古い家を売る方法を徹底解説|売り方・税金・控除・注意点まとめ

古い家を売る方法

「親から引き継いだ実家、どう処分すればいい?」「古くなった家、このまま持ち続けるのも不安で……」そんなお悩みを抱えているあなたへ、この記事はそのための情報を一から整理しています。
古い家は、売り方によって手取り額が大きく変わります。また放置すると、じわじわとリスクが積み上がるのも事実。売却にかかる税金や、使える控除制度も正しく理解しておく必要があります。
この記事では、古い家を売る6つの方法から、買い手の探し方、税金の仕組みと節税ポイントまで、実践的な内容を丁寧に解説します。ぜひ最後まで読んでみてください。

古い家とは築何年から?耐震基準・法定耐用年数の目安

そもそも「古い家」って、何年からそう呼ぶんでしょう? 実は法律上の明確な定義はありません。ただし、税制や不動産業界ではいくつかの基準が使われており、それを知っておくと売却時の判断に役立ちます。

法定耐用年数と築年数の考え方

税法上の「法定耐用年数」は、建物の価値をゼロとみなすまでの期間の目安です。実際の建物の強度とは別の話ですが、売却価格の査定に直接影響します。

構造 法定耐用年数 ポイント
木造・合成樹脂造 22年 一般的な戸建て住宅の多くがこれに該当。築22年を超えると建物の帳簿価値はゼロ扱い
木骨モルタル造 20年 古い建物に多い構造。耐久性に個体差がある
鉄骨造(肉厚4mm超) 34年 アパートや軽量鉄骨系住宅に多い
鉄筋コンクリート造(RC) 47年 マンションなど。構造上は長寿命だが、設備劣化は別問題

木造の一般的な戸建てであれば、築22年を超えると建物の評価額はゼロ、つまり「土地だけの値段」で査定されることが多くなります。もしあなたの実家が木造築30年なら、建物に値段がつかない可能性が高い。それを踏まえた売り方の選択が必要です。

耐震基準の「壁」は築何年が分かれ目か

耐震性の観点でも、買い手や住宅ローンの審査に影響する大きな分岐点があります。特に重要なのが、以下の2つの時期です。

時期 適用される基準 売却への影響
1981年5月以前
(旧耐震基準)
現行基準より大幅に緩い耐震性能。震度5強程度で倒壊しないことが基準 住宅ローンの審査が厳しくなる。買い手の選択肢が限られる
1981年6月〜1999年
(新耐震基準・旧基準)
震度6〜7でも倒壊しないことが基準。大幅改善 新耐震基準適合でローンが通りやすくなるが、2000年基準には劣る
2000年以降
(現行基準)
耐力壁の量・配置・基礎の仕様まで厳格に規定 ローン審査・買い手の安心感ともに最良
💡 ポイント:耐震診断で「証明書」を取得しよう

旧耐震基準の建物でも、耐震診断・耐震改修を行うことで「耐震基準適合証明書」を取得できます。この証明書があると、買い手が住宅ローン控除を利用できるようになり、買い手の幅が広がって売りやすくなります。売却前に検討する価値があります。

一般的には築20〜25年以上の家が「古い家」として扱われることが多く、特に旧耐震基準(1981年以前)の物件は、売り方の工夫が必要になります。ただし、築年数だけが全てではありません。手入れが行き届いた築40年の家が、放置された築15年の家より高く売れるケースもあります。

古い家を持ち続けるリスク|放置するとどうなるのか

「いつか売ろう」と思いながら、何年も放置してしまっている方は少なくありません。でも正直に言います。放置すればするほど、売れにくくなり、損をします。

具体的にどんなリスクがあるのか、整理してみましょう。

維持費・固定資産税の重み

家を持っている限り、住んでいなくても税金や費用はかかり続けます。固定資産税・都市計画税は、年に一度必ず請求が来ます。さらに、建物が傷んでくれば修繕費も必要になる。

  • 固定資産税・都市計画税(年間数万〜数十万円)
  • 火災保険料(解約しないかぎり継続)
  • 電気・水道の基本料金(管理のために残している場合)
  • 草刈り・清掃などの管理費用
  • 雨漏り・シロアリなどの修繕費(突発的に発生)

これらが毎年積み重なっていきます。売却を先延ばしにするたびに、コストが増える一方です。

⚠ 特定空き家に指定されると固定資産税が最大6倍に
空き家のまま放置された建物が「特定空き家」に認定されると、住宅用地の固定資産税特例(1/6減額)が外されます。つまり、税負担が最大6倍になるケースも。放置は決して「コストゼロ」ではありません。

空き家問題と法的リスク

2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、行政は老朽化した空き家の所有者に対して、指導・勧告・命令・行政代執行を行う権限を持っています。近隣住民からの苦情が積み重なれば、最悪の場合、自治体が強制的に解体し、その費用を所有者に請求することもあります。

自分の意思とは無関係に動き出してしまう。それが「空き家放置」の怖さです。

売却価格の下落と”売れなくなるリスク”

建物は時間とともに必ず劣化します。雨漏りが起きて構造材が腐れば、解体費用がかさんで土地の価値すら目減りします。売れないまま年月が経つと、「買い手もいない・費用だけかかる」という最悪のシナリオになりかねません。

売ると決めたなら、早いほうがいい。それが古い家の売却における基本的な考え方です。

古い家を売る6つの方法|メリット・デメリット比較

古い家の売り方は一つではありません。家の状態、売却を急ぐかどうか、解体費用を出せるかどうか……あなたの状況に合わせた選択が重要です。ここでは代表的な6つの方法を丁寧に解説します。

①そのまま売る(現状渡し)

修繕やリフォームをせず、今の状態のまま売り出す方法です。「現状渡し」とも呼ばれます。費用をかけずにすむ半面、建物の状態が価格に直接反映されます。
買い手は「自分好みにリノベーションしたい人」「格安で購入したい人」が中心になります。昨今はリノベーション需要が高まっており、都市部では古い家でも引き合いが出ることがあります。

✅ メリット

  • 費用をかけずに売り出せる
  • リノベーション目的の買い手に刺さる
  • 建物の価値が残っていれば価格に反映される

⚠ デメリット

  • 状態が悪いと大幅な値引きを求められる
  • 売れるまで時間がかかる場合がある
  • 瑕疵(かし)担保責任が残る

②古家付き土地として売る

「建物は解体してもらうことを前提に、土地として売る」という方法です。建物の価値はほぼ評価されず、土地の広さや立地で値段が決まります。
解体費用を売主が負担しないで済むため、費用を節約できるのが最大の魅力。一方で、買い手側は解体費用を差し引いた価格で購入しようとするため、交渉が必要なケースが多くなります。

✅ メリット

  • 解体費用を負担しなくてよい
  • 建て替え・土地活用を考える買い手に需要
  • 建物の状態をあまり問われない

⚠ デメリット

  • 建物の価値がほとんど評価されない
  • 土地の条件次第では買い手が見つかりにくい
  • 価格交渉で解体費分の値引きを求められることも

③解体して更地にして売る

自ら費用を出して建物を解体し、更地の状態で売る方法です。買い手から見ると「すぐに建てられる土地」として映るため、需要が高まりやすいのが特徴です。
解体費用は木造の一般的な戸建てで100〜200万円程度が目安。ただし、建物の規模や立地によって費用は大きく異なります。売却価格の上乗せ幅と解体費用のバランスをよく計算してから判断しましょう。

✅ メリット

  • 土地として売りやすく、買い手の幅が広がる
  • 瑕疵担保責任から解放される
  • 早期売却につながりやすい

⚠ デメリット

  • 解体費用(100〜200万円以上)が先にかかる
  • 更地になると固定資産税の特例が外れて税額が上がる
  • 売れるまでの間も税コストが増加する
⚠ 更地にすると固定資産税が上がる?
住宅が建っている土地は「住宅用地の軽減措置」が適用され、固定資産税が最大1/6に抑えられています。解体して更地にすると、この優遇が外れて税額が跳ね上がります。更地にするタイミングと売却時期は慎重に連動させましょう。

④不動産会社に買取してもらう

不動産会社が直接買い取るサービスです。仲介と違い、一般の買い手を探すプロセスを省略できるため、スピードが最大の魅力。最短数週間〜1ヶ月程度で現金化できます。
「相続した実家を早く片付けたい」「遠方にある空き家を処分したい」という方には特に向いている方法です。ただし、買取価格は仲介での市場価格より1〜3割程度低くなることが一般的です。価格よりもスピード・確実性を優先したい場合に選ぶ方法です。

✅ メリット

  • 最短数週間で売却完了
  • 売れ残りリスクがない
  • 内覧対応など手間が少ない

⚠ デメリット

  • 市場価格より1〜3割低くなる
  • 複数社に相見積もりを取らないと損するリスク
  • 買取後の建物への権利・関与がなくなる

⑤リフォームして売る

水回りや外壁など、買い手が気になりやすい箇所だけをリフォームして価値を高め、売り出す方法です。ただし、リフォームに投じた費用が必ずしも売却価格に上乗せされるとは限りません。
リフォーム費用と売却価格の上昇幅を慎重に試算することが重要です。古い家の場合は「フルリフォーム」よりも「最低限の整備+価格調整」のほうが費用対効果が高いケースもあります。不動産会社と相談しながら判断しましょう。

✅ メリット

  • 見た目の印象が改善され内覧で刺さりやすい
  • ローン審査が通りやすくなることも
  • 買い手層が広がる

⚠ デメリット

  • リフォーム費用が先行投資となるリスク
  • 費用対効果が読みにくい
  • 工期中は売り出しができない

⑥隣人・近隣の人に直接売る

隣地の所有者や近所の方に、直接声をかけて売却する方法です。隣の方が土地を広げたい・建替えを検討しているといった場合、思わぬ好条件で話がまとまることがあります。
仲介手数料が不要になる反面、適正価格で取引するための不動産知識が求められます。契約書の作成など法的な手続きは、必ず司法書士や不動産会社に確認してもらいましょう。

✅ メリット

  • 仲介手数料がかからない
  • 広告なしで売れるケースがある
  • 信頼関係のある相手との取引

⚠ デメリット

  • 買い手候補が極めて限られる
  • 価格交渉・契約に専門知識が必要
  • トラブル時に近隣関係に影響するリスク

どの方法を選ぶべきか?判断の目安

迷ったときは、次の観点で絞り込んでみてください。

状況・優先事項 おすすめの方法
できるだけ高く売りたい 現状渡し or リフォームして仲介で売る
早く現金化したい 不動産会社に買取依頼
解体費用を出せない・出したくない 古家付き土地として売る
土地の需要が高いエリアで売りたい 解体して更地にして売る
隣地の方が購入に関心を持っている 近隣への直接交渉

古い家の買い手候補とその探し方

「古い家なんて誰も買わないのでは……」そう不安になっている方もいるかもしれません。でも実際には、古い家を求めている人は確実に存在します。どんな人が買い手になりうるか、具体的に見ていきましょう。

3タイプの買い手と特徴

自己居住目的の購入者

中古物件を安く買って自分好みにリノベーションしたい、という需要が近年増えています。特に若い世代を中心に「安く買って手をかける」スタイルへの関心が高まっており、古い家であっても立地や間取りが合えば積極的に検討されます。

  • 新築より安く広い家を買いたいファミリー層
  • 自分でDIYや設計を楽しみたい人
  • 古民家スタイルの住空間に憧れる人

投資・賃貸目的の購入者

不動産投資家や賃貸運営を目的とした購入者も、古い家のターゲットになります。特に交通アクセスのよいエリアや、学生・単身者の多いエリアでは、リフォームして賃貸に出すことを前提に購入するケースがあります。

  • 格安で購入してリフォームし賃貸に出す投資家
  • 民泊・シェアハウスへの転用を考える事業者
  • 地価上昇を期待した長期保有目的の投資家

建て替え・土地活用目的の購入者

建物には全く興味がなく、「土地が欲しい」という人たちです。ハウスメーカーや工務店、不動産開発業者などもこのカテゴリーに入ります。

  • 新築を建てたいファミリー(土地探し中)
  • アパート・マンション建設を計画する業者
  • 隣地と合筆して広い土地として活用したい人

効果的な買い手の探し方

方法 内容と特徴
不動産会社に査定・仲介依頼 最もスタンダードな方法。地域密着型の会社は地元ネットワークも強く、隠れた買い手候補にリーチできる
不動産ポータルサイトへの掲載 SUUMO・HOME’S・at homeなどへの掲載で全国から買い手を探せる。老朽化した物件でも掲載は可能
空き家バンクへの登録 自治体が運営する空き家情報サービス。移住希望者やリノベーション目的の購入者にリーチしやすい
近隣へのポスティング・声がけ 「売りに出している」と地域に知ってもらうことで、隣地所有者などが動くことがある
不動産買取専門会社へ相談 スピード重視。一般流通では売れにくい物件でも対応してもらえるケースが多い
💡 複数の不動産会社に査定依頼するのが基本
一社だけに頼ると、その会社の判断が全てになってしまいます。古い家の査定は会社によって大きく差が出るケースも。最低でも2〜3社に比較査定をしてもらい、売却価格の相場観をつかんでから判断するのがおすすめです。

古い家を売るとかかる税金と控除制度

売れた!と喜んだ後に「え、こんなに税金がかかるの?」とならないために、事前に税金の仕組みを理解しておくことが大切です。古い家を売る場合に関わる主な税金と、使える控除制度をまとめました。

譲渡所得税の仕組みと税率

不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税(所得税+住民税)がかかります。売却価格そのものに課税されるのではなく、「売却価格から取得費や諸費用を引いた利益」に課税される点を押さえておきましょう。

■ 譲渡所得の計算式

譲渡所得 = 売却価格 ─ 取得費(購入価格+購入時諸費用)─ 譲渡費用(仲介手数料など)
※取得費が不明な場合:売却価格の5%を概算取得費として使用可

この譲渡所得に対してかかる税率は、所有期間によって大きく変わります。

所有期間 区分 税率(所得税+住民税)
5年以下(売った年の1月1日時点) 短期譲渡所得 39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
5年超(売った年の1月1日時点) 長期譲渡所得 20.315%(所得税15.315%+住民税5%)

古い家の多くは長年保有しているケースが多いため、長期譲渡所得(20.315%)が適用されることがほとんどです。ただし、利益が大きい場合はその20%以上が税金として持っていかれることを念頭においてください。

3,000万円特別控除とは

マイホームを売る場合は、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。適用できれば、多くのケースで税負担がゼロになります。

項目 内容
特例の名称 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除(租税特別措置法第35条)
控除額 譲渡所得から最大3,000万円を控除
主な適用要件 自分が住んでいた家であること/売った年の前年・前々年にこの特例を使っていないこと/売主と買主が特別な関係でないこと
空き家の場合 住まなくなってから3年を経過した年の12月31日までに売れば、引き続き利用可能
💡 相続した空き家にも「3,000万円控除」の特例がある

2023年12月31日まで(延長の可能性あり)の特例として、相続した空き家を一定条件のもとで売却する場合にも3,000万円控除が適用できます。昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた建物で、相続後に一定の改修を行うか解体した場合が対象。相続後に空き家を処分したい方は、税理士への相談をお勧めします。

相続した家を売る場合の注意点

親から相続した古い家を売る場合は、売却だけでなく相続税や贈与税の話も絡んでくることがあります。

  • 相続税:相続財産の評価額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合に課税。土地の評価額は「路線価」または「固定資産税評価額×倍率」で計算
  • 取得費加算の特例:相続税を払った場合、その一部を不動産の取得費に加算できる特例がある。これにより譲渡所得が圧縮され、節税につながる
  • 売却のタイミング:相続から3年10ヶ月以内に売却すると「取得費加算の特例」が使える。期限に注意

確定申告で必要な書類一覧

不動産を売却して譲渡所得が発生した場合、翌年の確定申告(原則2月16日〜3月15日)が必要です。3,000万円控除などを適用するためにも申告は必須。以下の書類を事前に揃えておきましょう。

  1. 売買契約書(売却時のもの)
  2. 購入時の売買契約書・領収書(取得費の証明)
  3. 仲介手数料・解体費用などの領収書(譲渡費用の証明)
  4. 固定資産税の納税通知書
  5. 登記事項証明書(不動産登記簿謄本)
  6. 相続の場合:遺産分割協議書・相続税申告書の写し
  7. 控除申請の場合:住民票の写し(居住実態の証明)
  8. 確定申告書(第三表・分離課税用)
⚠ 確定申告を忘れると「無申告加算税」が発生します

利益が出ていると思わずに申告を怠ったケースでも、後から追徴されることがあります。売却した翌年に確定申告が必要かどうか、必ず税理士や税務署に確認してください。

まとめ|古い家の売却で迷ったらまず査定を

この記事のポイントまとめ

  1. 築20年以上の木造住宅は「建物価値ゼロ」で査定されることが多く、1981年以前の旧耐震基準物件は買い手の選択肢が狭まる
  2. 古い家を放置すると、固定資産税・維持費・法的リスクが積み上がり、売却価格も下がる一方。早めの決断が重要
  3. 売り方は「現状渡し」「古家付き土地」「解体更地」「買取」「リフォーム」「近隣交渉」の6種類。状況に合わせて選ぶ
  4. 買い手は「自己居住・投資・建て替え」の3タイプ。複数の不動産会社に査定を依頼して相場を把握することが売却成功のカギ
  5. 譲渡所得税は所有期間5年超で20.315%。居住用なら3,000万円特別控除が使え、多くのケースで税負担を大幅に軽減できる
  6. 相続した空き家を売る場合は「取得費加算の特例」や「相続空き家3,000万円控除」の活用を。タイミングと条件を税理士に確認

古い家の売却は、知識があるかないかで手取り額に大きな差が出ます。「何から始めればいいかわからない」という方も、まずは無料査定から始めてみてください。現在の価格感をつかむだけでも、次のアクションが見えてきます。
一人で抱え込まず、専門家と一緒に動くのが、古い家売却の一番のコツです。

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