防水工事でトラブルが発生する原因とは?面倒事を避けるための対処法も紹介
防水工事には様々なトラブルがつきものです。例えば、工事の不良や施工ミス、材料の劣化や破損、天候の変化や災害などが原因で、防水性能が低下したり、漏水やカビなどの被害が発生することがあります。防水工事トラブルは、建物の価値を下げるだけでなく、住民の健康や安全にも危険を及ぼす問題が生じます。
この記事では、防水工事でトラブルが発生する原因、面倒事を避けるための対策などについて紹介します。防水工事を依頼する前に、ぜひ参考にしてください。
防水工事でトラブルが発生する原因
防水工事は、建物の寿命や快適性に大きく影響する重要な工事ですが、同時にトラブルが発生しやすい工事でもあります。防水工事でトラブルが発生する主な原因は、施工不良や不適切な材料の使用、そして悪質な業者によるものです。このような問題は、建物の耐久性や安全性を脅かすだけでなく、重大な経済的損失をもたらす可能性があります。
防水工事でトラブルが発生する原因は、主に以下の3つに分けられます。
- 施工不良によるトラブル
- 周辺環境への影響によるトラブル
- 悪質業者によるトラブル
防水工事を依頼する際に注意すべきポイントを押さえておけば、トラブルに巻き込まれてしまうリスクを大きく減らすことができます。次の章では、防水工事時によく起きるトラブル5選とその対策方法を紹介します。
防水工事時によく起きるトラブル5選!
防水工事で起こりうるトラブルの中でも、特に多くの被害者が出ているトラブルをランキング形式で紹介します。それぞれのトラブルについて、具体的な事例や対策方法を確認していきましょう。
- 第5位:手抜き工事で耐用年数を待たずに雨漏り発生
- 第4位:不十分な現地調査で追加工事が発生
- 第3位:工事中の臭い・騒音で住民トラブルに発展
- 第2位:保証内容の確認不足で再工事してもらえない
- 第1位:1社のみの見積もりで即決してしまい後悔
第5位:手抜き工事で耐用年数を待たずに雨漏り発生
防水工事の耐用年数は、一般的に10年から15年と言われていますが、実際には施工品質や使用する防水材の種類によって大きく異なります。手抜き工事をされた場合、耐用年数を待たずに雨漏りや浸水などが発生する可能性が高くなります。
手抜き工事の典型的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 防水材の厚みが基準以下である
- 防水材の接着や重ね貼りが不十分である
- 防水材の継ぎ目やコーナー部分が処理されていない
- 防水材と下地との相性が悪い
- 防水材が傷ついたまま施工されている
このような手抜き工事を避けるためには、以下の対策を行うことが重要です。
- 工事前に防水材の種類や厚み、施工方法などを明確に確認する
- 工事中に現場を視察し、防水材の状態や施工状況をチェックする
- 工事完了後に検査書や写真などの証拠を受け取る
- 保証期間内に定期的に点検を依頼する
第4位:不十分な現地調査で追加工事が発生
防水工事を依頼する前には、必ず現地調査を行う必要があります。現地調査とは、防水工事を行う箇所の状態や周辺環境を確認し、適切な防水材や施工方法を決めるための事前調査です。現地調査が不十分だと、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 下地の劣化や傷みが見落とされ、防水工事が完了しても雨漏りが止まらない
- 防水工事に必要な材料や人員が不足し、工期が延びたり費用が増えたりする
- 防水工事に適さない防水材や施工方法が選ばれ、品質や耐久性に問題が生じる
このような問題を避けるためには、以下の対策を行うことが重要です。
- 工事業者に現地調査を依頼する際には、調査内容や費用、報告書の提出などを明確に確認する
- 現地調査の結果をもとに、防水材や施工方法、工期や費用などを見積もり書に記載してもらう
- 見積もり書に不明点や疑問点があれば、工事業者に質問し、納得できるまで交渉する
第3位:工事中の臭い・騒音で住民トラブルに発展
防水工事中には、防水材を塗布する際に有機溶剤などの化学物質が発生します。化学物質は強い臭いを放つほか、防水工事中にはハンマーやドリルなどの機械を使用するため、大きな騒音も発生します。臭いや騒音は、近隣住民に不快感やストレスを与えたり、健康被害を引き起こす可能性があります。
工事中の臭いや騒音で住民トラブルに発展する例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 臭いが隣の部屋や下の階にまで漏れてしまい、頭痛や吐き気などの症状を訴える住民が出る
- 騒音が、昼間でも休日でも関係なく続くため、睡眠不足やイライラなどの症状を訴える住民が出る
- 臭いや騒音に対して苦情を言った住民に対し、工事業者が無視したり暴言を吐いたりする
このようなトラブルを避けるためには、以下の対策を行うことが重要です。
- 工事前に近隣住民に挨拶回りをして、工事期間や内容、臭いや騒音の発生などを説明し、理解と協力を求める
- 騒音防止シートなどを使用し、工事時間や日数を短縮するなどして、騒音の発生を抑える
- 近隣住民から苦情があった場合は、工事業者が丁寧に対応し、改善策や謝罪などを行う
第2位:保証内容の確認不足で再工事してもらえない
防水工事は、一度施工すれば長期間安心できると思われがちですが、実際には様々な要因で雨漏りや劣化が発生する可能性があります。そのため、防水工事には保証期間や保証内容が付いてくることが多いです。しかし、保証内容の確認不足で再工事してもらえないトラブルも多く発生しています。
保証内容の確認不足で再工事してもらえないトラブルの例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 保証期間が短く、雨漏りが発生した時には既に期限切れだった
- 保証内容が曖昧で、雨漏りの原因や範囲によっては対象外だった
- 保証書や契約書を紛失してしまい、保証内容を証明できなかった
- 工事業者が倒産や廃業してしまい、連絡が取れなかった
このようなトラブルを避けるためには、以下の対策を行うことが重要です。
- 工事前に保証期間や保証内容を明確に確認し、見積もり書や契約書に記載してもらう
- 工事完了後に保証書や契約書を受け取り、大切に保管する
- 保証期間内に定期的に点検を依頼し、雨漏りや劣化の兆候を早めに発見する
- 工事業者の信頼性や実績を確認し、安定した経営状況の業者を選ぶ
第1位:1社のみの見積もりで即決してしまい後悔
防水工事は、一般的に範囲が広い場合には高額になる工事であり、工事業者によっても施工品質や費用が大きく異なります。そのため、防水工事を依頼する際には、複数の工事業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。1社のみの見積もりで即決してしまい、納得のいく工事ができなかったトラブルも多く発生しています。
1社のみの見積もりで即決してしまい納得のいく工事ができなかったトラブルの例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 他社よりも高額な見積もりを提示され、適正価格を知らずに払い過ぎてしまった
- 他社よりも安価な見積もりを提示され、品質や保証が低い工事を受けてしまった
- 他社と比較していないため、見積もり内容や契約条件に不備や不利益があることに気づかなかった
このようなトラブルを避けるためには、以下の対策を行うことが重要です。
- 工事前に3社以上の工事業者から見積もりを取り、施工品質や費用、保証内容などを比較検討する
- 見積もりを取る際には、同じ防水材や施工方法で見積もってもらうことで、正確な比較ができるようにする
- 見積もり内容や契約条件に不明点や疑問点があれば、工事業者に質問し、納得できるまで交渉する
- 自分の希望や要望に合った工事業者を選ぶためには、口コミや評判、実績などを参考にする
防水工事で起こりうるトラブルの種類
防水工事は建物の耐久性や快適性を高めるために重要な工事ですが、施工方法や業者の選び方によっては、様々なトラブルが起こる可能性があります。以下では、防水工事で起こりうるトラブルの種類とその対処法について紹介します。それぞれのトラブルの特徴や原因、対策方法を確認していきましょう。
- 施工不良によるトラブル
- 周辺環境への影響によるトラブル
- 悪質業者によるトラブル
施工不良によるトラブル
防水工事は専門的な技術と経験が必要な工事です。しかし、中には適切な知識や技術を持たない業者や職人が施工する場合も多いです。施工不良によるトラブルとしては、以下のようなものがあります。
- 防水層の厚さが不足している
- 防水層の接合部分が不完全である
- 防水層の表面が傷ついている
- 防水層の下地が不適切である
- 防水層の乾燥時間が不十分である
このような施工不良によって、防水層の劣化や剥離が早まり、雨漏りやカビ、シロアリなどの被害が発生する可能性が生じます。
施工不良によるトラブルを防ぐための対処法
施工不良によるトラブルを防ぐためには、以下の対処法が有効です。
- 施工前に業者や職人の資格や実績を確認する
- 施工中に現場監督や担当者とコミュニケーションを取る
- 施工後に検査や保証書を受け取る
- 定期的に点検やメンテナンスを行う
周辺環境への影響によるトラブル
防水工事を行う際は建物だけでなく、周辺環境にも影響を与える可能性があります。周辺環境への影響によるトラブルとしては、以下のようなものがあります。
- 防水材の臭いや騒音が近隣住民に迷惑をかける
- 防水材の廃棄物が適切に処理されない
周辺環境への影響によるトラブルの対処法
周辺環境への影響によるトラブルを防ぐためには、以下の対処法が有効です。
- 施工前に近隣住民に挨拶や説明を行う
- 施工中に防水材の臭いや騒音を抑えるための対策を行う
- 施工後に防水材の廃棄物を適切に処理する
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防水工事の騒音や臭いは気になる?施工前に知っておきたい対策と注意点
防水工事には様々なトラブルがつきものです。例えば、工事の不良や施工ミス、材料の劣化や破損、天候の変化や災害などが原因で、防水性能が低下したり、漏水やカビなどの被害が…
悪質業者によるトラブル
防水工事は施工範囲によって高額になってしまう工事であることから、中には悪質な業者や営業マンが存在しています。悪質業者によるトラブルとしては、以下のようなものがあります。
- 不必要な工事や追加工事を強要する
- 見積もりや契約内容を曖昧にする
- 施工内容や品質に嘘や不正を行う
- 施工後のアフターサービスや保証を拒否する
悪質業者によるトラブルを防ぐための対処法
悪質業者によるトラブルを防ぐためには、以下の対処法が有効です。
- 訪問営業してきた防水工事業者は絶対に避ける
- 施工前に複数の業者から見積もりや提案を受ける
- 施工前に見積もりや契約内容を詳細に確認する
- 施工中に現場写真やレポートを受け取る
- 施工後に不具合などがあれば早急に対応を求める
防水工事でのトラブルを避けるための対策
防水工事でのトラブルを避けるためには、以下の対策が有効です。
- 防水工事の必要性や目的を明確にする
- 防水工事の種類や特徴を理解する
- 防水工事の費用や期間を把握する
- 防水工事の業者や職人を慎重に選ぶ
- 防水工事の施工前・中・後に確認や検査を行う
防水工事の必要性や目的を明確にする
防水工事は建物のどの部分に行うのか、施工による効果やメリットが期待できるのか、どのようなリスクやデメリットがあるのかなどを把握しておくことで、不必要な工事や追加工事を避けられます。また、防水工事の目的に応じて、最適な防水材や施工方法を選ぶことができます。
防水工事の種類や特徴を理解する
防水工事には、屋根防水、壁面防水、ベランダ防水など様々な種類があります。また、防水材はシート状のものや液状のものなど様々です。防水工事の種類や特徴によって、施工方法や注意点が異なります。
例えば、シート状の防水材は接合部分が弱点になりやすいため、接合部分の施工には細心の注意が必要です。液状の防水材は乾燥時間が長いため、施工中に雨や風などの影響を受けないようにする必要があります。防水工事の種類や特徴を理解することで、施工不良や周辺環境への影響を防ぐことができます。
防水工事の費用や期間を把握する
防水工事は施工範囲によっては高額になるケースもあるため、見積もりや契約内容を詳細に確認することが必要です。また、施工期間は天候や作業状況によって変動する可能性があります。
費用や期間については、複数の業者から見積もりや提案を受けて比較検討することが望ましいです。費用や期間を把握することで、悪質業者や営業マンからの詐欺や強要を避けられます。
防水工事の業者や職人を慎重に選ぶ
防水工事はそれなりに専門的な技術と経験が求められる工事であることから、業者や職人の資格や実績を確認することが必要です。しかし、基本的には無資格でも防水工事そのものは行えてしまうので、技術力がない業者に当たってしまうと悲惨です。
防水工事の施工前・中・後に確認や検査を行う
施工前には、防水工事の範囲や内容、注意事項などを確認しておきましょう。施工中は防水層の厚さや接合部分、表面状態などを確認し、施工後は防水層の効果や不具合、保証書などを確認することが必要です。
また、定期的に点検やメンテナンスを行い、確認や検査を行うことで防水層の劣化や剥離を防ぐことができます。
まとめ
今回は、防水工事でトラブルが発生する原因とその対策方法などについて解説してきました。
防水工事は、建物の寿命や快適性に大きく影響する重要な工事ですが、同時に無資格でも施工できるためトラブルが発生しやすい工事でもあります。防水工事でのトラブルは多岐にわたりますが、適切な対策を講じることで大部分は未然に防ぐことが可能です。
重要なのは、信頼できる業者を選び、契約内容を十分に理解し、工事中は定期的に現場を確認することです。これらを心掛けることで、安心して防水工事を行いましょう。