防水工事を行う業者と防水工法の選び方を解説!状況に適した選定方法も紹介

防水工事を依頼する際、どんな業者を選べば良いのか困ってしまう方も多いことでしょう。雨や湿気から建物を守るためには適切な防水工法を選ぶ必要もありますが、防水工事を実施する業者の技術力や信頼性が施工品質に大きく影響します。

本記事では、防水工事を依頼する業者の選び方、防水工事の工法の選び方、信頼できる業者を選ぶための方法などについて解説します。選んでしまうと危ない業者の特徴も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

選ぶ前に防水工事を行う業者を知っておこう

防水工事を依頼する際、どのような業者がいるのかを選ぶ前に理解しておきましょう。各業者には、それぞれ得意分野やサービス内容に違いがあり、その選び方が防水工事の費用や仕上がりに大きく影響します。依頼する業者によっては、倍近い工事費用を取られてしまうことも多いです。

  • ハウスメーカー
  • リフォーム会社
  • 塗装業者
  • 防水工事専門業者
  • その他の業者

ハウスメーカー

ハウスメーカーは、主に新築戸建住宅の施工を行う業者で、リフォーム工事の一環として防水工事を請け負う場合が多いです。ただし、ハウスメーカーは工事を下請け業者に丸投げすることがほとんどなので、他に依頼するよりも工事費用が割高になってしまいます。

リフォーム会社

リフォーム会社は、建物の改修やリノベーションを専門とする業者です。防水工事などもリフォームの一部として行われる場合が多く、特に屋根や外壁の改修と一緒に実施されることが一般的です。リフォーム会社は、建物の現状に応じた提案をしてくれる点で信頼できますが、こちらも対応できない工事範囲などは下請け業者に施工を任せる場合があります。

塗装業者

塗装業者は、建物の外壁や屋根の塗装などを主な業務としていますが、簡単な防水工事も手がけることがあります。ただし、防水工事に特化していない業者も非常に多く、施工内容や仕上がりに差が出るリスクが高いです。雨漏りで困っているといった状況下では絶対に依頼せず、防水工事の専門業者へ相談してください。

防水工事業者と塗装業者の違い

防水工事業者は防水工事を専門に行う業者であり、技術力や施工経験が豊富です。一方で、塗装業者は塗装と防水工事を兼業していることが多く、防水工事の専門知識が不足している場合がほとんどです。施工内容が同じように見えても施工方法や使用する材料が異なるため、長い目で見ると防水性能に大きな差が出やすいです。

防水工事専門業者

防水工事専門業者は、屋上をはじめ建物全体の防水工事を専門に行う業者で、豊富な施工実績と専門知識を持っています。防水材や工法の選定においても最適な提案、優れた施工品質が期待できます。また、基本的に自社の職人による施工のため、工事の品質管理が徹底されています。長期的な耐久性を求める場合には、防水工事専門業者に依頼するのが最も安心です。

その他の業者

小規模な建築業者や個人の自営業者なども、簡単な防水工事を請け負うことがあります。これらの業者に相談すると防水工事に関しても対応できるとは言うものの、技術や経験には大きな不安があります。保証内容や施工後のアフターフォローが不明確な場合は特に警戒が必要です。

工事費用のぼったくりや安かろう悪かろうを避け、適切な工事費用の水準で高品質な施工を希望するのであれば、防水工事の専門業者に依頼することをおすすめします。

防水工事を依頼する業者の選び方

防水工事を成功させるためには、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。以下では、防水工事で失敗しないための業者選びのポイントについて紹介します。

  • 複数の業者に相見積もりをする
  • 見積もり内容自体の透明性
  • 防水工事の施工実績の豊富さ
  • 自社の職人で施工しているか
  • 専門資格を持つ職人の在籍有無
  • 保証やアフターサービスの内容
  • 質問や依頼に対する対応の良さ

複数の業者に相見積もりをする

複数の業者から相見積もりを取ることで、おおまかな工事費用の相場を把握できるため、適正価格での契約を結びやすくなります。ただし、費用が極端に安すぎる業者は施工内容が不十分だったり材料が低品質になる可能性がありますし、逆に費用が高すぎる場合にも注意が必要です。おおまかな相場から大きく外れていないかを確認しましょう。

また、防水工事の費用に着目するだけでなく、見積書に記載されている項目や工事内容が詳細かつ、気になる点を担当者に質問すれば説明してくれるかという点も確認しておくと良いです。

見積もり内容自体の透明性

現地調査を行った上で提出される透明性の高い見積もりは、防水工事を依頼するに相応しい信頼できる業者の証です。見積書には、施工範囲、使用する材料や工法、費用の内訳、保証期間、工期などが明確に記載されていることが望ましいです。記載内容が「防水工事 一式~1,100,000円(税込)」のように、不明瞭な見積もりを提出してくる業者は避けた方が無難です。

また、見積もりには一切記載されていない追加費用が、工事の開始後に発生する可能性はないのか確認しておきましょう。契約・施工後に大幅な追加費用が発生する場合は、基本的に業者側の事前の説明不足ではありますが、中には意図的にそうしている業者もいるので注意してください。

防水工事の施工実績の豊富さ

施工実績の豊富な防水工事業者は、様々な状況に対応できる経験を持っているため、予期せぬトラブルにも迅速に対応できます。過去の防水工事の施工事例を確認し、同様の工事を行った実績があれば安心できると言えるでしょう。もっとも、一般的な住宅における防水工事であればほとんどの防水工事業者で問題ありません。ただし、防水工事の専門業者以外に依頼する場合は、注意してください。

施工実績の豊富さを確認する場合、ウェブサイトでの事例紹介や実際の施工現場の写真が参考になります。また、google検索における口コミや評判を確認することで、施工後のトラブルやアフターサービスの状況などもある程度は調査できる場合があります。

自社の職人で施工しているか

防水工事を依頼した場合、自社に在籍している職人が施工を担当する業者は工事の品質管理がしやすく、トラブルが発生した場合でも迅速に対応できる体制だと言えます。一方、下請け業者に施工を委託している場合、連携不足などによって工事の品質が一定でないことがあります。

また、自社施工の防水工事業者に依頼するメリットしては、工事後の保証やアフターサービスも一貫して提供されることが多いという点です。下請け業者に施工を委託している場合でも、施工と保証ともにしっかりしていることもあるので、最終的には個々人の判断になります。

専門資格を持つ職人の在籍有無

高品質な防水工事を行うためには、専門的な知識と技術が必要です。防水工事に特化した専門資格を持つ職人が在籍している業者は、一定の信頼基準を満たしていると判断できるため、安心して依頼できます。たとえば、国家資格である防水施工技能士などの資格を持つ職人がいる業者は信頼性が高いと言えます。

防水施工技能士の資格を持つ職人が在籍しているかについては、業者に直接確認するかウェブサイトで情報を確認してみることをおすすめします。

保証やアフターサービスの内容

防水工事では、技術不足や予期せぬトラブルによって施工後に問題が発生することもあるため、保証内容やアフターサービスが充実しているかについて事前に確認しておきましょう。見積書や契約書に保証内容やメンテナンスなどのアフターサービスが記載されている業者を選べば、長期的に安心して建物を保護できます。

質問や依頼に対する対応の良さ

防水工事を依頼する前における業者側担当者の対応の良さも分かりやすい判断基準です。疑問や質問に対して丁寧に回答してくれるか、依頼に対する対応が迅速かどうかを確認し、信頼できる業者を選びましょう。

防水工事の依頼先に選ぶと危ない業者の特徴

防水工事を依頼する際は、怪しい業者に引っかからないように気をつけましょう。以下では、依頼先として選ぶと危ない業者の特徴を紹介するので、おおまかな判断基準にしてください。

  • 急に飛び込み営業をしてくる業者
  • 極端に安い見積もりを出す業者
  • 現地調査を一切行わない業者
  • 保証期間が設けられていない業者
  • ネットの口コミや評判が悪い業者
  • 不安を必要以上に煽ってくる業者

急に飛び込み営業をしてくる業者

突然、自宅や物件に飛び込み営業してきて、無料点検を実施中ですと言って屋根を確認し、「屋根の防水性能がなくなっています!今すぐ工事が必要です」などと緊急性を煽る説明をする業者は要注意です。危ない業者は、対象者に急いで決断させて何が何でも契約を取りたいと考えています。冷静に対応して断った上で、他の防水工事専門業者の意見を聞くようにしましょう。

極端に安い見積もりを出す業者

他の業者と比較して、極端に安い防水工事の見積もりを出す業者は、工程を省いたり安価な材料にするなど工事の品質を犠牲にしている可能性があります。相見積もりをした中で他社よりも工事費用が極端に安い場合、その理由を質問してはっきり確認しましょう。

現地調査を一切行わない業者

防水工事にかかる見積もりを適切に行うためには、現地調査による判断が不可欠です。全く現地調査を行わずに見積もりを提示する業者は、建物の状態や必要な作業範囲などを把握していないため、正確な見積もりや適切な工事に期待できないので避けるべきです。

保証期間が設けられていない業者

防水工事の保証期間が設定されていない業者は、施工後すぐに発生したトラブルや問題に対して責任を持たない恐れがあるので避けるべきです。必ず工事の保証内容や期間、アフターサービスの有無を確認してから契約しましょう。

ネットの口コミや評判が悪い業者

インターネット上の口コミや評判は、業者選びをする上で非常に参考になります。特に、多数の否定的な悪い口コミや低評価がある業者は、何らかの問題を抱えていると考えるべきです。逆に、良い口コミな評価が多い業者は信頼性が高いと考えられますが、自作自演や情報の偏りを防ぐためにも複数の情報源で確認することが推奨されます。

不安を必要以上に煽ってくる業者

何かにつけ過剰に不安を煽って工事を勧めてくるような業者には注意が必要です。こうした業者は、しっかりと考える間もなく契約を結ばせることで、詳細な検討や他の業者との比較を避けさせようとしています。すぐに返事はせず、複数の防水工事専門業者に相談するようにしましょう。

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防水工事の工法は大きく分けて4種類ある

防水工事の種類には、大きく分けて主に4つの工法があります。各工法ごとに、使用する防水材や施工方法、耐久性、コストなどが異なるため、建物や目的に応じた適切な選択が求められます。

施工方法 材料費用 耐久年数 推奨場所
ウレタン防水 5,000~7,500円/㎡ 8~12年 全て
FRP防水 6,000~9,000円/㎡ 10~15年 ベランダ
塩ビシート防水 4,000~8,000円/㎡ 10~15年 屋上
アスファルト防水 6,000~8,000円/㎡ 15~25年 ビル屋上

以下では、ウレタン防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水について確認していきましょう。

ウレタン防水

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を使用して防水層を形成する工法です。複雑な形状の場所や細かい部分にも対応できる柔軟性が特徴で、主に凹凸があるような屋上やベランダで多く採用されています。

メリット

液体状で塗布するので複雑な形状の場所にも容易に対応可能となっており、施工範囲に凹凸があったとしても隅々まで防水層を形成できます。

劣化した場合にも部分補修での対応が可能で、既存の防水層に塗り重ねることができるため、メンテナンスが容易で修繕コストを抑えられます。

デメリット

ウレタン防水は職人の技術力に大きく依存するため、施工品質が安定しにくい場合があります。均一な厚さで塗布されないと、一部範囲で防水層の性能が低下してしまいます。

他の防水工法に比べて耐用年数が短い(一般的には8~12年)ため、トップコート塗り替えなどの定期的なメンテナンスや補修が必要です。

耐久年数

約8~12年

FRP防水

FRP防水は、ガラス繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)を使用する防水工法で、耐久性や強度に優れています。主に歩行や車両の通行が多い場所で採用され、特にベランダやバルコニー、駐車場などでの使用が一般的です。

メリット

FRPは非常に耐久性が高く、10~15年の耐用年数が期待できます。また、強度が高いので歩行や車両の通行がある場所にも適しています。

継ぎ目のないシームレスな防水層で完全な密着性を持つので漏水リスクが低く、長期にわたって安定的な防水効果を発揮します。

非常に表面が硬いので耐衝撃性に優れているほか、耐熱性・耐食性・耐候性・耐薬品性があるため、日常的な使用に耐えられる工法です。

デメリット

他の防水工法に比べて、FRP防水は材料費や施工費用が高くなる傾向にあります。防水工事の施工面積が大きくなるほど施工費用の差も大きく変化します。

FRP防水は硬い素材で伸縮性がなく歪みに弱いため、下地が動く不安定な環境だと施工に適していません。トップコートが劣化すると防水層にひび割れが生じやすくなります。

耐久年数

約10~15年

シート防水

シート防水は、塩ビシートやゴムシートを使用し、シート状の防水材を屋上などの表面に貼り付ける工法です。大規模な工場や倉庫など、平坦で広い面積の防水に適しています。

メリット

継ぎ目の処理はありますが、基本的にシートを敷くだけで防水層が形成されるため、工期が短いので施工の効率が良いです。

塩ビシート防水は耐久年数が10~15年と長く、メンテナンス頻度を抑えられるので手間が少ないです。広い面積をカバーする場合、長期間の防水効果が期待できる上に費用対効果が高いです。

防水層を形成するシートの厚みが均一であるため、防水性能の不足による施工後の防水トラブルが少なく、安定した防水効果を発揮します。

デメリット

シート防水は平坦な面に貼り付けて防水層を形成するため、施工する範囲に複雑な形状や狭い部分がある場合や、細かい障害物が多い場所には不向きです。

シートの継ぎ目や接合部、固定用ディスクなどの箇所が特に劣化しやすいため、定期的なメンテナンスは必要です。接合部分が防水層の弱点で水漏れリスクがあります。

耐久年数

約10~15年

アスファルト防水

アスファルト防水は、合成繊維不織布に液状のアスファルトを染み込ませてコーティングしたルーフィングシートを積層し、強固な防水層を形成する工法です。歴史が長く、信頼性の高い防水方法とされています。

メリット

アスファルト防水は防水層が厚いので耐久性が非常に高く、20年以上の長期間で防水性能を発揮します。大規模な建物や商業施設などに多く採用されています。

防火性能があるので、火災リスクが高い場所でも比較的安心して使用できます。気温や紫外線の影響を受けにくく、太陽の強い直射を受ける場所にも適しています。

劣化が進行してきた場合、既存のアスファルト防水に新しい層を重ねて補修することができるため、メンテナンスや補修作業が比較的簡単で長期間の維持管理が可能です。

デメリット

熱を加えて溶融する工法が主流のため、アスファルト防水の施工には専門的な技術が必要です。また、施工時に独特の臭気が発生することがあります。

アスファルト防水の施工には時間がかかることが多く、特に大規模な建物の場合は工期が1~2週間程度と、他の工法に比べて長くなってしまいます。

防水層が厚くて重量があるため、建物にかかる荷重によって躯体に負担がかかってしまいます。木造や軽量構造の建物には向かないと言えます。

耐久年数

約15~25年

それぞれの工法には特徴的なメリットとデメリットがあり、建物の用途や環境に応じて最適な工法を選ぶことが躯体の保護になります。防水工事を依頼する際には、これらのポイントを考慮して信頼できる業者と相談しながら、長期的な視点で最適な防水工法を選びましょう。

物件の状況別!防水工事の工法の選び方

防水工事を行うに際して、物件の構造や状況、使用用途に応じて選択する必要があります。物件の施工場所に適した工法を選ぶことで、建物の耐久性や機能性が向上します。以下では、施工する場所の状況に応じた防水工法の選び方について紹介します。

施工場所 ウレタン防水 FRP防水 シート防水 アスファルト防水
一般的な広さのベランダ ×
耐久性重視のベランダ ×
複雑な形状・障害物が多い屋上 ×
障害物のない平らな屋上
人や車の通行がある屋上

一般的な広さのベランダ

おすすめ工法 ウレタン防水、FRP防水
おすすめ理由 ウレタン防水はコストパフォーマンスが良く、FRP防水は耐荷重性・耐摩耗性が高い。

一般的な広さのベランダにはウレタン防水とFRP防水が適しています。ウレタン防水の防水材は液状のため、複雑な形状にも対応できるので施工が容易な上、コストパフォーマンスが高い点が魅力です。FRP防水の防水材も液状ながら硬化後は強度が非常に高く、耐荷重性・耐摩耗性に優れているため、頻繁に人が行き来するベランダに適しています。

一方で、シート防水によるベランダの防水施工自体は可能ですが、施工場所の形状次第ではシートの接合部分の仕上がりなどに不安が残るでしょう。

耐久性重視のベランダ

おすすめ工法 FRP防水
おすすめ理由 FRP防水はウレタン防水よりも耐久性が非常に高く、メンテナンス頻度を抑えられる。

耐久性を最優先に考えるベランダにはFRP防水が最適です。FRP防水はウレタン防水よりも強度が高く、シームレスな防水層で耐久性に優れているため、定期的なメンテナンスを最小限に抑えたい場所に適しています。

また、頻繁に人が歩くようなベランダでも耐荷重性・耐摩耗性に強いという特性を持っているため、定期的なメンテナンスで防水性能を維持できます。ウレタン防水も対応可能ですが、耐久性ではFRP防水に比べると劣っています。

複雑な形状・障害物が多い屋上

おすすめ工法 ウレタン防水
おすすめ理由 障害物が多い場所や複雑な形状の屋上に適しており、シームレスに防水層を形成できる。

障害物が多い屋上や凸凹があるなど形状が複雑な場所にはウレタン防水が最適です。液状のウレタン防水材を塗布して防水層を形成するため、細かい隙間や複雑な形状にも柔軟に対応しやすく、シームレスに防水層を形成可能です。

FRP防水も施工は可能ですが、より多くの費用や施工の手間がかかるため、ウレタン防水の方がより合理的です。シート防水やアスファルト防水は複雑な形状には適していません。

障害物のない平らな屋上

おすすめ工法 シート防水
おすすめ理由 障害物や凹凸がなければ広い面積を効率的に施工できるため、コストパフォーマンスが良い。

凹凸や障害物のない広い屋上にはシート防水が推奨されます。塩ビシートやゴムシートを使用した防水工法は広い面積に短期間で施工できる上、防水材も安く済むのでコストパフォーマンスは良好です。また、シート防水は長期間にわたり防水性能を維持しやすいことも大きなメリットです。

ウレタン防水やFRP防水も使用できますが、シート防水に比べるとコストパフォーマンスはやや劣ります。必要に応じてアスファルト防水も可能ですが、普通のマンションやビルにおける平らな広い屋上ではシート防水で十分です。

人や車の通行がある屋上

おすすめ工法 FRP防水、アスファルト防水
おすすめ理由 どちらも耐久性が高く、長期間の使用に耐えられる。特にアスファルト防水はメンテナンス頻度が低い。

人や車が頻繁に通行する屋上には高い耐久性が求められるため、FRP防水やアスファルト防水が最も適しています。FRP防水は耐荷重性・耐摩耗性に優れており、アスファルト防水はさらに耐久性に優れ、メンテナンス頻度も低く抑えられます。通行による負荷や衝撃がある場所でも、両工法は防水性能を長期間にわたり維持することが可能です。

人や車の通行がある屋上だとしても、ウレタン防水やシート防水による施工自体はできますが、耐久性ではFRP防水やアスファルト防水に大きく劣るので、劣化によって防水性能が失われるまでの期間が短くなってしまいます。

耐久年数とコストを考慮した選び方

防水工事の工法を選ぶ上で、耐久年数とコストについても考慮したほうが良いです。以下では、耐久年数とコストを基にした選び方を説明します。

コスト重視の場合

施工方法 平米単価 耐久年数
ウレタン防水 5,000~7,500円/㎡ 8~12年
塩ビシート防水 4,000~8,000円/㎡ 10~15年

防水工事でコストを重視する場合は、ウレタン防水やシート防水が適しています。ウレタン防水は他の防水工法に比べて材料費などが安価で、施工場所が限定されないのでコストパフォーマンスに優れています。シート防水も材料費が安く、凹凸がなくて平坦で広い施工場所には最適です。

耐久年数重視の場合

施工方法 平米単価 耐久年数
FRP防水 6,000~9,000円/㎡ 10~15年
アスファルト防水 6,000~8,000円/㎡ 15~25年

耐久年数を重視する場合は、アスファルト防水やFRP防水が適しています。ビルや商業施設向けですが、アスファルト防水は耐久性に優れており、15~25年と長期間にわたる防水効果が期待できます。FRP防水も強度が高く、耐久年数が10~15年程度と耐久性に優れています。メンテナンスの頻度を低く抑えたい場合にも最適です。

バランス重視の場合

施工方法 平米単価 耐久年数
塩ビシート防水 4,000~8,000円/㎡ 10~15年
アスファルト防水 6,000~8,000円/㎡ 15~25年

コストと耐久年数のバランスを重視する場合は、塩ビシート防水やアスファルト防水が適しています。シート防水は耐久年数が10~15年と比較的長く費用も抑えられるため、ビルやマンションではコストパフォーマンスが高い工法です。特に面積が広い屋上や凸凹がなく平らな屋上で効果的です。

一方、アスファルト防水は耐久年数が15~25年と非常に長いので、シート防水よりも優れた耐久性を望む場合に最適です。ただし、建物の造りがしっかりしていて重量物に耐えられる構造の場合に限ります。

このように、防水工法はそれぞれの施工場所や目的・予算に応じて適切に選ぶことで、耐久性やコストパフォーマンスを最大限に引き出しやすくなります。

防水工事の選び方に関するよくある質問

  1. 防水工事業者の見積もり内容を比較して選ぶ際の注意点は?
  2. 失敗しないように悪徳業者を見分けて選ぶ方法はありますか?
  3. 建物の構造に応じた防水工法の選び方はありますか?
  4. 防水工法の選び方の基準は何ですか?
  5. 防水工事の施工後、どのくらいの頻度でメンテナンスが必要ですか?

防水工事業者の見積もり内容を比較して選ぶ際の注意点は?

見積もりを比較するときは、費用だけでなく、工事内容や使用する防水材などが詳細に記載されているか確認しましょう。また、保証期間やアフターサービスの有無の確認は必須です。工事途中における追加費用の有無についても事前に確認し、後から追加料金が発生しないように注意しましょう。

失敗しないように悪徳業者を見分けて選ぶ方法はありますか?

急な訪問や過度に不安を煽るような営業を行う業者は避けましょう。また、極端に安い見積もりを提示する業者は、後から追加費用を請求してくる恐れがあります。口コミや評判を確認し、信頼できる業者を選びましょう。悪徳業者は契約を急がせたり、施工内容が不透明なことが多いです。

建物の構造に応じた防水工法の選び方はありますか?

建物の構造によって適切な防水工法が異なります。木造の場合は柔軟性があるウレタン防水が適しています。鉄筋コンクリート造には耐久性の高いアスファルト防水やシート防水が適しており、鉄骨造には軽量なシート防水が推奨されます。建物の特性を考慮しながら選ぶと良いでしょう。

防水工法の選び方の基準は何ですか?

防水工法を選ぶ際は、建物の用途、形状、使用する環境などを考慮します。また、耐用年数と予算も重要な選定基準です。長期的な耐久性を求める場合はアスファルト防水やFRP防水、コストパフォーマンスを重視するならウレタン防水やシート防水が一般的に選ばれます。

防水工事の施工後、どのくらいの頻度でメンテナンスが必要ですか?

防水性能を維持するためには、一般的に5~10年ごとにメンテナンスが推奨されています。工法や使用する材料によって異なりますが、定期的な点検を行うことで劣化や破損を早期に発見し、結果的に補修コストを抑えられます。

まとめ

今回の記事では、防水工事を依頼する業者の選び方から、物件の状況に応じた防水工法の選定方法などについて詳しく解説しました。防水工事は建物の耐久性を確保し、長期的な資産価値を維持するためにも慎重に判断すべき工事です。そのため、信頼できる防水工事業者を選び、そして物件に適した工法で施工することが成功の鍵となります。

防水工事を検討する際には、まず複数の業者に見積もりを依頼し、価格や内容の透明性、保証やアフターサービスの有無を確認しましょう。また、業者の施工実績や資格の有無、自社施工かどうかも考慮した上で選んだ方が良いです。怪しい業者を避けて信頼できる業者に依頼すれば、安心して防水工事を進められます。

物件の状況や目的に合わせて適切な防水工法を選ぶことで、防水層の耐用年数を最大限に引き出し、10~20年ほど風雨から建物を守れるでしょう。今回紹介したポイントを参考に、最適な防水工事を計画して建物を長期的に守るために適切な防水工事を選択してください。