3,327万円
30坪〜40坪の家 約 3,000万円〜4,000万円

また、2020年度の「フラット35利用者調査」によると、注文住宅の本体価格の全国平均相場は3,534万円(住宅面積124.4平米)で、本体工事費を7割、別途工事費を2割、諸費用を1割とすると、費用の内訳は以下の通りです。

本体工事費 約2,473万8,000円
別途工事費 約706万8,000円
諸費用 約353万4,000円

注文住宅の予算を決める際には、これらの情報を参考にしながら、自分たちのライフスタイルや将来の計画に合わせた最適な選択をすることが大切です

注文住宅のスケジュール

注文住宅を建てる際には、計画的なスケジュール管理が非常に重要です。一般的に、注文住宅のプロセスは、事前準備から完成まで、約1年から1年半の期間を要することが多いです。この期間は、家族の夢を形にする大切な時間であり、各ステップを丁寧に進めていく必要があります。

事前準備(平均1~6カ月)

まず、事前準備として、どのような家を建てたいか、どこに建てたいかを検討します。この段階では、家族との話し合い、住宅雑誌やインターネットでの情報収集、モデルハウスの見学などが行われます。この期間は平均1~6カ月程度とされています。

土地の契約(平均1週間~1カ月半)

次に、土地の契約に進みます。理想の土地を見つけたら、購入に向けての手続きが始まります。このステップは平均1週間から1カ月半を要することが一般的です。

住宅プランの決定(平均1~3カ月)

その後、住宅プランの決定、建築請負契約の締結、設備・仕様の決定と進み、最終的に住宅ローンの申し込みを行います。これらのプロセスには、平均1~3カ月かかります。

工事(平均4~6カ月)

工事の段階に入ると、新築一戸建ての場合、建物の規模や建築条件にもよりますが、平均4~6カ月の施工期間がかかります。この期間中は、地盤調査、基礎工事、建築工事、内装工事などが行われ、家族の夢が少しずつ現実のものとなっていきます。

完成引っ越し(約1カ月)

最後に、完成した家の最終確認を行い、引き渡しとなります。この時点で、家づくりの全体的な流れが完了し、新しい生活が始まるのです。

注文住宅を建てる際には、計画的なスケジュール管理が家づくりの成功につながります。事前の準備から完成まで、一つ一つのステップを大切に進めていくことで、理想の家を実現することができるでしょう。

これらの期間はあくまで目安であり、計画の内容や規模、依頼する業者によって変動する可能性があります。また、天候や施工中の問題発生などによってスケジュールが前後することもあります。注文住宅の建築には多くのステップがあり、それぞれに時間を要するため、余裕を持った計画を立てることが重要です

家づくりは、家族の夢を形にする旅です。その旅を、計画的に、そして楽しみながら進めていきましょう。

注文住宅の種類

フルオーダー住宅

フルオーダー住宅は、注文住宅の中でも特に個性と自由度を重視した住宅スタイルです。お客様の細かな要望に応じて、間取りからデザイン、使用する材料に至るまで、すべてを一から設計することができます。これにより、世界に一つだけのオリジナルな住まいを実現することが可能となります。フルオーダー住宅のプロセスは、お客様と建築家、またはハウスメーカーが密接に協力し合いながら進められ、建築主の夢やライフスタイルを反映した家づくりが行われます。

しかし、この自由度の高さが、予算の管理や設計の複雑さをもたらすこともあり、計画段階での十分な準備と調整が求められます。また、フルオーダー住宅は、セミオーダー住宅や規格住宅と比較して、コストが高くなる傾向にありますが、その分、細部にわたるこだわりや、敷地の特性を活かした設計が可能です。さらに、耐震性や断熱性などの性能面においても、最新の技術を取り入れることで、長期にわたり快適な住環境を提供することができます。フルオーダー住宅は、自分だけの特別な空間を創造したいと考える方にとって、理想的な選択肢と言えるでしょう。

フルオーダー住宅の特徴

完全自由設計 間取りやデザイン、設備、仕様など、すべてをお客様の希望に合わせて設計できます。
個性的な家づくり 敷地の特性や景観、プライバシーに配慮した設計など、個性的な家づくりが可能です。
専門スタッフとの協働 プランナーやホームエンジニア、インテリアコーディネーターなど、専門スタッフと協力して家づくりを進めます。

フルオーダー住宅のデメリット

打ち合わせの期間が長くなる 細部にわたる打ち合わせが必要なため、計画期間が長くなる傾向があります。
予算調整が難しい こだわりが強いほど、予算オーバーしやすくなる可能性があります。
完成イメージを描きにくい 全てを自分で決めるため、完成時のイメージを具体的に描くのが難しい場合があります。

セミオーダー住宅

セミオーダー住宅は、カスタマイズ可能な要素を持ちながらも、予め用意された設計パターンから選択することで、個々のニーズに応じた住宅を提供する住宅スタイルです。この住宅形態は、建売住宅の手軽さと注文住宅の柔軟性を兼ね備えており、コストとデザインのバランスを重視する家づくりを考える際に適しています。

セミオーダー住宅のメリットとしては、フルオーダー住宅に比べて低コストでありながら、建売住宅よりも高い設計自由度を享受できる点が挙げられます。一方で、選択肢がある程度限定されているため、極めて独自性の高い設計を望む場合には制約を感じることもあります。セミオーダー住宅を提供する業者は多岐にわたり、それぞれが異なるデザインスタイル、間取り、設備オプションを用意しており、消費者は自身のライフスタイルや予算に合わせて最適な選択をすることが可能です。

例えば、外観デザインに関しては、モダン、ナチュラル、南欧風などの基本的なスタイルから選ぶことができ、さらには追加料金を支払うことで、基本パターンにないデザインに対応してもらうこともできます。

セミオーダー住宅の特徴

コストパフォーマンス フルオーダーよりもコストを抑えつつ、建売住宅よりも高い設計自由度を持っています。
選択肢の中から選ぶ 間取りや外観デザイン、設備など、ハウスメーカーが提供する複数のオプションの中から選ぶことができます。
計画のスムーズさ フルオーダーに比べて打ち合わせの回数が少なく、家づくりのプロセスがスムーズです。

セミオーダー住宅のメリット

予算に合わせやすい 基本プランがあるため、予算内での調整がしやすくなります。
家づくりの負担軽減 プロが選んだ間取りやデザインから選ぶため、失敗が少なくなります。
完成形のイメージしやすさ 提案されるプランは多くの人に好評であり、完成時のイメージがしやすいです。

セミオーダー住宅のデメリット

選択肢の限定 フルオーダーほどの自由度はなく、選択肢に限りがあります。
特殊な要望への対応 非常に個性的な要望には対応できない場合があります。
土地の制約 特殊な形状の土地や狭い土地には適さないことがあります。

セミオーダー住宅のプロセスは、不動産会社への相談から始まり、取り扱いのある土地の選定、設計プランの固め、着工から竣工に至るまで、スムーズかつ効率的に進めることができます。この住宅スタイルは、特に予算内で理想の住宅を実現したいと考えている人や、建売住宅では満足できない人、注文住宅を建てたいが予算的に厳しいと感じている人におすすめできます。

規格住宅

注文住宅の中でも規格住宅は特に人気があります。規格住宅とは、ハウスメーカーや工務店が事前に用意した規格に沿って建てる住宅のことで、おおまかな仕様は規格化されているものの、いくつかの選択肢が用意されており、一定の自由度を持っています。これにより、施工会社によってパターン数や柔軟性は異なりますが、フルオーダー住宅とセミオーダー住宅との違いを理解し、予算と住まいの要望を明確にすることが大切です。

規格住宅は、外観や内装、間取り、設備などを一定の規格の中から選択し、自由に組み合わせることができるため、建売住宅のように完成品を購入するわけではなく、一定の範囲内であれば施工箇所によって要望を反映させることが可能です。このため、規格住宅は、建売住宅と比べれば、選択肢がある分だけ自由度が高くなります。

規格住宅のメリット

規格住宅のメリットは、ほとんどの建材・工法が規格化されているため、工期の短縮やコストの低下が可能な点にあります。また、専門家によって間取りやコンセプトがハッキリと決められているため、構造などの面から見ても安心感があります。早い段階で見積もり内容が明確になることから、購入計画を立てやすいのも強みです。

規格住宅のデメリット

規格住宅のデメリットとしては、住み心地を大きく左右する間取りに関して自由度が低い点があります。メーカーによっていくつかの選択肢が用意されていることも多いものの、間取りを思いどおりに決めたいという人にとっては、物足りなく感じられることがあります。また、規格外の条件には対応が難しいため、特殊な形状や条件を持つ土地の場合は注意が必要です。

規格住宅は、一から自分で判断するよりも、ある程度選択肢を用意してもらったほうが楽だと感じられる人や、こだわりたい条件が限られている人にとって適しています。フルオーダー住宅と比べて、コストや工期を短縮できるため、コストパフォーマンスに優れた家づくりが可能です。ご自身のニーズに合わせて、最適な住宅タイプを選択してください。

注文住宅のメリット

注文住宅は、自分のライフスタイルや価値観に合わせて、一から家を設計できる住宅の形態です。その最大の魅力は、土地選びから建築に至るまで、細部にわたるこだわりを反映させることができる点にあります。

土地選びの自由度

注文住宅を建てる際には、まず理想の土地を選ぶことから始まります。立地条件、周囲の環境、日当たり、風通し、アクセスの良さなど、住む人のニーズに合わせて最適な土地を選定できるのです。これにより、自然環境を生かした家づくりや、都市部での利便性を重視した家づくりなど、多様な選択が可能になります。

デザインの自由度

注文住宅では、外観や内装においても、自由なデザインが実現できます。例えば、伝統的な日本家屋の美しさを取り入れたい、モダンでスタイリッシュな外観にしたい、といった希望を具体化することができます。また、家族構成や将来のライフステージの変化に合わせた間取りの設計も可能です。

コストのコントロール

注文住宅は、予算に応じて建材や設備を選ぶことができるため、コストのコントロールがしやすいというメリットもあります。必要な機能には投資をし、こだわりの少ない部分はコストを抑えることで、バランスの取れた予算配分が可能です。

長期的な視点でのメリット

注文住宅は、長期的な視点で見ると、住む人の満足度が高い住宅となります。自分たちの希望を形にした家は、住み心地が良く、愛着を持って長く住むことができるでしょう。また、家のメンテナンスや改修に関しても、自分たちの意向を反映しやすいという利点があります。

注文住宅は、自分たちの夢を実現するための家づくりです。土地選びからこだわりを持ち、自分たちだけの特別な空間を創造することができるのが、注文住宅の最大のメリットと言えるでしょう。

注文住宅のデメリット

入居まで時間がかかる

注文住宅は、自分の理想を形にできる魅力的な選択肢ですが、その過程には時間がかかるというデメリットがあります。入居までには通常、約11ヶ月から1年2ヶ月の期間を要することが多いです。この時間は、土地探しから設計、建築、仕上げに至るまでの全工程にわたります。

土地選びに始まり、設計段階での細かな要望の反映、建材や設備の選定など、注文住宅では施主の意向が強く反映されるため、建売住宅と比較して時間がかかるのです。また、施主が関わる決定事項が多く、その分、プロジェクトの進行には細心の注意が必要となります。

完成までの仕上がりが不明瞭

注文住宅のデメリットの一つに、完成までの仕上がりが不明瞭であることが挙げられます。これは、注文住宅の性質上、設計段階では3Dモデリングや図面での視覚化に頼るものの、実際の建物が完成するまで、その質感や空間の感覚を完全に把握することはできないためです。

この問題に対処するためには、建築家やデザイナーと密接にコミュニケーションを取り、期待と実際のギャップを最小限に抑えることが重要です。また、サンプル材料を手に取って確認する、現場の進捗を定期的にチェックする、仮想現実(VR)技術を利用して仕上がりを事前に体験するなど、様々な方法が提案されています。

コストが高い

注文住宅はコストの面では、建売住宅と比較して高額になる傾向があります。これは、注文住宅が個々のニーズに合わせたカスタマイズを可能にするため、設計や建材選び、施工に至るまでのプロセスが複雑であり、それぞれの段階で専門家の関与が必要となるためです。

建築費用が高額になる理由は、土地選びから始まり、間取りの設定、住宅設備の選択に至るまで、建売住宅に比べて多くの工程を経る必要があるからです。これにより、設計や工事に関わる人件費が増加し、また、こだわりの設備や仕様を選択することで、建材や設備の費用も高くなります。

手間がかかる

注文住宅では決めることが多く、施主の手間が大きいという点も見逃せません。土地の選定、間取りの確定、設備の選定、内装の選定など、決めなければならないことが多く、それら全てにおいて施主の意思決定が求められます。これが楽しい作業であれば問題ありませんが、選定・決定に面倒を感じる人にとっては、ストレスとなる可能性があります。

これらのデメリットを踏まえた上で、注文住宅を選択する際には、建築費用の総額を最初に決めておく、余裕を持ったスケジュールを組む、規格型注文住宅を検討するなど、後悔や失敗を避けるための対策を考えることが重要です。注文住宅は、計画的に進めることで、多くのデメリットを克服し、理想の住まいを実現することが可能です。

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