住宅ローンの一括返済や繰り上げ返済に必要な手数料はいくら?手続きや注意点
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住宅ローン利用中の、まとまった資金を一括して返済する一括返済を利用すると手数料が発生する場合があります。こうした一括返済にかかる手数料はいくらくらいなのでしょうか?
住宅ローンの一括返済について
住宅ローンの一括返済とは、残っている住宅ローンの元金を一度に返済することです。一括返済をすると、返済期間を短縮できるだけでなく、支払う利息も減らせるため、返済総額を節約できるメリットがあります。
一括返済は、住宅ローンの契約時に設定した返済方法や金利タイプに関係なく、いつでも行うことができます。ただし、一括返済は、例えば残額2,000万円の住宅ローンを2,000万円全て返済するというもので、一括返済した後は毎月の住宅ローン返済をする必要はなくなります。金融機関によっては、借入から数年間以内に一括返済すると別途手数料が発生する場合もあるので注意が必要です。
住宅ローンの一括返済を行うメリット
住宅ローンの一括返済を行うメリットは、以下のとおりです。
返済期間を短縮できる
一括返済をすると、残っている住宅ローンの元金を一気に減らすことができます。その結果、返済期間を短縮できるため、将来の不安やリスクを減らすことができます。例えば、定年退職や収入減少などのライフイベントに備えることができます。
返済額を軽減できる
一括返済をすると、支払う利息も減らせるため、返済額を軽減できます。住宅ローンの利息は、残高に応じて計算されるため、残高が減れば利息も減ります。その分、毎月の返済額が下がるため、家計の負担を減らすことができます。
返済総額を節約できる
一括返済をすると、返済期間と返済額を減らせるため、返済総額を節約できます。住宅ローンは、長期間にわたって返済するため、利息の積み上げが大きくなります。一括返済をすることで、利息の支払いを抑えることができるため、返済総額を大幅に減らすことができます。
住宅ローンの一括返済を行うデメリット
住宅ローンの一括返済を行うデメリットは、以下のとおりです。
手元の資金が減る
一括返済をすると、手元の資金が減るため、急な出費や投資などに対応できなくなる可能性があります。また、一括返済によって資産が減ることで、税金や相続などの影響も受けやすくなります。一括返済をする場合は、十分な資金計画を立てることが重要です。
住宅ローン控除の効果が減る
一括返済をすると、住宅ローン控除の効果が減る可能性があります。住宅ローン控除とは、住宅ローンの利息の一部を所得税や住民税から控除できる制度です。一括返済をすると、利息が減るため、控除できる金額も減ります。その分、税金の負担が増えることになります。
手数料がかかる
一括返済をすると、手数料がかかる場合があります。手数料は、金融機関や契約内容によって異なりますが、一般的には、残高の1%程度が目安とされています。手数料は、一括返済のメリットと比較して、割に合うかどうかを検討する必要があります。
三井住友銀行の一括返済手数料
一括返済も、一部繰上返済と同様手数料がかかり、また一般的に一部繰上返済より一括返済の方が多くの手数料がかかります。
例えば三井住友銀行で一括返済をすると、書面の場合で21,600円、専用パソコンを利用する場合で10,800円、インターネットバンキングを利用する場合で5,400円となります。
一括返済することで返金されるもの
一括返済することで、住宅ローン借入時に前払いしていたものがある場合には返金されることがあります。
例えば、住宅ローン利用時に保証会社を利用している場合で、保証料を前払いしていた場合、返済期間が短くなった分返金を受けることができます。
ただし、その額は支払った額よりかなり少なく還ってくるのが普通なのであまり期待しないようにしましょう。
一括返済後は抵当権抹消手続きが必要
住宅ローン借入時には、その対象となる不動産に抵当権を設定しますが、住宅ローンを完済しただけでは抵当権は無くなりません。住宅ローン一括返済後、一括返済手続きとは別に抵当権抹消手続きを行いその費用を支払う必要があります。
一括返済を検討するタイミング
一括返済を検討するタイミングは、個人の家計状況や目的によって異なりますが、以下のような場合には、一括返済を検討する価値があります。
資金に余裕がある
資金に余裕がある場合は、一括返済を検討することができます。例えば、ボーナスや退職金、相続などで大きな収入が入った場合や、資産運用で利益が出た場合などです。ただし、資金に余裕があるからといって、無理に一括返済をする必要はありません。将来の資金計画や投資の機会などを考慮して、最適な返済方法を選ぶことが大切です。
返済総額を減らしたい
返済総額を減らしたい場合は、一括返済を検討することができます。例えば、金利が高い住宅ローンを借りている場合や、返済期間が長い場合などです。一括返済をすることで、利息の支払いを抑えることができるため、返済総額を節約できます。ただし、一括返済にかかる手数料や税金の影響なども考慮する必要があります。
返済期間を短縮したい
一括返済をすると、残っている返済期間をゼロにできます。返済期間が短くなると、将来のライフプランに余裕ができたり、老後の資金準備に充てたりすることができます。
一括返済の手続き方法と費用
一括返済の手続き方法と費用は、金融機関や契約内容によって異なりますが、一般的には、以下のような流れになります。
一括返済の申し込み
一括返済をする場合は、事前に金融機関に申し込む必要があります。申し込み方法は、電話やインターネット、窓口などがありますが、金融機関によっては、一定の期限や条件が設定されている場合がありますので、注意が必要です。申し込み時には、一括返済の日付や金額、手数料などを確認しておきましょう。
一括返済の実行
一括返済の日付になったら、指定された口座から一括返済の金額を引き落とします。一括返済の金額は、残っている住宅ローンの元金に加えて、手数料や利息などが含まれます。一括返済の金額は、金融機関によっては、事前に通知される場合や、当日に確定する場合がありますので、事前に確認しておく必要があります。
一括返済の完了
一括返済が完了したら、金融機関から一括返済の証明書や領収書などが送られてきます。一括返済の証明書や領収書は、住宅ローン控除の申請や税務上の証明などに必要になる場合がありますので、大切に保管しておきましょう。
一括返済の手続きにかかる費用は、主に以下のものがあります。
手数料
一括返済をすると、手数料がかかる場合があります。手数料は、金融機関や契約内容によって異なりますが、一般的には、残高の1%程度が目安とされています。手数料は、一括返済の金額に含まれる場合や、別途支払う場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
利息
一括返済をすると、利息がかかる場合があります。利息は、一括返済の日付までの残っている住宅ローンの利息に相当します。利息は、一括返済の金額に含まれる場合や、別途支払う場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
税金
一括返済をすると、税金がかかる場合があります。税金は、住宅ローン控除の効果が減ることによって、所得税や住民税が増える場合に発生します。税金は、一括返済の年度の確定申告で計算されますので、注意が必要です。
住宅ローンを一括返済する際の注意点
住宅ローンを一括返済する際の注意点は、以下のとおりです。
資金計画を立てる
一括返済をすると、手元の資金が減るため、資金計画を立てることが重要です。一括返済に使う資金は、将来のライフイベントや投資の機会などに影響しない範囲で決めることが大切です。また、一括返済後の家計の収支や資産のバランスも考慮する必要があります。
金融機関との連絡を密にする
一括返済をする場合は、金融機関との連絡を密にすることが重要です。一括返済の申し込みや実行、完了などの手続きには、金融機関の指示に従う必要があります。また、一括返済に関する金額や手数料、利息などの情報も、金融機関から正確に確認する必要があります。
税務上の対応をする
一括返済をすると、税務上の対応をする必要があります。一括返済によって、住宅ローン控除の効果が減ることによって、所得税や住民税が増える場合があります。その場合は、一括返済の年度の確定申告で、住宅ローン控除の金額や一括返済の証明書などを添付する必要があります。
住宅ローンの一括返済後の手続きまとめ
一括返済が完了したら、以下のような手続きを行う必要があります。
抵当権の抹消
住宅ローンを借りる際に、金融機関に対して抵当権を設定することが一般的です。抵当権とは、金融機関が住宅ローンの返済を保証するために、借り手の不動産に対して設定する権利のことです。一括返済が完了したら、抵当権を抹消する必要があります。抵当権の抹消は、法務局で行う手続きです。抵当権の抹消には、金融機関からの抵当権抹消同意書や登記簿謄本などの書類が必要です。また、抵当権の抹消には、登録免許税や登記手数料などの費用がかかります。
火災保険の見直し
住宅ローンを借りる際に、金融機関から火災保険に加入することを求められることがあります。火災保険とは、不動産や家財などに火災や自然災害などの被害が発生した場合に、補償を受けることができる保険のことです。一括返済が完了したら、火災保険の見直しをする必要があります。火災保険の見直しは、保険会社に連絡して、保険料の変更や解約などの手続きを行うことです。また、火災保険の見直しには、保険料の返還や違約金などの費用がかかる場合がありますので、注意が必要です。
固定資産税の見直し
住宅ローンを借りる際に、固定資産税の減免を受けることができる場合があります。固定資産税とは、不動産や建物などの固定資産を所有する者に課される税金のことです。固定資産税の減免とは、住宅ローンの利息の一部を固定資産税から控除できる制度のことです。一括返済が完了したら、固定資産税の見直しをする必要があります。固定資産税の見直しは、市町村に連絡して、減免の取消や税額の変更などの手続きを行うことです。また、固定資産税の見直しには、追徴税や還付金などの費用がかかる場合がありますので、注意が必要です。
住宅ローンの繰上返済について
不動産購入時に住宅ローンを利用して購入していた場合、毎月の返済額を返していく以外に、まとまった資金ができた時に一部返済する一部繰上返済や、残額を一括で返済する一括返済を利用することができます。
一部繰上返済には2つのやり方がある
一部繰上返済後は住宅ローンを返済する残り期間を減らす期間短縮型か、毎月の返済額を減らす返済額軽減型かを選ぶことができます。一方、一括返済は残額を一括で返済するため、その後の毎月の住宅ローン返済の必要はなくなります。
一部繰上返済、一括返済ともに手数料がかかりますが、返済する金額によって手数料が異なったり、インターネットを利用することで手数料が安くなったりとご利用の金融機関によってさまざまです。
住宅ローンの一部繰上返済について
一部繰上返済は、例えば残額2,000万円の住宅ローンがある時にその内300万円をまとめて返済するといったものです。先にお伝えしたように、繰上返済後は期間を短縮する返済期間短縮型か、返済額を軽減する返済額軽減型かのどちらかを選ぶことができます。
返済額軽減型 | 例えば毎月6万円の返済額だったものを5万円とするなど、毎月の返済が少しきついといった時に利用するのが主です。 |
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期間短縮型 | 例えば残り20年の返済期間を17年にするといった使い方で、毎月の返済は特にきつくないが、できるだけ早くローンを返したいという場合に利用します。 |
返済額軽減型より、期間短縮型の方が全体の利息負担分は軽くなります。
三井住友銀行の一部繰上返済手数料
一部繰上返済には手数料がかかります。
例えば、三井住友銀行では書面で行う場合と専用パソコンを利用する場合、インターネットバンキングを利用する場合で費用が異なりますが、書面で行う場合には16,200円の手数料が、専用パソコンで行う場合には5,400円の手数料がかかりますがインターネットバンキングを利用する場合には無料で利用することができます。
ただし、時期や支店によって手数料が異なることもあるため事前に確認するようにしましょう。
住宅ローン控除と一部繰上返済
一定の要件を満たした住宅ローンを組むと、毎年末住宅ローン残高の1%、10年間所得税と住民税から控除を受けられる住宅ローン控除を利用できますが、この住宅ローン控除の要件には、返済期間が10年以上というものがあります。
一部繰上返済によって期間短縮型を利用し、すでに返済した月数と併せて総返済期間が10年を切ってしまうとそれ以降住宅ローン控除を利用することができなくなってしまうため注意が必要です。
また、現在は住宅ローン金利が1%を切るものも多く、住宅ローン控除で払うより多くの還付を受けられているケースも多いため、住宅ローン控除のある最初の10年間は繰上返済を利用しない方がお得に利用できる場合も多くなっています。
金融機関別繰上返済に必要な手数料
ここでは、金融機関ごとに繰上返済に必要な手数料をお伝えします。
3大メガバンク(三井住友銀行は紹介済)
みずほ銀行
みずほ銀行では、インターネットバンキングを利用した場合全ての繰上返済手数料が無料となります。
一方、電話で手続きを行う場合は返済元金100万円未満で10,800円、1,000万円未満で32,400円、1,000万円以上で54,000円支払う必要があります。
三菱東京UFJ銀行
三菱東京UFJ銀行では、一部繰上返済はインターネットを利用する場合無料、電話とテレビ窓口を利用する場合で5,400円、窓口で手続きをする場合で16,200円の手数料が必要です。
また、一括返済ではインターネット利用で10,800円、テレビ窓口で10,800円、窓口で21,600円となります。
その他銀行
スルガ銀行
静岡の地方銀行、スルガ銀行は全国で住宅ローンを利用することができます。
スルガ銀行では、契約から5年以内に繰上返済をする時は、返済元金の2%を手数料として支払う必要があります。
5年経過後に繰上返済をする場合、一部繰上返済で6,480円、一括返済で10,800円の手数料となります。
フラット35の一部繰上返済
住宅金融支援機構の住宅ローンフラット35では、一部繰上返済を窓口で行う場合には100万円以上返済することが条件となり、手数料は期間短縮型で3,150円、それ以外で5,250円かかりますが、インターネットを利用することで10万円から繰上返済することができ、また手数料を支払う必要がなくなります。
さらに、全額返済については手数料不要です。
なお、フラット35で団体信用生命保険を利用していた場合、繰上返済することで先払いしていた分の返戻を受けることができます。
まとめ|繰上返済・一括返済には手数料の支払いがある
住宅ローンの一部繰上返済や一括返済には手数料がかかります。
インターネットを利用した場合と窓口を利用した場合で返済額が異なる場合がほとんどですので事前に確認しておくと良いでしょう。