東京都北区の解体工事業者一覧と費用相場について解説

東京都北区

東京都北区の解体工事を巡る状況

東京都北区は、東京北部に位置する特別区の一つです。各所に空き家が増えつつあり、北区のホームページでは空き家対策について特集ページを組み、空き家をお持ちの方に対する注意喚起を呼びかけています。

北区では、区役所において空き家相談を請け負っているほか、空き家管理に関しての各種補助制度を設けています。所定の手続きを踏み、区による審査・認定の上で老朽化した空き家を取り壊す際に、除却費として最大160万円の助成を行っています。

北区の解体工事費の相場(平均坪単価)

建築における構造形式の分類において、解体工事の対象になる建物の構造としては、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」の3種類に大きく分けられます。

各構造における平均的な解体費用の目安を坪単価で見ていくと以下の通りになります。なお、解体工事費用は必ずしも坪単価で決まるわけではなく、施工条件などによっても変わるため、あくまでも目安としてご覧ください。

木造の解体費用相場

坪数 坪単価
10~19坪 4.4万円
20~29坪 4.0万円
30~39坪 3.8万円
40~49坪 3.6万円
50~59坪 3.5万円

こちらは北区において重点的に解体を推進している木造建造物の解体費用です。上記の3種類の構造の中では最もやすくなっています。理由としては、木造建造物の解体は比較的容易であり、コンクリートなどの硬い素材もないので工期も短く済み、それに伴って人件費や設備費用も安く住むことが挙げられます。

しかし延焼防止、倒壊防止の不燃化特区の指定などの取り組みが行われているように、木造建築は燃え広がりやすい割に、密集して建てられていることが多いです。区によっては「木密地域」とも呼び表しているように密集して建てられている地域の木造建築を解体する場合、解体工事に用いられる重機が入れないことによって、本体なら重機を使うところを全て手作業で行わなければならない場合もあります。

そうした場合は余計に工期が増え、その分人件費もかかってきてしまうことから、費用が高くなってしまう場合もあることを念頭に置いておきましょう。

鉄骨造の解体費用相場

坪数 坪単価
10~19坪 5.6万円
20~29坪 5.1万円
30~39坪 4.8万円
40~49坪 4.6万円
50~59坪 4.5万円

続いては、鉄骨構造の建造物の解体工事費用の目安を見ていきましょう。鉄骨は木造よりも硬く頑丈であるため、解体するのには相応の手間がかかりますので、木造建築の解体工事に比べると一般的に高額になるケースが多いです。

鉄骨構造の空き家の解体の際には、かつて話題になった有害物質「アスベスト」にも注意しなければなりません。現在では法律で禁止されているアスベストですが、古い建物には断熱などの目的で用いられていて、主に壁や屋根などに使用されることが多かったようです。

アスベストが使われている場合、そのまま解体してしまうと、アスベストの繊維が粉塵として拡散してしまい、周辺環境を悪化させます。アスベストが用いられている可能性がある場合は、解体工事を行う前に入念な調査が必要となり、移動や撤去、処分などそれぞれの処理に対してお金がかかってしまいます。

アスベストは石綿とも呼ばれる細かい繊維状の物質であり、長年にわたって吸引してしまうと、肺がんや中皮腫の原因となることが知られています。解体工事の際は粉塵が舞いますので、アスベストがある状態で解体工事を行うわけにはいかないのです。

アスベストが用いられているかどうかの判断は、施工業者の契約書などが残っていればそれを参照すればわかる場合もあります。また、わかりやすい基準としては、建物にサイディング外壁、セメント瓦が用いられているかどうかである程度推察することが可能です。

RC造(鉄筋コンクリート造)の解体費用相場

坪数 坪単価
10~19坪 7.9万円
20~29坪 7.2万円
30~39坪 6.8万円
40~49坪 6.5万円
50~59坪 6.3万円

最後に、鉄筋コンクリート構造の建造物を解体する場合の工事費用の目安となります。鉄筋コンクリートは、セメントに骨材と呼ばれる砂や砂利を水と共に混ぜ込みコンクリートにし、セメントよりも圧縮強度を高めます。

そのコンクリートの中に鉄筋と呼ばれる棒状の鉄を基盤として配置することで、より頑丈な建物構造となるのです。

鉄筋コンクリートは、引っ張りに弱いコンクリートと、力がかかることで発生する撓みや座屈などで曲がってしまう鉄筋のそれぞれの弱点を補い合うことで、短期的な劣化を防ぎ、より頑丈に長期に渡って保存できるように工夫された構造となっています。

長期的には劣化しますが、耐久性に優れているとされ、耐震もしっかりしていると言われています。その分解体には非常に手間がかかり、工期を多く取る必要があることや、解体に際して振動や騒音が多く発生してしまうことにより、特に狭い地域の場合は配慮しながらの工事となることから、費用はこの3種類の中では最も高くなってしまうのです。

解体費用は建物の構造で大きく異なる

以上のように、建物の構造がよりしっかりと頑丈なものになればなるほど、解体には手間が大きくなります。そして鉄骨、鉄筋コンクリートの場合は特に、周辺への騒音、粉塵被害への配慮を意識した工法を都度取っていくことが求められますので、非常に気を遣います。

解体工事を頼む際は、こうした構造による解体のしやすさ、し辛さを考慮に入れることが大切です。道が狭小で重機が入れないなどの不都合がないかどうかも、事前にしっかりと確認しておくべきです。

東京都北区で実際に行われた解体工事の費用事例

建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

  • 東京都北区における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。

東京都北区で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと

店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体

設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。

ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。

内装解体とスケルトン工事・原状回復工事・設備解体工事の相関図
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内装解体

内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。

具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。

スケルトン解体工事

スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。

入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。

スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。

原状回復工事

原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。

物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。

例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。

※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。

設備解体工事

設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。

そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。

また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。

まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。

北区の空き家の種類と件数

総務省統計局が実施している住宅・土地統計調査によると、北区の空き家の総数は20,470件です。東京23区の中でのトップは大田区の61,790件で、空き家総数が多い順番に並べると13番目に位置する地域となっています。特別区の中では、半分よりは下となっています。

解体工事の対象となる空き家に関して、政府統計では「空き家の種類」として、「賃貸用」「売却用」「二次的」「その他」の4つの区分に大まかに分けています。

「賃貸用」はその名の通り賃貸を目的とした空き家で借主を探している住宅を指し、「売却用」は売却物件として買い手待ちの住宅を指します。「二次的」は出張用や単身赴任などを目的とした臨時の家、いわゆるセカンドハウスや別荘などを指し、「その他」は上記のどれにも当てはまらない住宅、つまり一時的にも定期的にも利用されることもなく、誰かが居住しようという予定もない物件のことです。

北区における空き家の内訳としては、「賃貸用」が14,480件、「売却用」が840件、「二次的」が860件、「その他」が5,040件となっています。

「その他」は人によって管理されていない住宅も少なくなく、長期不在、あるいは持ち手がいないなどの理由で解体予定の建物は、ほぼ全てがこの種類に含まれます。北区にある「その他の住宅」の数は、が東京23区のうち8番目となり、かなり多い数字です。

こうした「その他」の建物を残しておくと、倒壊の危険性や、失火の危険性、建物周辺の治安悪化など悪影響が大きくなる可能性があります。そのため、できる限り早い対処が望まれます。

上述の政府統計では、空き家について「一戸建」と「長屋建・共同住宅・その他」という区分に大きく分けており、その中から更に「木造」「非木造」の区分けを設けて集計しています。北区の場合、空き家総数に対し一戸建ての住宅では木造は3,340件、非木造は300件、長屋建・共同住宅・その他の住宅の中では木造が4,290件、非木造が12,540件です

更に空き家の中に「腐朽・破損の有無」の分類も設けられていて、空き家総数のうち「腐朽・破損あり」とされたのは3,740件で、「一戸建」よりも「長屋建・共同住宅・その他」が圧倒的に多く、木造1,390件、非木造1,380件の合計2,770件となっています。

北区では「木密地域不燃化10年プロジェクト」を進めています。これは木造建築の密集状況を改善することによって、地震、災害に際する延焼防止、倒壊防止を図る取り組みですが、統計の数字では実際にどういった状況になっているのでしょうか。

これを確認するために、統計より「木造」の住宅を絞り、北区の「木造」住宅の「一戸建」と「長屋建・共同住宅・その他」の合計を見ていくと、その数は7,630件となっていて、東京23区の中では11番目に多い数字となっています。おおよそ真ん中くらいの数値です。

以上の事実を鑑みると、北区は空き家の総数のうちの約3分の1が木造建築であるということになり、まだまだ木造建築の空き家が多く、区が推し進める「木密地域不燃化10年プロジェクト」は未だ過渡期にあり、これからも対応が進められるべき段階にあると言えるでしょう。

まとめ:北区の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を

東京都、特に特別区部では空き家が増えています。空き家をそのまま放置すると倒壊や失火のリスクもあり、環境悪化などの公益的なリスクも高まります。こうした事情もあって、各自治体では空き家対策の為、解体や住み替え、管理移譲に際し補助金を出すなどの対策を進めています。

北区では特に、不燃化特区に指定されている地域の数が多く、木造建築が密集している地域を多く抱えており、まだまだ改善が必要な地域と言えます。

木造のみならず鉄骨構造や鉄筋コンクリート構造であっても、空き家を放置することによるリスクは変わりませんし、長期的にみれば着実に劣化します。

解体工事を行うかどうかは持ち主にとっても非常に悩み所も多いのが現状ではありますが、北区では少しでも負担を減らして公益性を確保しようと、所定の申請、手続きによって助成金が受け取れる制度を設けています。

そうした制度を賢く使いつつ、まずは北区の解体業者に工事の相談してみてはいかがでしょうか。

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