ベランダ防水工事の費用相場はどれくらい?防水リフォームが必要な理由なども解説
建物を守るために定期的なベランダの防水工事は必要です。特にベランダは、雨風や紫外線に常にさらされるため、適切なメンテナンスが欠かせません。放置しておくと雨漏りや躯体の劣化につながり、建物全体の寿命を縮めることになりかねません。
本記事では、ベランダの防水工事が必要な理由、ベランダ防水工事の種類と費用相場、防水リフォームを行うべきタイミングや劣化症状、業者選びのコツなどについて詳しく解説します。ベランダの防水工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ベランダの防水工事が必要な理由とは
ベランダは建物の外部に位置しており、雨風や紫外線にさらされて劣化するため、定期的なメンテナンスと防水工事を行う必要があるのです。メンテナンスや防水工事を怠ると、結果的に建物全体の寿命を縮めることになります。
以下では、ベランダの防水工事が必要な具体的な理由について紹介します。
- 雨漏りの防止
- 建物の寿命を延ばす
- カビや湿気の防止
- 資産価値の維持
- ベランダの安全性を保つため
雨漏りの防止
ベランダは適切な防水対策がされていないと雨水が躯体へと浸入しやすい部分です。特にベランダの防水層が劣化すると、細かな劣化箇所から建物内部に雨水が染み込むことで雨漏りし、様々な被害を引き起こす恐れがあります。ベランダの防水工事メンテナンスを定期的に行うことで問題を未然に防ぎ、住人にとって快適な住環境を維持できます。
建物の寿命を延ばす
雨水が建物内部に浸入すると、躯体の木造部分や鉄骨が錆びたり腐食し、気づかぬうちに建物全体の耐久性が低下します。特に木造の建物では、雨水が建物に侵入して木材が濡れてしまい、水分量が高くなって腐朽菌が繁殖するなど、見えないところで腐食する恐れがあります。ベランダの防水工事を定期的に行って防水層の耐久性を向上させれば、結果として建物の寿命を延ばすことができます。
カビや湿気の防止
雨漏りで水分が建物内に浸透すると湿気がこもりやすくなり、躯体や室内においてカビの発生を助長します。特に劣化したベランダの防水層の隙間から雨水が室内に侵入し、壁や床が湿気を帯びやすくなった結果、室内の空気の質が悪化して健康リスクが高まります。防水工事を行い、ベランダをしっかりと防水することで湿気やカビの発生を防ぎ、健康的な住環境を維持できます。
資産価値の維持
建物を守る防水層のメンテナンスや修繕がしっかりしていれば、長期間にわたり美観や耐久性が保たれます。逆に、防水工事を怠ると劣化が進みやすく、建物全体の評価が下がる可能性が高くなります。特に中古物件の場合、メンテナンスが行き届いているかどうかを購入者は重要視するため、定期点検と補修工事をしておくことで資産価値の維持や向上が期待できます。
ベランダの安全性を保つため
定期的に防水工事を行わないと、ベランダ自体の安全性も低下します。例えば、ベランダの防水層が劣化するとひび割れたり部分的に剥がれたりして、風雨から建物を守る十分な防水性能が損なわれてしまいます。また、コンクリートなどの下地が損傷すると建物自体に悪影響が生じる恐れがあります。建物全体への波及を防ぐためにも、定期的な防水工事は欠かせません。
これらの理由から、ベランダの防水工事は雨漏りの防止だけでなく、建物全体の安全性や耐久性を確保して快適な生活環境を維持するために必要なのです。
ベランダ防水の仕組み
ベランダ防水の基本構造は主に「防水層」と「トップコート」で構成されています。防水層とトップコートによって防水性能が効果的に機能し、ベランダや建物の劣化を防止します。以下では、ベランダ防水における防水層とトップコートの仕組みについて紹介します。
防水層
防水層は、ベランダ全体を覆う防水の役割を有する層であり、雨水が下地に浸入するのを防ぐ役割を果たします。主にベランダで使用される防水工法には、ウレタン防水、FRP防水、シート防水などがあり、それぞれの防水層は施工方法や使用材料によって特性が異なります。ベランダの下地(コンクリートなどの躯体)に直接貼られるか、液状の防水材が塗布され、建物の構造体への水の侵入を防ぎます。
防水層の耐久年数目安
防水層の耐久年数は、使用する防水材料や施工方法によって異なりますが、ベランダ防水の目安としては8~15年程度です。定期的なメンテナンスや修繕を行えば、この期間を超えて防水機能を維持することが可能です。
トップコート
トップコートは、防水層の上に塗布される仕上げ材で、防水層の保護と紫外線や風雨からの劣化を防ぐ役割を果たします。防水層の耐久年数を延ばすための重要な役割をトップコートが担っています。塗膜防水工事を行う際には、トップコートの塗布も同時に行われることが一般的です。
トップコートの耐久年数目安
トップコートの耐久年数は、防水層に比べて短めで耐久年数は5年程度です。防水層の劣化を防ぐためにも、定期的に5年程度でトップコートの塗り替えを行うと、ベランダの防水性能を維持して長持ちさせることができます。
ベランダ防水工事の種類と費用相場
ベランダ防水工事にはさまざまな種類があり、使用する防水工法や材料によって費用や耐久年数が異なります。それぞれの防水工法にメリットとデメリットがあるため、建物の状態や用途、予算に応じた選択が求められます。以下では、ベランダ防水の主な防水工法であるウレタン防水、FRP防水、シート防水、そしてトップコート塗装について紹介します。
施工種類 | 費用相場 | 耐久年数 | 工期目安 |
---|---|---|---|
ウレタン防水 | 5,000~7,500円/㎡ | 8~12年 | 2日~1週間 |
FRP防水 | 6,000~9,000円/㎡ | 10~15年 | 1~3日間 |
塩ビシート防水 | 4,000~8,000円/㎡ | 10~15年 | 1~4日間 |
トップコート塗装のみ | 1,500~3,500円/㎡ | 5~8年 | 1~2日間 |
ウレタン防水
ウレタン防水は、ベランダに液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する防水工法です。液体の防水材なので継ぎ目のない一体化した防水層となり、複雑な形状のベランダでも対応が可能です。ウレタン防水は軽量なので古い建物にも負担をかけない点が魅力です。ただし、防水性能を維持するために定期的なトップコートの塗布が必要です。
メリット
- 継ぎ目がなく、複雑な形状のベランダにも対応可能
- 施工費用が比較的安価
- 防水層が軽量で、建物に負担がかからない
デメリット
- 耐久性は他の防水工法に比べてやや劣る
- 定期的なトップコートの塗り替えが必要
- 紫外線に弱く、長期間露出すると劣化が進む
費用相場(平米単価)
約5,000~7,500円/㎡
ウレタン防水を施工する際の平米単価は、5,000円~7,500円/㎡程度が目安です。一般的な広さである15~20㎡のベランダの場合、防水工事にかかる費用は8~14万円程度です。工法や使用するウレタン材料によって価格帯が異なりますが、他の防水工法と比べると比較的リーズナブルです。全体的な工事費用は、ウレタン防水の材料費に加えて別途雑費がかかるため、正確な金額は業者に見積もりを依頼してください。
耐久年数
約8~12年
ウレタン防水の耐久年数は、8~12年程度が目安です。トップコートを定期的に塗り替えれば、ある程度は防水性能の寿命を延ばすことも可能です。耐久性は工法や使用環境によっても影響を受けるため、定期的なメンテナンスが必要です。
工期目安
約2~5日
ウレタン防水の工期は、長くても2~5日程度です。ウレタン防水は液体状の材料を塗布し硬化させるため、乾燥時間が工期に影響を与えます。乾燥時間が十分に確保されれば、比較的短期間で施工が完了します。雨季などの乾燥しにくい時期の場合、工期は長くなりやすいです。
FRP防水
FRP防水は、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)を使用した防水工法で、耐久性と防水性に優れています。主にベランダやバルコニーのような、小規模で歩行が多い場所に向いています。非常に硬くて耐衝撃性が高いため、物を置く場所にも適しています。
メリット
- 耐久性が高く、重いものを置いても耐えられる
- 硬化が早く、短い工期で施工が可能
- 防水性が非常に高く、耐候性に優れている
デメリット
- 同じ塗膜防水のウレタンより施工費用が高め
- 施工時に特有の強い臭いがする
- 柔軟性が低く、割れやすい場所には不向き
費用相場(平米単価)
約6,000~9,000円/㎡
FRP防水を施工する際の平米単価は、6,000円~9,000円/㎡程度が目安です。一般的な広さである15~20㎡のベランダの場合、防水工事にかかる費用は10~20万円程度です。FRP(繊維強化プラスチック)は軽量かつ高耐久な材料ですが、施工費用は他の工法に比べてやや高くなります。全体的な工事費用は、FRP防水の材料費に加えて別途雑費がかかるため、正確な金額は業者に見積もりを依頼してください。
耐久年数
約10~15年
FRP防水の耐久年数は、10~15年程度が目安です。FRP防水は防水性に優れ、耐久性も高いため、適切なメンテナンスを行えば長期間の防水効果を期待できます。
工期目安
約1~3日
FRP防水の工期は、1~3日程度です。ベランダの広さや施工条件にもよりますが、FRP防水は速乾性が高い上に作業自体も比較的短期間で完了するため、工期が短いことが特徴です。
シート防水
シート防水は、塩化ビニールやゴム製のシートをベランダの床面に貼り付ける防水工法です。防水材シートを下地や緩衝材の上に敷いたり、機械的に固定することで防水層を形成します。耐久性が高く耐候性に優れているため、定期的なメンテナンスの手間が少ないのが特徴です。広い面積や平坦な場所に適しているため、ベランダや屋上などでもよく採用されています。
メリット
- 耐久性が高く、耐候性に優れている
- 広い面積でも短期間で施工が可能
- 防水効果が長持ちし、メンテナンスの頻度が少ない
デメリット
- ベランダが複雑な形状の場合、施工が難しい
- 貼り付ける際に接合部分が多くなるため、施工不良が起こりやすい
- 接合部などから剥がれや劣化が生じやすい
費用相場(平米単価)
約4,000~8,000円/㎡
シート防水を施工する際の平米単価は、4,000円~8,000円/㎡程度が目安です。一般的な広さである15~20㎡のベランダの場合、防水工事にかかる費用は8~14万円程度です。使用されるシートには塩ビシートやゴムシートなどがあり、塩ビシートはやや高めの傾向があります。全体的な工事費用は、シート防水の材料費に加えて別途雑費がかかるため、正確な金額は業者に見積もりを依頼してください。
耐久年数
約10~15年
シート防水の耐久年数は、10~15年程度が目安です。定期的なメンテナンスの手間が少ないとはいえ、シート防水の定期点検も数年おきに行うことを推奨します。
工期目安
約1~4日
シート防水の工期は、1~4日程度です。既存の防水層が健全である場合、シートを貼り付ける作業のみで済むため、比較的短期間で施工が完了します。
トップコート塗装
トップコート塗装は、防水層の上に保護塗料を塗布する工事です。トップコート自体は防水機能を持たないため、防水層の劣化を防いで紫外線や風雨から守る保護層としての役割を担っています。防水工事のメンテナンスで定期的にトップコートを塗り直せば、防水層の耐久性を延ばすことができます。
メリット
- 塗膜防水で形成した防水層の寿命を延ばすことができる
- 施工が比較的簡単で軽作業のため、短期間で終わる
- 費用が安く、定期的なメンテナンスとして取り入れやすい
デメリット
- 防水効果はトップコート自体にない
- トップコート下で劣化した防水層の補修にはならない
- 定期的に塗り替える必要がある(5年程度)
費用相場(平米単価)
約1,500~3,500円/㎡
トップコート塗装を施工する際の平米単価は、約1,500~3,500円/㎡程度が目安です。一般的な広さである15~20㎡のベランダの場合、トップコート塗装のみ行う費用は3~5万円程度です。使用するトップコートの種類や品質によっても価格が変わり、ウレタン系よりもポリエステル系の方が高いです。全体的な工事費用は、トップコート塗装の材料費に加えて別途雑費がかかるため、正確な金額は業者に見積もりを依頼してください。
耐久年数
約5~8年
トップコート塗装の耐久年数は、5~8年程度が目安です。トップコートは紫外線や風雨にさらされるため、5年前後での定期的な再塗装が必要です。
工期目安
約1~2日
トップコート塗装の工期は、1~2日程度です。施工の際は防水層が健全な状態であることが前提です。ウレタン防水の上にトップコートを塗装する場合、乾燥時間を考慮して1日程度で完了します。
ベランダ防水工事には、建物の用途や規模、予算に応じてさまざまな防水工法が選択できます。それぞれの防水工法で耐久年数や費用、メリット・デメリットが異なるため、ベランダの状況や使用目的に最適な工法を選びましょう。
ベランダ防水工事を行うべきタイミング・劣化症状
ベランダの防水工事は、どれくらいの年数が経過したら行うべきなのか、適切なタイミングや具体的な劣化症状が分からないという方は多いです。本章ではベランダ防水工事を行う適切なタイミング、工事が必要な劣化症状について確認していきましょう。
- 新築時から10年以上が経過した場合
- 雨漏りや湿気が感じられる場合
- 防水層の劣化症状が確認できた場合
- 定期点検で劣化症状が見られた場合
新築時から10年以上が経過した場合
新築から築10年以上経過すると、ベランダの防水層ではすでに相応の経年劣化が進行しています。特に、ベランダや屋根の防水層は紫外線や風雨に直接晒され続けるため、時間経過とともに防水性能が著しく低下するのです。
ベランダの防水層が劣化すると、雨水の侵入による建物内部への被害(雨漏りや下地の腐食など)が発生するリスクが高まります。そのため、築10年以上経過する前にも定期的に防水層の状態を点検し、必要に応じて防水工事を検討するのが理想です。
雨漏りや湿気が感じられる場合
雨漏りの発生やベランダに湿気を感じる場合は、防水層の劣化や亀裂が原因の可能性が高いです。雨漏りが発生すると躯体(建物の構造体)に水が浸入し、腐食やカビの発生などで建物全体の劣化を加速させる要因となります。雨漏りや湿気の兆候が見られたら、すぐに防水工事の専門業者に点検を依頼して対応を行うことが建物の長寿命化につながります。
防水層の劣化が確認できた場合
ベランダの防水層にひび割れ、膨れ、剥がれといった劣化症状が見られる場合は、防水工事を行う適切なタイミングです。具体的には、以下のような劣化症状が確認できた場合、防水工事を行う必要性が高いと言えます。
- 表面の色あせ
- ひび割れ
- 膨れや剥がれ
- 防水層の破れ
- 水たまりの発生
- 雑草や苔が発生
表面の色あせ
ベランダの防水層やトップコートは、紫外線や風雨に常に晒されているため、経年によって表面が色あせてきます。色あせは、美観の問題だけではなく、防水機能の低下を示す初期の兆候でもあります。特にトップコートが劣化している場合、下層の防水層に直接ダメージが蓄積されるため、表面が色あせてきた場合には早めに防水工事を検討することが推奨されます。
ひび割れ
防水層やベランダの表面にひび割れが生じると、そこから雨水が浸入します。ひび割れは小さなものでも雨水を吸収してしまうため、内部の下地まで水分が届くと建物内部の腐食が進行します。躯体にダメージを与えるため、早急な防水層の補修が必要です。
膨れや剥がれ
防水層が膨れたり剥がれたりする現象は、防水層内に侵入した水分が蒸発する際に押し上げることによって起こります。気温の変化により、防水材が伸縮し劣化することも原因です。膨れや剥がれが進行すると、防水性能が下がって雨水が侵入してしまいます。この状態を放置すると雨漏りが発生する可能性が高まり、修繕範囲が広がるため早急な対応が必要です。
防水層の破れ
防水層に破れが生じると防水機能が失われ、雨水が直接建物内部に浸入します。防水層の破れは、摩耗や外的な衝撃、長年の劣化によって引き起こされることが多く、特にベランダは日常的に歩行や物の移動が行われる場所なので他の部分よりも傷みやすいです。防水層に破れが見つかった場合は、すぐに補修工事を行う必要があります。
水たまりの発生
ベランダに水たまりが発生する場合は、排水機能が低下している可能性が高いです。水たまりは、ベランダの勾配が適切でない、排水口が詰まっている、または防水層が劣化していることを示唆します。水たまりが長時間続くと水が浸透し、下地や構造体にダメージを与える原因となるため、排水状態や勾配の確認も含めた工事対応が必要です。
雑草や苔が発生
ベランダに雑草や苔が発生するのは、水分が溜まりやすく、通気性が悪いサインです。特に苔は湿気が多い環境で発生するため、ベランダの排水不良や防水層の劣化を示しています。雑草が生えたまま放置すると、根が防水層を破壊して防水機能をさらに低下させる恐れがあります。雑草や苔の除去も含め、業者に相談してベランダ全体の防水工事の検討が必要です。
定期点検で劣化症状が見られた場合
建物全体の維持管理の一環として、防水層まわりの定期点検の実施が推奨されています。防水層やトップコートの劣化は目視で確認できる場合もありますが、専門的な知識を持つ業者に依頼することで劣化症状を早期に発見し、より適切な対応が行えます。定期点検の際に、ひび割れ、剥がれ、膨れなどの劣化症状が確認された場合は、早急に補修・防水工事が必要です。
防水工事の適切なタイミングは、前回行った防水工事からの経過年数、新築からの経過年数や劣化症状などに応じて判断できます。特に新築から10年以上が経過している場合や、いくつかの劣化症状が現れた場合はすぐに対応することが推奨されます。定期的なメンテナンスと点検を行い、建物の寿命を延ばすための防水工事を適切なタイミングで実施しましょう。
ベランダ防水工事を依頼する業者選びのコツ
ベランダ防水工事を成功させるためには、信頼できる業者を選ぶコツを知ることです。防水工事業者を選ぶ際は、専門性の有無や施工実績、アフターサービスの充実度などをしっかり確認する必要があります。以下では、ベランダ防水工事を依頼する業者選びのコツについて紹介します。
- 防水工事の専門業者を選ぶ
- 過去の施工実績を確認する
- 自社施工をしている業者を選ぶ
- 複数業者から相見積もりをとる
- 工事の保証内容を確認する
防水工事の専門業者を選ぶ
防水工事には専門的な知識と施工する技術が必要です。外壁塗装業者やリフォーム業者でも防水工事を請け負っていますが、防水工事に特化した専門業者を選ぶことが推奨されます。外壁塗装業者などでも防水工事を行えますが、専門知識や技術が不足していることが多く、後々のトラブルが発生するリスクがあります。一方、防水工事専門業者は最新の防水工法や材料の選定に精通しているため、質の高いベランダ防水工事を確実に行ってもらえるでしょう。
過去の施工実績を確認する
防水工事を依頼する業者の信頼性が高いかどうかは、過去に行った施工実績を確認すれば判断しやすいです。具体的な施工事例を見せてもらったり、ホームページから実際に防水工事を行った建物の写真などを確認したりすることで、その業者の技術力や信頼性を評価できます。対応可能な防水工事の種類や建物の規模についても確認しておきましょう。
自社施工をしている業者を選ぶ
自社施工を行っている業者を選ぶことで、下請け業者に依頼する場合と比べて施工品質の管理がしやすくなります。下請け業者を多用する業者は、施工品質にばらつきが生じる恐れがあり、トラブルが発生するリスクが高まります。自社で施工を行っている業者は責任を持って工事に取り組んでおり、下請け業者を使わない分、対応が迅速でトラブルも少ない傾向にあります。
複数業者から相見積もりをとる
ベランダの防水工事を依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取って比較しましょう。工事内容や使用材料をはじめ、各項目ごとの費用を比較することで最適な業者を選びやすくなります。注意点としては、安ければ何でもよいというものではないため、防水工事を専門で行っている業者で相見積もりをとることです。また、見積もりの各項目ごとの内容が詳細に記載されているかを確認し、不明な点は遠慮なく質問しましょう。
工事の保証内容を確認する
依頼を検討している業者で提供している防水工事の保証期間やアフターサービスも確認しましょう。ベランダ防水工事では、施工後に不具合が発生する可能性もあるため、アフターフォローや工事保証が設けられていると安心です。長期の保証がついている業者は、自信を持って工事を行っている証拠とも言えます。
信頼できる業者を選んで依頼することが、ベランダ防水工事の成功につながります。施工実績や費用、保証内容などを十分に確認した上で業者を選定すれば、長期的にベランダの防水性能を維持しやすくなります。
ベランダの防水性能を長持ちさせる方法
ベランダの防水性能を維持して長持ちさせるためには、定期的な点検によるメンテナンスや防水層の修繕対応が欠かせません。防水工事を行った後に適切なケアを怠ると耐久年数が短くなります。以下では、ベランダの防水性能をできるだけ長く維持するための方法を確認していきましょう。
- 定期的な清掃と点検を行う
- トップコートの定期的な再塗装
- 定期的な点検を依頼する
- 重い物を長期間置かない
- 小さな傷やひび割れを早めに修繕する
- 雨水を排水するための勾配を確保
定期的な清掃と点検を行う
ベランダにたまったゴミやほこり、水たまりは、防水層に悪影響を及ぼすことがあります。特に排水口が詰まると水が溜まり、雨水が防水層に浸透するリスクが高まります。定期的にベランダを掃除し、排水口の詰まりを防ぎましょう。
トップコートの定期的な再塗装
ベランダの防水層の上に施されたトップコートは、表面を保護する役割を持っていますが、時間の経過とともに劣化が進行します。特に紫外線や雨風にさらされるベランダは、トップコートが剥がれると防水層に直接ダメージが及びやすくなります。ウレタン防水やFRP防水などのトップコートの耐用年数は3~5年程度ですが、定期的に再塗装を行うと防水層自体の寿命を延ばすことができます。
定期的な点検を依頼する
ベランダの防水層は経年劣化によりひび割れや剥がれなどが発生することがあります。5年ごとにプロの防水工事業者に点検を依頼し、必要に応じて部分的な補修や全面補修を行うことで、将来的に大規模修繕を行うリスクを減らして修繕費用を抑えられます。
重い物を長期間置かない
ベランダに重い物を長期間置いていると、防水層が傷ついたり圧力によって劣化が早まることがあります。特にベランダに設置された重量物やプランターなどは定期的に移動させて防水層への負担を減らすようにしましょう。
小さな傷やひび割れを早めに修繕する
ベランダの防水層にある小さなひび割れや損傷を放置すると、そこから水が浸入して内部に大きなダメージを与えるリスクが生じます。早期に発見して補修工事を行うようにすれば、防水層の寿命を延ばすことができます。
雨水を排水するための勾配を確保
ベランダの床面には、雨水が排水口に流れやすいように適切な勾配(傾斜)が設計されています。経年劣化や地盤の沈下などによって勾配が崩れると水が溜まりやすくなり、結果的に防水層へのダメージが増加します。そのため、勾配不足でベランダの排水がスムーズに行われなくなった場合は、工事を依頼して再び勾配を確保する必要があります。
これらの対策を定期的に実施することで、ベランダの防水性能を長持ちさせて建物全体の劣化を防ぎやすくなります。防水工事は一度行って終わりではなく、適切な維持管理が求められるため、計画的なメンテナンスが欠かせません。
ベランダ防水工事に関するよくある質問
- 自分(DIY)でベランダの防水工事を行うことは可能ですか?
- ベランダの防水工事を施工する際の臭いや騒音などが心配です
- ベランダの防水工事にかかる施工期間はどれくらいですか?
- 防水工事のときエアコンの室外機はどうなりますか?
自分(DIY)でベランダの防水工事を行うことは可能ですか?
防水工事をDIYで行うことは可能ですが、慎重に検討すべきです。DIYのメリットはコスト削減ですが、作業には十分な知識と技術が必要であり、特に防水層の施工や大規模な劣化の修繕は専門技術を伴います。DIYで防水工事を不適切に行うと漏水やさらなる劣化を招く可能性があるため、広範な補修や防水層の再施工については専門業者への依頼が推奨されます。
ベランダの防水工事を施工する際の臭いや騒音などが心配です
ベランダ防水工事では、ウレタン防水やFRP防水のような塗装工法の場合、溶剤や樹脂の特有の臭いが発生することがあります。特に、ウレタン防水では溶剤系の材料を使用するため、施工中に独特の臭いが発生します。騒音については、比較的静かな作業なので多少の音が発生する程度です。
ベランダの防水工事にかかる施工期間はどれくらいですか?
ベランダ防水工事にかかる施工期間は、選択する防水工法やベランダの面積、施工条件によって異なります。ウレタン防水は2~5日程度で、FRP防水は1~3日程度で完了するケースが多いです。施工後の乾燥時間が必要なため、1日で終わる場合でも、完全に使用できるまでには数日かかることがあります。シート防水の場合は、シート状の防水材なので短期間で施工できる場合が多く、1~4日で終わることが多いです。
防水工事のときエアコンの室外機はどうなりますか?
防水工事を行う際、エアコンの室外機がベランダに設置されている場合は、工事の邪魔にならないよう一時的に移動させる必要があります。防水層の修繕が必要な場合、エアコンの室外機を動かさないと作業ができないため、工事業者が移動作業を行うのが一般的です。事前に業者に確認しておくとよいでしょう。
まとめ
今回は、ベランダの防水工事が必要な理由、ベランダ防水工事の種類と費用相場、防水リフォームを行うべきタイミングや劣化症状、業者選びのコツなどについて解説しました。
定期的にベランダのメンテナンスや補修防水工事を行うことで、建物の寿命を延ばして資産価値を保ちやすくなるほか、将来的な修繕コストの削減やトラブルの予防に繋がります。ベランダの防水層に劣化症状が見られる場合は、防水工事業者に連絡相談して雨漏り被害などに発展する前に対応しましょう。
防水工事の種類には、ウレタン防水、FRP防水、シート防水、トップコート塗装などがあり、ベランダの環境や使用状況に応じた工法を選択して施工します。相見積もりで複数の防水工事見積もりを比較しながら、いくつかの要素をもとに信頼できる専門業者を選び、工事の品質や保証内容を担保するのが成功のコツです。
本記事が、ベランダの防水層が劣化してしまい、ベランダ防水工事を検討している方の参考になれば幸いです。