東京都豊島区の解体工事業者一覧と費用相場について解説
東京都豊島区の解体工事を巡る状況
東京都豊島区は、東京西北部に位置する特別区の一つです。各所で再開発が進められており、またそれと同時に各所の木造住宅密集地域を対象に「不燃化特区」を設定しています。
豊島区ではこうした地域において燃えやすい木造建造物の解体、建て替えの対応を進めています。区による審査・認定の上で老朽建築物を取り壊す際に、除却(解体)工事費として最大1,000万円の助成を受けることが可能です。
なお、助成期間は平成32年度いっぱい(令和2年3月末)までとなっています。
豊島区の解体工事費の相場(平均坪単価)
構造形式による建造物の分類において、一般的に現在、解体工事の対象になる建物としては大まかに「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」の3種類があります。
実際のところ、解体工事費用は、構造や施工条件、アスベストの有無など様々な要因も加わって決定されますが、大まかに坪単価でまとめると、平均的な解体費用の目安は以下の通りになります。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10~19坪 | 4.4万円 |
20~29坪 | 4.0万円 |
30~39坪 | 3.8万円 |
40~49坪 | 3.6万円 |
50~59坪 | 3.5万円 |
こちらは豊島区において最も解体が推進されている木造建造物の解体費用です。木造建造物は比較的解体が容易であることから工期が短く済む傾向にあり、その分解体工事にかかる費用も安価となる場合が多いです。
しかし人口密度の高い豊島区では、木造建造物は不燃化特区として一部地域にまとめられているように、一部に密集して建てられている傾向にあります。
こうした木密地域に建てられている木造建造物の解体工事の場合、重機が入るスペースがない場合があり、重機が使えずに全て手作業で壊さなければならないケースも出てきます。
そのような場合、重機が使えない分余計に工数がかかり、人件費もその分かかってしまうため、一般的に費用が高くなってしまうようです。
隣接する北区、新宿区、文京区などに接する区境付近にある不燃化特区においては、こうした状況になっていないかしっかり注意する必要があります。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10~19坪 | 5.6万円 |
20~29坪 | 5.1万円 |
30~39坪 | 4.8万円 |
40~49坪 | 4.6万円 |
50~59坪 | 4.5万円 |
次いで、鉄骨構造の場合の解体工事費用の目安です。鉄骨を解体するのには手間がかかり、木造ほど容易ではないことから、一般的に木造建造物の解体よりも高額である場合が多くなっています。
また鉄骨構造の建造物の場合に気をつけなければならないのは、有害物質である「アスベスト」が壁や屋根などに使用されている可能性があることです。アスベストの調査、撤去には余計なコストがかかり、かつ、処分するにもお金がかかってしまいます。
アスベストは石綿とも呼ばれる繊維状の物質で、長年に渡り吸入してしまうと中皮腫や肺がんの原因となることがあります。解体工事においてはアスベストが飛散しやすいので、不安がある場合は以下のような対応を取る必要があります。
簡単にアスベストを確認する方法はありませんが、サイディング外壁、およびセメント瓦が用いられているかどうかである程度判断できます。それらの建材が使われていない場合は、アスベストも使われていない可能性が高いため、安心していいでしょう。
ただし、こうした建材が使われている場合は、アスベストが使用されている可能性が高くなります。しかし明確な所を素人が判断するのは難しいため、専門の業者に調査依頼する必要があります。余計なコストがかかりますが、身体の安全には代えられません。
RC造(鉄筋コンクリート造)の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10~19坪 | 7.9万円 |
20~29坪 | 7.2万円 |
30~39坪 | 6.8万円 |
40~49坪 | 6.5万円 |
50~59坪 | 6.3万円 |
最後に、鉄筋コンクリート構造の解体工事費用の目安です。鉄筋コンクリートは、コンクリートの中に鉄筋と呼ばれる細い棒状の構造を配することによって成り立ちます。
鉄筋に力がかかることで発生する撓みや座屈などの曲がる作用を、鉄筋の周りをコンクリートが覆い、拘束することで防ぐ構造となっています。長期間を経れば劣化していくものの、コンクリートが鉄筋の腐食を防ぐことで、耐久性に優れているとされています。
特に狭い地域で鉄筋コンクリート構造の解体を行う際は、なるべく振動や騒音、粉塵の飛散を防ぐように工夫を凝らした工法が取られ、コンクリートの圧砕と鉄筋の解体を工夫して行う必要があることから、工事もより大掛かりになり手間が掛かります。
そして鉄骨構造の建物と同じくアスベストが使われている可能性もあるため、アスベストの飛散被害を防ぐため、少しでも可能性があれば慎重な調査を余儀なくされます。
解体費用は建物の構造で大きく異なる
建物の構造が頑丈に、手の込んだものになっていけばいくほど、解体するのにもより工数と手間が掛かり、またなるべく周辺への騒音、粉塵の被害を防ぐ工法が必要となることから、人件費や設備にかかる費用も膨大になります。
特にRC造の建物はコンクリートを崩しながら鉄筋を切断していく必要があるため、状況に応じて複数の工法を組み合わせ、なるべく振動や粉塵被害、騒音が周りに影響しないように気を遣う必要があります。
解体工事を行う際には、構造による解体のし辛さもしっかり把握した上で、契約に進まなければなりません。
またできる限り認識の違いで周りに迷惑がかからないよう、密集した地域に建っていることで物理的に工法が制限されることはないかなど、周りの状況、解体に際する建物の状態などを細かく理解する必要があります。
東京都豊島区で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 東京都豊島区における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
東京都豊島区で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
豊島区の空き家の種類と件数
総務省統計局が実施している住宅・土地統計調査によると、豊島区の空き家の総数は30,370件です。東京23区(特別区部)の中でのトップは大田区の61,790件で、豊島区は8番目に空き家総数が多い地域となっています。
解体工事の対象となるこうした様々な構造の空き家に関して、政府統計では「空き家の種類」を大まかに4つ、「賃貸用」「売却用」「二次的」「その他」の区分に分けています。
「賃貸用」はその名の通り賃貸目的で空き家になっており、借主を探している住宅を指し、「売却用」は売却物件として買い手を待っている住宅を指します。「二次的」はいわゆるセカンドハウス、別荘などといった普段は人が居住していない住宅のことで、「その他」は上記のどれにも当てはまらない住宅のことで、定期的に利用されることも、近く誰かが居住する予定もない物件のことです。
豊島区における空き家の内訳としては、「賃貸用」が25,450件、「売却用」が840件、「二次的」が360件、「その他」が3,720件となっています。
「その他」が問題なのは、人によって管理されていない可能性がある住宅だという点で、長期不在、持ち手がいないなどの理由で解体予定の建物はほぼ全てこのカテゴリーに含まれます。豊島区は、こうした「その他」が東京23区の中でも比較的多いのが特徴です。
「その他」を残しておくと倒壊の危険性が高まるだけでなく、管理者不在の建物周辺の治安の悪化など環境にも悪影響が出る可能性がありますので、なるべく早い段階での対処が望まれます。
政府統計では、これらの空き家の中に「一戸建」と「長屋建・共同住宅・その他」という区分に大きく分けられ、その中から更に「木造」「非木造」の区分けが存在します。豊島区の場合、空き家総数に対し一戸建ての住宅では木造2,460件、非木造は190件、長屋建・共同住宅・その他の住宅では木造7,360件、非木造は20,360件です。
そして、「腐朽・破損の有無」の分類もあり、空き家総数のうち「腐朽・破損あり」とされたのは6,810件で、「一戸建」よりも「長屋建・共同住宅・その他」が圧倒的に多く、木造3,080件、非木造2,810件の合計5,890件となっています。
豊島区は「木密地域不燃化10年プロジェクト」を進めています。これは木造建築の密集状況を改善することによって、地震、災害に際する延焼防止、倒壊防止を図る取り組みです。
池袋駅から離れた周辺地域のうち、特に東西南北の区境に近い4地域、東池袋4・5丁目地区、雑司ヶ谷・南池袋地区、池袋本町・上池袋地区、長崎・南長崎・千早地区を不燃化特区とし、木造住宅の数が多く火が燃え移りそうな地域を指定し注意喚起を行っています。
このことから、統計より「木造」の住宅を絞り、豊島区の「木造」住宅の「一戸建」と「長屋建・共同住宅・その他」の合計を見ていくと9,820件となっていて、東京23区の中では10番目に多い数字となっています。
以上の事実を鑑みると、豊島区はまだまだ木造建築の空き家が多く、「木密地域不燃化10年プロジェクト」は未だ過渡期にあり、まだまだ対応が進められていくべき段階にあるということが見えてきます。
まとめ:豊島区の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
空き家をそのまま放置すると失火、倒壊の危険性が高まり、公益的にも非常にリスクが大きくなりますので、空き家の解体や木造建築からの住み替えの際に助成金を出すなど、各自治体ではそれぞれの取り組みを実施しています。
豊島区では特に、不燃化特区に指定されている地域があることからもわかるように、木造建築が密集している地域を抱えており、改善にはまだまだ時間が必要なのが現状です。
木造だけでなく鉄骨構造や鉄筋コンクリート構造であっても、長期的にみれば着実に劣化し、腐朽、破損は起こり得ます。
主に経済的な理由もあって、解体工事を行うかどうかは持ち主にとって悩みどころもあるかと思いますが、所定の申請、手続きによって助成金が受け取れるなどの策を自治体が講じています。
そういった補助制度についてもしっかりと調べた上で、解体業者に相談してみてはいかがでしょうか。解体業者選びの際は、地理に明るい豊島区の解体業者を選ぶといいでしょう。