工場や倉庫の屋根防水工事は、建物の耐久性を維持して内部設備や製品を保護するために欠かせません。適切な防水対策を施すことで、屋根の防水層の劣化による雨漏りや設備の故障を防ぎ、工場の安定稼働を確保できます。

本記事では、工場・倉庫の防水工事を定期的に行う理由、防水工法ごとの特徴と費用、工場・倉庫の雨漏り原因と対策などについて解説します。工場や倉庫の屋根が劣化しているサインや防水材の耐用年数を理解し、防水工事を計画するためのガイドとして参考にしてください。

工場・倉庫の屋根は防水工事を定期的にした方が良い理由

工場や倉庫の屋根は、日々の天候や環境の影響を受けやすい部分です。そのため、屋根や防水層の経年劣化によって防水性能が下がってしまいます。定期的な点検を行わないと、雨漏りや設備の故障、工場の稼働停止といったリスクによる経済的な損失が発生するリスクが高まります。

以下では、工場・倉庫の屋根の防水工事を定期的に行うべき主な理由を紹介します。

• 建物全体に影響する劣化を防げる
• 設備等の老朽化や予期せぬ故障を防げる
• 工場の稼働停止になる事態を避けられる
• 浸水による漏電被害を防げる

建物全体に影響する劣化を防げる

工場や倉庫の屋根の防水工事を定期的に行うことで、雨漏りによる建物の劣化を防ぎます。雨水が屋根から浸入してしまうと、躯体が腐食するなどして建物全体の耐久性が低下します。結果的に高額な修繕費用が必要となってしまいます。定期的な防水工事でメンテナンスしておくと屋根や建物の寿命を延ばせるので長期的なコスト削減が可能です。

製品や設備への浸水や故障を防げる

工場や倉庫内の機械や設備は湿気や水分に弱いものが多く、雨漏りによる浸水で老朽化や故障のリスクが高まります。防水性能が著しく低下する前に防水工事を適切に行うことで、雨水の侵入を防いで内部設備の老朽化や故障を予防できます。特に高価な機械や精密機器を使用している場合、防水層の保護を行う定期的なメンテナンスは非常に重要です。

工場の稼働停止になる事態を避けられる

雨漏りや浸水が発生すると、工場や倉庫の稼働を一時的に停止せざるを得なくなる場合があります。生産ラインが停止すると、納期の大幅な遅延や生産コストの増加など、企業にとって大きな損失となります。定期的に防水工事やメンテナンスを行っておけば、工場の稼働停止リスクを事前に防ぐことができます。

浸水による漏電被害を防げる

雨漏りが電気配線や機器に浸水すると、漏電のリスクが高まります。漏電は作業者の安全を脅かすだけでなく、火災の原因にもなります。定期的な防水工事で浸水による漏電事故を防ぎ、工場や倉庫の安全性を確保することができます。

上記のような理由から、工場や倉庫の屋根の防水工事やメンテナンスを定期的に行うことは、建物の耐久性を維持して内部の設備や製品を守るためにも非常に重要だと言えます。

工場・倉庫の屋根で防水工事を行うべきタイミング

工場や倉庫の屋根は、建物全体の耐久性と機能性を保つために重要な役割を果たします。しかし、時間の経過とともに屋根の防水性能は劣化し、雨水や湿気が建物内部に浸入するリスクが高まります。そのため、適切なタイミングで防水工事を行うことが不可欠です。

以下では、工場や倉庫の屋根で防水工事を行うべき最適なタイミングと判断基準について紹介します。劣化症状と耐用年数の2つを目安に対応すべきタイミングを確認していきましょう。

劣化症状が見られるとき

工場や倉庫で防水工事を行う最も明確なタイミングは、屋根に劣化の症状が現れたときです。具体的な劣化症状としては以下の内容があります。

ひび割れ

屋根材や防水層にひび割れが発生している場合、下地などから水が浸入しやすくなります。

水たまり

屋根に水たまりができている場合、排水不良や防水層の劣化が疑われます。

雑草の発生

屋根に雑草が生えている場合、隙間や割れ目から水分が浸入している可能性があります。

色褪せ

屋根材や防水層の色が褪せている場合、紫外線や風雨の影響で劣化している証拠です。

雨漏り

雨漏りが発生している場合は、原因を特定して修繕するためにも即座に防水工事が必要です。

上記のような劣化症状が見られた場合は、早急に専門業者に点検を依頼した上で防水工事を検討する必要があります。

防水の耐用年数が経過したとき

防水材の耐用年数が経過した場合も防水工事を行うのに最適なタイミングです。防水材にはそれぞれ耐用年数があり、経年劣化によって性能が低下します。以下は一般的な防水材の耐用年数です。

ウレタン防水の耐用年数

8～12年

FRP防水の耐用年数

10～15年

塩ビシート防水の耐用年数

10～15年

ゴムシート防水の耐用年数

10～15年

アスファルト防水の耐用年数

15～25年

目安として、新築時や前回の防水工事から10年以上経過した場合は、防水材の耐用年数に達している可能性が出てくるため、工場や倉庫の屋根の定期点検と防水工事を検討した方が良いでしょう。

大規模な改修工事の際は同時施工も

工場や倉庫の大規模な改修工事を行う際には、状態にもよりますが防水工事の同時施工を検討する価値があります。大規模な改修工事は、建物全体のメンテナンスや修繕を行う絶好の機会です。

大規模な改修工事のタイミングで防水工事も行うことで効率的に作業を進められ、場合によってはコストの削減にもつながります。また、建物全体の耐久性を向上させて長期的な保護を実現することができます。

このように、工場や倉庫の屋根に防水工事を行うべきタイミングは、劣化症状が見られるときや防水材の耐用年数が経過したとき、そして大規模な改修工事の際です。定期的な点検と適切なタイミングで防水工事を行えば、建物の寿命を延ばして長期的なコストを削減できます。

工場・倉庫の防水工事の依頼前に確認すべきポイント

工場や倉庫の防水工事を依頼する際には、事前にいくつかのポイントを確認しておくことが成功の鍵となります。防水工事は建物の耐久性や安全性に直結するため、適切な業者選びや工事内容の確認が欠かせません。

以下では、工場や倉庫の防水工事を依頼する前に確認すべきポイントについて紹介します。

• 現在の防水の種類、仕様
• 防水箇所の不具合、劣化状況
• 排水ドレン周辺の状況
• 立ち上がり障害物の有無
• 屋上設備や架台周辺の状況
• パラペットや笠木の状態
• 配管の状況

現在の防水の種類、仕様

まず、現在使用されている防水材の種類や仕様を確認します。確認することにより、既存の防水材と新しい防水材との相性や再施工の必要性を判断しやすくなります。たとえば、既存の防水層がウレタン防水であれば、同じウレタン防水を使用することでコストや工事期間を抑えられます。

防水箇所の不具合、劣化状況

防水工事を行う箇所の不具合や劣化状況を詳細に確認します。ひび割れ、剥がれ、浮きなどがある場合、劣化症状を修繕するための具体的な対策が必要となります。また、劣化が進行している箇所については、部分的な修繕ではなく全面的な再施工が求められる場合もあります。

排水ドレン周辺の状況

排水ドレンの詰まりや周辺の状況を確認し、詰まりや汚れがある場合は清掃や修繕が必要です。排水ドレンが詰まると雨水が排水されずに溜まり、溢れた水が外壁内に流れ込んでしまったり、ひび割れなどがあれば雨漏りの原因となります。定期的な清掃を行い、排水機能を維持しましょう。

屋上設備や架台周辺の状況

屋上に設置された空調機器、換気扇、太陽光パネル、水槽、排気ダクトなどの設備や架台の周辺を確認します。架台周辺に防水層の劣化が見られる場合、設備の重量によって防水層に負担がかかっている状態なので補修が必要です。また、これらの設備は防水工事を行う際の妨げになる可能性があります。

パラペットや笠木の状態

パラペットや笠木の状態に劣化や隙間がないかを確認します。パラペットや笠木は、建物の屋上部分において屋根と壁の接合部の役割を果たす構造物です。この部分が劣化すると防水性能が低下し、雨水が建物内部に浸水するリスクが高まります。

配管の状況

最後に、屋根に設置されている配管の状況を確認することも忘れてはいけません。配管の周辺は浸水が起こりやすく、防水層の劣化が進行しやすい場所です。配管の老朽化や破損が見られる場合、防水層の工事前に修繕や交換を行う必要があります。

上記のポイントを確認した上で工場や倉庫の防水工事を適切に計画すれば、効率的に防水工事を実施しやすくなります。防水工事の成功には事前の準備と詳細な確認が不可欠です。

工場・倉庫における屋根の防水工法と費用相場

本章では、工場や倉庫における屋根の防水工法とおおまかな費用相場について解説します。防水工事の選択肢や費用について理解を深め、長期的なコスト削減と建物の保護を実現するための参考にしてください。以下は、施工方法別の耐用年数と平米単価の表です。

施工方法	工場の屋根での施工	耐用年数	平米単価
ウレタン防水	○	8～12年	5,000～7,500円/㎡
FRP防水	△	10～15年	6,000～9,000円/㎡
塩ビシート防水	○	8～12年	4,000～8,000円/㎡
ゴムシート防水	○	10～15年	4,000～8,000円/㎡
アスファルト防水	○	15～25年	6,000～8,000円/㎡

アスファルト防水工法

施工方法	アスファルトを使って防水層を形成。複数の層を重ねることで高い防水性能を実現。
特徴	非常に高い耐久性と防水性能を持つ。重量があるため、大規模な建物に適している。
耐用年数	15～25年
平米単価	6,000～8,000円/㎡
適用箇所	工場、ビルの屋上、商業施設など大規模な建物

アスファルト防水は防水性能と耐久性が高い工法で、中～大型規模の陸屋根タイプの工場や倉庫で広く使用されています。アスファルトとルーフィングシートを重ねて防水層を形成し、複数の層を重ねることで高い防水性能を実現しています。重量があるため、大規模な建物に適している工法です。

施工面積800㎡の屋上の場合、600～800万円程度の費用がかかります。アスファルト防水の耐用年数は15～25年と長く、平米単価の目安は6,000～8,000円/㎡です。見積書の確認などの工事依頼の際には、一般的な価格を意識しておくことが重要です。

塗膜防水工法

塗膜防水工法は、液体の防水材を直接屋根の表面に塗布する方法で、ウレタン防水やFRP防水、超速硬化ウレタン防水などが含まれます。塗膜防水で施工すると、複雑な形状の屋根や障害物が多い場所でも対処できるため、工場や倉庫の屋根防水に広く用いられています。それぞれの塗膜防水工法の特徴と費用相場を以下に紹介します。

ウレタン防水

施工方法	液状のウレタンを塗布して防水層を形成。複雑な形状の屋根にも対応可能。
特徴	軽量で耐久性があり、メンテナンスが容易。継ぎ目がないため美しい仕上がり。
耐用年数	8～12年
平米単価	5,000～7,500円/㎡
適用箇所	工場、倉庫、ビル、マンション、住宅の屋根など

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を施工場所に塗り重ねて防水層を形成する防水工法です。液状のウレタン樹脂を塗布して固化させるため、柔軟性と伸縮性に優れています。液状なので凹凸のある面や複雑な形状の屋根でも対応が容易なことから、工場や倉庫の屋根を含む様々な場所で使用されています。

施工面積800㎡の屋上の場合、500～750万円程度の費用がかかります。ウレタン防水の耐用年数は8～12年程度となっており、平米単価の目安は5,000～7,500円/㎡です。

FRP防水

施工方法	繊維強化プラスチック（FRP）を使用し、強固な防水層を形成。
特徴	高耐久性と軽量性を兼ね備え、特殊な用途に適している。
耐用年数	10～15年
平米単価	6,000～9,000円/㎡
適用箇所	耐久性を求める場所、荷重をかけたくない場所

FRP防水は、ガラス繊維を混ぜたポリエステル樹脂の防水材を塗布して防水層を形成する防水工法で、強靭かつ耐水性、耐食性、耐候性に優れています。FRPは「繊維強化プラスチック（Fiber Reinforced Plastics）」の略称です。

外部からの衝撃にも耐えることができる上、非常に軽量で建物の荷重をあまり増やさずに済むため、構造への負担が少ないです。また、完全に一体化した防水層を形成するので長期間にわたって高い防水性能を維持します。コストは高いものの、大規模な工場や倉庫の屋上防水にも適しています。

施工面積800㎡の屋上の場合、600～900万円程度の費用がかかります。FRP防水の耐用年数は10～15年程度となっており、平米単価の目安は6,000～9,000円/㎡です。

シート防水工法

シート防水工法は、合成ゴムや塩化ビニル樹脂の防水シートで防水層を形成する防水工法で、塩ビシート防水やゴムシート防水があります。平面が多い場所に向いており、耐久性が高く、施工が比較的簡単であるという特徴があります。それぞれのシート防水工法の特徴と費用相場を以下に紹介します。

塩ビシート防水リサイクルが可能。

施工方法	塩ビシートを接着剤や機械的固定具を用いて屋根や床面に固定する方法。
特徴	軽量で耐久性がそれなりに高く、紫外線や薬品に対しても強い。コストパフォーマンスが良い。
耐用年数	8～12年
平米単価	4,000～8,000円/㎡
適用箇所	工場や倉庫の屋上、陸屋根、バルコニー、ベランダなど広い平面が多い場所

塩ビシート防水は、塩化ビニル樹脂製のシートを接着剤や機械的固定具を使用して、屋根や床面に貼り付けることで防水層を形成する防水工法です。塩ビシート防水による施工は、平面が多い屋根や床面に適しており、シート同士を熱風溶接や専用の接合テープを使って接合し、防水性能を高めています。

施工面積800㎡の屋上の場合、400～800万円程度の費用がかかります。塩ビシート防水の耐用年数は8～12年程度となっており、平米単価の目安は4,000～8,000円/㎡です。

ゴムシート防水

施工方法	ゴム製の防水シートを接着剤や機械的固定具を用いて屋根や床面に固定する方法。
特徴	高い伸縮性と耐久性を持ち、気温変化に対する適応力が強い。
耐用年数	10～15年
平米単価	4,000～8,000円/㎡
適用箇所	工場や倉庫の屋上、陸屋根、バルコニー、ベランダなど広い平面が多い場所

ゴムシート防水は、ゴム製のシートを専用の接着剤や固定具を使用して、屋根や床面に貼り付けて防水層を形成する防水工法です。温度変化や紫外線にも強く、高い耐候性と柔軟性・伸縮性を持つことから、多くの建物で採用されています。

下地を選ばず別の防水工法で施工した箇所であっても施工できる、仕上がりにムラが発生しにくいという特徴があります。塩ビシート防水との違いとしては、素材の違い、シートの厚みです。

施工面積800㎡の屋上の場合、400～800万円程度の費用がかかります。ゴムシート防水の耐用年数は10～15年程度となっており、平米単価の目安は4,000～8,000円/㎡です。

防水工法の選定ポイント

工場や倉庫の屋根の防水工事を選定する際は、想定している予算の金額、施工環境に応じて行う必要があります。信頼できる業者に適切な防水工法を依頼することで、長期間にわたって建物を守りやすくなります。さらに、定期的なメンテナンスを行うと防水効果が持続するため、工場や倉庫の安定した稼働を確保できます。

工場や倉庫の防水工事を計画する際には、紹介したポイントを参考に費用対効果に優れた防水対策を実施してください。

工場・倉庫の屋上における雨漏り原因と対策

工場や倉庫の屋上において雨漏りが発生した場合、非常に大きなリスクとなってしまいます。雨漏りが発生すると、建物内の機械や製品にダメージを与えるだけでなく、建物自体の劣化を早める原因にもなります。以下では、主な雨漏りの原因とその対策について紹介します。

• 陸屋根ルーフドレンの詰まり
• 防水シート重ね部などの剥がれや劣化
• 屋上の笠木部分からの劣化
• パラペットのつなぎ目の隙間

陸屋根ルーフドレンの詰まり

ルーフドレンの詰まりは雨水が適切に排水されず、屋上に水が溜まる原因となります。水が溜まることによって屋上の防水層に負担がかかり、雨漏りが発生する可能性が高まります。対策としては定期的なルーフドレンの清掃です。落ち葉やゴミがドレンに詰まらないように定期的に点検し、清掃を行うことで詰まりを防止して雨漏りのリスクを軽減できます。

防水シート重ね部などの剥がれや劣化

防水シートの剥がれや劣化は、屋上の防水性能を低下させて雨漏りの原因となります。特に、シートの重ね部や接合部は経年で劣化しやすい箇所です。対策としては定期的なメンテナンスを実施し、早期に修繕を行うことが必要です。剥がれた箇所の部分補修で対応したり、必要に応じて全面的に防水工事をやり直すことで、防水シートの防水性能を維持できます。

屋上の笠木部分からの劣化

笠木部分の劣化は、屋上の端部からの雨水侵入を引き起こす原因となります。笠木（かさぎ）とは、建物の屋上などの外縁部に設置されるパラペットや手すりの上部を覆う部材です。雨水がパラペットや手すりの内部に浸入するのを防ぐ役割を持っていますが、ジョイント部分のシーリング劣化や笠木の浮きなど経年劣化により防水性能が低下します。対策としては笠木の交換や補強が必要です。劣化が進んでいる場合は、早めに交換や補強を行うことで雨漏りを防止できます。

パラペットのつなぎ目の隙間

パラペットのつなぎ目の隙間は雨水が侵入しやすい箇所です。パラペットとは、建物の屋上やバルコニーなどの外縁に設置される低い壁状の構造物です。屋上からの雨水が壁面を伝って流れないようにして建物内部への水の侵入を防ぐ役割を持っていますが、経年劣化によるひび割れやつなぎ目の隙間などで防水性能が低下します。対策としては隙間を埋めるシーリング工事の実施が有効です。シーリング材を使用して隙間を埋めることで、パラペット経由での雨水の侵入を防止できます。

ここまで紹介した対策を講じることで、工場や倉庫の屋上における雨漏りの発生リスクを大幅に低減できます。定期的な点検と各場所のメンテナンスを行い、早期に問題を発見した上で対処するようにしましょう。

工場や倉庫の屋根の防水工事に関するよくある質問

1. 工場・倉庫の屋根の防水工事を行うのに適した時期はありますか？
2. 工場・倉庫の屋根の防水工事はどれくらいの頻度で実施が必要ですか？
3. 工場・倉庫の稼働を止めずに防水工事をすることは可能ですか？
4. 工場や倉庫の防水工事をしないとどんなトラブルが発生しますか？
5. 工場や倉庫の防水工事の劣化症状にはどのようなものがありますか？
6. 工場や倉庫の防水工事にかかる費用はどれくらいですか？
7. 工場や倉庫の屋根防水工事の業者選びのポイントは何ですか？

工場・倉庫の屋根の防水工事を行うのに適した時期はありますか？

防水工事を行うのに適した時期は、気温や湿度が安定している春や秋です。梅雨などの雨季や冬季は施工条件が悪くなるので避けるのが望ましいです。特に冬季は低温のため、塗膜防水工事（ウレタン防水やFRP防水など）では材料が硬化しにくく施工品質に影響を及ぼします。

工場・倉庫の屋根の防水工事はどれくらいの頻度で実施が必要ですか？

防水工事は10～15年ごとに実施するのが理想です。使用されている防水材の耐用年数や建物の状態に応じて計画を立てましょう。また、定期的な点検とメンテナンスを行い、劣化が見られた場合は早めの修繕を行うことが長期的なコスト削減に繋がります。

工場・倉庫の稼働を止めずに防水工事をすることは可能ですか？

可能です。多くの場合、稼働時間外に工事作業を行うなどの対応で稼働を止めずに工事を行います。業者と事前に防水工事スケジュール調整し、作業時間や施工エリアを計画的に設定することが必要です。

工場や倉庫の防水工事をしないとどんなトラブルが発生しますか？

防水工事を怠ると、防水層の機能が弱まって建物の劣化が進んでトラブルが発生しやすくなります。雨漏りや湿気による建材の劣化、設備の故障、カビの発生などが起こり、建物の寿命が短くなるだけでなく、作業環境の安全性や業務に重大な支障をきたします。

工場や倉庫の防水工事の劣化症状にはどのようなものがありますか？

防水層の劣化症状には、雨漏り、水たまり、雑草の発生、ひび割れ、防水シートの浮きや破れなどがあります。このような症状が見られた場合は、早急な部分補修工事や全体の防水工事が必要です。

工場や倉庫の防水工事にかかる費用はどれくらいですか？

A: 工場や倉庫の防水工事の費用は、防水工法や施工面積によって大きく異なります。おおまかな坪単価としては、ウレタン防水で施工する場合は5,000～7,500円/㎡程度、シート防水なら4,000～8,000円/㎡程度、FRP防水なら6,000～9,000円/㎡程度、アスファルト防水の場合は6,000～8,000円/㎡程度です。

具体的な費用は現地調査や見積もりを依頼することで確認できます。上記の材料費とは別に諸経費などが加算されるので、総額にすると決して安くはない金額になります。

工場や倉庫の屋根防水工事の業者選びのポイントは何ですか？

防水工事業者選びのポイントとしては、実績や評判、使用する防水材の品質、施工後の保証内容、見積もりの透明性などが挙げられます。複数の業者から相見積もりを取って比較検討した上で、メンテナンス・保証内容が充実していて信頼できる業者を選ぶようにすることが重要です。

まとめ

本記事では、工場・倉庫の防水工事を定期的に行う理由、防水工法ごとの特徴と費用、工場・倉庫の雨漏り原因と対策などについて解説してきました。

工場・倉庫の防水工事を適切なタイミングで実施し、定期的なメンテナンスを行うことで建物の劣化を防ぎ、設備の老朽化や故障、稼働停止などのリスクを最小限に抑えられます。定期的なメンテナンスと修繕によって長期的なコスト削減を実現しましょう。

また、工場・倉庫の防水工事を計画する際には、劣化のサインや防水材の耐用年数を把握し、適切なタイミングで工事を行うことが重要です。防水工事を依頼する前には、防水箇所の現状や排水ドレンの状況、立ち上がり障害物の有無などを確認した上で、信頼できる業者に依頼することが大切です。

最後に、防水工法の特徴を理解して建物の特性や使用目的に合った工法を選択することにより、長期間にわたる防水性能を確保できます。今回紹介したポイントを参考にして、計画的に工場や倉庫の防水工事を進めてください。