防水工事と塗装工事の違いとは?場所別にどちらの方法で施工するのかなども解説

防水工事と塗装工事は、どちらも建物の保護に欠かせない工事ではあるものの、それぞれが異なる目的と役割を持っています。多くの人がこれらの工事を混同しがちですが、それぞれが対応する問題や適用される状況には大きな違いがあります。

本記事では、防水工事と塗装工事の違い、防水工事・塗装工事それぞれの目的と役割、業者を選ぶ際の注意点などについて解説します。また、両方の工事を同時に行うメリットやどちらの工事を優先すべきかにも触れながら役立つ情報をお届けします。

意外と知らない防水工事と塗装工事の違い

そもそも防水工事と塗装工事は別物!

防水工事と塗装工事は、建物を保護するという目的では共通していますが、建物における役割や施工内容は大きく異なります。

防水工事の特徴とは?その目的と役割

防水工事は、防水層の形成をして雨水や水気が建物の内部に浸入するのを防ぐことを主な目的としており、屋上やベランダ、外壁など、雨や湿気が直接触れる箇所に重点を置いて施工されます。雨水などで水気が建物内部に侵入すると、コンクリートの劣化や鉄筋の腐食、さらにカビなどが発生し、建物の寿命を縮めることになるからです。

防水工事の種類には、防水層を形成するウレタン防水、シート防水、FRP防水、アスファルト防水などがあります。施工条件によって高い防水性能を備えた防水材を使い分け、漏水リスクを最小限に抑えます。一般的な家屋であれば、ウレタン、塩ビシート、FRPなどの防水材を用いて防水層を形成し、外部からの水の侵入を物理的に遮断します。

建物の構造や施工箇所の条件などに応じて適切な防水工法を選定した上で、専門的な知識と施工技術が必要です。正確に施工されていないと漏水の原因になり、後々大きな修繕コストが発生するため、信頼できる防水工事の専門業者による施工が必須です。

塗装工事の特徴とは?その目的と役割

一方で、塗装工事は建物の外観を美しく保ちながら、外壁や屋根の表面を紫外線や雨風から守る役割を果たします。使用される塗料には、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素塗料などがあり、それぞれ耐久性や防汚性が異なります。

塗装工事には多少の防水効果もありますが、雨漏りを完全に防ぐための防水層は作れません。そのため、防水工事のように水の侵入を完全に防ぐものではなく、あくまでも建物の表面的な保護に留まります。

それぞれの工事は専門業者に依頼するのが最適

防水工事と塗装工事は各々の技術と知識が必要なため、それぞれの専門業者に依頼することが望ましいです。塗装業者が防水工事を請け負う場合もありますが、特に雨漏りや劣化の深刻な箇所については、防水工事の専門業者への依頼をおすすめします。防水工事は建物の耐久性に直結するため、信頼できる業者を選び、定期的にメンテナンスを行うことが建物の寿命を延ばすための最良の方法です。

一方、塗装工事は仕上がりの美しさと耐久性を高めるために、塗料の選定や施工技術に精通している外壁塗装業者に依頼することをおすすめします。防水工事と外壁塗装、それぞれの工事を専門業者に依頼してメンテナンスを行えば、建物の耐久性と美観をより長期間維持できるようになります。

防水工事・塗装工事どっち?場所別に解説

防水工事が必要な場所

防水工事が必要な場所は、主に屋上やベランダ、バルコニーなど、雨水が直接当たる場所です。また、外壁の一部や基礎部分にも防水工事が必要な場合があります。防水層の点検・メンテナンスを怠ると劣化の進行に気付けず、ひび割れや捲れなどの箇所から雨水が建物内部に浸入し、構造部分(躯体)の劣化を引き起こす可能性があります。

どこからか雨漏りが発生している場合や、屋根やベランダなどに防水層の劣化症状が確認できるような場合は、早急に防水工事を検討する必要があります。なお、雨漏りを防水工事の専門業者以外に依頼してしまうと、根本的な解決がされないまま施工完了されることがほとんどなので、防水工事の専門業者に依頼するよう注意してください。

塗装工事が必要な場所

塗装工事が必要な場所は、主に外壁や屋根、幕板・雨戸・戸袋・面格子・入隅・出隅・笠木・矢切り・棟・破風・鼻隠し・雨押さえ・庇・軒天井・雨樋などの建物表面です。建物の顔とも言える外壁などの部分は、紫外線や雨風、汚れなどの影響を受けやすいため、定期的な塗装によって劣化を防ぐ対応が必要です。

塗装を行うことで、見た目の美しさを保つだけでなく、建物の外壁などを保護して長持ちさせる効果があります。特に、色あせやヒビ割れが目立ってきた場合には、早めの塗装が推奨されます。

防水工事を行う場合の施工方法

防水工事にはいくつかの工法があり、施工箇所や環境、各種目的に応じて選択されます。以下では、代表的な防水工事の施工方法について紹介します。

  • 塗膜防水(FRP防水、ウレタン防水)
  • シート防水(塩ビシート防水、ゴムシート防水)
  • アスファルト防水
  • シーリング工事(シーリング、コーキング)

塗膜防水

塗膜防水工法は、液状の防水材を施工箇所に塗布し、乾燥させて固めることで防水層を形成する工法です。主にウレタン防水やFRP防水が代表的な塗膜防水です。

ウレタン防水

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布し、複数回の塗り重ねによって防水層を形成します。ウレタン防水材は液体状で施工しやすく、複雑な形状にも対応できるため、ベランダや屋上などに限らず様々な場所で使われます。メリットは、耐久性が高く、継ぎ目のない一体型の防水層が形成されることです。一方で、施工には技術が必要で、職人の腕次第で仕上がりに差が出やすい点があります。

ウレタン防水には密着工法や通気緩衝工法などがあります。密着工法は下地とウレタン層が直接接するため、下地の水分による影響が少ない場所に適しています。通気緩衝工法は、水蒸気を逃がすための通気層を設けて施工するため、下地に湿気が多い場合や湿気が溜まりやすい場所に適しています。

FRP防水

FRP防水は、液体状のFRP(繊維強化プラスチック)防水材などを使って防水層を形成します。不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を混ぜ、ガラス繊維などの補強材と共に塗布して乾燥・硬化させることで、継ぎ目のない強固な防水層を作ります。耐水性、耐衝撃性に優れており、強度が求められる場所、例えばベランダや屋上の防水に使用されます。ただし、柔軟性が非常に少ない上に伸縮性もほとんどないので、地震や熱などによって下地が変形した場合、ひび割れなどの損傷が発生しやすいです。

シート防水

シート防水は、塩ビシートやゴムシートなどを下地に敷き詰めて貼り付け、防水層を形成する工法です。

塩ビシート防水

塩ビシート防水では、塩化ビニル樹脂を使用した防水シートを貼り付けて防水層を形成します。塩ビシートは耐久性が高く、紫外線やオゾンに強いため、長寿命の防水層を作ることができます。屋上やベランダなど広範囲で使用されることが多く、塩ビシート防水は低コストで施工できる点も大きなメリットです。また、接着工法による施工を採用すれば、騒音や異臭なども抑えて工事を行えます。

ゴムシート防水

ゴムシート防水では、合成ゴム系を使用した防水シートを施工箇所の下地に張り付けて防水層を形成します。耐候性に優れており、紫外線や酸性雨にも強いため、主に屋上や緑化屋根などに使用されます。ゴムシート防水は施工が容易で工期が短いのが特徴です。近年では、塩化ビニル樹脂の方がゴムよりも耐久性が高いため、ゴムシート防水はあまり採用されていません。

アスファルト防水

アスファルト防水は、アスファルトを主成分とする防水材を使用し、熱で溶かすなどして貼り付けて防水層を形成する防水工法です。アスファルトは耐久性が非常に高く、長期間にわたって防水機能を維持します。定期的なメンテナンスは必要なものの、適切に施工された場合、アスファルト防水は20年以上の耐用年数があります。

耐久性と防水性が求められる大規模な建物や駐車場のような広い面積の防水に適しています。ただし、アスファルト防水の施工には高い技術が求められるほか、熱工法などでは施工時に臭いが発生することがデメリットです。

シーリング工事

シーリング工事は、外壁や目地部分の隙間をシーリング材やコーキング材で埋める作業で、防水性や気密性を高めます。建物の隙間からの雨水侵入を防ぐ目的で、サイディングや窓枠、屋根の接合部などに施工されます。数年おきに定期的な対応が必要ですが、シンプルで効果的なメンテナンス方法です。主に外壁塗装業者が行う作業でもあります。

塗装工事を行う場合の施工方法

塗装工事においてもいくつか工法があり、施工箇所や建物の環境、使用目的に応じて選択されます。以下では、代表的な塗装工事の施工方法について紹介します。

  • ローラー塗装
  • 吹き付け塗装
  • 刷毛塗装
  • 特殊塗装

ローラー塗装

ローラー塗装は、ローラーを使って塗料を均一に塗布する工法です。ローラーによって広範囲を効率的に仕上げることができるため、外壁や屋根、内装の塗装において広く使用されています。特に平らで広い面に適しており、ローラーが塗料をしっかりと塗り込むため、外壁材などの塗料が吸収されにくい素材にも適しています。

また、ローラー塗装は厚みを均一に保ちやすく、ムラなく仕上がるため、塗料の性能を最大限に発揮することができます。作業のスピードや仕上がりの安定性も優れており、凹凸が少ない面での塗装作業に特に効果的です。住宅塗装でも多く採用されている理由は、均一な仕上がりと効率の高さにあります。

吹付け塗装

吹付け塗装は、塗料を吹き付け機械(エアレススプレー・万能ガンなど)で塗布する工法で、凹凸の多い面や複雑な形状の外壁に適しています。スプレーによる均一な塗布が可能なため、ローラーや刷毛では難しい細部にもムラなく塗装可能で、広範囲を効率よくカバーできるのが特徴です。住宅の外壁やフェンス、鉄骨など、スムーズで一貫した仕上がりが求められる場面に多く使用されています。

一方で、塗料が周囲に飛散しやすいため、周囲への影響を抑えるために養生が必要です。風が強い場合や、周辺に車や他の建物が近接している場合には、飛散防止の対策を徹底する必要があります。また、施工時に大量の塗料が一度に放出されるため、作業者のスプレー技術が仕上がりに大きく影響する点も考慮されます。

刷毛塗装

刷毛塗装は、刷毛を使って手作業で塗装する工法です。非常に細かい部分や、ローラーやスプレーでは塗装しづらい狭い隙間や角のある部分の塗装に適しています。ドア枠、窓枠、階段手すり、鋼材の接合部など、精密で丁寧な仕上がりが求められる箇所に多用され、通常はローラー塗装と組み合わせて使われることが多いです。

刷毛塗装は手作業のため施工スピードが遅くなる傾向にありますが、塗り重ねによって防錆効果や耐久性が向上し、しっかりとした塗膜が形成できる点が利点です。熟練の職人による技術が求められるため、作業の精度が高く、塗りムラや厚みを均一にすることが可能です。

特殊塗装

特殊塗装は、装飾性を高めるために用いられたり、特定の条件への対応や機能性を持たせるといった目的で行われる塗装工法です。一般的な塗装と異なり、特別な機能を持つ塗料を用いることで、建物の外観を美しく保つだけでなく、建物の性能や耐性を向上させます。特殊塗装では、遮熱塗料・断熱塗料・防水塗料・耐候性塗料・防汚塗料・防錆塗料などの塗料が利用されます。

遮熱塗料

遮熱塗料は、塗膜が太陽光を反射することで、建物内部の温度上昇を抑える効果を発揮します。主に屋根や外壁に使用されており、冷房負荷を軽減してエネルギー消費の削減にも貢献します。

断熱塗料

断熱塗料は、温度変化を防ぐために用いられます。塗膜が断熱層として機能するため、外気温の影響を軽減し、特に寒冷地や室内環境を一定に保ちたい場所で利用されます。

防水塗料

防水塗料は、外壁や屋根などに塗布することで雨水や湿気の侵入を防ぎ、建物の防水性能を向上させる目的で使用されます。防水性の高い塗膜が形成されるため、屋根やベランダなどに最適です。

耐候性塗料

耐候性塗料は、紫外線や酸性雨、塩害などの外的要因に対して耐久性を持たせるための塗料です。耐用年数が長く、厳しい気象条件にも対応できるため、特に沿岸地域の建物で重宝されています。

防汚塗料

防汚塗料は、表面に汚れが付着しにくくするための塗料で、外壁や商業施設の美観を保つために使用されます。防汚効果が長期間持続するため、メンテナンス費用の軽減にもつながります。

防錆塗料

金属素材に対しての防錆効果を持つ塗料です。特に鉄部や鋼構造物の防錆(ぼうせい)に適しており、工場や倉庫、外装の鉄骨部分などで使用され、建物や設備の耐久性を高めます。

特殊塗装は、施工箇所に機能的なメリットを付与したい場合だけでなく、装飾性を高めるための意匠性塗装としても行われます。外壁塗装を実施する際は、専門知識と技術を持つ塗装専門の工事業者への依頼が推奨されます。

防水工事と塗装工事で業者は違う!選ぶ際は注意

防水工事と塗装工事は、目的や施工方法が異なるため、工事内容によって選ぶべき業者が変わってきます。建物の保護や寿命に影響するため、それぞれの専門知識と技術を持つ業者を選んで依頼することが求められます。

以下では、防水工事を依頼する際の業者選びにあたって知っておくべき注意点を紹介します。

防水工事業者と塗装工事業者の違い

防水工事業者は、建物の内部に水が浸入しないよう防水層を形成することに特化した技術を持っています。防水工事は建物の寿命に直接影響するため、正確で高度な施工技術が求められます。屋根や屋上、ベランダのように雨水があたる箇所への工事が多く、塗膜防水やシート防水などから建物の状態や目的に適した工法が選ばれます。また、雨漏り修理を依頼する場合、防水工事専門の業者が間違いないです。

一方、塗装工事業者は、建物の外観を美しく保ちつつ、外的要因から表面を保護するための塗装を施工します。塗装工事は、建物の外壁や屋根の美観を整える役割が大きく、雨風や紫外線から建物を守ることも目的の一つです。ただし、防水工事と異なり、塗装工事では水の侵入を完全に防ぐことを目的としていないため、雨漏りで屋根などの防水層を修繕する場合には別途防水工事業者の作業が必要です。

工事を依頼する際の業者選びのポイント

業者の施工実績と評判を確認する

検討している工事業者の過去の施工実績などを確認し、自身の物件と同じような条件で施工経験が豊富な業者を選ぶことが理想です。また、SNSやサイトなどインターネットの口コミも参考程度に確認し、信頼性の高い業者を選ぶようにしましょう。施工実績などが公開されていない場合は、見積もりをお願いした工事業者に直接聞くしかないです。

見積もりを複数の業者から取得する

複数の工事業者から見積もりを取得した上で、費用、工法、使用材料、保証内容などを確認しましょう。単に価格が安いからといって選ぶのではなく、各工事業者の提案内容や工法が自分の建物に適しているのかどうか、という点なども判断基準に含めた方が堅実です。

また、どういった工法や材料が自身の施工場所の条件に合っているのかは、工事業者に質問して説明を求めると良いでしょう。具体的な理由などを丁寧に教えてくれる業者は、適当に回答してくるような業者よりも信頼できると判断できます。

防水工事の専門知識を持っているか確認する

防水工事は施工方法や条件によって専門的な技術を要するため、防水工事のプロである専門業者に依頼することが推奨されます。一般的な塗装業者でも簡易的な防水工事を請け負いますが、十分な耐久性・防水性能を持つ防水層の施工ができるのは、防水工事に特化した専門業者です。塗装業者が防水工事を行った場合、耐久性や防水性能が劣る可能性があるため、特に防水層の耐久性が欠かせない箇所には防水専門業者を選ぶべきです。

保証内容を確認する

塗装や防水工事では、工事保証が付いていることが一般的です。工事保証の期間としては、塗装工事で3~10年、防水工事で5~10年程度がおおまかな目安となります。保証期間に開きがあるのは、使用した塗料や防水材の種類やメーカーによっても異なってくるためです。いずれにせよ、塗装工事も防水工事も長期間にわたり効果を維持する必要があるため、保証内容が充実しているかを必ず確認してください。

防水工事と塗装工事の連携

防水工事と塗装工事を併せて行うことは、建物を保護するという点で非常に有効です。塗装工事は建物の外観を保護する役割があり、防水工事は構造体を守る役割を持っています。例えば、屋根の防水工事と外壁の塗装工事を同時に行うことで、外部からの水の侵入を防ぎ、建物全体の耐久性を向上させることが可能です。そのため、それぞれの劣化状況など確認した上で、必要に応じて両方の工事を同時に依頼することも検討しましょう。

専門性の高い業者を選ぶ

防水工事や塗装工事を行う際は、各工事に特化した知識と技術を持つ専門の業者を第一に選ぶようにしてください。防水工事業者の強みは「防水層を形成して建物の内部への雨水侵入を防ぐ」こと、塗装工事業者の強みは「建物の美観を保ち、外部からのダメージを軽減する」ことにあります。依頼したい工事内容に応じてそれぞれの最適な業者を選びましょう。

防水工事と塗装工事に関するよくある質問

  1. 防水工事と塗装工事はどちらが必要ですか?
  2. 防水工事と塗装工事を同時に行うメリットはありますか?
  3. 防水工事と塗装工事は同じ業者に頼めますか?
  4. 防水工事の際に塗装工事は不要ですか?
  5. 防水工事と塗装工事の優先順位はどちらが上ですか?

防水工事と塗装工事はどちらが必要ですか?

防水工事と塗装工事では目的が異なるため、施工箇所や建物の劣化状況に応じてどちらが必要なのかを判断します。防水工事は、雨漏りや湿気の浸入を防ぐために、主に屋上、ベランダなどの防水層を補修または新たに形成する工事です。雨漏り発生の原因を解決したい場合、防水工事を優先して依頼することになります。

一方で、塗装工事は建物の美観を維持し、外壁や塗装箇所を紫外線や風雨から保護するために行われます。劣化した外壁や塗装箇所が見られた場合には塗装工事が必要です。どちらが必要かは、雨漏りの有無や外観の劣化状態などで総合的に判断されるべきです。

防水工事と塗装工事を同時に行うメリットはありますか?

防水工事と塗装工事を同時に行うメリットは多くあります。まず、修繕にかかるコスト削減が挙げられます。足場の設置や撤去費用を一度で済ませることができるため、両方の工事を別々に行うよりもトータルコストが抑えられます。また、同時施工によって防水性能と美観を同時に向上できるので建物の耐久性が増します。長期的なメンテナンスサイクルも合わせやすくなります。

防水工事と塗装工事は同じ業者に頼めますか?

防水工事と塗装工事はそれぞれ専門的な技術と知識を必要とするため、専門としている業者が異なります。ただし、一部の業者は防水工事と塗装工事の両方を提供していることがあります。防水工事で施工の不備があると雨漏りや建物の劣化に繋がるため、防水工事については防水工事専門業者に依頼することが推奨されます。防水工事と塗装工事を同じ業者に頼む際は、その業者の技術力や実績を確認した方が良いです。

防水工事の際に塗装工事は不要ですか?

防水工事の際に塗装工事が必ずしも必要とは限りません。防水工事は、建物の水の侵入を防ぐことが目的であり、特に屋上やベランダなどの防水層に問題がある場合に行われます。一方、塗装工事は建物の外観保護や美観の維持を目的とするため、外壁や屋根の見た目や劣化状況で判断されます。建物全体のメンテナンスとして、防水工事と塗装工事を併せて行うと効果的ですが、工事の範囲や目的によってどちらか一方を選択する場合もあります。

防水工事と塗装工事の優先順位はどちらが上ですか?

雨漏りや水の侵入がある場合には、防水工事の優先順位が最も高くなります。建物内部に水が浸入すると、腐食による躯体の劣化やカビの発生などで住環境に深刻な影響を与えるため、防水工事は最優先で早急に行われるべきだからです。

一方、塗装工事は建物の外観や表面の保護を目的としていますが、外壁の塗膜が経年劣化した状態だと外壁自体の劣化が進行し、後に高額な修繕が必要になることもあります。そのため、雨漏りなどの緊急性がある場合は防水工事が優先され、外観の劣化が進んでいる場合は塗装工事が早期に必要です。

まとめ

今回は、防水工事と塗装工事の違い、防水工事・塗装工事それぞれの目的と役割、業者を選ぶ際の注意点などについて解説してきました。

防水工事と塗装工事は、どちらも建物の保護において重要な役割を果たしていますが、それぞれの目的と役割は異なります。防水工事は、主に建物への水の浸入を防ぐためのものであり、雨漏りや水の浸透を防止するために必要不可欠です。塗装工事は、美観を保ちつつ、建物の外部を紫外線や汚れなどの外的要因から保護することを目的としています。

両工事を同時に行うことにはメリットがあり、建物の寿命を延ばした上で、メンテナンスの効率を高めることができます。しかし、それぞれの工事の目的と方法が異なるため、専門業者による適切な施工が求められます。特に、防水工事は専門業者に依頼することが推奨され、塗装工事では美観と耐久性を両立できる技術力のある業者を選ぶことが重要です。

また、防水工事と塗装工事のどちらが必要かは建物の状態や問題に応じて異なるため、施工する箇所に応じて各専門業者に相談し、判断を仰いで適切な施工を行いましょう。本記事が、防水工事と塗装工事の違いが分からずどっちを依頼すべきなのか、防水工事の依頼を検討しているものの業者はどこでも良いのか悩んでいる方の参考になれば幸いです。