マンション売却の流れを完全解説 準備から確定申告まで全9ステップ

不動産業者との打ち合わせ

マンション売却の流れ|全体像と標準的なスケジュール

マンション売却を決意したとき、最初に感じるのは「どこから手をつければいいのか」という戸惑いではないでしょうか。仕事や子育ての合間に進めなければならないのに、書類も手続きも多そうで気が重い——そういった気持ちはよく理解できます。

でも、大丈夫です。マンション売却には、決まった流れがあります。

全体の流れさえ把握しておけば、途中で迷子になることはありません。まずはざっくりとしたスケジュールを確認しておきましょう。

標準的なスケジュール|売却完了まで何ヶ月かかる?

マンション売却は、一般的に3〜6か月かかります。物件の立地や市場の状況によっては、それ以上かかることも珍しくありません。「来月には売れるだろう」と楽観視していると、後になって慌てることになります。余裕を持ったスケジュールを最初から意識しておくことが大切です。

フェーズ 主な作業内容 期間の目安
① 準備・相場調査 目的の整理、相場確認、ローン残債の確認 1〜2週間
② 査定・会社選び 複数社への査定依頼、不動産会社の比較・選定 1〜2週間
③ 媒介契約・販売開始 契約締結、売り出し価格の決定、広告掲載 〜1週間
④ 販売活動・内覧 内覧対応、購入希望者との交渉 1〜3か月(物件による)
⑤ 売買契約 契約締結、手付金受領 〜1週間
⑥ 決済・引き渡し 残代金決済、所有権移転登記、鍵の引き渡し 1〜2か月
⑦ 確定申告 譲渡所得の計算・申告(翌年2〜3月) 引き渡し翌年

売却の流れを左右する3つの重要な判断ポイント

全体の手順は共通していても、途中でどんな判断をするかによって、結果は大きく変わります。次の3点を特に意識しておきましょう。

  • どの不動産会社に任せるか:担当者の誠実さと販売力が、成約スピードと売却価格に直結します。相性も大切な要素です。
  • いくらで売り出すか:高すぎると問い合わせが来なくなり、安すぎれば後悔することになります。相場に基づいた適正価格の設定が鍵です。
  • いつまでに売る必要があるか:期限が明確なほど、戦略を立てやすくなります。転勤・住み替え・相続など、タイムリミットから逆算して動きましょう。

マンション売却の流れ【STEP1〜9】詳細解説

ここからは、実際に売却を進める9つのステップを一つずつ丁寧に解説していきます。「今自分はどのフェーズにいるのか」を確認しながら読んでみてください。

STEP.1 売却の目的・希望条件を整理する

なぜ売るのか、いつまでに売りたいのかを明確にする。ここが曖昧なままだと、後の判断がすべてブレます。

STEP.2 近隣の売却相場を自分で調べる

不動産ポータルサイトや国土交通省のデータベースで事前に相場をつかんでおく。査定を正確に評価するために必要な準備です。

STEP.3 不動産会社に査定を依頼する

必ず複数社(最低3社)に依頼する。価格だけでなく、根拠の説明ができるかどうかを重視しましょう。

STEP.4 不動産会社を選んで媒介契約を結ぶ

専任・専属専任・一般の3種類の契約形態から、自分の状況に合ったものを選ぶ。

STEP.5 売り出し価格を決めて販売活動を開始する

相場と査定額をもとに価格を設定し、ポータルサイトへの掲載・チラシ配布などが始まります。

STEP.6 内覧対応と購入希望者との条件交渉

内覧は成約への最大のチャンス。準備次第で印象が大きく変わります。交渉は不動産会社に任せつつ、最低ラインを事前に設定しておきましょう。

STEP.7 売買契約を締結する

不動産会社立会いのもとで契約書に署名・押印し、手付金を受け取ります。重要事項説明書の内容をしっかり確認しましょう。

STEP.8 残代金の決済と所有権移転登記を行う

引き渡し日に買主から残代金が支払われ、司法書士が登記手続きを行います。ローン残債がある場合は、同日に抵当権抹消登記も必要です。

STEP.9 鍵を引き渡して売却完了

鍵・管理規約・設備説明書などを買主に引き渡して完了。ただし翌年の確定申告まで手続きは続きます。

9つのステップを並べると多く見えますが、一つひとつは難しくありません。ここからは、特に迷いやすいステップを詳しく解説します。

STEP1:売却の目的と希望条件を整理する

「なんとなく売りたい」という気持ちのまま動き始めると、価格交渉の場面や会社選びの場面で必ず迷います。最初に時間をかけて、自分の状況と優先事項を整理しておきましょう。転勤・離婚・住み替え・相続など、売却の動機によって戦略はまったく変わります。

確認しておくべき4つのポイント

  • 希望する売却時期(〇月までに売りたい、など具体的に)
  • 売却価格の最低ライン(これ以下では売らないという下限額)
  • 住宅ローンの残債額と繰上返済の条件
  • 売却後の住まいの見通し(買い替え・賃貸移行・親族宅など)

STEP2:相場を自分で調べる

査定を受ける前に、自分で相場を調べておくことを強くおすすめします。理由は単純で、相場を知っていれば査定額が適切かどうか判断できるからです。何も知らない状態で「3,000万円です」と言われても、それが高いのか低いのか判断できません。

相場調査に使える主なツール

ツール名 わかること 特徴
SUUMO・HOME’S・アットホーム 現在の売り出し価格 今市場に出ている物件の価格帯を確認できる
不動産取引価格情報検索(国土交通省) 実際の成約価格 過去に実際に売れた価格がわかる。無料で利用可能
レインズ・マーケット・インフォメーション 成約事例の詳細データ 不動産業者が使う指標に近いデータを閲覧できる

売り出し価格と成約価格には差があることも多いため、両方を確認するのがベストです。「同じ築年数・同じエリア・同じ広さ」の条件で比較すると、より正確な相場感がつかめます。

STEP3:不動産会社に査定を依頼する

査定は、必ず複数社に依頼してください。これは絶対です。

1社だけに頼んでしまうと、その会社の査定額が適正かどうか判断する基準がありません。最低でも3社、できれば5社程度に依頼して比較することをおすすめします。査定には「机上査定(オンライン)」と「訪問査定」の2種類があります。

種類 方法 精度 使いどころ
机上査定 取引データをもとにオンラインや電話で算出 やや低め まず複数社を比較したいとき
訪問査定 担当者が現地を訪問し、室内・設備・眺望も確認 高め 本格的に売却を進める段階

⚠ 査定額が高い会社に飛びつかないで
突出して高い査定額を提示する会社には注意が必要です。「まず契約を取りたいから高く出している」というケースがあり、契約後に値下げを求められることも少なくありません。査定額と同時に、「なぜその価格なのか」という根拠の説明を必ず求めましょう。

STEP4:不動産会社を選んで媒介契約を結ぶ

査定結果をもとに不動産会社を選んだら、媒介契約を締結します。媒介契約には3種類あり、それぞれ義務や制約が異なります。自分の状況に合った契約を選ぶことが大切です。

3種類の媒介契約の違い

契約の種類 複数社への依頼 自己発見取引 こんな方に向いている
専属専任媒介 不可(1社のみ) 不可 1社に完全に任せたい方
専任媒介 不可(1社のみ) 可能 知人への売却も視野に入れたい方
一般媒介 可(複数社) 可能 人気エリアで広く集客したい方

迷ったときは、まず専任媒介から始めるのが無難です。3か月の契約期間で成果が出なければ、会社を変えることも可能です。

信頼できる不動産会社を見極める4つのチェックポイント

  1. そのエリア・物件種別(マンション)での売却実績が豊富か
  2. 査定額の根拠を具体的なデータで説明してくれるか
  3. 担当者の連絡・報告が迅速で、説明がわかりやすいか
  4. 仲介手数料の内訳と金額を最初から明示してくれるか

STEP5:売り出し価格を決めて販売活動を開始する

媒介契約を結んだら、いよいよ売り出し価格を決めます。これが売却の成否を分ける最重要ポイントのひとつです。相場より大幅に高いと問い合わせが来なくなり、安すぎれば損するだけ。絶妙なバランスが求められます。

💡 売り出し価格の設定のコツ
最終的に合意したい価格より5〜10%高めから売り出すのが定石です。値引き交渉の余地を持たせながら、相場の範囲に収めることが大切です。「値下げしながら売る」という流れは、実は買い手に「値下がりを待てばもっと安くなる」という心理を生むため注意が必要です。

STEP6:内覧対応と条件交渉

内覧希望の連絡が来たら、それが成約への最大のチャンスです。第一印象で購入意欲が決まることも多く、内覧前の準備を手抜きすると機会を無駄にします。

内覧前に必ずやっておくべきこと

  1. 水回り(キッチン・バス・トイレ)を徹底的に清掃する
  2. 不要な荷物や家具を整理して部屋を広く見せる
  3. 換気をして嫌な臭いをゼロにする(タバコ・ペット臭に特に注意)
  4. 照明をすべて点けて、部屋全体を明るく演出する
  5. 玄関まわりの清潔感を整える(第一印象は玄関で決まる)

内覧当日は、売主が同席しすぎると買主がゆっくり見学できません。可能であれば外出するか、別室で待機するのが理想的です。同席する場合も、物件の欠点を隠さず、長所を押しつけがましくなく伝えることが重要です。価格交渉に関わる話題は、すべて不動産会社に任せましょう。

STEP7:売買契約を締結する

条件が整ったら、不動産会社立会いのもとで売買契約書に署名・押印します。このとき、買主から手付金(売買価格の5〜10%程度)を受け取ります。

契約時に必ず確認すべき重要事項

  • 物件の表示(所在地・面積・築年数)に誤りがないか
  • 引き渡し日と残代金の支払い期日
  • 設備の引き渡し条件(エアコン・照明器具などをどうするか)
  • 契約不適合責任の範囲(後から問題が見つかった場合の取り決め)
  • ローン特約の内容(買主のローン審査が通らなかった場合の対応)

手付金の役割について
手付金は契約成立の証拠であり、キャンセル時のペナルティでもあります。買主が解除する場合は手付金を放棄、売主側が解除する場合は受け取った手付金の倍額を返す(手付倍返し)のが原則です。双方にとって、軽率なキャンセルを防ぐための仕組みです。

STEP8:残代金の決済と所有権移転登記

引き渡し日に、買主から残代金が振り込まれます。同日、司法書士が所有権移転登記の手続きを行い、法的にマンションが買主のものになります。住宅ローンが残っている場合は、この日に抵当権の抹消登記も同時に行います。

⚠ 抵当権抹消の準備は早めに着手を
ローン残債がある場合、金融機関から抹消に必要な書類を取り寄せるのに時間がかかります。決済日が決まったらすぐに金融機関へ連絡し、書類の準備を進めましょう。直前になってから動くと、間に合わないケースもあります。

STEP9:鍵の引き渡しで売却完了

残代金の決済と同じ日に、鍵・設備の説明書・管理規約などを買主に手渡します。引っ越しはこの日までに完了させておく必要があります。長いプロセスがここでようやく完結します。

引き渡し当日の確認リスト

  • 引き渡し確認書(設備の状態・付属品)に双方が署名する
  • 管理組合への所有者変更の届け出を行う(代行してもらえる場合も)
  • 電気・ガス・水道・インターネットの解約手続き
  • 郵便物の転送届を最寄りの郵便局に提出する
  • 各種サービス(銀行・保険など)の住所変更

「やっと終わった」と一息つきたいところですが、翌年に確定申告という重要な手続きが待っています。気を抜かずに準備を続けましょう。

売却前に必ず確認しておくべきこと

査定を依頼する前に、自分でできる準備があります。これらを事前に済ませておくだけで、不動産会社との話し合いが格段にスムーズになります。特に「ローン残債」については、把握していない方が意外に多いので要注意です。

住宅ローン残債の確認|オーバーローンになる場合は?

「売却価格 < ローン残債」という状態をオーバーローンと呼びます。この場合、売却代金だけではローンを完済できないため、自己資金で差額を補う必要があります。知らずに売却を進めて後から発覚すると、取引が止まるリスクがあります。

状態 内容 対処法
アンダーローン(売却価格 > 残債) 売却代金でローンを完済でき、手元に残金が出る 通常の売却手続きで対応可能
オーバーローン(売却価格 < 残債) 売却代金だけでは完済できず、差額が生じる 自己資金で補填、または任意売却を検討

残債の確認は、金融機関から送られてくる「残高証明書」または「返済予定表」で確認できます。不明な場合は、金融機関に問い合わせれば教えてもらえます。

売り出しタイミングの見極め方

不動産市場には、需要が高まる時期と落ち着く時期があります。一般的に、2〜3月(春の引越しシーズン前)9〜10月(秋)は買い手が増えます。一方、8月と12〜1月は動きが鈍くなる傾向があります。

ただし、タイミングだけにこだわりすぎるのは禁物です。売り出し価格の設定・担当者の販売力・物件の希少性のほうが、成約可否に与える影響は大きいことが多いです。

売却にかかる費用を事前にシミュレーションする

「売却価格がそのまま手元に入る」と思っている方は要注意。マンション売却にはさまざまなコストが発生します。事前に手取り額をシミュレーションしておかないと、住み替えや相続で資金計画が狂うことになります。

主な売却費用の一覧

費用の種類 目安 備考
仲介手数料 売却価格×3%+6万円(+消費税) 法律で上限が定められている
登記費用(抵当権抹消) 1〜3万円程度 司法書士への報酬を含む
印紙税 1,000〜6万円(契約金額による) 売買契約書に貼付
譲渡所得税・住民税 利益の15〜39%(保有年数による) 3,000万円特別控除で多くが非課税に
引っ越し費用 5〜20万円程度 季節・荷物量・距離によって変動

瑕疵(かし)は隠さず開示することが重要

雨漏り・シロアリ・設備の不具合・近隣トラブルなどの問題点は、隠さず正直に開示してください。隠して売ってしまうと、引き渡し後に「契約不適合責任」として損害賠償請求や契約解除を求められるリスクがあります。後から発覚したときのトラブルは、精神的にも金銭的にも非常に大きな負担です。正直に伝えることが、結果的に自分を守ることになります。

マンション売却後の流れ|確定申告と税金の手続き

鍵を渡したらおしまい、ではありません。マンション売却後には、税務上の手続きが待っています。特に確定申告は、期限を過ぎると延滞税や加算税が発生するので要注意です。「関係ないかも」と思っている方も、一度確認しておきましょう。

確定申告が必要なケースとは

マンション売却によって利益(譲渡所得)が発生した場合、翌年の2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。給与所得者で会社が年末調整をしている場合も、不動産売却の利益は別途申告しなければなりません。

一方、売却で損失が出た場合でも申告することで、給与所得などとの損益通算や翌年への繰越控除が利用できることがあります。「損したから申告しなくていい」は誤りです。むしろ損をした年こそ、確定申告でメリットを受けられる可能性があります。

確定申告の流れ

  1. 売買契約書・登記事項証明書・仲介手数料の領収書などの書類を揃える
  2. 譲渡所得の計算を行う(取得費+譲渡費用を売却価格から差し引く)
  3. 特別控除や軽減税率の特例が使えるかどうかを確認する
  4. 国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作成・提出する

3,000万円特別控除の仕組みと適用条件

自分が住んでいたマンションを売却した場合、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。多くの方がこの特例を活用することで、税金がゼロになります。知らないまま申告すると、本来払わなくていい税金を払うことになりかねません。

3,000万円特別控除の主な適用条件

  • 売却したマンションが、売主の居住用(または以前の居住用)であること
  • 売却した年の前年・前々年にこの特例を受けていないこと
  • 親族・生計を一にする者への売却でないこと
  • 売却した翌年の3月15日までに確定申告を完了していること

⚠ 「住まなくなってから3年以内」に売ること
転居後にしばらく空き家にしていたマンションを売る場合、住まなくなった日から3年が経過する年の12月31日までに売却しないと、この特例が使えなくなります。時間的な余裕があると思っている方も、早めに動くことをおすすめします。

譲渡損失が出たときの損益通算・繰越控除

売却して損失が出た場合、一定の条件を満たせばその損失を給与所得などと合算(損益通算)して税負担を軽減できます。さらに、その年だけで使い切れなかった損失は翌年以降3年間にわたって繰り越す(繰越控除)ことも可能です。これも確定申告が必要な手続きなので、税理士への相談も視野に入れておきましょう。

失敗事例から学ぶ3つの教訓

「知っていれば防げた失敗」は、思いのほか多いです。3つの実例を通じて、自分の状況と重ねながら確認してみてください。

失敗事例① | 売り出し時期を誤り、売れ残ってしまったAさん

転勤の辞令が3月に届き、4月の赴任に向けて急いで売却を始めたAさん。しかし売り出したのは、不動産市場が落ち着いている時期と重なってしまいました。内覧も申し込みもほとんど入らない日々が続き、結果的に引き渡し期日までに売却できず、新居と旧居のダブルローンが発生してしまいました。

▶ 原因

市場の動向を確認せずに売り出したこと。春の引越し需要が落ち着いた後の時期に重なり、買い手が少ない環境での販売になりました。期限が迫っていたため、価格交渉の余地もありませんでした。

▶ 対策

転勤の通知が来る前から、「いざとなったら売る」という前提で市場動向を把握しておくことが有効です。転勤などの期限がある場合は、6〜8か月前から不動産会社に相談し、逆算した販売戦略を立ててもらいましょう。

失敗事例② | 売却費用・税金の試算が甘く資金不足になったBさん

ファミリー向けの一戸建てへの住み替えを計画していたBさん。マンションが2,500万円で売れたので余裕だと思っていたところ、仲介手数料・登記費用・印紙税・引っ越し費用などを合計すると想定よりも大幅に手取りが少なかったことが判明。新居の購入資金が足りず、予定していた物件を泣く泣く断念することになりました。

▶ 原因

「売却価格=手元に入るお金」という思い込みが原因です。仲介手数料(約3%+6万円)・各種登記費用・印紙税・引っ越し費用など、実際には売却価格のおおよそ5〜15%がコストとして差し引かれます。

▶ 対策

売却活動を始める前に「手取り額のシミュレーション」を不動産会社に依頼しましょう。諸費用を差し引いた実際の手取り額を把握したうえで、住み替えの資金計画を立てることが不可欠です。

失敗事例③ | スケジュールを楽観視して海外手続きに苦労したCさん

海外移住を決めたCさんは「2か月もあれば売れるだろう」と楽観視して売却を開始。しかし実際には内覧がなかなか入らず、購入申込みが来るまで4か月かかりました。海外に移住してからも書類のやり取りが発生し、時差を越えての手続き対応に大きく苦労することになりました。

▶ 原因

マンション売却の標準的な期間(3〜6か月)を把握していなかったこと。物件が特殊な条件(郊外・高層・築古など)だったため、買い手が限定されて販売期間が長引きました。

▶ 対策

引っ越しや海外移住などの期限が決まっている場合は、その6〜8か月前から動き始めましょう。不動産会社にも期限を明示し、それに合った戦略を立ててもらうことが重要です。

マンション売却の流れ|よくある疑問まとめ

実際に売却を進めていると、事前の説明ではカバーしきれない「想定外の疑問」が出てくることがあります。よくある疑問と答えを整理しておきます。

Q. 査定額と売り出し価格は必ず一致しないといけないの?

一致させる必要はありません。査定額はあくまで「この価格帯なら売れる可能性が高い」という不動産会社の見込みです。売主が「もう少し高く売り出したい」と判断して査定額より高く設定することも、逆に早く売りたくて低く設定することも可能です。ただし、査定額から大きく外れた価格設定は、成約が遅れる原因になることを覚えておきましょう。

Q. 媒介契約後に不動産会社を変えられる?

変えることは可能です。ただし、専任媒介・専属専任媒介の場合は契約期間(最長3か月)の終了後が原則となります。期間中に解約する場合、既に発生した広告費用などを請求されるケースもあるため、契約書を事前に確認しておきましょう。「担当者の動きが見えない」「レインズへの登録が遅い」「報告が少ない」といった場合は、会社を変えることも選択肢のひとつです。

Q. 買主のローン審査が通らなかった場合はどうなる?

売買契約にはほぼ必ず「ローン特約」が付いています。買主が住宅ローン審査に通らなかった場合、手付金を返還したうえで契約を白紙解除できる条項です。売主としては「それまでの時間が無駄になる」というリスクがありますが、買主を責めることはできません。申込みの段階で仮審査の結果を確認してもらうよう、不動産会社に相談しておくと安心です。

Q. 売買契約後に売主側からキャンセルできる?

できますが、コストが伴います。売主側からキャンセルする場合は、受け取った手付金の倍額を買主に返還する「手付倍返し」が原則です。契約後のキャンセルは双方にとって損失が大きいため、サインする前にすべての条件を十分に確認することが大切です。

Q. マンション売却の流れで、一番時間がかかる工程は?

圧倒的に「販売活動・内覧」の期間です。

買い手が現れるまでの時間は、物件の条件や市場状況によってまったく異なります。人気エリアの優良物件なら数日で申し込みが入ることもあれば、郊外の特殊な間取りでは半年以上かかることも珍しくありません。この期間を短縮するには、適切な価格設定と内覧準備、担当者の販売活動の質がカギを握ります。

まとめ|マンション売却の流れをスムーズに進めるために

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。マンション売却の全体像は、少しつかめてきたでしょうか。最後に、この記事のポイントを整理しておきます。

  • 売却完了まで標準で3〜6か月かかる。期限があるなら早めに動き始める
  • 査定は必ず複数社(最低3社)に依頼し、価格だけでなく根拠と担当者の質を見る
  • 売り出し価格は最終合意したい額より5〜10%高めから設定するのが定石
  • 内覧は成約への最大のチャンス。清掃・整理・照明などの準備を徹底する
  • 売却後の確定申告を忘れずに。3,000万円特別控除などの特例を必ず確認する
  • 仲介手数料・税金などを差し引いた手取り額を事前にシミュレーションする
  • ローン残債の状態(アンダー/オーバー)を最初に把握しておく
  • 瑕疵は隠さず開示する。後からのトラブルを防ぐことが最終的に自分を守る

マンション売却は、多くの方にとって人生で何度もある経験ではありません。わからないことがあって当然ですし、不安を感じるのも自然なことです。大切なのは、「全部ひとりで解決しよう」と抱え込まないこと。信頼できる不動産会社を見つけ、必要に応じて税理士や司法書士などの専門家も活用しながら、一つずつ確実に進めていけば大丈夫です。

まずは相場を知るところから始めてみませんか。売却するかどうかまだ決まっていなくても、価格を知るだけで判断が格段にしやすくなります。

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