東京都杉並区の解体工事業者一覧と費用相場について解説
杉並区の解体工事を巡る状況
住宅地が多い杉並区では、人口増加により解体需要は他の地域に比べて低く、解体業者へ依頼すると価格が高くなってしまう傾向があります。今後、杉並区の解体工事はどのように変化していくのでしょうか。
このページでは、杉並区の解体工事について分析し、今後どのように解体工事の需要が変化していくのかをさまざまな観点から分析します。
杉並区の解体工事費の相場(平均坪単価)
杉並区の解体工事費の相場を、「木造」「鉄骨造」「RC造」に分類して紹介します。それぞれどのような違いがあるのかを分析しながら、杉並区の解体工事事情を紹介していきましょう。
木造の解体費用相場
杉並区の木造住宅に関する解体費用について解説します。杉並区の木造住宅での解体相場は次の通りです。
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.4万円 |
20〜29坪 | 4.0万円 |
30~39坪 | 3.8万円 |
40~49坪 | 3.6万円 |
50~59坪 | 3.5万円 |
10〜19坪では1坪あたり4.4万円、50~59坪であれば1坪あたり3.5万円かかります。木造住宅の相場は、他の23区と比較をしても大きな差がありません。坪単価で見ると杉並区の解体費用は高いと感じる方もいますが、決してそうではありません。杉並区の住宅は、道路幅が広い住宅が多く、木造密集地帯のようなエリアも少ないので、解体工事をスムーズに行うことが可能です。
また、重機を現場に入れて解体作業を行うことができる現場もあるため、解体工事を通常よりも短期間で行うことが期待できます。そのため坪単価が高くても、複雑な解体工事ではなく単純な工事で作業を終えてしまうことができるケースが多くあるため、他の区と比べて費用を抑えて工事を行うことが可能になります。
解体工事を依頼する際は、費用を抑えてスムーズに行ってもらうためにも杉並区で解体工事を多くこなしている業者に依頼するように心がけましょう。
鉄骨造の解体費用相場
杉並区での鉄骨造の解体費用は次の通りです。
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 5.6万円 |
20〜29坪 | 5.1万円 |
30~39坪 | 4.8万円 |
40~49坪 | 4.6万円 |
50~59坪 | 4.5万円 |
鉄骨造の解体費用も他の23区と同じ程度の金額となっています。杉並区では動線にゆとりが多い地域が多いため、相場よりも安く引き受けてくれる業者も少なくありません。
鉄骨造の建物では廃材をどのようにするかによって、解体費用をさらに安く抑えることも可能です。業者によっては、廃材を有価償却として解体費用に割り当てることを提案してくれる業者もいます。
知識がないとこの件に触れずに解体工事を行なってしまうケースもがあるので、依頼する際は必ず解体費用相場を検討した上で工事を依頼するようにしてください。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 7.9万円 |
20〜29坪 | 7.2万円 |
30~39坪 | 6.8万円 |
40~49坪 | 6.5万円 |
50~59坪 | 6.3万円 |
RC造の解体費用は3種類の解体現場の中でも、最も工事費用が高くなります。杉並区の相場は他の区と比較しても同じ程度の金額なので、依頼する業者のサービス内容によってどの業者に依頼をするか検討しましょう。
RC造では他の工事に比べて大きな騒音を発生させてしまうだけでなく、粉塵の量も多く場合によっては近隣住民からクレームが来てしまうことが想定されます。解体実績の多い業者になれば、どのような工事を行えば、クレームを最小限に抑えることができるか、解体工事を行う上でどのようなことに気をつける必要があるのかアドバイスをしながら解体工事の計画を提案してもらうことが可能です。
業者によっては、事前に図面を用意するようにと打ち合わせ段階でアドバイスする業者もいます。解体工事の業者を選ぶ際は、料金に大差が無いためサービスの質が高い業者を選びましょう。あまりに安い業者を選ぶと、違法な工法で解体工事を行う可能性があるだけでなく、工事中に追加料金を提示してくる可能性が高いので、価格をはっきり提示する業者を選択するようにしてください。
杉並区では特定緊急輸送道路に指定されている道路が多いため、助成金で解体工事の費用を安く抑えることが可能です。特定緊急指定道路に指定されている道路は、次の通りです。
- 新青梅街道
- 青梅街道
- 井の頭通り
- 甲州街道
- 環状七号線、八号線
この道路に面している建物は耐震化工事の助成金を受け取ることができるので、既存の建物を解体して耐震性の強い建物にすることができます。解体工事を依頼する際は、この助成金制度を活用できないかを検討した上で、解体業者に工事を依頼するようにしてください。
東京都杉並区で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
東京都杉並区で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
クリックで画像拡大
内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
杉並区の空き家の種類と件数
次に杉並区の空き家の現状を紹介していきましょう。杉並区の空き家の総数は35,690件です。これは大田区の空き家件数が6万件なので、その半分程度の空き家があることがわかります。空き家は、別荘としての「2次的」、賃貸目的の「賃貸」、売却用の空き家、どれにも該当しない「その他」の4つの種類に分類されます。
その中で賃貸用の物件が最も多く26,680件、次いで多いのが「その他」の7,650件です。特に杉並区は住宅街が多く人口も多いため、賃貸の空き家が必然的に多くなります。また地域によっては高齢化が進んでいる関係で、利用目的のない「その他」に分類される空き家の数も少なくありません。
一方で、老朽化、破損ありの建物はどの程度あるのでしょうか。総数は6,780件と破損状態の建物は少なく、その大半が賃貸用の建物で4,630件です。今後これらの建物は大幅な改修工事、解体しての建て替えが予想されます。
このように、杉並区の空き家の多くは賃貸用のマンションやアパートであり、今後このようなマンション、アパートが解体工事を行う可能性があると言えるでしょう。
高齢化による空き家の上昇
現在、杉並区の空き家はほとんどが賃貸用の住宅が多いため今すぐ空き家に対する対策を考えなくても問題ないと考えている大家さんも少なくありません。しかし、今後は杉並区でも急速な高齢化が考えられます。人口の上昇により、現在は現役世代が多いものの、今後現役世代が高齢化になり、一気に空き家が多くなってしまう可能性があります。
そのため、今後杉並区に住んでいる住人の高齢化によって急速に解体工事の需要が高まることも考えられます。既存の相場よりも高い費用が必要というケースも考えられるため、解体時期をいつ行うか慎重に検討してから工事を検討するようにしてください
杉並区で解体工事に使える補助金・助成制度
杉並区では、家屋・空き家などの解体に利用できる下記の助成制度が用意されています。助成対象に該当するか確認の上、活用してみましょう。
老朽危険空家除却費用の助成制度
対象区域
区内全域(ただし、不燃化特区区域を除く)
助成対象
特定空家等及び特定空家等に準じるもの(不良住宅)
- 特定空家等とは、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)第2条第2項の規定により、杉並区空家等対策協議会で特定空家等と判断された空家です。
- 特定空家等に準じるもの(不良住宅)とは、区で不良住宅と判定された空家です。
助成率
除却工事費の80%(所有者負担20%)
助成限度額
150万円
その他の条件
- 申請者は個人の所有者であること(法人は不可)
- 相続等で複数の所有者が存在する場合は、全ての所有者に代表者であること
- 共同住宅等の場合は、全住戸が空室であること
- 助成金交付申請時に住民税を滞納していないこと
- 暴力団員又は暴力団又は暴力団員と密接な関係を有する者ではないこと
- 工事着手前に助成金の交付申請をすること(工事着手後の申請はお受けできません。)
申請手続きの流れなど、詳細については杉並区公式ホームページの老朽危険空家除却費用の助成制度を確認してください。
【旧耐震基準】木造住宅等の除却に関する助成制度
昭和56年5月以前に建てられた木造住宅等について、一部対象地域に限り、除却費用の一部を助成します。
申請受付期限について
申請の受け付けは、令和3年12月24日(金曜日)までとなります。
注意1:年度内に完了するもののみ受け付けます。
注意2:申請受け付け期限に間に合わない場合には、個別にご相談ください。
申請書類や委任状・同意書・承諾書などの詳細については、杉並区公式ホームページの【旧耐震基準】木造住宅等の除却に関する助成制度を確認してください。
まとめ:杉並区の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
杉並区は現在空き家問題が他の区に比べて深刻的ではないので、解体工事を受注する業者が地元にはあまり多くなく、相場よりも高い値段での工事を依頼しなければいけない状況が考えられます。
しかし空き家をそのまま放置していると税金が高くなるだけでなく、防犯上空き家があることは良いとは言えないので、速やかにどのように対処をするのか考える必要がありそうです。