1,400万人の人口を有する日本最大の都市である東京都は、四季の変化が明瞭な気候が特徴です。近年は線状降水帯やゲリラ豪雨が発生する頻度も高まっており、異常気象から建物を守る対策が重要になっています。

雨は建物を老朽化させる最大の原因となりますが、適切な時期にしっかりと防水工事を行うことで、建物の寿命を延ばすことができます。東京都では防水工事を含めた住宅改修工事に補助金制度を設けている自治体が多くあるので、積極的に活用すると良いでしょう。

この記事では、東京都で防水工事を検討している方のために、料金相場や補助金、信頼できる業者などを紹介します。快適な住まいを長く維持するために、ぜひ参考にしてください。

東京都の防水工事にかかる費用相場

東京都の防水工事にかかる費用相場は、工事の種類や規模によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。

これらの単価には、下地処理や補修、ドレンや脱気筒の設置、発生材処分費などの付帯工事費用が含まれていません。また、工事する場所や状況によっては、通気緩衝工法や機械固定工法などの特殊な工法を採用する必要がある場合もあります。その場合は、単価が高くなる可能性があります。

したがって、防水工事の費用相場を知るためには、具体的な工事内容や見積もりを複数の業者から取得することがおすすめです。本記事では、東京都で防水工事を行っている業者の一覧や評判も紹介しているので、参考にしてください。また、より工事費用を抑えたい場合は、複数の防水工事業者への一括見積もりサービスも有効です。

防水工事は建物の耐久性や快適性に大きく影響する重要な工事です。適切な工法や塗料を選び、信頼できる業者に依頼することで、長期的に安心して暮らすことができます。

東京都の防水工事に使える補助金制度

• 東京都大田区 住宅リフォーム助成事業
• 東京都北区 住まい改修支援助成
• 東京都目黒区 住宅リフォーム資金助成

東京都大田区

住宅リフォーム助成事業

大田区では、住まいの長寿命化を目的とした工事を行う方に対し、工事費用の一部を助成しています。屋根の塗装・改修も助成対象となっており、防水工事にも適用できるものと見込まれます。

対象工事

下記のような住まいの長寿命化に関する工事に助成金が受けられます。ただし、工事は大田区に本社のある業者が施工する必要があります。

• 洗面台改修に伴う給排水等の工事
• キッチン改修に伴う給排水等の工事
• 空調換気設備改修（全熱交換システム）
• 屋根・外壁塗装
• 屋根の改修
• 外壁の改修
• 雨どいの改修
• 防蟻・防虫処理（薬品の購入又は薬品散布のみは対象外）
• 建物土台の劣化改修

助成金額

税抜き10万円以上の工事に対し、助成対象工事額の10％、上限20万円の助成金が受けられます。

※大田区の他の助成制度・保険給付制度と併せて申請する場合は、助成対象工事額の5％、上限10万円となります。

対象者・支給条件

以下の要件を満たす方が助成金を受けられます。

• 令和5年1月1日時点から工事対象住宅に継続して居住する区民
• 工事を行う個人住宅の所有者
• 特別区民税・都民税を滞納していないこと
• 区の他の助成制度・保険給付制度を利用した場合でも自己負担額が発生すること
• 過去にこの助成金の交付を受けていないこと

受付期間

事前申込（仮申請）受付期間：令和5年4月14日から令和6年1月31日まで
助成申請（本申請）受付期限：令和6年3月29日　午後5時まで

工事に着工する前に仮申請をする必要があります。また、本申請は工事が完了した後に速やかに行ってください。本申請の受付期限を過ぎると受付ができないので、工程を確認しておきましょう。

参考リンク：住宅リフォーム助成事業／大田区

東京都北区

住まい改修支援助成

北区では、区民が所有して実際に住んでいる住宅の改修工事を行う方に対し、費用の一部を助成しています。ただし、北区内にある中小業者を利用して工事を行う場合に限ります。

対象工事

北区内にある住宅の下記のような工事に助成金が受けられます。

• 基礎部分の破損個所の改修
• 屋根の葺き替え・補修・塗装、外壁の塗り替え・補修、住宅内の給排水管の更新工事、雨樋工事
• 老朽化したベランダの取り替え、ベランダ防水工事、ベランダ床等工事、外階段の改修
• 壁紙の貼替（抗菌・抗ウイルス加工）、玄関付近への手洗い設備の新設工事、モニター付インターホンの新規設置またはモニター無しインターホンからの交換工事
• 屋上の防水加工、外壁を防火サイディングに取り替え、防犯ガラス・二重サッシ・玄関扉の設置、雨戸・シャッター工事、セーフティルーバーの設置
• その他区長が特に必要と認める工事

北区内にある業者が工事を行う必要があります。また、工事前と工事後の日付入りの写真が必要です。写真がない場合は助成対象外になるので注意してください。

助成金額

税抜き10万円以上の改修工事に対し、工事費用（税抜の見積額と工事実施後の工事費用の低い方）の20％、上限10万円の助成金が受けられます。

対象者・支給条件

以下の要件を満たす方が助成金を受けられます。

• 今までに、一度もこの助成を受けていないこと
• 対象承認申請以前に、区内の改修工事対象住宅を所有者であること。共有名義の場合は名義人全員の同意を得ていること
• 対象承認申請以前に、区内の改修工事対象住宅に居住（住民登録）していること
• 改修工事対象住宅に、居住する全員が区市町村民税（住民税）を滞納していないこと

受付期間

対象承認申請（工事着工前）受付期間：令和５年４月３日から１２月２８日
交付申請（工事完了後）受付期限：令和６年２月２９日

※対象承認申請は、期間内であっても助成額が今年度の予算に到達した時点で終了します。
※対象承認申請は工事に着工する前、交付申請は工事完了後９０日以内に行ってください。令和６年２月２９日までに申請できなかった場合は、助成金の交付が受けられないので注意してください。

参考リンク：住まい改修支援助成／北区

東京都目黒区

住宅リフォーム資金助成

目黒区では、目黒区民が区内に所有する住宅のリフォーム工事を行う場合に、工事費用の一部を助成しています。申請は予算の範囲内で先着順に受け付けています。

対象工事

目黒区内にある住宅の以下のような工事に助成金が受けられます。

• 浴室・トイレ・キッチン・洗面所などの改修、床・壁紙の張替え、間取り変更、内窓の設置など（マンションも対応可）
• 屋根・外壁の塗装や補修などの屋外改修工事（区分所有登記していない一戸建て住宅のみ対象）

※二世帯住宅や一部が店舗等になっているなど別々に登記している住宅は、屋根・壁が共用部分にあたるため助成の対象にはなりません。室内の工事は専有部分のため対象となります。

また、以下のような工事は対象外となります。

• 外構・門扉・車庫など
• 店舗・事務所・作業所・賃貸住宅などの事業用部分
• エアコン・給湯器・ガスコンロ・食洗器など、機器交換・設置のみの工事

目黒区内にある業者が施工する場合に助成金支給の対象となります。他の制度と併用する場合は、目黒区のホームページで詳細を確認してください。

助成金額

税抜き20万円以上のリフォーム工事に対し、工事費用（税抜の見積額と工事実施後の工事費用の低い方）の10％、上限10万円の助成金が受けられます。

対象者・支給条件

以下の要件を満たす方が助成金を受けられます。

• 所有者は申請者本人（あるいは配偶者、親、子など決められた範囲内）であること
• 住民税を完納していること
• 平成 30 年（2018 年）4 月 1 日以降この制度を利用していないこと

過去にこの制度を利用したことがある方でも、条件を満たせば助成金を受けられる場合があります。詳しくは、目黒区のホームページで確認してください。

受付期間

申請受付期間：令和5年11月30日（木曜日）まで

申請は工事を開始する1週間前までに行う必要があります。また、令和6年3月31日までに工事と支払いが完了しない場合は助成の対象外のため、申請の前に必ず工程を確認してください。

参考リンク：住宅リフォーム資金助成／目黒区

東京都の防水工事の施工事例

杉並区 築30年の工場

施工箇所

屋上

施工期間

8日間

耐用年数

10年

施工費用

65万円

立川市 築28年のマンション

施工箇所

陸屋根

施工期間

3日間

耐用年数

20年

施工費用

50万円

東京都の防水工事業者（全国防水工事協会加盟店）

井上瀝青工業株式会社

所在地

〒141-0022　東京都品川区東五反田1-8-1

サイト

http://www.inoue-rekisei.co.jp/

営業エリア

関東地区

防水許可番号

東京都知事許可（特-4）第6162号

資本金

3,000万円

年間売上高

131,500万円

従業員数

23名（うち建築施工管理技士数）1級 5名 ／ 2級 4名

技能員数

90名（うち1・2級技能士数）59名（登録基幹技能者 14名）

会社沿革

昭和20年11月1日　井上工業所として発足

主な施工実績

【改修】
・小田急江戸川ハイツ
・多摩川ハイム
・東京経済大学
【新築】
・東京都庁舎
・東京オペラシティ
・東京ドーム
・横浜国際競技場
・埼玉アリーナ
・東京ミッドタウン
・丸の内SF計画

工事保険加入

○ 加入

クリステル工業株式会社

所在地

〒164-0013　東京都中野区弥生町2-3-10

サイト

http://www.crystel.jp/

営業エリア

関東

防水許可番号

東京都知事許可（特-02）第101779号

資本金

5,000万円

年間売上高

－

従業員数

40名（うち建築施工管理技士数）1級 5名 ／ 2級 7名

技能員数

70名（うち1・2級技能士数）45名

会社沿革

昭和16年10月1日　吉岡宝市クリステル工務店として営業開始
昭和28年4月6日　株式会社クリステル工務店設立
昭和41年8月1日　クリステル工業（株）と社名改称

主な施工実績

・東京都板橋区マンション（8階 49戸）
・東京都江東区マンション（9階 25戸）
・千葉県柏市マンション（6階 38戸）
・埼玉県春日部市マンション（8階 40戸）
・埼玉県川口市マンション（5階 37戸）
・東京都港区マンション（11階 67戸）
・東京都杉並区マンション（8階 54戸）
・東京都杉並区マンション（８階 41戸）
・東京都港区マンション（12階 71戸）
・東京都北区マンション（13階 32戸）
・千葉県千葉市マンション（7階 72戸）
・東京都葛飾区マンション（14階 51戸）
・東京都台東区マンション（13階 44戸）
・東京都目黒区マンション（10階 72戸）
・東京都渋谷区マンション（12階 23戸）　　

工事保険加入

○ 加入

京葉シール株式会社

所在地

〒130-0021　東京都墨田区緑4-7-7

サイト

http://www.keiyoseal.co.jp

営業エリア

関東全域（1都6県）

防水許可番号

東京都知事許可（般）第40636号

資本金

1,000万円

年間売上高

43,600万円

従業員数

12名
（うち建築施工管理技士数）2級 3名
（うち1級建築士数）1名

技能員数

80名
（うち1・2級技能士数）1級 28名 ／ 2級 15名

会社沿革

昭和48年6月　設立

主な施工実績

・越谷市役所新庁舎建設工事
・三井不動産ロジスティクスパーク船橋Ⅲ新築工事
・（仮称）外苑ハウス建替え計画
・（仮称）銀泉西新橋ビル新築工事
・東京女子医科大学（仮称）東医療センター移転事業
・プロロジスパーク草加プロジェクト
・コスモス青山　外部シーリング更新その他修繕工事
・城西大学坂戸キャンパス（仮称）23号館新築工事
・（仮称）虎ノ門二丁目計画
・白金一丁目東部北地区市街地再開発事業施設建築物新築工事

工事保険加入

○ 加入

まとめ

東京都の防水工事について、工事の種類や費用相場、補助金制度などを紹介しました。

防水工事は、建物の寿命や快適性に大きく影響する重要な工事です。しかし、防水工事には様々な種類や方法があり、かかる費用も、工事の規模や内容、業者によって大きく異なります。そのため、防水工事を行う際には、自分の建物の状況やニーズに合った工法や塗料を選び、信頼できる業者に依頼することが必要です。

防水工事を行う際には、補助金制度を利用することで、費用を抑えることができます。東京都では、既存住宅の省エネ改修工事や断熱防水改修工事などに対して補助金を支給しています。また、自治体や業界団体などによっても、防水工事に関する補助金制度があります。補助金制度は、申請期間や条件などが異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

防水工事は一度行えば長期間持続するものですが、定期的な点検やメンテナンスも必要です。定期的に防水工事を行うことで、建物の価値や耐久性を高めておきましょう。