防水工事に適した時期や季節はいつ?メンテナンスをすべきタイミングについても解説

防水工事は建物の劣化を防ぎ、快適な住環境を保つために重要なメンテナンスです。しかし、防水工事に適した時期はいつなのか、メンテナンスが必要になるタイミングなど、分からないことも多いでしょう。

この記事では、防水工事を行うのに最適な時期や季節、メンテナンスを行うべき劣化症状、注意点などについて詳しく解説します。防水工事の時期を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

防水工事に適した時期と季節はいつ?

防水工事は、一般的に10年から15年前後で「漏水が発生する前」に行うことがベストです。しかし、防水工事を行う時期や季節によっても、施工方法や材料の性能が変わることがあります。では、防水工事に適した時期や季節はいつなのでしょうか?

防水工事で人気の季節は春と秋

防水工事で人気の季節は春と秋です。これは、気温や湿度が適度であるため、施工条件が良くなるからです。

春や秋は、日中の気温が15℃以上であれば、ほとんどの種類の防水材料を使うことができます。また、雨も少なく乾燥も早いため、塗装やシート貼りなどの作業もスムーズに進みます。

春や秋に防水工事を行うメリットは以下の通りです。

  • 防水材料の性能を最大限発揮できる
  • 施工時間を短縮できる
  • 梅雨や冬場の漏水リスクを回避できる

夏と冬に防水工事を行うと施工条件が悪くなりやすい

夏と冬は、気温や湿度が極端に高かったり低かったりするため、施工条件が悪くなります。そのため、防水材料の種類や施工方法によっては、夏や冬に防水工事を行うことが難しい場合もあります。

夏に防水工事を行うメリット・デメリット

夏は、日中の気温が30℃以上になることも多く、高温多湿な環境では塗装型の防水材料(ウレタン・アスファルト)が乾燥しなかったり剥離したりする恐れがあります 。また、台風などの強風や豪雨も発生しやすくなります。

夏に防水工事を行うメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
  • シート型(塩ビ・FRP)の防水材料は伸び縮みしやすく密着性が高まる
デメリット
  • 塗装型(ウレタン・アスファルト)の防水材料は乾燥しなかったり剥離したりする可能性がある
  • 天候不順(強風・豪雨)で作業中断や延期が起こりやすい

冬に防水工事を行うメリット・デメリット

冬は、日中でも気温が10℃以下に下がることもあります。低温では塗装型の防水材料(ウレタン・アスファルト)が硬化しなかったり、シート型の防水材料(塩ビ・FRP)が縮んだりする可能性があります。また、雪や霜などの凍結や解凍によっても、防水層にダメージを与えることがあります。

冬に防水工事を行うメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
  • 塗装型(ウレタン・アスファルト)の防水材料は低温でも硬化するものがある
デメリット
  • 塗装型(ウレタン・アスファルト)の防水材料は硬化しなかったりひび割れたりする可能性がある
  • シート型(塩ビ・FRP)の防水材料は縮んだり剥離したりする可能性がある

防水工事のメンテナンス時期の目安

防水工事のメンテナンス時期は10~15年

防水工事は、建物の屋上やベランダなどに施される工事で、雨水や湿気から建物を守る役割を果たします。しかし、長年にわたって日光や温度変化などにさらされると、防水層が劣化してしまいます。そのため、定期的にメンテナンスを行う必要があります。

一般的に、防水工事のメンテナンス時期は約10~15年前後と言われています。しかし、これはあくまで目安であり、建物の状況や使用環境によって異なります。例えば、屋上緑化や太陽光発電などを設置している場合は、より早く劣化する可能性があります。

防水工事のメンテナンス時期を判断する劣化症状

  1. 表面の色褪せ
  2. ひび割れ
  3. 防水シートの剥がれ
  4. 防水シートの膨れ・浮き

表面の色褪せ

防水層の表面が色褪せている場合は、紫外線や酸性雨などによって塗料が劣化しているサインです。色褪せが進むと、塗料が剥離したりひび割れしたりする恐れがあります。また、色褪せによって美観も損なわれます。

表面の色褪せを見つけたら、早めに塗り替えを行うことがおすすめです。塗り替えは比較的低コストで行えるメンテナンス方法です。

ひび割れ

防水層にひび割れがある場合は、温度変化や収縮・伸展などによって素材がダメージを受けているサインです。ひび割れから雨水や湿気が浸入すると、建物内部にカビやシロアリなどの被害をもたらす可能性があります。

ひび割れを見つけたら、早めに補修または張り替えを行うことがおすすめです。補修は部分的に行える場合もありますが、張り替えは全体的に行う必要があります。

防水シートの剥がれ

防水シートという素材で施された防水工事では、接着不良や経年劣化などでシート自体が剥がれてしまうことがあります。シートが剥がれると下地材や断熱材なども露出してしまい、雨漏りや断熱性能の低下などの問題を引き起こします。

シートが剥がれたら、早めに張り替えを行うことがおすすめです。張り替えは全面的に行う必要があります。また、下地処理や素地の乾燥時間なども十分に確保することで、防水シートの剥がれを予防することができます。

防水シートの膨れ・浮き

防水シートに膨らみや浮きがある場合は、空気や水分が侵入しているサインです。膨らみや浮きは、温度変化や重量物などによって悪化する可能性があります。また、膨らみや浮きからひび割れや剥離などへと進行する恐れもあります。

膨らみや浮きを見つけたら、早めに補修または張り替えを行うことがおすすめです。補修は部分的に行える場合もありますが、張り替えは全体的に行う必要があります。

まとめ

今回は、防水工事を行うのに最適な時期や季節、メンテナンスが必要な時期を示す劣化症状やサインなどについて解説してきました。

防水工事に適した時期や季節は、気温や湿度、天候などによって変わります。一般的には春と秋が人気で、夏と冬は施工条件が悪くなることが多いです。

しかし、防水材料や施工方法によっては、夏や冬でも問題なく行える場合もあります。そのため、自分の建物に合った最適な時期や季節を選ぶことが大切です。

また、防水工事を行ってから10年近く経過していたり、劣化症状が確認できた場合は、大事に至る前に防水工事業者などに相談すると良いでしょう。