ゴミ屋敷と化したマンション売却は可能?売却前にやっておくべきこと
ゴミ屋敷がたびたびテレビなどで取り上げられ、話題になっています。
住まいがゴミ屋敷と化すのは、本人がだらしないとか片付けができないといった単純な理由だけではありません。認知症や心の病、独居老人の問題(高齢でゴミ出しができない)など、さまざまな背景があります。
今回はゴミ屋敷になってしまったマンションの売却ができるのかどうか、売却したい場合は何をやればいいのかについて見ていきます。
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03-6304-2731毎日 10:00 ~ 21:00ゴミ屋敷のままでマンション売却はできません
マンションは空室の状態で売却します。中にはエアコンや家具、カーテンなどがまだ使える場合はそのまま残していく……というケースはありますが、さすがにゴミを残したままで売ることは不可能です。
ゴミ屋敷のマンション売却が難しい理由
あえて書き出すまでもありませんが、ゴミ屋敷となったマンションが売れない理由をあげてみます。
悪臭 | ・生ゴミを放置することで発生する悪臭 ・換気が不十分でカビが発生して起こるカビの臭い など |
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カビ | 換気を十分に行わないために湿気がこもり、壁紙や浴室、洗面所、トイレなどに黒カビが発生して取れない |
汚れ | 長年掃除をしていないために、埃が蓄積している |
床の腐食 | ・敷きっぱなしの布団や換気不充分なために床板が腐食して、ブカブカしている ・畳が腐っている |
害虫 | ゴキブリ、ダニ、ハエ、さらにはネズミなどが発生している |
機器・設備の不具合 | 掃除が不十分な上に機器や設備のメンテナンスを行っていないために、機器・設備の破損や不具合が多い |
近所の悪評 | 「〇〇号室はゴミ屋敷だ」と近隣の部屋や周辺住宅で悪い評判が立っていると売れない |
このようにゴミ屋敷となったマンション売却は大変困難であることがわかります。
ゴミ屋敷になったマンション売却までの流れ
ゴミ屋敷となったマンション売却は、次のような段階を踏む必要があります。
- ゴミを処分する
- 清掃やリフォームをする
- 不具合のある機器や設備の修繕をする
- 売却価格を決める
- 販売活動を始める
通常のマンションなら清掃や必要な箇所だけのリフォームをすれば販売活動が始められますが、ゴミ屋敷になってしまった場合は大がかりな清掃やリフォームが必要になります。
では、ひとつずつ見ていきましょう。
ゴミを処分する
何日間か掃除ができなくてたまった家庭ゴミは、それほど量が多くないので自治体のゴミ回収に出せば片付きます。
しかし、ゴミ屋敷……つまり部屋いっぱいに足の踏み場がないほど蓄積したゴミの処分は、そう簡単にはいきません。
そのような場合はゴミ回収業者に依頼します。
ゴミ回収業者で見積もりを取る
最近は「家中のゴミを回収・処分します」といった業者や、ゴミ搬出後の清掃もしてくれる業者があります。
いくつもの業者があり、料金体系やサービス内容が異なるので、複数の業者で見積もりを取ってみましょう。
大型家具(ベッドやソファー、テーブルなど)があり、マンションの高層階の場合は別料金が必要な場合があります。
それぞれの状況に応じて相談してみましょう。
ゴミ回収は一般廃棄物処理業の許可を取得している業者に依頼を
一般廃棄物とは産業廃棄物以外の廃棄物のことを指します。家庭から出るゴミや不用品は、自分でゴミ回収日に出すこともできますが、大きな家具や大量のゴミを処分する場合は、一般廃棄物処理業の許可を得ている業者に依頼すると安心です。
清掃やリフォームをする
ゴミが処分できたら、清掃をします。自分(家族)で掃除ができる程度の汚れならいいのですが、ゴミ屋敷になっている場合は長期間、掃除をしていないことがほとんどです。
さらにカビや汚れがこびり付いています。
費用はかかりますが、専門の業者に依頼した方が早くきれいになります。ゴミ回収業者の中には清掃も行う業者があるので、探してみましょう。
ゴミ屋敷のマンション売却でリフォームはすべき?
マンションの傷み具合にもよりますが、床や畳が腐っている場合などはリフォームをした方がいいでしょう。
ただし、ゴミの処分料、清掃料と併せてリフォーム料金も必要となると、かなりの額になってしまいます。
リフォームをせずに値引きをして売却するという方法もあります。購入希望者は「安くて買えるなら、その方がいい。リフォームは自分が気になる箇所だけやればいいから、安く売ってほしい」という人もいます。
そういう人と出会えるなら、リフォームなしのいわゆる「原状渡し」で売却するのもひとつの方法です。
ゴミ屋敷と化したマンション売却はどの段階で不動産会社に相談すべきか?
ゴミ屋敷と化したマンションを売却する際に、どの段階で不動産会社に相談すべきでしょうか?
最低でもゴミ回収の見積もりを出してから
ゴミを処分してから不動産会社に物件を見せて相談する方がいいのですが、中にはゴミ回収の費用が出せないというケースがあります。
そのときは、事情を話して現状のままで不動産会社に相談するという方法も考えられます。ただし、「ゴミ回収を業者に依頼すると〇〇万円かかるそうです」と説明するといいでしょう。不動産会社ではゴミ回収費用も込みで査定額を計算してくれます。
足元を見られる場合があるので注意を
ゴミ処分が自分でできない状態で売却の相談をすると、「この状態では買い手が付きませんよ。ゴミ回収や清掃費用が出せないのなら、当社が買い取りましょうか」と言って、安く買い取られる場合があります。
このように足元を見られないように気をつけましょう。業者の対応を見るためにも、複数の不動産会社に相談を持ち掛けるのが高くマンション売却をするコツです。
賃貸マンションで人に貸していた物件がゴミ屋敷になった場合の売却
賃貸で人に貸していたマンションがゴミ屋敷になった場合はどうすればいいでしょうか。
独居老人の孤独死が増えている
最近多いのが独居老人の孤独死です。さまざまな理由で高齢でありながらひとりで生活をしていたという高齢者が、誰にも知られずにマンションで死亡していたというケースです。
ゴミ出しや掃除をしたくても身体が動かせずにゴミ屋敷になってしまったということがあります。死因が自殺や事件性がない場合は「事故物件」扱いにはせずに、売却が可能です。
(死亡後の発見が遅れて腐敗臭がある場合などは、売れない可能性があります。)
遺族と連絡が取れるかどうか
孤独死をしても、親族がどこかにいれば連絡をします。遺族に遺品整理やゴミ回収の相談をしてみましょう。
ただ、故人との関係によっては、「そこまで面倒は見られない」「そちらで勝手に処分してください」と言われることもあります。
その場合は、マンション所有者の方で処分することになります。あるいは、上でも書いたように原状のまま不動産会社に買い取ってもらうという方法もあります。
ゴミ屋敷と化したマンション売却の流れと注意点
ゴミ屋敷と化してしまったマンションを売却する際には、まずはゴミ回収業者に依頼してゴミの処分を行います。
それから不動産会社に査定してもらうのが理想ですが、状況によってはゴミ処分費用が出せない場合があります。
そのときはゴミ処分費用の見積もり額を調べて、不動産会社に相談してみましょう。ゴミ処分費用や清掃費用、リフォーム費用を差し引いた額で査定(または買い取り)になるでしょう。
賃貸マンションとして貸していた物件がゴミ屋敷になった場合は、入居者にゴミ処分費用を負担してもらうのが筋ですが、入居者が死亡している場合などで処分できない場合も処分費用の見積もり額を出して、不動産会社に相談してみましょう。
いずれの場合もゴミ屋敷になる前にゴミの処分を進めることが大切です。