防水工事はどこに頼む?ハウスメーカーより専門業者や工務店がいい?

防水工事を依頼する業者はどこがいいのか、業者選びに迷っていませんか?ハウスメーカー、防水専門業者、地元の工務店など、選択肢は多いですよね。それぞれの業者が持つ特性を理解した上で、自分のニーズに最も適した業者を選びましょう。

本記事では、防水工事はどのような業者に依頼できるのか、各業者のメリットとデメリット、どこに頼むべきか、後悔しないための業者の選び方などについて詳しく解説します。ぜひ、あなたの建物に最適な防水改修工事を実現するための参考にしてください。

そもそも防水改修工事はどのような業者に依頼できるのか

防水改修工事は建物の耐久性と快適性を保ち続けるために必要な工事ですが、技術的な資格を有していなくても施工できてしまうことから様々な業者が存在します。以下では、防水工事を依頼できる主な業者を紹介します。

  1. 防水工事業者
  2. 塗装業者
  3. ハウスメーカー
  4. リフォーム会社
  5. 地域の工務店

防水工事業者

防水工事業者は、防水工事に特化した技術と施工実績を有する専門の業者です。防水工事の専門的な知識、豊富な施工経験を持つスタッフが在籍しており、最新の防水技術や材料に精通しています。

また、防水工事に関する相談や見積もり、施工後のアフターサービスなど、防水工事に関する全ての工程を一貫して対応可能です。特に大規模な建築物や複雑な構造を持つ建築物の防水工事には、防水工事業者の技術と経験が求められます。

メリット

  • 防水工事に特化しているため、施工が高品質
  • 問題が発生した場合のアフターフォローも充実
  • 劣化や問題箇所を的確に見つけ出せる
  • 適正価格での防水工事を提供してくれる
  • 必要な部分に適切な工事を提案してくれる
  • 最新の防水技術に精通している可能性が高い

デメリット

  • 自社施工していない場合、料金が高くなる
  • 悪質な業者だと高額請求されてしまう
  • 防水工事を専門に行っている業者は少ない
  • 資格が必要ないので怪しい業者も多い

塗装業者

塗装業者は外壁塗装などを行う業者ですが、防水工事なども手掛けることがあります。ただし、防水工事は専門的な知識と技術を必要とするため、塗装業者に依頼する際はその経験と実績を確認することが非常に重要です。

外壁や屋根などの塗装と同時に防水工事を行うような場合、塗装業者に一括して依頼することで作業の効率化やコストダウンが期待できます。ただし、施工箇所に防水工事の専門性が必要な場合や特殊な防水材を使用する場合は、防水工事の専門業者に依頼した方が良いです。

メリット

  • 塗装と防水工事を一緒に行えるので工期の短縮が期待できる
  • 外壁などは塗装を加味して見た目も考慮した提案が得られる

デメリット

  • 防水工事の専門知識や技術が不足している可能性がある
  • 施工実績不足の場合、防水工事の品質が著しく低下する
  • 雨漏りを完全に防ぐ複雑な防水層を作れない場合がほとんど
  • 防水工事業者に二次委託され中間マージンが発生しやすい

ハウスメーカー

ハウスメーカーは、新築住宅の設計から施工、アフターサービスまで一貫して行う企業です。そのため、ハウスメーカーで建てた住宅であれば物件の防水工事を相談しても対応してくれます。ただし、基本的にはハウスメーカーが施工するわけではなく、提携している防水工事業者など下請け業者による施工となります。

メリット

  • ハウスメーカーは規模的に倒産する可能性が低い
  • 長期的なアフターサポートや保証を受けられる
  • ハウスメーカーでは専属の営業担当が対応
  • 下請け業者への依頼で工事の待ち時間が少ない
  • 自社で建てた物件なので最適な防水工事を提案
  • 工事後のトラブルやメンテナンス対応が迅速

デメリット

  • 下請け業者に依頼する分、中間マージンが発生して工事費用が高い
  • 防水工事業者に直接依頼するのと比べて費用が高い場合がほとんど
  • ハウスメーカーの営業担当者が防水工事に詳しくない場合がある

リフォーム会社

リフォーム会社は、既存の住宅の改修やリノベーションを行う業者です。専門業者ではありませんが、防水工事もリフォームやリノベーションの一環として行うことがあります。特に浴室やキッチンなどの水回りのリフォームでは防水工事が重要ですが、リフォーム会社はそのような場所の防水工事に長けていることが多いです。

メリット

  • 防水工事以外の修繕工事も一緒に依頼できる
  • 老朽化した建物に関する防水工事に強い
  • 建築やリフォームにおける知識と経験が豊富
  • 建物や防水層の定期点検を依頼しやすい

デメリット

  • 防水工事の専門的な知識や技術が不足している場合がある
  • 他の工事と一緒に依頼しないと料金が割高になる可能性がある
  • 防水業者に二次委託されて中間マージンを取られることもある
  • 不要な追加工事や詐欺に近い工事しかしない悪徳業者もいる

地域の工務店

地域の工務店は地元密着型の建築業者で、新築やリフォーム、修繕など幅広い工事を手掛けます。専門性の高い防水工事を行えるというよりは、小規模な防水工事や修繕を行うことがほとんどです。基本的にはアフターサービスも手厚いことが多く、長期的なメンテナンスを求める場合には適しています。

工務店は、家や建具をつくることを得意としているほか、業務を通してさまざまな業者とのつながりがあるため、防水工事をはじめ塗装や水道周りなどの工事を各業者に依頼できます。

メリット

  • 地域密着型の迅速なサービスが受けられる
  • 柔軟性があるので細かな要望にも対応しやすい
  • 費用に関して大手と比較すると安い傾向にある
  • アフターフォローが手厚いことが多い

デメリット

  • 大規模な防水工事には対応できない場合がほとんど
  • 防水工事の専門的な知識や技術が不足している場合が多い
  • 最新の防水技術や材料に対応していない可能性が高い
  • 自社に防水工事に特化した職人がいないことがほとんど
  • 素人なみの仕事をされて状況が悪化することもある

以上が、防水工事を依頼できる業者とそのメリット、デメリットです。防水工事は建物の耐久性を保つために必須な工程なので、信頼できる業者を選んで依頼するようにしましょう。

防水工事はどこに頼むべき?適切な費用で高品質な施工を

建物における防水工事は寿命や安全性に大きく影響しますが、その重要性にもかかわらず、どこに依頼すべきか迷ってしまう方も多いでしょう。ここでは、適切な費用で高品質な施工を希望する場合、どこに依頼すべきかについて解説します。

防水工事は防水工事の専門業者に依頼するのが一番安全でお得!

防水工事は施工する際に必要な資格などは特にありませんが、実際の現場では専門的な知識と技術が求められます。そのため、防水工事の専門業者に依頼することが施工品質の面で見て最も安全でお得です。専門業者は豊富な防水材の種類や施工方法、建物の状況に応じた最適な対策を提案可能な上、施工後のアフターフォローもしっかりと行ってくれるため、長期的な安心感を得ることができます。

しかし、専門業者に依頼する際は信頼できるかどうかを確認の上で選定してください。低品質な施工を避けて悪質な業者から高額な請求を受けないためにも、見積もりが明瞭であるか、似た施工事例があるか、保証は充実しているか、相談しやすいかどうかなど業者の選定ポイントを把握しておきましょう。

参考:防水工事の依頼で後悔しないための専門業者の選び方

大規模修繕の場合は提案力がある会社かつ技術も伴う業者に依頼

マンション一棟やビル一棟などにおける大規模修繕の場合、防水工事に加えて外壁塗装や他の工事も同時に行うことが一般的です。そのため、提案力と技術力を兼ね備えた業者を探して依頼することが推奨されます。全ての工事を対応可能な業者は数少ないので、優良業者と繋がっている優良業者に出会うのが一番の近道です。

大規模修繕のような工事では、見積もりで1,000万円近い金額が提示されることもあり、品質を落とさずに値段が少し安くなる業者へ依頼するだけで200万円以上の費用を抑えられるというケースも多いです。安かろう悪かろうにならないよう、複数の業者に相見積もりをして具体的な話を聞いた上で比較検討しましょう。

ハウスメーカーや元請け業者に依頼すると防水工事が高い理由

ハウスメーカーに依頼すると、工事費用は防水工事業者に直接依頼するよりも高くなります。その最大の理由は、ハウスメーカーが下請けの防水工事業者に仕事を投げ、その上でマージンを大幅に抜くためです。

ハウスメーカーのマージン

ハウスメーカーは直接防水工事をしているわけではなく、顧客からの依頼を受けて防水工事を専門的に行う下請け業者に仕事を依頼します。そして、ハウスメーカーは下請け業者に対して工事費用の一部を支払います。しかし、顧客から受け取った金額と下請け業者に支払った金額の差額、つまり約35~50%程度のマージン料をハウスメーカーは利益として得ています。このマージンが大きければ大きいほど、ハウスメーカーの利益は増えます。

下請け業者のコスト

下請け業者は、防水工事を行うために必要な材料、人件費、設備、保険などのコストを負担します。これらのコストは、防水工事の品質や安全性を確保するために避けられないものです。したがって、下請け業者はコストをカバーするために工事費用を一定の水準以上に設定する必要があります。そうして見積もり算出された工事費用にハウスメーカーが金額を上乗せした上で顧客に提案しているのです。

以上のように、ハウスメーカーに防水工事を依頼すると費用が高くなる理由は、ハウスメーカーのマージンと、下請け業者のコスト、品質と安全性の確保にあります。ハウスメーカーと下請け業者がどのように価格を設定しているかを理解した上で、適切な価格で質の高いサービスを受けるためには、複数の防水工事業者から見積もりを取ることをおすすめします。

住宅でハウスメーカー以外の業者に防水工事を頼む際の注意点

ハウスメーカーの建物は独自の構造体になっているため、業者が特性などを理解していないと防水改修工事の結果が期待通りにならず、トラブルに発展する可能性があります。以下に、ハウスメーカー以外の業者に住宅の防水改修工事を依頼する際の注意点を詳しく解説します。

専門的な知識と技術、ハウスメーカーに近い材料が必要

防水工事を専門としていない塗装業者や工務店などでは経験不足や特定の材料が用意できないため、ハウスメーカーと同等の防水改修工事を行うことは極めて難しいでしょう。ハウスメーカーの建物における防水改修工事では、塩ビシートの取り扱い・機械固定できる技術、笠木の脱着ができる技術、塩ビ用のドレン(排水溝)改修工事ができる技術など、多くの専門的な知識と技術を必要とします。適切に防水改修工事をするためには、ハウスメーカーの建物を手掛けた経験がある防水工事に特化した専門業者を選ぶことです。

ハウスメーカーの建物改修が未経験の業者には難しい

ハウスメーカーの建物は独自の構造体になっているため、未熟な外部業者が改修工事を行うと逆に防水性能が低下したり、建物の構造に悪影響を及ぼすなど、施工品質の問題でトラブルになるという事例も多いです。特に、ハウスメーカーの仕事を受注したことのない業者が防水改修工事を行った場合、施工の経験値が少なく、建物の造りを熟知していないため、トラブルに発展する可能性が高いです。そのため、ハウスメーカーの建物改修をした経験がある業者を必ず選ぶようにしてください。

ハウスメーカー以外の工事はメーカー保証されなくなる

また、家を建てたハウスメーカー以外の業者に依頼して工事をすると、メーカー保証が無効になるという点にも注意が必要です。これは、ハウスメーカーが自社の施工品質を保証できないからです。具体的には、施工の箇所に関してのハウスメーカーの保証はなくなりますが、代わりに施工会社と材料メーカーのW保証へ変わります。もし工事に問題が発生した場合、ハウスメーカーではなく、施工した業者や材料のメーカーに対して責任を問うことになります。

ハウスメーカー営業マンに引き止められることも多々ある

ハウスメーカーの営業マンに以下のような営業トークで不安を煽られて、よその業者に依頼することを引き止められる場合も多いですが、自らの判断で依頼先は選びましょう。

  • 建物が独自の工法なので外部業者での対応は技術的に難しい
  • 弊社でしか手に入らない材料があり他社では手に入らない
  • 他社の業者で改修工事をした場合はトラブルに繋がります
  • 弊社で防水改修工事を行った場合は建物保証を延長できます

以上のように、ハウスメーカー以外の業者に防水工事を依頼する際には多くの注意点があります。しかし、これらの注意点を理解した上で適切な業者を選べば、ハウスメーカー以外の業者でも十分に質の高い防水改修工事を行うことが可能です。そのため、ハウスメーカーの建物で防水改修工事を行った経験がある防水工事の専門業者を選んで依頼するのが確実です。

防水工事の依頼で後悔しないための専門業者の選び方

それなりに高額な防水工事費用を払っても、施工後に雨漏りなどの症状が直っていないという事例もあります。そのように防水工事の依頼で後悔しないためには、業者を選ぶ前に最低限の選定基準を知っておくことが自己防衛に繋がります。

以下では、後悔しないための専門業者の選び方について確認していきましょう。

  1. 豊富な防水工事の施工実績があるか
  2. 自社施行が主か下請けへ投げていないか
  3. 専門知識・技術を有する資格者がいるか
  4. 何の工事を専門にしている会社か
  5. 想定の施工規模に対応可能かどうか
  6. 新しい技術や材料を取り入れているか
  7. 施工後の保証やアフターサポートがあるか
  8. 防水工事の見積内容や説明が明確かどうか
  9. 見積もりは2社以上へ頼んで比較検討する
  10. 契約を急かす・不安を煽る業者は避ける

1.豊富な防水工事の施工実績があるか

防水工事の施工実績は、業者の技術力と信頼性を示す最も分かりやすい指標です。そのため、自身が依頼しようと考えている建物の状況に類似する工事を含め、豊富な施工実績がある業者を選ぶことが成功への近道です。

まず、防水工事を依頼する際には業者自体の信頼性や評判を事前に確認しておくようにしましょう。怪しい業者ではないか、利用者からの評判はどうかなどの情報は、業者のウェブサイトや口コミ、評価サイトなどからある程度は調査できます。中小業者の場合は、Web上で口コミや評判を確認できない場合もありますが、施工実績などが載っていればそちらを参考にしましょう。

2.自社施行が主か下請けへ投げていないか

防水工事を依頼する場合、依頼先の業者が主に自社で施工を行っているか、それとも下請けに投げているのかが非常に重要です。自社で施工を行っている業者は、品質管理と責任の所在が明確なので信頼性が高く、問題が発生した際の対応も迅速に行えるでしょう。

一方、下請けに投げている業者は品質管理が難しく、施工の品質が一定ではないなど、問題が発生した際の対応も遅れる可能性が懸念されます。そのため、自社施工が主である防水工事の業者を選ぶことをおすすめします。ただし、一概にすべての下請け業者の施工品質が低いというわけではありません。

3.専門知識・技術を有する資格者がいるか

防水工事は無資格で施工そのものは行えてしまう現状がありますが、実際には専門的な知識と技術を必要とします。そのため、依頼を検討している業者に専門知識と技術を有する資格者がいることが望ましいです。

国家資格の防水施工技能士などの資格を持つ有資格者の職人がいるかどうかを確認しましょう。資格を持つ職人は、防水工事に必要な専門知識と技術を有しているというのが客観的に分かります。極端な話、今まで防水工事を行った経験がない人たちを数人集めて営業し、工事を行うといったこともできてしまうので恐ろしい業界です。

4.何の工事を専門にしている会社か

防水工事を行う業者を選ぶ際には、その業者がどのような工事を専門にしているかを確認すると、ある程度は施工品質や工事費用を予測できます。防水工事を専門にしている業者は、防水工事に関する最新の情報や技術を持っている可能性が高いため、防水工事を専門にしている業者を選ぶのがおすすめです。一方、防水工事ではなく他の工事を専門で行っている業者は、防水工事に対する専門性が低いというリスクがあります。業者が何の工事を専門にしているかを確認しましょう。

5.想定の施工規模に対応可能かどうか

防水工事の規模や難易度は建物の大きさや状態によって異なります。そのため、想定している施工規模に対応可能かどうかが業者を選ぶ上での基準となります。また、ビルやマンション一棟のように大規模な防水改修工事を行う場合、建設業許可が必要なので最低限の判断基準は明確です。

大規模なマンションの防水工事や、小規模な一戸建ての防水工事など施工規模は様々です。見積もりを依頼する前段階で、想定している施工規模に対応可能かどうかを業者に直接問い合わせておきましょう。その際に全てを自社施工なのか、部分的に下請け業者や外注することになるのかなどについても、具体的に説明してもらうことをおすすめします。

6.新しい技術や材料を取り入れているか

防水工事は進化し続ける分野であり、新しい施工技術や防水材料が常に開発されています。そのため、最新の技術や防水材料を取り入れている業者を選ぶことは、高品質な防水工事を行ってもらうために必要だと言えます。そのため、依頼を検討している業者が最新の技術や材料を採用しているかどうかは、できれば確認しておきたいポイントです。

基本的には防水工事のみを専門に長年行なっている業者であれば、新しい施工技術や材料を取り入れている可能性が高いので、質問したとしてもお互い不要なストレスは生じにくいでしょう。

7.施工後の保証やアフターサポートがあるか

防水工事後のトラブルは、施工を行った業者の保証やアフターサポートによって解決されます。そのため、防水工事業者を選ぶ上で施工後の保証期間やアフターサポートの有無を必ず確認してください。

防水工事は長期的な効果を期待するものであり、施工後に問題が発生した場合に迅速に対応してくれる業者を選ぶことが望ましいです。具体的には、工事後の保証期間や、保証内容、定期的な点検・メンテナンスの有無など、アフターサポートの体制を判断基準にして選びましょう。

8.防水工事の見積内容や説明が明確かどうか

防水工事の見積もりは工事費用を明確にするために重要視すべきポイントです。見積もり内容が明確で工事の説明も具体的で分かりやすい業者であれば、後で予想外の費用が発生するリスクを最小限に抑えてくれるでしょう。見積もり書には、工事の内容、使用する材料、工事の期間、費用の詳細などが記載されていると比較しやすいです。

また、追加費用が発生する可能性がある場合や、何が追加費用の対象となるのかも明確に説明してくれる業者は優良だと言えます。ぼったくりや予期せぬ追加費用の発生を防ぎ、スムーズに工事を進めやすくなります。

9.見積もりは2社以上へ頼んで比較検討する

複数の防水工事業者から相見積もりを取ることで、工事費用やサービスを含めて提案を比較検討しやすくなります。1社だけに見積もりを取った場合、そもそも工事費用や施工内容が妥当なものなのかどうかが分かりにくいです。

見積もりの金額が高めに設定されていたり、工数がやけに少ないといった内容だったとしても素人では簡単に判断できないので、複数を見比べるようにしましょう。ただし、工事費用が安いだけで選ぶと品質リスクなどが伴うため、同じような施工実績や業者の信頼性であれば安い業者が良いという基準での選定をおすすめします。

10.悪徳業者の特徴があれば絶対に避ける

増え続ける悪質な業者に今後を左右する大切な工事を依頼してしまわないためにも、以下のような特徴を持つ業者は避けるべきです。

突然の訪問営業で不安を煽ってくる業者

突然の訪問営業による無料点検の後で物件所有者の不安を煽り、その不安な感情を利用して契約を迫るというのは、悪徳業者の典型的な手口の一つです。彼らは、突然訪問してきて無料で屋根や外壁の診断・点検を行った後、「あなたの家の屋根や外壁は老朽化しており、いつ雨漏りや浸水が発生するかわからない」といったような主張をして不安を煽ってきます。

今どき訪問営業するような業者は、物件所有者の感情を揺さぶって理性的な判断を阻害することで、自分たちの利益を徹底的に追求します。したがって、突然訪問してくる業者には注意が必要です。仮に10年以上の間、屋根などの防水工事をしていないので老朽化が疑われる場合でも、その場では契約せずに家族・知人や防水工事の専門業者などに相談しましょう。

とにかく工事の契約を急かしてくる業者

防水改修工事の相談や概算のざっくりとした見積もりを依頼した後、とにかく契約を急かす業者も隠れた悪徳業者の可能性が疑わしいです。彼らは、「今すぐ契約しないと特典が受けられない」や「この価格は今日だけ」などと言って、物件所有者に対してプレッシャーをかけます。

しかし、本当に良心的な防水工事業者であれば、物件所有者が納得するまで説明して十分な時間を与えるほか、入念な事前調査や見積書の提出などを行わず契約させることはありません。また、現時点では特に防水改修工事を行う必要がなければ、まだ老朽化は許容範囲内なので工事はしなくても大丈夫ですと伝えてくれることでしょう。

火災保険の適用で工事が無料を謳う業者

火災保険を適用すれば無料で施工できる、あとで保険会社から工事費用が振り込まれるからと謳う防水工事業者も注意が必要です。実際、火災保険を利用して防水工事の費用を補助することは可能ですが、一定の条件を満たす必要があります。まず、防水工事が必要になった原因が火災保険の補償範囲内の事象である場合、保険適用の対象となります。

具体的には、自然災害による屋根の損傷から水漏れが発生し、それに伴う防水工事が必要になった場合などが該当します。しかし、経年劣化による雨漏りや破損は火災保険の対象外となります。したがって、防水工事が火災保険でカバーされるかどうかは、具体的な状況や保険契約の内容によるので工事前に保険担当者への確認が必須です。

以上のポイントを押さえて業者を選べば、防水工事の依頼で後悔するというリスクは小さくなるでしょう。

防水工事を業者に依頼するまでの手順

以下では、防水工事を業者に依頼するまでの手順について確認していきましょう。

  1. 問い合わせ
  2. 現場調査
  3. 提案・見積もり
  4. 契約(一部前金払い)
  5. 施工開始
  6. 施工完了(工事完了報告書)
  7. 料金支払い
  8. アフターフォロー

問い合わせ

防水工事を検討する際、まずは信頼できる業者を見つけて、問い合わせを行います。問い合わせの段階では、建物などの状況、希望する工事の範囲、予算などの基本情報を伝えるとともに、業者の対応や提供サービスについて確認します。問い合わせは電話やメール、ウェブサイトの問い合わせフォームなどを通じて行います。

現場調査

問い合わせ後、業者は現場調査を行うために訪問し、実際の状況を把握します。現場調査では、防水が必要な箇所の特定、損傷の程度、必要な工事の規模などを業者が詳しく調査します。現場調査は、正確な見積もりと適切な防水工事計画を立てるために必要な作業となっています。

提案・見積もり

現場調査の結果をもとに、業者は最適な防水方法を提案し、見積もり内容を作成・提出します。見積もり内容には、工事の内容、使用する材料、工期、費用の内訳などが含まれます。見積もりは、工事費用の詳細を明確にするためのものなので、材料費、人件費、その他の費用などが項目別に記載されていることが一般的です。

契約(一部前金払い)

提案と見積もり内容に納得したら、業者との間で契約を結びます。契約書には工事の詳細、費用、支払い条件、工事の期間、保証に関する情報などが記載されています。工事の開始前に、契約金や着手金名目で総工事費用の10~30%の金額を前金を支払うことが求められる場合があります。前払いをした場合、残金は工事完了後の支払いとなります。

施工開始

契約が完了した後、業者は施工を開始します。着手金などの前金支払いが条件の場合は、支払われたことを確認後となります。施工中は、業者が定めたスケジュールに従い、防水工事が進行します。施工の進捗については定期的に報告を受けることができます。

施工完了(工事完了報告書)

工事が完了すると、丁寧な業者は工事完了報告書を提出します。工事完了報告書には、竣工届・引渡書・工程表・補修図・検査写真・検査報告書・記録写真・保証書などの工事の詳細が主に含まれています。工事が適切に行われたことを確認するための写真や、必要に応じて行われた検査の結果も含まれている場合があります。

料金支払い

現地で施工完了を確認または工事完了報告書の確認後、業者に残りの料金を支払います。料金は、契約時に定められた支払いスケジュールに従って支払うことになります。支払いが完了すると、保証書や保険証など、工事のアフターサポートに関連する書類などが交付されます。

アフターフォロー

施工完了後も業者はアフターフォローを提供します。アフターフォローには、防水工事の保証期間中の修理やメンテナンス、防水性能の確認などが含まれるため、長期間にわたって防水効果を発揮し続けることが期待できます。

以上が、防水工事を業者に依頼するまでの手順です。専門的な知識と経験を持つ業者を選べば安心して工事を任せることができます。また、各段階でのコミュニケーションを大切にし、要望を明確に伝えることが成功の鍵となります。

防水工事をどこに頼むか悩んでいる方からのよくある質問

  1. 見積もりは依頼日からどのくらいの日数でいただけますか?
  2. 防水工事の見積もりは複数社から取るべきですか?
  3. 防水工事後の保証期間はどのくらいありますか?
  4. 防水工事にかかる期間はどのくらいですか?
  5. 防水工事はどこに頼むのが一番安くて品質が良いですか?
  6. 屋根や外壁などで防水工事が必要になる理由は何ですか?
  7. 防水工事を行うタイミングはどんな感じでしょうか?

見積もりは依頼日からどのくらいの日数でいただけますか?

見積もりの提出までの日数は依頼する業者や工事の規模などによりますが、一般的には依頼日から数日~1週間程度に提出されます。ただし、大規模な工事や複雑な工事だとそれ以上の時間がかかることもあります。具体的な日数を知りたい場合は、見積もりを依頼する際に業者に直接確認することをおすすめします。

防水工事の見積もりは複数社から取るべきですか?

防水工事の見積もりは複数の業者から取得することを強く推奨します。相見積もりによって各業者の提供するサービスや価格を比較できるため、予算や要望に最も適した業者を選びやすくなります。ただし、業者の施工実績はどうなのか、工事や見積書の具体的な説明があるかを重視すべきで、値段が安いというだけで選ぶのはおすすめしません。

防水工事後の保証期間はどのくらいありますか?

防水工事の保証期間は業者によりますが、一般的には原則5年~10年ほどが設けられています。日本防水協会の防水工事保証制度によると、日本防水協会の正会員による施工であれば最長25年間保証されることもあります。日本防水協会に加入している防水工事の専門業者に依頼するのが、長い保証期間を設けてもらいやすいと言えます。

防水工事にかかる期間はどのくらいですか?

防水工事にかかる期間は、工事の規模や複雑さ、天候の状況などによっても異なりますが、目安としては数日から数週間程度とされています。具体的な施工期間を知りたい場合は、見積もりを依頼する際に業者に直接確認しておきましょう。

防水工事はどこに頼むのが一番安くて品質が良いですか?

防水工事の業者選びは、価格だけでなく、品質、サービス、信頼性なども考慮する必要があります。そのため、一概にどの業者が最も良いとは言えません。複数の業者から見積もりを取得した上で、それぞれの業者の評判や実績を比較検討することをおすすめします。また、ハウスメーカーで建てた住宅の屋根などの防水工事は専門知識と技術を必要とするため、経験豊富な業者を選ぶようにしてください。

屋根や外壁などで防水工事が必要になる理由は何ですか?

屋根や外壁は建物を雨や雪、風などの自然環境から守っている部分です。しかし、屋根や外壁は直接自然環境にさらされているため、時間とともに劣化してしまいます。特に、雨や雪は水分を含んでいるので、建物に浸透するとカビや腐食の原因となります。最悪の場合、建物の構造自体に影響を及ぼします。そのため、防水工事は建物を長期間安全に保つために必要なメンテナンス作業となります。

防水工事を行うタイミングはどんな感じでしょうか?

防水層の寿命は、使用する材料や施工方法、気候条件、建物の使用状況などによりますが、一般的には約10年から15年とされています。ただし、定期的なメンテナンスと適切な修理が行われていれば、その寿命はさらに延びることがあります。

また、建物の中に水が浸入してきたり、外壁や屋根に亀裂や剥がれなどの劣化が見つかった場合は防水性能の低下を示しています。そのような場合には、できるだけ早急に防水改修工事を依頼した方が後々のためになります。

まとめ

今回は、防水改修工事はどのような業者に依頼できるのか、各業者のメリットとデメリット、どこに頼むべきか、後悔しないための業者の選び方などについて解説しました。

防水改修工事は建物の耐久性を保つ上で失敗できない工事のため、防水工事を依頼する業者選びは非常に重要です。ハウスメーカー、専門業者、工務店など、様々な業者が防水改修工事を手掛けていますが、それぞれにメリットとデメリットがあるのでしっかりと比較検討するようにしましょう。

防水工事を依頼する際には、業者の技術力や信頼性、施工実績、保証・アフターサポートの有無などを考慮に入れることが、工事費用が安いかどうかよりも大事です。また、見積もりは複数の業者から取得し、適正な工事費用はどの程度なのかを把握することもおすすめします。

この記事があなたの防水工事業者選びの参考になれば幸いです。建物の耐久性を保つために最適な防水改修工事を実現しましょう。