千葉県市川市の解体工事業者一覧と費用相場について解説
市川市の解体工事を巡る状況
市川市は千葉県の北西部に位置し、市全域が東京都心から20km圏内に含まれています。江戸川を挟んで東京都葛飾区・江戸川区と相対した地理的条件の良さから、昭和40年代に入ると人口が急増し住宅都市として発展してきました。急激に都市化が進んだことから市全体の緑地の減少、河川の水質低下などが進み、緑の保全と維持管理が課題にもなっています。
市川市の人口は、県内では千葉市、船橋市に次いで3番目に多く、非政令指定都市・非中核市としては最大の人口を有する都市となっています。
東京特別区への通勤率が約47%と高く、東京のベッドタウンとして発展を続ける市川市は、市域のほとんどが住宅地や公共用地であり、一戸建て住宅、高層マンションなどが立ち並んでいます。若い世代の人口が多いことが特徴ですが、今後は他市と同様に高齢化が進行すると予想されており、解体工事が必要な空き家物件や店舗等も増えていくでしょう。
市川市における人口動向の現状や分析を交えながら、今後の解体工事の需要を探っていきましょう。
市川市の解体工事費の相場(平均坪単価)
市川市では現在も居住環境の整備・改善が行われており、今後もますます住宅が増えていくでしょう。一方で古くからの住宅地も多くあり、こうした地域での解体工事の需要も高まると予想されます。
解体工事の建物を大きく分類すると、「木造」「鉄骨造」「RC造」の3つに分けられます。それぞれの建物の解体方法には特徴がありますが、建物の構造だけでなく、立地環境や付帯物の処理等によっても金額が大きく変わってきます。
では、3つの分類ごとに、構造や解体工事の特徴、確認するポイントなどを紹介します。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.6万円 |
20〜29坪 | 3.3万円 |
30~39坪 | 3.1万円 |
40~49坪 | 3.0万円 |
50~59坪 | 2.9万円 |
市川市の木造建物の解体費用を見てみると、一般的な広さ30〜39坪の建物の坪単価は3.1万円、50~59坪の広めの建物であれば1坪あたり2.9万円です。
市川市の南部は、高度成長期以降に埋め立てや区画整理事業が始まり、高層マンションなどが立ち並ぶ新興住宅街を形成しています。一方で中央部は古くからの住宅地が多く、昭和55年以前に建てられた新耐震基準施行以前の住宅も多く見られます。このあたりは高齢化率も比較的高く、今後は木造住宅の解体工事が増えてくるでしょう。
また、市川市は昭和30年代から40年代にかけて人口が増え急速に都市化が進行したことから、住宅地が過密化している地域も多くあります。幅の狭い道路に接した住宅、または敷地が道路に接していない住宅もあり、こういったエリアで解体工事を行う場合は工事車両を駐車するスペースの確保が難しかったり、大型重機が入れないなどの問題も出てきます。
大型重機の使用が難しい場合は手作業での解体工事を行う場合もあり、そうなると工期が延びて費用がかさんでしまうケースもあります。道幅が狭く大型重機が入れない恐れのある場合は、小型重機を所有する業者に依頼すると費用を抑えられる場合もあるため、業者選びの際にはこういった点も考慮して選ぶと良いでしょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.4万円 |
20〜29坪 | 4.0万円 |
30~39坪 | 3.7万円 |
40~49坪 | 3.6万円 |
50~59坪 | 3.5万円 |
市川市で鉄骨造の建物を解体する場合、1坪あたりの単価は30~39坪の建物で3.7万円、50~59坪の建物で3.5万円です。鉄骨造は木造よりも強固な造りになっているため、当然ながら解体工事にも手間や費用がかかります。
鉄骨造の建物は、倉庫や工場、店舗、オフィスビルなど木造よりも大きな建物が多く、解体工事の際は近隣の建物や安全に留意して、状況に応じ最適な工法で解体する必要があります。また、建物内部の内装仕上材などを手作業で分別、撤去してから重機で解体するなど、木造建物の解体工事と比べて手間もかかります。
更に、古いビル等は耐火被覆材として壁面や鉄骨などにアスベストを使用していることも多く、2030年頃をピークにアスベスト使用の可能性がある建物の解体工事が増加すると予想されています。
市川市では、アスベストを使用している建物を解体する場合、作業を開始する14日前までに、生活環境保全課へ大気汚染防止法の届出が必要です。発注者がアスベストの飛散防止措置について認識していなく、工事施工者が十分な対応を取れないこともあるため、解体工事の打ち合わせをする際は図面等を用意して入念に確認することをおすすめします。
また、解体業者を選ぶ際は、書類の届け出等を含め、アスベスト除去に関する知識や経験が豊富な業者を探すこともポイントとなります。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 7.3万円 |
20〜29坪 | 6.7万円 |
30~39坪 | 6.3万円 |
40~49坪 | 6.0万円 |
50~59坪 | 5.8万円 |
RC造とは鉄筋コンクリート造のことで、鉄筋とコンクリートを組み合わせることでお互いの弱点を補っている、強度の高い造りが特徴の構造体です。
防音・耐火・耐震性などに優れており、マンションなどの大規模な建物によく利用されています。しかし構造が丈夫な分、解体する際も様々な問題が発生するため、細心の注意を払って作業を行わなければなりません。
市川市には約700棟に及ぶ分譲マンションをはじめ、団地、ビルなど多くのRC造の建物があります。こういった規模の大きな建物を解体する際に問題になる点として、騒音・振動などが挙げられます。市川市では、重機等の使用により騒音・振動が発生する作業を「特定建設作業」に定めており、作業を開始する7日前までに市生活環境保全課へ届け出が必要になります。
解体工事において近隣トラブルというのは非常に多く発生しており、発注者・施工業者ともに誠実な対応が求められます。必要提出書類の中には近隣への説明内容(チラシの写し等)なども含まれているため、近隣への対応を含め大規模な解体工事の実績・経験が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
千葉県市川市で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 千葉県市川市における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
千葉県市川市で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
市川市の空き家の種類と件数
ここまでは解体工事費用の相場について解説してきましたが、ここからは解体工事の主な対象となる空き家の種類と件数について分析していきます。
市川市の住宅総数は253,420件で、このうち空き家の数は31,880件です。空き家率は12.6%で、全国平均(13.6%)をやや下回っています。空き家の内訳を見ると、「賃貸用の住宅」が20,120件、「売却用の住宅」が1,360件、「二次的住宅」が240件、「その他の住宅」が10,160件で、賃貸住宅の空き家が全体の約6割を占めています。
市川市は65歳未満の単身世帯が多いベッドタウンとしての側面を持つため、単身者用賃貸住宅の需要が高いことが特徴です。そのため、市川市における共同住宅の居住面積は単身者に適した30㎡以下の住宅が多く、反対に子育て世帯に適した70㎡以上の住宅は少なくなっています。
単身者世帯は定住率が低く、市外への転出も活発な傾向にあります。こうした背景が、市川市における賃貸住宅の空き家が多い要因の1つになっていると言えるでしょう。しかし、裏を返せば転入してくる世帯も多いということなので、賃貸住宅の空き家が多いことはそれほど深刻な問題ではありません。
問題になるのは、何らかの事情により長期にわたり人の住んでいない「その他の住宅」や、老朽化の進んだ空き家です。市川市の空き家のうち、腐朽・破損のある建物は5,820件あり、内訳は「賃貸用の住宅」が4,100件、「売却用の住宅」が200件、「その他の住宅」が1,520件です。
市川市では、2015年に全面施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、市内の「特定空家等」に該当する建物の所有者に対し、指導などを経て勧告を行っています。勧告を受けた場合は固定資産税の住宅用地特例の除外の対象となるため、税金が高くなってしまいます。
「特定空家等」とは倒壊や衛生上有害となる恐れのある状態や景観を損なっている状態の建物のことで、現時点では破損等のない「その他の住宅」に分類される建物も、そのまま放置され続けると「特定空家等」に転じる可能性もあります。
こうした状況を踏まえ、市では手付かずの空き家の増加を防ぐことを目的に、移住・住みかえ支援機構と連携して「マイホーム借上げ制度」の活用を推進しています。この制度は、50歳以上の方が所有する住宅を最長で終身にわたり借り上げ、子育て世代などに転貸する制度です。
所有者はこの制度を利用することにより安定した賃貸収入を得ることができ、自宅を売却することなく老後の資金等に活用することができます。今後、子供の家や施設等に移り住むことを考えているシニア世帯は、こういった制度を活用すると空家化の予防にもつながるでしょう。
まとめ:市川市の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
市川市は若年層や単身世帯が非常に多い市ですが、他市と同様に今後は高齢化率が高まることが予想されています。
一戸建て住宅や古い団地などの空き家も、今後は一層増えてくるでしょう。適切に管理されていない空き家は、周辺住民の防災・防犯面などの不安だけでなく、所有者自身も税金が高くなるなどの負担が増えてしまいます。
高齢者世帯の住宅が空き家になってしまわないよう、今後の自宅の管理・処分等について家族と話し合ったり、エンディングノート、遺言書を作成しておくのも有効な手立てと言えます。空き家になってしまい適切な管理ができない場合は、早急に信頼できる解体業者に依頼して空き家の解体を進めましょう。